森田高の発言 (厚生労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○森田高君 自分、十五年間で十一か所勤務先変わっているんですけれども、当時は民間病院の泌尿器科の医長で、まあ人間ドックのセンター長もしていたんですけれども。もう今更、釈迦に説法なんですが、スリーポイント連続の診療報酬の改定、特にマイナス三・一六というのは、まず報酬上非常にインパクトが大きかったと思うんです。で、七対一、十対一の看護基準の改定も入った。これも一つ一つのことを考えるとそんな悪い話じゃないんですが、現実として看護師さんが、例えば外来勤務がしている、もう十年、二十年やっている方々が、病棟がとにかく維持しないといけないから、もう全員病棟に上がれと、外来でも何でも、本当に常勤の看護師さんは。そうすると、やっぱりそれぞれの家庭の事情を抱えて外来勤務をされている看護師さんもいるから、病棟に上がれないんですよね、物理的に。まあ嫌々上がった人も二か月ぐらいやるともう不満たらたらで、もうこれ以上は続けれませんということで立ち去っていかれるということが結構やっぱり現場で起きました。
結果的に、うちのところの病院は二百五十床だったんですが、この七対一、十対一が起こった結果、大体五十床病床を閉鎖せざるを得ない、こういった病院が結構多いと思うんですよ。で、三・一六が入っていますから、大体月収で、お金の話で恐縮なんだけれども、三千万円、同じようにみんな汗を流して頑張って夜も寝ずに働いて、三月と四月で三千万円月収が減るんですよ。これはもう致命的になります、病院経営としては。
同時に、今度、じゃ長年やっている看護師さんがみんな病棟に上がるから外来はどうなるかというと、外来は今度非常勤の人を募集して来てもらいます。今までは、ずっと十年僕は泌尿科です、泌尿科の外来で、じゃここでカテーテルとか、ここでエコーするといったら、もう以心伝心、あうんの呼吸で全部はいはい、はいはいといって道具が出てくる、非常に能率がいいんですよね。ところが、やっぱり新しく来る非常勤の方の場合は一から十まで全部教えないといけないから、これはやっぱり熟練度は相当低下するんです。
で、平成十六年当時からやっぱり勤務医の確保が苦しくなってきているから、研修医制度も入っていますから、それでなくても待ち時間が長かった外来が、看護師さんの練度が残念ながら下がってしまったということで、更に二時間待ち、三時間待ちが拡大するんですよ。こうなると、患者さんとまともな信頼関係なんというのは築けなくなりますね。もう、おはようございます、お待たせしましたと言ったら、お待たせしましたじゃないですよと、何時に私、来たと思っているのといったことから話が始まりますから、もう円滑な患者と医師の関係というのはそこですごくスポイルされてしまうということが起きてしまう。これはやっぱり大変ですよ。
それに加えて、更に言えば、大野病院事件の直後だったから、モラルが物すごく下がって、やっぱり働く医師、看護師さんの退廃的な気分というのは蔓延した。だから、これはちょっともう現場のレベルの話じゃないと、国政の話で何とかしないといけないという気持ちで僕も立候補させてもらって図らずも当選したということになるんですが。
これは本当に大変なことが十八年四月でも起こって、やっぱりそれは残念ながら今に続いている。やっぱりそれが鳥取大のような事例になったりとか、いろんな病院の診療科目の閉鎖、地域医療の崩壊ということにつながっているのかなというふうにも思うんです。
話が長くなりましたが、ちょっと次のページめくってもらいまして、そういう中で、やっぱり個人的には看過できないなというような一人のお方の発言が最近ちょっと目に留まりましたので問題提起させてもらいますが、有名な社会保障国民会議の座長でいらっしゃいます東京大学の吉川教授、この方が日本医師会の講堂で開かれた政策シンポジウムに出席されて、パネリストですね、低医療費政策と今日の医療崩壊というものは結び付いているという考えは私の考えと全然違うと、そういうようなお話をなさったわけなんですよ。
自分は別に、選挙で医師会からの支援をいただいたわけでもありませんし、ニュートラルな立場で一人の医師として意見申し上げるんですが、やっぱりこれは余りにも机上の空論というか、怒るというか笑ってしまうといいますか、何でこんなことが言えるのかなというふうに、こう思うところなんですよ。
医師会の方は、主食が足りないと。圧倒的にやっぱり医療費が足りない、それが医師不足にも波及する、コメディカルの不足にも波及する、地域医療の供給にも波及するということを言いたい。でも、社会保障国民会議の座長は、どういう根拠か分からないけれども、低医療費政策と医療の崩壊は結び付くものではないということを言っていらっしゃる。こういう方を中心に社会保障国民会議が運営されて、まあこれは大臣の所管ではありませんけれども、こういう発言見られて、率直に厚生労働大臣としてどういうふうにお感じか、所見をいただきたいと思います。