高橋和子の発言 (厚生労働委員会)
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○参考人(高橋和子君) こんにちは。日本移植支援協会の高橋和子でございます。
このような立派なところで話すのが初めてなので少し緊張しておりますが、難しいことは先生たちにお願いして、私は支援の経験から家族や国民の声をお届けする役目かなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
参考資料として、私どもの機関誌サポを添付しています。こちらには、藤田保健衛生大学医学部の脳神経外科主任教授であります佐野先生のメッセージも載っておりますが、昨年、全国大会におきまして、脳死は死だということを御講演賜りました。あと、活動などが出ておりますので、参考までによろしくお願いします。
それからもう一つ、小冊子なんですが、こちらは成育医療センター研究所移植・外科研究部の絵野沢先生のなんですが、私どものホームページを参考にしてデータベースを作りましたよということをお伺いしましたので、渡航移植の苦悩についての視点ということで、結構いい資料だと思いますので見ていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
十年一昔と言いますけれども、移植法ができてもう十年、昔なんですね。ちょうどそのころ私は、三歳のかわいい男の子を臓器移植で救わなければならないということにぶつかりました。日本ではできないということでアメリカに渡り、当時、目標金額六千万円ということで募金をいたしまして支援をいたしました。残念ながら、アメリカに着きましたら非常に重症で、ICUに三か月、治療代は一日百万、二百万となりまして、本当に家族は悲鳴でございました。私も国際電話掛かってきて、もうあきらめるとか言えないし、もうとにかく聞いてあげることしかできませんでした。
このびっくりの、どうして日本が助けられないのかということも含め、本当に大変な経験をいたしました。
結局亡くなりまして、一億五千以上の請求が来まして、これは大変と青ざめましたけれども、もうどうにもできなくて追加募金いたしましたが届きません。ドクターと相談してアメリカに飛んでいただき、向こうの病院に交渉をしていただくという、そして寛大なアメリカなんですが、ディスカウントオーケーになりまして、何とか残された家族の生活を守ることはできました。
あの経験は忘れられません。子供を持つ親でしたらだれでも、何としても助けたいという気持ちになるのが自然だと思います。何でもしますね。なぜ日本で助けられないのかということで、今もこの渡航は続いております。
あの悔しい思いをばねにNPOを立ち上げまして、啓発活動に入りました。私たちは、生きたいという一つの願いをかなえてあげたいという、その思いだけでございます。先進国の我が国が移植難民となって、これまでにたくさんの患者さんの命をつなげております。脳死は死であると分かっているのですから、一日も早い世界レベルになってほしいと思います。
衆議院で可決されましたA案に心からうれしく、希望の日差しが差しました。これで子供たちを救えるとうれしい涙を流した人もおりますが、これまでにたくさんの患者さんが亡くなっていったことを思い出して悔しい涙を流す方もおりました。協会は一〇〇%うれしく、万歳をしてしまうほどはしゃいでしまいましたが、国民は皆喜んでおります。全国からおめでとう、良かったですねという電話がりんりん鳴りまして、その日は大変でございました。
参議院の先生たちにもう一度申し上げます。国民はA案にみんな喜んでおります。国の宝、子供の命は自国の法律で救わなければなりません。昔は守りだったのかもしれませんが、情報の入る現在では、国民は理解しやすく、成長しまして、昔と違います。今に生きる子供たちは十歳でも賢く、よく分かります。まあ、二歳とか五歳の子供は意思表示はやはり無理ですね。しかし、そのために保護者というものがあるのではないでしょうか。理解をした保護者が家族の同意等々、命を救うために一歩進めて積極的になってよいと思います。A案は拒否権があるのですから反対派にも平等だと思います。NHKの世論調査も六〇%賛成です。国民の理解は、無知な昔と違って全く違ってきております。
世論が高まった今は啓発活動が非常にやりやすいです。チャリティーコンサートの会場は、慈愛に満ちて、善意の輪で大盛況でございます。学校からの講演や勉強会も依頼が来るようになりました。先日亡くなりましたプロレスリング・ノア、三沢さんなんですが、ジャンボ鶴田さんが肝臓移植で亡くなってからずっと啓発活動に御協力長くいただきました。お別れ会は二万五千人の行列になったそうで、全国の方が知らない方はいないほどでございます。先生方のお耳にも入っているかと思いますが、大きな啓発になっております。
また、移植患者が一人渡航して、助けるために地域を挙げて募金を行いますが、その際は県挙げて三万人の方が動きます。御協力いただきます。その都度多額が集まります。助けたいという国民の根付いた優しさがあるからだと思います。
臓器移植は日本の文化に合わないと言う方がいると聞きましたが、とんでもございません。日本には優しさというすばらしい文化があるのではないでしょうか。でなければ億のお金は集まりません。そして、移植に賛成だから御寄附くださる、反対であれば応援はくれません。今、理解は深まって、ドネーションという本当の優しさの医療が始められるのではないでしょうか。
先週、アメリカで子供が一人亡くなりました。事務局に第三者から電話が入りまして、年配の方でした。大人の責任で申し訳ない、電話の向こうで泣いている声が聞こえました。そういう優しい方があります。
先生方、小さな命などどこにもないのです。大人の作った法律で子供を救えない、こういうような政治では少子化は進みます。一事が万事でございます。国民は、厚生労働省にもう我慢できないのではないでしょうか。これはこの国の殺人と言う方もいらっしゃいます。議論をしている間に本当にどれだけの患者を救えたのかと怒る方もいらっしゃいます。どうか先生方、A案で、国民の心をしっかり受け止め、WHOレベルに、一日も早い移植推進整備をお願い申し上げます。
ここから先は患者の声をお伝えいたします。私がここの参考人に呼ばれるということで、何か言いたいことありますかといただいた言葉です。
患者から。こんなに元気になりました。国内で早く移植ができるようにしてほしい。助けていただいて、毎日、一日一日大切に幸せに生きております。応援いただいた皆さんとドナーに感謝の日々で生きております。元気になって学校へ行っています。毎日お薬は飲んでいますが、あとは普通に暮らせております。ドナーへの恩返しは元気に生き続けることです。
家族からです。悲しみはもう、うちの子供で終わりにしてください。次の子からは国内で移植ができるようお願いいたします。結婚いたしました。こんなに元気になり、うそのようです。移植医療のことを伝えたい。本当にありがとうございました。元気に成長しております。この子は八歳で移植したんですが、今中学二年になったということです。参議院でA案が通ることを祈っております。一日も早い法案をお願いいたします。みんなを助けてあげてほしい。
全国移植団体、国民の声です。必ず通ると信じております。百万人の署名運動はいつまで続けるのか。先生たちはいつ分かってくれるのでしょうか。いつまでもほっておくのは、これは殺人と同じだ。変えてほしい。患者の生きる権利を尊重してください。移植でこんなに元気になるのかと驚く人はたくさん、多いですよ。本人の意思と家族の思いを酌み取る医療へやっと見直していただけるんですね。死の定義を避けてきた日本、時代に合った死の定義をしてほしいです。
以上でございます。
どうか先生方、御自分の家族を救う、国民を救うことを思って、A案で通していただけますよう、心からお願い申し上げます。私たちは、これからも国民のマインドを上げるよう啓発活動を行ってまいります。
ありがとうございました。