鈴木寛の発言 (文教科学委員会)

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○鈴木寛君 是非、誤ったメッセージを出すことなく、きちっと今の点をもう一回確認していただきたいと思います。
 それで、これ、日本のやっぱり将来を考えたときに、大学後期課程、特に大学院、この教育の充実あるいは研究の充実というのはもう絶対不可欠なんですね。人口千人当たりの大学院の学生数、日本は二人です。アメリカは九人です。イギリスも九人です。フランスも九人です。韓国は六人です。ここを変えていかない限り、知的立国、人材立国ということはあり得ない。
 なぜこうなってしまったか。日本は、高等教育にGDPの〇・四%しかお金をつぎ込んでいないからです。アメリカですら、税金で一・二、そしてそれをはるかに上回る額の民間からの資金が大学に直接、教育に投ぜられていますから、アメリカだってGDPの二%をはるかに超える。フィンランドだって、これは税金で二%の高等教育費がつぎ込まれている。この結果がまさに二対九にきれいに表れているんです。
 そのことを是非きちっと御理解をいただきながら、この大学に対するこれからまた中期目標などを提示していくんだと思いますが、心していただきたいというふうに思います。
 そこで、その上でしかし、ポストドクター問題はちゃんと解決しなければいけません。そのために今回の二千七百億円の基金がちゃんと使われるということは私は大事だというふうに思っております。
 まず、私の考えを申し上げたいと思います。
 一つ目は、今回の二千七百億のテーマ選定については、きちっとポストドクター問題の解決に資する、つまりは、そういうふうな能力を持った人たちが単にいわゆる物理的な労働を提供するということじゃなくて、知的な貢献をできる活躍の場を与えていただくという観点からこのプログラム選定を是非やっていただきたいということが一点でございます。
 それから、今回は、これは事前に確認を、私どもの部門会議でも確認をさせていただきましたが、内閣府と文部科学省が国会議員に持って回っております資料によりますと、三十課題程度を選ぶと、この世界最先端研究支援強化プログラムとしてというふうになっておりますが、このことは役所間の議論のバックデータであって、このことは国会の予算の審議、補正予算の審議、いわんや今回のこの学振法の改正の審議に全くそこは含まれていないという前提で私どもはこの法案に賛成しています。つまりは、二千七百億円を三十課題に振り分けるということについて、私どもは反対でございます。
 この選定に当たっては、まずやっていただきたいことがあります。つまり、第二段階としては日本の科学技術費全部についてでありますけれども、まずこの三千億円については、二千七百億円ぐらいあるわけでありますから、その十億でも二十億でも確保して、より望ましい研究プログラムあるいは研究プロジェクトのテーマの採択の在り方、あるいはその研究チームの採択の在り方、選定の在り方、ここを科学的にやっていただきたい。今回まさに十億とか二十億取って、過去の今までのそういったこの手の選定がどうだったのかと、これをやっぱりレビューしていただきたい。
 あるいは、ほかの国あるいはほかの機関、民間の機関、大学、いろんなところが研究テーマを選ぶ、そしてそれを担う人を選ぶと、こういうことをやっています。そこはもちろんそれぞれの目的あるいはそれぞれの主体の特徴によって違っていいわけでありますが、私が申し上げたいことは、きちっと我が国の研究開発についてのポートフォリオ、これをちゃんと組むということが重要だというふうに思っています。そのためには、今まで研究分野別の議論はありましたけれども、そうではなくて、若い方々の大変いろんな発想を生かすという分野、そこに例えば二千七百億あればその五百億ぐらいは使ってみるとか。
 あるいは、今回の削除させていただいた意義は、緊急経済対策でやるのではなくて、まさに将来の我が国の社会経済の発展基盤になるという観点、その観点をブレークダウンするといろんな観点があると思います。要するに、直接的産業波及効果だけではなくて、むしろそれよりも、ちゃんと人材を育成するだとか、あるいは他の学問への波及だとか、あるいはその基盤になる研究だとか、様々な観点からきちっと目的のポートフォリオを決めると、その分野にそれぞれまた金額を分けていく。その分野の中でハイリスク・ハイリターンなものを、ローリスク・ローリターンなものを、あるいは短期的にある程度決着が付くものを中期的、長期的な観点から取り組む。
 そういう立体的な観点から戦略的にきちっとまず調査をし、そして考え方をまとめて、その考え方の下にこの二千七百億の選定というものをきちっとやっていただきたい。ゆめゆめ経済界から事前に頼まれている三十テーマをそのまま追認をするというような愚策はやめていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから、今回、総合科学技術会議がおやりになるそうでありますが、この事務局体制、まだまだそういった意味でいわゆる政策科学としての科学技術政策のプロが入っていません。そこは、国立の研究所であります科学技術政策研究所の協力あるいは連携なども深めて、こうした観点からきちっとやっていただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。
 何か御答弁があればお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 鈴木寛

speaker_id: 579

日付: 2009-06-18

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会