水戸将史の発言 (本会議)

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○水戸将史君 民主党・新緑風会・国民新・日本の水戸将史です。
 ただいま議題になりました平成二十年度第二次補正予算関連法案の政府・与党案に反対の立場から会派を代表して討論を行います。
 国民の七割から八割が反対している定額給付金が天下の大愚策であることは今更申し上げるまでもないことですが、ここで改めてその問題点を指摘します。
 そもそも国民の血税を使うならば、当然、知恵を絞って、今の日本にとって最も必要なところに効果的に使うというのが政府の役割です。今回の定額給付金は、それを何の工夫もなく、ただ選挙の票欲しさにばらまこうと言われても仕方ないものでありました。まさしく政府の怠慢以外の何物でもありません。
 何よりこの定額給付金の政策として最も大きな欠点は、その目的が景気刺激策なのか、それとも生活が苦しい人たちへの支援策なのかが極めてあいまいで、なおかつ、なぜこの時期にこれを導入しなければならないのか、今もってはっきりしないということであります。
 さきの財政金融委員会でも、与謝野大臣自らが、受け取った人が使うか使わないかは個人の領域の問題であると発言されました。つまり、定額給付金は使っても使わなくてもよいという公式的な見解でありまして、一体何のために、だれのために施策を遂行するのかということを大臣自らが認識していないという印象でした。
 定額給付金の議論をする際には、しばしばその前例として地域振興券が挙げられます。この地域振興券による経済効果は、当時の三月から六月までの四か月間の消費を三二%分新たに喚起し、全体でGDPを〇・一%程度押し上げたとあります。そして、今回、政府の言う定額給付金の数量的効果は、この地域振興券の経験を基に試算した場合、GDPを〇・一二ないしは〇・一五ポイント押し上げる効果が期待されるとのことです。
 ところが、その基本となるデータは、当時の経済企画庁が行った一回きりのアンケート調査を引用したにすぎず、当時のマスコミの世論調査やその後の内閣府調査などを含めて総合的に勘案をすれば、前回にも増して、今回の定額給付金はとても胸を張って効果が見込めるとは言えません。それをいとも簡単に、たった一度の調査結果だけですべてを結論付け、耳触りの良い言葉遊びをする政府の態度、方針に大いなる危惧を覚えるのは私だけでありましょうか。
 麻生総理は定額給付金を年度内に支給すると何度も明言してきましたが、総務省は、先週の段階で、支給が始められる自治体はわずか二二%程度ということを明らかにしました。
 御案内のとおり、我が党は、昨年十一月の時点で、早急に第二次補正予算案を臨時国会に提示し、速やかに雇用や不況対策のため審議を始めるよう求めてまいりました。しかし、日本経済に対する危機意識のなさから、政府の方で年内の提出を見送った経過があります。
 しかも、定額給付金を支給するか否か、またその支給方法についても自治体へ丸投げする形で制度設計を行ったため、ただでさえ年度末の繁忙期に過重な負担を押し付けられた自治体の困惑ぶりは察するに余りあります。
 前述したとおり、効果に甚だ疑問が持たれている政策を、自治体をこんな大変な目に遭わせ、なおそれに要する経費八百二十五億円の税金を上乗せしてまで実施しなければならないものなのでしょうか。
 その上、本法律案の主務大臣は財務大臣でありますが、去る二月十四日のG7後に中川大臣がもうろう会見を行い、全世界に醜態をさらし、辞任、交代するといった不祥事がございました。私自身、国会議員というより日本国民として、大臣のこの一連の振る舞いに対しては、憤慨をはるかに通り越し、非常に物悲しい思いに浸らざるを得ませんでした。
 すなわち、昨年十一月以降、この大臣交代に至るまで、今回の審議停滞の元凶は政府そのものであり、政策を主導し、かつ財務大臣の任命権者である総理の責任は免れることはできません。
 さらに、来年度税制改正関連法案では、消費税増税への道筋を二段階に分けて附則に書き入れました。この過程でも相変わらず麻生総理の迷走ぶりが目立ちましたが、それはさておき、総理御自身、消費税増税への姿勢が明らかになりました。
 定額給付金で二兆円を国民に大盤振る舞いをした後、消費税でかすめ取ることが透けて見えるようでは、国民全体、どうして定額給付金を気持ちよく消費に回すことができるんでありましょうか。こんなちぐはぐな政策で国民をごまかすのはいいかげんにしてもらいたいことを強く指摘しておきます。
 今回の一連の議論の中で私が最も腑に落ちなかったことは、当初より麻生総理始め何人かの閣僚が、この定額給付金を受け取るか否かについて態度を明らかにしなかったことでした。自分が受け取るかどうか言えないものを他人には勧めるという不誠実な態度は、総理に対する不信感を一層増幅させる要因となったのです。
 それが、一昨日、麻生総理は、自民党幹事長名で党所属国会議員に受取を指示すると聞くや否や、やむなくもらうと言明されました。矜持の問題としたのもどこへやら、もらうことがさもしいという気持ちもかなたに吹き飛び、素知らぬ顔で受け取ることになるでしょう。
 しかし、総理御自身、所得制限を設けるか否かでぶれ、国会議員が受け取るかどうかで右往左往し、さらに自分が受け取るかどうかでもこう迷走することからすれば、総理の本心の片隅にこの給付金をもらうことについて後ろめたさを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
 改めて、総理及び与謝野大臣の良心に問いたい。今ならまだ間に合います。かの小泉元総理でさえも三分の二まで使って再可決するほどのテーマかと指摘しておりますが、まさしくそのとおりであります。私たちの反対意見を謙虚に受け止め、英断をもって今回の定額給付金を取り下げてもらいたい。どうせ二転三転をするならば、そこまでダイナミックに方向転換することを国民の大多数が望んでいるはずです。
 先週、来年度予算案の今年度内成立が確定しました。私たちはあくまでもこの第二次補正の関連法案に反対ですが、与党は衆議院で三分の二の多数をもって再可決をして、これを成立させる構えだと聞いております。もしそうだとすれば、本日中にも今国会での政府が言う懸案事項はすべて終了することになり、そうなると総理のすべきことはたった一つ、一刻も早く衆議院を解散することしか残っていません。
 小泉政権の後、安倍、福田、麻生と、総選挙の洗礼を受けていない三人の総理大臣によって政権がたらい回しにされてきました。とりわけ、麻生政権になって以降、世界的な経済危機が起こり、日本でも失業者が急増し、国内総生産も年率換算で一二・七%も落ちるなど、国民生活は日に日に深刻さを増しています。
 こうした中で、麻生総理は一体何をされてきたのでしょう。有効な対策を何一つ実施できないまま、数々の失言を繰り返し、むやみいたずらに総理のいすにしがみついて、ついに各世論調査の内閣支持率は一〇%前後に落ち込んでしまいました。国民に信頼されていないこのような状況で今後総理に何ができるのでありましょうか。
 総辞職も一つの選択肢ですが、その後、またもや自民党内で総裁選を行い、政権をたらい回しするのは到底国民が許すところではありません。ここは、総理自らが直接国民に信を問うか、さもなくば憲政の常道に従って野党に政権を渡し、その政権の下で一刻も早く総選挙を実施するしかないのであります。
 以上、強く申し上げ、私の反対討論を終わります。
 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 117115254X01020090304_004

発言者: 水戸将史

speaker_id: 8890

日付: 2009-03-04

院: 参議院

会議名: 本会議