石破茂の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(石破茂君) 私は、農村と都市との所得を均衡させなければいけないという大きな目標というのは、かなりの部分、成果を上げてきたと思っております。
これは戦後、農地解放というものが始まり、そして農地法を今回改正をいたしますが、自作農主義というものを掲げ、そして農業基本法によって選択的拡大ということを言ってまいりました。それは、農業から工業、商業に移っていく、そして残った農業は、それによって規模を拡大し所得を拡大する、安定するという考え方でございました。あるいはお米の消費はこれから減っていくので、それがほかのもの、果樹ですとかあるいは畜産物ですとか、そういうものに変わっていく、そういうような選択的拡大というお話でした。
ところが、確かに工業とか商業へ移っていったのですが、機械化が進展いたしましたので兼業というものが可能になってまいりました。つまり、都市と農村との所得の均衡というのは規模拡大ということによってではなくて、兼業機会を確保するということで達成をされたと思っております。日本の場合には、これはもう世界で一番いいなぞと言うつもりはありませんが、都市と農村との所得の均衡ということは達せられたというふうに考えております。
他方、十五年、平成二年から平成十七年で見ますと、所得という点で日本全体の農業の所得というのは半分に落ちました。所得が半分に落ちたということ。そして、耕作放棄地は埼玉県の面積を超えてしまった。違法転用は一年に一万件に近い件数が行われている。そして、私が一番案じておりますのは基幹的農業従事者。あなたの仕事は何ですかと聞かれて、私の仕事は農業ですと、こういう基幹的農業従事者、これの六割が六十五歳以上になったということ。十年前は六割が五十五歳以上で、二十年前は六割が四十五歳以上であったということは、結局同じ年齢層がそのままスライドしているということですから、このままいけば十年後には基幹的農業従事者の六割は七十五歳以上ということが現出をするわけでございます。
人、金、物の面においてすべてが低落傾向を示しておって、これが持続可能性という観点から見たときに、十年後、二十年後に本当に日本の農業はどのような形で残っているだろうかということに私自身は強烈な危機感を抱いております。それは農業を発展させなければいけないという総論的なお話はだれでもするのですが、じゃ、農地をどうする、農業所得をどうする、そして農業にかかわる主体をどうする、ここは担い手論の問題にもなってまいりますが、そこについては、もう一度すべての面から検証が必要なのだという思いは私は強く持っております。
もう一点、恐らくこれから議員がいろんな議論を展開されることかと思いますが、金融の在り方というものをどう考えていくのかと。住専のときも相当に議論がございましたが、このことも私は、議論の本質というものは避けて通ってはいけないのだと思っております。人、金、物、三つの面において問題点は何なのか、そしてそれをどのように改めるかということをきちんと示し、改善の方向、改革の方向を示すことは行政の責任だという認識を強く持っております。