浅野直人の発言 (環境委員会)

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○浅野参考人 ただいまの御質問につきましては、先生お見込みのとおり、法文上も、一または二ということになっておりますから、必ず複数でなければならないということはないと思います。
 考え方としては、既に環境省が定めました、さきに御紹介したガイドラインの中にも同じようなことが出てまいりまして、参考資料の赤い本の百三ページをおあけいただけますでしょうか。ここに「複数案の設定」ということが書いてございまして、この中にも、地域の自然的状況や社会的状況等から複数案を設定することが現実的でない場合には、その理由を付して、単一案で調査、予測、評価を行って環境配慮事項を整理することとするというふうに既に記しているわけでございます。
 これは、心はこういうことでございます。形式的に複数案ということを義務づけてしまった場合に、いわゆる相見積もりみたいなものが行われたのではほとんど意味がございません。つまり、もう本命は決まっていて、ダミーのようなものをもう一つ見積もりでつけて、それでこっちがいいというようなことを言うのではほとんど意味がございませんので、やはり実質的に意味のあるものを複数案として検討する必要がある。だから、置かれた状況の中で実質的に環境面で大きな差がある複数案は検討のしようがないというような場合に、無理やりむちゃくちゃな複数案を用意するということは、時間の無駄でもあるし、さまざまな面で問題が多いというふうに考えましたので、それはしようがないのではないかと考えたということが一つございます。
 それからもう一つは、公共事業のように、特に立地の場合には、用地の強制取得手段を持っている場合と、それから、将来にわたって民間事業がどんどんふえていくということを仮に想定いたしますと、民間事業者の中には用地の強制入手手段を持たないという者がいます。そうなりますと、事実上は、それはやってはいけないという答えしか出せないということになってしまいますので、それは甚だ非現実的だろうということで、立地ということに関して言えば、決められた立地の中での複数案を検討することはあるかもしれないけれども、場所を必ず二カ所用意しなきゃいけないということはないのではないか、そういうことを義務づけるということは少し無理だというのがガイドラインのときの考え方でございましたので、これは、今回の法案についても、基本的にはそのような考慮はせざるを得ないということを考えております。
 それから、もう一点だけつけ加えさせていただきますと、複数案の検討というものがもともと出てまいりました我が国での状況は、定量的に数字で基準値が決まっているようなものについては、数字をクリアできるかどうかということを旨に環境影響評価がやられてきたわけですけれども、そうなりますと、数字で基準を設定できないような、いわゆる生き物系とか景観であるとか、あるいは温暖化であるとかといったような問題が、全くアセスでは取り上げようがないではないか。だったら、定量的じゃなく定性的な比較をすることによって、この方がより負荷が少ないということが論証できるならば、それをやるべきだろう。
 ですから、複数案の検討というのは、そういう定量的に評価できないようなものに対する評価手段として、あるいは意思決定のときの参考資料を整えるために複数案を考えておりますから、そのことは、ちょっと余計なことでございましたけれども、つけ加えさせていただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 浅野直人

speaker_id: 33377

日付: 2010-05-28

院: 衆議院

会議名: 環境委員会