岸本周平の発言 (財務金融委員会)

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○岸本委員 民主党の岸本周平です。
 まず、平成二十二年度税制改正大綱に基づいて御質問をいたします。
 その前に、私が菅財務大臣に初めてお目にかかったときのことをお話ししたいと思います。もう御記憶ではないかと思いますが。
 今、執行停止中の地価税という税制がございます。バブルが盛んで地価が高騰したときの対策として導入された税制であります。私は当時、主税局で課長補佐をしておりました。保有税ということでは既に固定資産税が地方税として存在しておりましたので、当時の大蔵省主税局には、土地保有課税を国税としてとらえる考え方がございませんでしたので、担当課もございませんでした。そのときに、私が急遽土地税制の担当補佐になりまして、研究を命ぜられたわけであります。そのときに、一人、衆議院議員の方がおられまして、台湾の増値税を研究されておられまして、地価税の必要性を訴えておられた方がおられました。私の担当補佐としての最初の仕事は、その方のところに行って、恥ずかしながらと資料をいただいてレクチャーを受けたことでございます。それが菅大臣との初めての出会いでございました。そういう意味では、地価税というのがまさに政治主導で進められたのだなということを思っております。
 その意味で、税制の専門家である菅大臣に御質問をいたします。
 新成長戦略(基本方針)、これまた菅大臣が国家戦略担当大臣としておつくりになったわけであります。内容的にはもちろんこれから膨らましていくわけでありますが、その中身として、税制など道具立てについての言及は余りなかったわけでありますが、今後、経済成長戦略を進めるためにも、税制、補助金などの道具立ての議論が必要だと思います。
 そして、菅大臣は、公共事業に頼るのでもなく、行き過ぎた市場原理主義に訴えるのでもなく、知恵を使って新たな雇用、需要を生み出す第三の道を進むのだと常におっしゃっておられます。
 確かに、これまで公共事業に頼った経済対策を行ってきた結果、生産性の低い建設、土木の産業に資源が集中し、結果として日本経済全体の生産性を下げてきたわけであります。また、安易に公共事業に頼ってきた地域で新しい産業を起こす機会も失われてまいりました。これが第一の道でありました。
 また、市場原理主義という言葉が適切かどうかは別にいたしまして、規制緩和をして競争させる一方で、派遣職員のような弱い立場の勤労者のためにセーフティーネットを十分に用意しなかった。その結果、大変な社会不安をもたらしてきた。これが第二の道であります。
 そして、菅大臣がおっしゃいますように、成長をするには民間サイドの活力が必要で、規制緩和も必要であります。観光、環境、健康(医療)の三分野で百兆円超の新たな需要の創造のためには、やはり民間企業のサイドのパワーが必要であります。ただしセーフティーネットは十分用意する。これが菅大臣の第三の道であろうと理解をしております。
 その意味では、このお考えは、イギリスの社会学者であるアンソニー・ギデンズの第三の道の考え方と同じではないかと私は考えております。ギデンズの第三の道は、グローバリズムや市場主義と社会の安定は両立できるんだとすることでありまして、まさに、この第三の道を進めるためには、グローバル化に対応できる税制が必要だと考えております。
 今は、担税力の高い者ほど、納税する場所をみずから選択できるわけであります。法人税の実効税率が四〇%を超え、アジアの中では群を抜いて高いわけであります。私が勤務をしておりましたトヨタ自動車を初め、多国籍企業、キヤノンなどですが、これらの企業は、外国で所得を発生させて納税することができます。そして、実効税率を全体として、結果として低くすることが可能であります。
 推計によりますけれども、実効税率を全体として三〇%、二〇%にしている企業もあるということでありますが、一方で、サービス業、非製造業、日本国内でしかビジネスのできない企業は、きちんと実効税率四〇%の負担をしているわけであります。これもいささか不公平であります。
 また、タックスヘイブン税制の税率を変更しなければならないくらい、アジアの諸外国は法人税を下げてきております。中国が二五%、韓国は二四%であります。日本企業の場合、社会保険料の事業主負担が軽いから、税と両方で見てそんなに不公平ではないという意見もありますが、アメリカやイギリスよりは事業主負担が高うございますし、また、スウェーデンや北欧諸国と比べて確かに低いわけでありますが、その国々と比べた場合に、個人の税負担、社会保険料負担も日本は低いわけでありますから、同列に論じることはできないと考えております。統計がまだ不備でありますけれども、恐らく、人口構成の若いアジア諸国と比べた場合、企業の社会保険の負担は日本の方がはるかに高いはずであります。
 一方で、これは私の個人的な思いでありますが、近い将来、環境税が導入されることも視野に入ってまいります。法人税の税負担の転嫁の問題は神学論争の域でありますから特に申しませんが、仮に企業が環境税の負担を負うとした場合には、その分、法人税の負担に関してもバランスをとる必要があるかもしれません。
 今回の二十二年度の税制改正におきましては、大臣以下皆さんに頑張っていただいて、政府税調の方で頑張っていただいて、租税特別措置に関しましては大幅な見直しをしていただきました。さらに、課税ベースを拡大して、税制改正大綱に示されているように、成長戦略との整合性や企業の国際的な競争力の維持向上、国際的な協調などを勘案しつつ、法人税率を見直していただきたいと考えますが、菅財務大臣の所見をお伺いいたします。

発言情報

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発言者: 岸本周平

speaker_id: 26898

日付: 2010-02-24

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会