菅川洋の発言 (財務金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○菅川委員 特に、今菅大臣からお話があったとおり、責任のある政治家が税制についてきちんと議論するということ、このことは大切なことであると思っておりますし、また、これから税制というもの、非常に難しい判断をしていくことが必要であると思っておりますので、その中で、できる限り議論をオープンにして、そして納税者の理解を得られるような形へと、これからもぜひ議論の中身を透明化していっていただきたいと思っております。
続きまして、所得税の所得控除の、特に扶養控除等の一部廃止の件につきましてお話をさせていただきたいと思います。
皆さんのお手元に資料をお配りさせていただきました。一枚目に、税、社会保障移転前後の子供の貧困率の変化、これは二〇〇〇年のものでOECDの加盟国を対象とした調査であります。
この調査の中で、左側の、税、社会保障移転前、日本は子供の貧困率一〇・七%で二十一位という状態にあります。全体、OECD二十三カ国の中で二十一番目でありますので、非常に貧困率は低い方ではありますけれども、やはりここで考えなければいけないのは右側の方であると私は思っております。
税、社会保障移転後、日本は二十一位から九位へと上がってしまいまして、子供の貧困率は一二・九%になっているわけであります。ほかの国がそれこそ、税、社会保障というものを使うことによって貧困率を解消しているにもかかわらず、日本の場合は、税、社会保障の負担が重たいがために子供の貧困率が逆に上がってしまっているわけです。二十三カ国ある中のうち、このように逆に貧困率が上がっているところは、左側の二十三位のスイスと日本の二カ国だけであります。
ただ、スイスの場合は、非常に子供の貧困率が低いところでもありますし、また、増加の率も非常に低いところであります。日本の場合は二%以上貧困率が上がっております。そしてまた、昨年の厚生労働省の調査の発表では、この子供の貧困率、一四・二%とまたさらに広がっている状態にあるわけであります。
こういった状況というもの、実は前政権下でもしっかりと把握をされていたようで、資料の二枚目を開いていただきたいと思います。資料の二枚目は、平成二十一年度の年次経済財政報告から抜粋したものであります。これは昨年の七月に前政権下におきまして発表されたものでありますけれども、これをごらんいただいても、上の表の右側、税による再分配効果というもの、これは先進国の中でも日本は非常に低い状態にありまして、下の文章にも書いてあるとおり、「税による再分配効果の大きさを見ると、我が国はOECD加盟国の中で最も小さい。」ということが指摘されているわけであります。
このことは前からわかっていたことでありまして、わかっていたことをやはり是正しなければいけないということが前政権でも言われておりました。これが、もう一枚資料をめくっていただいた三ページ目に書いてあるわけでありますけれども、これは我が党の税制大綱ではなく、平成二十一年十二月に自民党が発表されました、済みません、これは二十年の十二月十二日発表です、それで二十一年度の税制改正大綱です。ですから、昨年の税制改正大綱なんですけれども。
この中でも、下線を引いた部分に、「個人所得課税については、格差の是正や所得再分配機能の回復の観点から、各種控除や税率構造を見直す。」ということを前政権でも言っておりました。そして、その続きにも、「給付付き税額控除の検討を含む歳出面もあわせた総合的取組みの中で子育て等に配慮して」云々と書いてあります。
こういった事実を把握しておきながら、前政権ではなかなか対策を打ってくることはありませんでした。こういった問題点があるのであれば、対策を講じる、これが政治のやるべき役割であると思っております。
前政権ができなかったこと、このことを新政権になってから、特に控除から手当へという考えのもと所得再配分機能を強化していくということが、今回の扶養控除等の一部改正によるものだと思っております。扶養控除を一部廃止することによって、子ども手当の創設や高校の授業料の実質無料化に伴う措置というものを行う、つまり、まさに控除から手当への改正であると考えております。こういった改正というもの、これはまだ今回第一歩ではないかと私は思っております。
諸外国におきましては、また資料の方に戻りますけれども、資料の四枚目、五枚目につけさせていただきました、税制を活用した給付措置の国際比較というものを皆さんにお配りさせていただいておりますけれども、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、そして一枚めくっていただきまして、オランダや韓国、こういった国におきまして、いわゆる給付つき税額控除という制度を取り入れていっております。これは、所得の格差を是正するため、所得の再配分効果を高めるため、こういった形で行われているわけであります。
皆さんはもう御存じだと思いますが、この給付つき税額控除というもの、これは、所得税において税額控除の額が税額を上回る場合に、その上回った税額につきまして還付をするという制度であります。つまり、これはもはや税制の範囲を超えて、税制と社会保障が一体化したような枠組みではないかと思っております。日本におきましても、こういった給付つき税額控除も含めて、これから税制の枠を超えて、とにかく控除から手当へということをもっと進めていく必要があるのではないかと考えております。
その点につきまして、菅大臣に、今後の方向というか思い、また扶養控除見直しというものが、これからの控除から手当へという考えの中でどういった位置づけなのかということをぜひ御説明いただきたいと思います。