竹下亘の発言 (財務金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○竹下委員 先日、中央大学のある先生とお話をしておりましたら、彼が言っていましたのは、今の大人よりも学生の方がわかっているよ、子ども手当やめてくれ、あの負担をするのはおれたちなんだ、あんたたちじゃないんだと教授に向かって学生たちが言ったと。学生の方がわかっているんです。
お金が潤沢あるいは財政が潤沢にあるときに、そういうある種ポピュリストとしての政策を打つということは、これはあっていいことかもしれない。しかし、財政がこれだけ厳しいときに、それは、先ほど菅さんがお話しになりましたように、前政権のことはもう余り言わないということをおっしゃいましたが、我々も、非常に厳しい財政運営をしてきて借金が積み上がってきたその責任、そこから逃れるつもりは全くありません。全くありませんが、おおらかに借金をふやし続けてもらっては困るんです。本当に、おおらかにふえざるを得ない。来年度、再来年度、十五、六兆円、どうやったって足らないわけでありますので。
学生たちが言った、借金を返すのはおれたちなんだと。国債というのは六十年償還ですから、子供、孫まで借金というのはついて回る。そのことを、財政の健全化というのは、次の世代が行う選択肢を大きく狭めることにもつながっていくわけでありますので、先日も谷垣総裁が鳩山総理にお話をしておられましたように、例えば年金とかあるいは消費税の問題を含む財政の再建議論とか、本来政局ごっこにしてはいけないもの、これを残念ながら今までの日本の政界は政局ごっこのネタに使ってきた。確かに、国民生活に近い分野でありますので受けはいい。そのことに安易に流れてきたというその責任を、これは今の与野党、かつての与野党を含めて負わなければならない課題である。まずそこはしっかりと認識をしていただいて、そして、そうした国家の基本にとってどうしても大事な問題というのは、与野党の枠を超えた何かが動き出す時期というのは必ずやってくる。
我々の自民党が政権を持っておりました当時も、何回か、年金の問題でやろう、あるいは消費税の問題につきましても、かつて岡田さんが代表であった時期に、選挙の公約の中の一つに書かれたことはありました。そうした動きが出始めてきただけに、これはもう政治が国家を挙げて、国民の皆さん方と一緒になって議論をして、日本という国をつくり上げていかなければならない。そういう課題というのはだんだん見えてきたかな、集約をしてきたかなという感じは持っております。
歴史を振り返るわけではございませんが、平成元年に消費税が導入されたとき、三%でしたが、消費税の引き上げに賛成ですか、反対ですかという世論調査がありました。各紙が、マスメディアは全部やっておりました。税金が高いがいいですか、安いがいいですか。答えは、安いがいいに決まっているんです。
しかし、それは大変な政治問題になりました。当時の政権は、まさに内閣の政治生命を、この消費税をやることによってなくなると覚悟をした上で、しかし、五十年後、百年後の歴史家が、この日本の歩んできた道というものを必ず評価してくれる、そういう確信を持って消費税の導入に踏み切ったわけであります。当時の社会党党首は土井たか子さんでございまして、もう反対も反対、大反対、いろいろなことを言われました。
私は、そういう国会のやりとりをずっと見て、あるいは肌で感じてきておりまして、日本はだんだん変わってきたな、しかし、ポピュリスト的な政策を打つことによって、選挙というものを意識した動きというものから脱却し切れない部分はまだまだ残っているなと。
我々も反省しました。小泉さんで郵政選挙で大成功した、あの劇場型選挙で大成功したという歴史がありますだけに、あの成功のトラウマからはなかなか抜け切れないものなんです。その結果、二回大敗をしてしまったわけでございます。そして、パフォーマンスあるいは人気取り、あるいは人気のいい総理を立てればという、ここまでいったらこれはもうおごりです。政権のおごりというもの、長い間、六十年も政権を担当してきたもののおごりがまさに出たという反省を我々は徹底的にしなければならないし、今まさに徹底的にしているその過程にあると思っております。
でありますから、自民党の綱領も書き直しました。そういう人気取り、あるいはパフォーマンスという政治はもうやらない、私たちは保守政党であるという原点にもう一回しっかり立脚して、大地に足のついた政策、そして、将来を縛らない、将来の世代が自由に振る舞えるような、そういう日本をつくっていこう、そして、家族や地域のきずなというものを大切にしていこう、そういう国を私たちは目指すんだと。もう一回心を入れかえてというのは、本当に入れかえたかと指摘されると、いつも立ち往生してしまう部分がないわけじゃありませんが、本当に入れかえてやらなければ日本は壊されてしまう。
私は、今の民主党のやり方を見ておりまして、外交、安保も、経済も財政も、田舎も、これはもうがたがたに壊されるぞ、そのおそれを持っておる。まさに、そのおそれのあらわれが、長崎の知事選挙であり、町田市の市長選挙にその一端があらわれてきたんじゃないかな。
私も、もう少し期待していたんです。もうちょっとしっかりやってくれるだろうと。閣僚があんなに好き勝手なことを言ったり、閣内不統一であったり、本当のことがなかなか決まらなかったり。
それから、マニフェストは守る、守る、守ると総理はおっしゃいますが、どこまで守ったの、守った結果がこうなのと。いや、守らない方がいいことはいっぱいあるんですよ。守らない方が本当はいいこともいっぱいある。
逆に言いますと、我々が一番心配しましたのは、政権が誕生して、マニフェストでああ言いましたけれども、これは間違いでしたと大転換を、かつてフランスのミッテランが、社会主義政党ができて、しかし国有化をやって行き詰まって、それから大転換をやった。ああいう形に、あの当時の鳩山さんの人気のもとでしたら、ごめんなさい、間違っていた、マニフェストをこう変えますと。
そうやって、まさに現実、あるいは財政をこんなにがたがたにしない方向に切りかえていただけるなら、これが一番、政略的といいますか、政党としては、自民対民主、あるいは二大政党という構図の中では、我々にとっては一番手ごわい対応であったな、こう思っておったわけですが、幸いなことにというか、日本にとっては不幸なことに、マニフェストやります、やりますということを言い続けた結果、予算の規模は九十二兆円。私も、規模を責めるつもりはありません。景気対策が依然必要なことは、だれが見ても明らかな状況であります。
しかし、財政は本当にがたがただ。では、外せるものは何だ。私は、子ども手当だとか、そういうものは外したらいいんじゃないかという思いを持っております。
今、自民党の方で、予算の組み替え動議を出そうということで準備を進めて、ほぼでき上がりつつありますが、やはり、このおおらかな借金のやり方というのは本当に破綻につながってしまうと強く強く危惧をいたしておるところでございます。
それから、先ほど菅大臣、六月ごろに財政の中期フレームを出すということをおっしゃいました。私は、話は逆だろうと。だから膨れ上がるんです。その中期フレームみたいな、まず大枠をかけておいて、できれば五年、十年ぐらいのタームの大枠をかけておいて、これからは出ませんよ、財政はここから出ませんと。一時的な景気対策は別なんです。一時的な景気対策は一年か二年の時限のお金でありますので、恒久財源じゃないんです。それと恒久財源というのは全く性格が、財政に与えるインパクトが全く違いますので、そういう総枠を、枠をかけておいて、その中で予算編成をしていく。
確かに、小泉さん、竹中さんがやられた中、私も、あのやり方は一〇〇%賛成だとは申しません。自民党員でありますので、一〇〇%反対だとももちろん申しませんが、一〇〇%賛成だとは思いません。私なら、ここはこうしてほしいなという部分はあったことは事実です。あったことは事実ですが、やはり、ああやって大枠をはめないと、財政というのは膨れ上がるという、これは、国民に向けば向くほど膨れ上がるという非常に矛盾した性格を持っておるんです。
予算は、つけることはだれにでもできるんです。大臣じゃなくたって、だれにでもできるんです。問題はどうやってそれを財政規律の中でつけていくか、それが財政が果たすべき役割でありまして、私はその意味で、中期計画がない予算というのは、おいおい大丈夫かいと思っておったら、案の定、本当におおらかに借金が膨れるような、これから先を見ても歯どめないぞというぐらいな感じで今見ておるところでございます。
ここまでの議論で、菅大臣、何か御感想があったら、お話をいただけますか。