菅直人の発言 (財務金融委員会)

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○菅国務大臣 まず、真摯に、いろいろな意味で御心配をいただいて議論いただいているということに感謝を申し上げたいと思います。
 その中で、おおらかな借金というふうに言われましたが、それほどおおらかにやっているわけではありません。
 ただ、二つ申し上げるとすれば、一つは、やはり、百年に一度と言われて、百年に一度ではなかったかもしれませんが、今なお、日本も、金融はしっかりしているから大丈夫だとは言われながら、最も外需の激減によって影響を受けたのも我が国でありまして、そういう渦中にちょうど政権交代が起きたということで、先ほど言ってもいただきましたし、私も申し上げましたが、規模においては、さきの麻生内閣がやられたところの補正も含めて、本予算も含めて、それはほぼ維持するという線で来たわけで、決して、判断を抜きにしておおらかに借金をしたつもりはありません。
 それに加えて言えば、先ほど、若い人が、子ども手当は自分たちがという、その気持ちもよくわかります。しかし、御存じのように、日本の少子高齢化が非常に鮮明になったのは二十年ぐらい前でありまして、このままいけば今世紀の終わりには四千五百万人という人口が推定され、もちろん、いろいろな数字を挙げるまでもなく、まさにこの趨勢でそのままいって、日本という国が成り立たなくなりかねない。
 そういう意味では、子ども手当という形について、現物給付をもっとしろとかいろいろな議論があることはよくわかりますが、少なくとも少子化あるいは少子高齢化ということに対して、しっかりと政策の重点を移したということは、将来、やり過ぎたということがたとえあったとしても、ここでそういう大きな政策転換をしたことは、私は、先ほども申し上げたように、大変画期的なことと申し上げたのは、そういう意味で申し上げたつもりです。
 その上で、私も、竹下内閣での消費税の議論、小さな野党におりましたが、いろいろな立場で見ておりました。また、その後の議論も見てまいりました。野党の立場が長かった、一時期は自社さ政権には入れていただきましたけれども、長かったので、若干、私自身が矛盾することになるかもしれませんが、消費税の議論がその後国民の中で理解がなかなか進まなかったことは私は二つ理由があったと思って、私たち自身の一つの教訓としております。
 一つは、今、無駄遣いという言い方を私たちはしておりますが、つまり国民から見て、もうぎりぎりなんだ、だから、福祉、社会保障を守るためにはこういう負担はお互いにしようという、ぎりぎりなんだというところが、やはり国民の皆さんには、まだまだ無駄があるじゃないか、天下りがあるじゃないか、いろいろあるじゃないかと。その信頼が得られなかったことが背景にあったというのが一つです。
 それからもう一つは、先ほども申し上げたことですが、社会保障というと負担というんですね。公共事業というと投資というわけです。しかし、私は、時代によっては、戦後のある時代までは公共事業は非常に投資的効果があったし、いろいろな効果があった。しかし、では社会保障は負担なのか。私は、社会保障も場合によっては投資的な効果があるんだという、そういう発想に切りかわらなかったことが、どうしても負担、負担というイメージで来ているものですから、負担はなるべく軽く、小さい政府論ということになると思うんです。決して大きい政府というんではなくて、今いろいろな学者の議論も聞いておりますが、社会保障こそ、今、日本における最大の成長分野だということをかなり言っている学者もふえてきております。
 そういうことを考えますと、私は、国民の皆さんには、どういう負担の仕方をするかは別として、ぎりぎり、無駄なものを省いた後に社会保障等にお金を投じることが、決して負担の増大ではなくて、ある意味では財の移転ですから、財が移転して、雇用が生まれて、サービスという意味での内需の拡大が起きたときに、そのことが日本経済にもプラスになるんだという青写真が示せたときに、私は、もう一つの理解が得られるんではないかと。
 そういう意味で、先ほども申し上げましたように、ちょうどその時期に来たからということは決して言いわけにはならないかもしれませんけれども、今すぐに緊縮という形に持っていくことは、逆に、将来にとっては、ここは、財務省という役所は、私も財務大臣になってみてよくわかりますが、あらゆる文章に財政規律というのを入れたがるんですよ。大体、一枚ペーパーをつくると最低三カ所ぐらい入っています。しかし、過去において、では、三カ所ずつ入れたからといって財政規律が守られたかというと、決して、結果として守られていない。
 まさに戦略性が必要なのであって、場合によっては、ここまではこういうやり方でやらせていただくけれども、その間に議論すべきことを議論して、それこそ先ほども言っていただいたように超党派ででも議論をして、超えていかなきゃいけないときには、そういう形で超えていくということも、これから本格的な議論を進めていきたい、こう思っております。

発言情報

speech_id: 117404376X00420100226_025

発言者: 菅直人

speaker_id: 33543

日付: 2010-02-26

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会