屋山太郎の発言 (内閣委員会公聴会)
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○屋山公述人 屋山でございます。
私は、麻生内閣の末期まで、公務員制度改革推進本部の顧問ということで、自民党の公務員制度改革基本法に基づく国家公務員法改正というのに携わった経験から申し上げたいと思います。
鳩山内閣で一応国家公務員改革法ができてきましたけれども、私の経験から、つまり自民党時代から見ている経験からいいますと、今度の案というのは、後退というよりも換骨奪胎といいますか、改革をやっているのかというほど生ぬるいということであります。
まず、甘利さんの時代ですけれども、このときに一番問題になったのは、要するに、天下りをやめるために原則としてみんな定年までいさせる、そういう給与体系に持っていこうと。それには、今の給与体系のままでは上に行けば行くほど給与がふえるわけですから、その給与を、例えば役職定年とか、あるいは働きの悪い人をカットするとかあるいは解雇するとか、そういう信賞必罰の民間並みの給与体系に持っていく。それには、人事院の機能、つまり給与の機能を持ち込んでこないと、それをいじることができなければ、内閣人事局で評価しよう、六百人の評価をするといってもできないわけですよね。
今、民主党案でできているのは、次官と局長と部長を一袋に入れて、そこの中で、これを同格だといって動かすことになっていますけれども、それでは、二千三百万円の次官の給料を持っている人を、あなたはどうも働きが悪いといって部長にする、千五百万円の処遇まで八百万円もいきなり落とせるかというと、今できている法律ではできないと思うんですね。
そこへいくと、自民党時代の、給与をきちっと査定する、内閣人事局でやる、そのためには人事院の機能も持ってくる、それからもう一つは行政管理局の定員管理の機能も持ってくる、それから、できれば、財務省が持っている給与の関係の部署もみんな持ってくる、そこで初めて内閣人事局が非常に大きな力を持つわけです。私は、議論の最中に、甘利さんに腰が引けているとか言って、逆に怒られましたけれども、今のに比べればこれはとにかく非常に急進的な案で、これ以上急進的にしろといっても無理なぐらいの線まで来ていたんだなと。ただ、私はそのころ、かりかり熱くなっていましたから、それでも生ぬるいと思ったんですが、今出ている案に比べると、十点と二点ぐらいの差があるわけですよね。
それでは、何で人事院の給与を今度の案に持ってこなかったのか、こういいますと、やはり人事院というのは連合というもののとりでみたいなものでありまして、幹部と平とを分けて考えますと、幹部人事をいじっていいじゃないかというので、そこで信賞必罰の慣行ができると、必ず平の人の評価まで移っていく。ですから、上の方の人事を弾力化すると下まで及ぶ、及ばない方がいいというのが頭にあるんですね。
それはなぜかというと、この人事院の制度というのは、働こうが働くまいが、とにかく民間並みの給与を保障してくれるわけですから、ストライキをやる必要もないし、五十年ぐらい前は、四十年ぐらい前は、これはILOで、特殊な制度だけれどもいいだろう、こう思われていたんですけれども、今はこういう特殊な制度はやめろと言われているので、これをやめる人事制度をこれからつくっていくべきだと思うんです。
それで、前にできた、福田内閣のときにできた公務員基本法では、一年以内にそれを、スト権の問題も含めて変えるんだというのができていたはずなんですけれども、今度の鳩山さんの法律では、一年以内にやるという基本法の方を変えちゃって、三年の間にやるといって、つまり先延ばしなんですよね。先延ばしの風潮というのは何十年も前から続いていて、私はこの鳩山内閣の法案を見ていて、これはつまり本気でやる気がないな、先延ばしの論理で、いつまでも手をつけないつもりなんだなということを非常におそれるわけですね。
実際問題として、今のままだと、きのうあたりは新人を半分採ると言っていますけれども、新人を半分採れば、その半分分の年寄りが残って、これはひたすら給料が上がっていくわけですから、こんなことが続くはずがない。どうしてそういう手順前後が起こったのかというと、やはりどこかで変えてくれるなという力が大きく働いて、選挙も近いし、ここは刺激したくない、そういうことなんだろうと思うんですが、私は、こういう国家の基本問題について、選挙目当てにどうのこうのというようなことを政治家が考えてもらいたくないとつくづく思うんです。
それからもう一つ、天下っている法人は大体四千五百とか六千とか言われていますけれども、今、きのう、おとといやった法人の仕分けというのは四十七ですよね。百分の一。百分の一だけいじって、そこで何かやっているように見える。これは目先の話でありまして、国家の基本問題を変えるという姿勢に欠けると、私は非常に不満なわけであります。
今でも、千二百二十一人の人が、天下りでとは言わないんですが、途中でやめろと言われて、二人しか断っていないんですよね。ですから、六月の株主総会とか理事の交代というのをじいっと待って、千二百二十一人が待っているというのか、これは天下りというより裏下りみたいな話で、裏では今までどおりの状況が続いているんじゃないかということで、私は、民主党の政権、脱官僚というのが大看板なんですから、この大看板をごまかすようなことはやってもらいたくない。
甘利さん時代は、自民党の中で三分の一ぐらいしか賛成していないんですよね。それでも強引にそこまで持っていって、法案を出すぞというところまで来たんですから。それと今度は、みんなの党と甘利さんの案と共同提案で出ておりますので、私は、この案が目下考え得る一番妥当というか先進的な案だということを申し上げて、意見といたします。
ありがとうございました。(拍手)