小里泰弘の発言 (農林水産委員会)

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○小里委員 一方では、カロリーベースの自給率目標は引き上げられております、これは当然でありますけれどもね。
 新たな計画における十年後の品目別自給率を見ますと、麦、大豆は大きくふやされております。しかるに、野菜、果樹、畜産は従来の自給率目標より減らしておられるんですね。しかも、ほとんど現状維持になっているんですよ。政策を見る限り、この現状維持すら難しいんじゃないかと思っております。新たな品目別自給率目標を見る限り、果樹、野菜、畜産等を前に進めよう、前に進めていこうという姿勢、意思はそこには見られない、そんなふうに断じざるを得ないわけであります。
 民主党農政では、品目別の自給率目標に基づきまして、品目別に生産数量目標を課すということになります。また、新たな転作奨励制度では、従来地域で自主的に決めていた品目ごとの交付金単価を全国一律とされます。例えば、麦、大豆は反当たり三万五千円、これに対して、野菜などのその他作目は反当たり一律一万円となっております。これでは、地域の野菜を中心とするブロックローテーションや地域で創意工夫して支え合い築き上げてきた仕組みというものが壊れていくわけでありまして、地域の振興作目が廃れていきかねないわけであります。
 そこで、激変緩和措置が打たれることになりました。ところが、この激変緩和措置を見ていきますと、まず、野菜などのその他作目に充てられる交付金を麦、大豆に振りかえることは認めても、その逆、麦、大豆から野菜などのその他作目に振りかえることは認めない、一方通行になっているわけであります。あるいは、飼料作目から麦や大豆に交付金を振りかえることは認めても、その逆も認めません。その調整をやった上で、二百六十億円でしたか、激変緩和、調整枠をもって最後の調整をするとなっているわけでありますが、全くこれは焼け石に水でありまして、実効性のない激変緩和措置と言わざるを得ないわけであります。これはあくまで激変緩和措置でありまして、二十三年度からは本格的な制度になっていくでしょうから、そうなると、さらに野菜などの作目が懸念をされるわけであります。
 すなわち、麦、大豆に特化した自給率目標のもとに、麦、大豆に特化した生産数量目標を課して、麦、大豆に特化した交付金によりこれをコントロールするという図式が、構図が見えてくるわけであります。まさに国家統制と言わざるを得ないと思います。
 申し上げてまいりましたように、本来、食料安保の基本は農地と担い手を確保するということにあります。そのためには、まずは、お茶でも花でも野菜でも、あるいはたばこでもそうですが、にわかには食料自給率には貢献をしなくても、それぞれの農地に適した、それぞれの地域に適した作目をしっかりとつくっていくことで、農地が生かされ、そして担い手が生かされるわけであります。そして、やがて、いざ食料危機が来たときに、そうやって確保された生産基盤、農地や人、この食料生産基盤が確かに働いて、国民の食料の確保に貢献をしていくわけであります。これがまさに食料自給力の考え方であり、食料安保の基本であるな、そんなふうに考えているところであります。
 こういった観点からいきますときに、今なさろうとしている政策は、地域の自主性や創意工夫を無視した、まさに国家統制型の農政であると言わざるを得ないわけでありますが、大臣、いかがでありましょうか。

発言情報

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発言者: 小里泰弘

speaker_id: 4379

日付: 2010-03-23

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会