下村博文の発言 (文部科学委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○下村委員 一人の落ちこぼれを出さない政策が施行される前は七〇%ぐらいが落第していたんですね。七〇%が落第していたんです。それが実施されるようになって、まあ今は五〇%ぐらい。半分ぐらいは落第しちゃっているんですよ。でも逆に言えば、それだけ、高校を卒業するときにはきちっとしたやはり基準に達するようにしていこうというのがあるわけです、基準として。
 それからイギリスは、「後期中等教育の修了という概念はない。」「後期中等教育の終盤で通常受験するGCE・Aレベルは、大学入学資格の基本的要件であるが、後期中等教育の修了を認定するものではない。」云々ということで、要するに、高校生のとき、GCEのAレベル、つまり、大学受験するための資格基準をクリアすることによって、つまり大学入学試験はありませんので、結果的にこれが大学入学のときの条件になる。高校のときの勉強の成果ですね。こういうことで、つまり大学入学試験はしない。このGCE・Aレベルで、そのままその成績によってどこの大学に入るか決まるということが二年間において試されるということです。
 それからフランス、「後期中等教育の修了認定は、一般に国家資格である「バカロレア」の取得により行われる。これは大学入学資格を兼ねる。」ということでちょっと似ていますが、修了試験と大学入学資格が同じである。フランスです。
 それからドイツ、「後期中等教育の修了認定は、州の資格である「アビトゥア」の取得により行われる。これは大学入学資格を兼ねる。」ということです。似たようなものです。
 それで、この高校無償化というのは、後期中等教育、我が国でいえば六・三・三・四制のちょうど真ん中ぐらいのところです。これを無償化するということですから、あわせて、我が国の教育制度そのものをどう制度設計するかということも同時にやはり検討しなければいけないのではないか。今既に、高校生の七割はついていけないというふうに言われておりますし、また、少子化の中、実際は入学試験が易しくなって、大学に入ってもついていけなくなって、大学生の中でも高校生以下の勉強をし直さないと大学の授業についていけない、あるいは、そもそも大学生であっても二次方程式もよくわからない、こういう子供がふえている。しかし、基本的に、では日本の子供たちはばかなのか。そうではなくて、私は教育システムに問題があると思うんですね。
 随分前から七五三教育ということがよく言われました。小学校で三割、中学校で五割、高校で七割の子供たちが落ちこぼれている。これはやはり教育システムに問題がある。わかってもわからなくてもそのままどんどん同じレベルで、そして画一、均一的な教育をすることによって、結果的にそのときにやる気がなくなってドロップアウトしてしまって、もうついていけなくなってしまう。基本的な能力がないわけじゃないのにもかかわらず、今の学校教育システムによって、結果的には高校を卒業するまでまともな学力がつかないという不幸な子供というのがたくさんいるわけです。
 ですから、こういうときに、私が申し上げるのは、例えば高校を卒業するときに検定試験を厳しくしてもっと落とせとかいうことではなくて、そもそも高校を無償化するということは、これは事実上義務教育に近いような形をさらにとっていく、つまり、教育費負担をそれだけ減らしていくということになってくるわけですから、義務教育まで含めて、そもそも我が国における学習のあり方を考える、考え直す。これは、精神論で幾ら大臣が先ほどおっしゃったように、これだけ国が四千億のお金を投資するんだから高校生はもっとしっかり勉強してください、これだけで解決できないですよ。
 ですから、この高校無償化議論と一緒に本質的な教育議論をしながら、具体的に子供たちにどう学力をもっと高めてもらうのかということを議論して、そしてそれを制度設計しなければ何の効果も上がらないんじゃないでしょうか。いかがですか。

発言情報

speech_id: 117405124X00420100305_027

発言者: 下村博文

speaker_id: 34381

日付: 2010-03-05

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会