文部科学委員会

2010-03-05 衆議院 全347発言

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会議録情報#0
平成二十二年三月五日(金曜日)
    午前九時四分開議
 出席委員
   委員長 田中眞紀子君
   理事 奥村 展三君 理事 首藤 信彦君
   理事 松崎 哲久君 理事 本村賢太郎君
   理事 笠  浩史君 理事 坂本 哲志君
   理事 馳   浩君 理事 富田 茂之君
      石井登志郎君    石田 勝之君
      石田 芳弘君    江端 貴子君
      川口  浩君    城井  崇君
      熊谷 貞俊君    後藤  斎君
      佐藤ゆうこ君    瑞慶覧長敏君
      高井 美穂君    高野  守君
      中川 正春君    永江 孝子君
      平山 泰朗君    牧  義夫君
      松本  龍君    山本 剛正君
      湯原 俊二君    横光 克彦君
      横山 北斗君    吉田 統彦君
      遠藤 利明君    北村 茂男君
      塩谷  立君    下村 博文君
      菅原 一秀君    永岡 桂子君
      古屋 圭司君    松野 博一君
      池坊 保子君    宮本 岳志君
      城内  実君
    …………………………………
   文部科学大臣       川端 達夫君
   内閣府副大臣       大塚 耕平君
   総務副大臣        渡辺  周君
   外務副大臣        武正 公一君
   財務副大臣        野田 佳彦君
   文部科学副大臣      中川 正春君
   文部科学副大臣      鈴木  寛君
   文部科学大臣政務官    後藤  斎君
   文部科学大臣政務官    高井 美穂君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          金森 越哉君
   文部科学委員会専門員   芝  新一君
    —————————————
委員の異動
三月五日
 辞任         補欠選任
  牧  義夫君     永江 孝子君
  松本  龍君     山本 剛正君
同日
 辞任         補欠選任
  永江 孝子君     牧  義夫君
  山本 剛正君     松本  龍君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案(内閣提出第五号)
     ————◇—————
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田中眞紀子#1
○田中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案を議題といたします。
 本案の審査に資するため、去る三日に二十三名の委員が参加し、東京横浜独逸学園、世田谷区医師会立看護高等専修学校及び東京朝鮮中高級学校の視察を行いました。
 この際、参加委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。
 まず、神奈川県横浜市都筑区の東京横浜独逸学園では、シェフチック学園長から学校の概要についての説明を聴取し、日本における高等学校段階に相当する教育内容、卒業生の進路の状況、本法律案に対する保護者の意見、日本人の教員数等についての質疑応答を行った後、学校施設や授業の状況を視察いたしました。
 次に、東京都世田谷区の世田谷区医師会立看護高等専修学校では、学校施設を視察した後、古畑校長、長嶋教務主任から学校の概要についての説明を聴取し、学校と医師会との関係、卒業生の進路の状況、東京都内にある医師会立学校の数、学校運営費の状況、学校に入学する生徒の状況、生徒の実習先確保の問題、准看護師をめぐる課題等についての質疑応答を行いました。
 最後に、東京都北区の東京朝鮮中高級学校では、学校施設や授業の状況を視察し、金理事長、愼校長から学校の概要を聴取した後、同校長から本法律案に対する要望がなされました。
 その後、保護者、生徒等も交えて、北朝鮮や韓国からの資金の支援の有無、韓国籍の生徒が朝鮮学校に通う理由、チュチェ思想についての授業実施の有無、最近十年間で生徒数が百人以上減少した理由、朝鮮学校に対する東京都等からの支援額、授業における核問題、拉致問題、テポドンなどの扱い等についての質疑応答を行いました。
 そして、私から生徒に対して具体的な将来の夢や希望について伺いましたところ、さまざまな意見が述べられました。
 今回の視察に当たりまして御協力いただきました方々に深く御礼申し上げ、視察の報告とさせていただきます。
    —————————————
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田中眞紀子#2
○田中委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省初等中等教育局長金森越哉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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田中眞紀子#3
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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田中眞紀子#4
○田中委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下村博文君。
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下村博文#5
○下村委員 おはようございます。自民党の下村博文でございます。
 きょうは二回にわたってでございますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。大臣の都合ということで二回に分けさせていただきましたが、両方とも出ていただけるということ、ありがとうございます。
 川端大臣にまずお聞きしたいと思うんですが、きのう、ある会合で森前総理にお会いをしたとき、川端大臣に対して大変評価をされておられまして、東レの労組の委員長をされていたんですか、そのときに、資本側あるいは地域を含めて、大変すばらしいバランス感覚を持った労組委員長としての活躍をされておられたということをお聞きしました。そういう川端大臣の経歴からすると、今回の北教組、同じ労働組合とはいえ、雲泥の差というふうに多分思っておられるのではないかというふうに私は思うわけでございます。
 昨日、我が党の谷垣総裁が、汚れたH2Oと言いました。これは、鳩山、北教組、小沢、この三つの政治と金の問題、これで汚れたH2Oというふうに言われたわけですが、この北教組の問題というのは、想像を超えるような大変な背景が中にあるのではないかと我々は思っております。
 そもそもこれは、直近では、三月一日に札幌地検が政治資金規正法違反容疑で長田秀樹委員長代理など幹部ら三名を逮捕した。現在、北教組は委員長が空席になっておりますから、この長田委員長代理は北教組の最高責任者な方です。事態は、北海道教職員組合の最高責任者以下幹部が逮捕されるという重大な事態に発展をしております。
 これは、民主党の小林千代美代議士の選挙における買収の選挙違反で逮捕されたことに発して、さらに、主任手当という公金を原資とした裏金一千六百万円、これを小林千代美陣営が選挙資金として受け取ったとされる事件でありまして、小林千代美議員の連座制での議員辞職とのつながり、さらに、教職員団体としてあるまじき悪質な事件であるというふうに思います。
 川端大臣として、文科大臣という立場から、この北教組の政治資金規正法違反事件について関係大臣としてどう責任を感じておられるか、まずお聞きします。
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川端達夫#6
○川端国務大臣 まず初めに、森元総理のお話をしていただきまして恐縮でございます。そんなに言うほどのことではないと思っておりますが、委員長じゃなくて、ローカルの支部長をしておりました。
 それはさておきまして、北海道教組をめぐっての、逮捕者を出した、あるいは、違反事件を起こして略式を受けたことを含めて、教育にかかわる人たち及び団体が法令違反及び法令違反の疑いを受けてこういう事態を起こしたことは極めて遺憾なことであるというふうに思っておりますし、あってはならないことが起こったという認識をしております。
 そういう中で、私の立場でこの北教組をどう思うかということのお問いかとも思いますけれども、厳密に申し上げますと、文部科学大臣が責めを負っている教育行政、そして、その方針に基づいて都道府県、地方の教育委員会とそれから学校設置者が実務を行うという仕組みの中で、教職員団体がどうこうしたことに関しての直接の管理監督をしている立場ではありません。
 ただ、教育関係団体であるということは間違いないことでありますので、その所感としては、容疑段階の中身に関してコメントする立場にありませんが、現実に逮捕者を出していて、それは教育にかかわる団体であるということでは、極めて遺憾であるということの所感でございます。
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下村博文#7
○下村委員 これは川端大臣が就任される前からでありますけれども、文部科学省としても、北海道の教育については北教組の影響等で大変な問題が各地域で生じているという認識を持って、北海道教育委員会次長、ナンバーツーですね、文科省から出向させているんです。それだけ国としても北海道の教育問題については、国といいますか文部科学省というふうに申し上げてもいいと思いますが、重大な関心を持って対応している。
 ですから、今回のような事件が起きる前から文部科学省としてはそういう姿勢を持って北海道の教育委員会に次長を送り込んでいるという姿勢を、ぜひ継続して、政権交代になっても、これは、子供たちの立場からあるいは保護者の立場から看過できないことが多々あると思います。ですから、しっかりこれは対応していただきたいと思います。
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川端達夫#8
○川端国務大臣 御指摘のように、かねてからいろいろと、教育現場におけるあり方を適切にしっかりやらなければならないという立場での議論があったことは承知をいたしておりますし、今回こういう問題が起こったことで、きょうおられる馳理事さん、あるいは参議院における義家委員からもいろいろな資料の提示もいただきました。そしていろいろと、報道だけでありますけれども、こういうことがあったのではないかという、教育現場における政治の中立性が疑われかねないことが指摘をされました。
 それを受けて、こういうことが報ぜられているが、あるいは、こういう資料にこういう記述があるがこれは事実なのかどうかを、しっかりと事実関係を個々具体のことを調査をして報告するようにということを求めております。逮捕者が出たときには、報道を含めて多分その翌日だと思いますし、それから馳議員の分に関しては、正式に黒塗りがなかった分までいただいたのが週末でございましたので、三月二日にその調査を依頼をいたしました。
 教育現場が公正、政治的中立をしっかり保って、いい教育ができるようにということは私の一番の願いでありますので、このことの思いにおいては政権交代をしたからどうこう変わるものではなく、その精神を踏まえてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
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下村博文#9
○下村委員 小林千代美議員ですが、大臣と同じ政党に所属されておられ、既に選挙違反で連座制が問われている。さらに、北教組のこの裏金献金一千六百万問題等も出てきた中で、これはやはり政治家としての責任がさらに問われているのではないかと思うんですね。特に、北教組という教育に関係する組合絡みでもございますし、私は小林千代美議員は即刻議員を辞職すべきであるというふうに思いますが、関係大臣としての見解をお聞きしたいと思います。
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川端達夫#10
○川端国務大臣 選挙に関して関係者が判決を受け、法の適用で言うたら、連座対象者がそういう事態になったということは承知をしております。
 また、今、北教組を中心とした逮捕者が出た部分でいろいろと報道されていることに関しては、捜査中のことですので、その事実関係どうこうを私がコメントする立場にありませんが、先生おっしゃるように、教育現場にかかわるそういう団体が起こしてはならない事態を招いていることは極めて遺憾なことであると同時に、そういう団体との選挙の関係でこういういろいろと逮捕者を出しているということは、極めて深刻であると思います。
 ただ、行政の立場に今いる者として、立法府で選ばれた議員の身分というのは極めて重いものでございます。この身の処し方は、逆に、こういう非常に深刻な事態を招いているということでの責任は非常に重く小林さんにはあるというふうに私は認識をいたしておりますが、その身の処し方に関しては、選挙民に選ばれた議員という立場は憲法上も法律上も極めて尊重されるものとして位置づけられているというふうに私は承知しておりますので、その身分に関してコメントすることだけは控えたいというふうに思います。
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下村博文#11
○下村委員 同じ民主党に所属をされている先輩議員の立場としても、やはり、国会議員としての倫理観あるいは政治的責任、これについては、特に北教組絡みですから、しっかりと指導、アドバイスをしていただきたい。我々としては、即刻議員辞職を求めるものでございます。
 先ほどお話にありましたが、馳議員と義家参議院議員が、この北教組問題、そしてこの小林千代美議員にまつわる選挙違反問題等で北海道に調査に行きました。そのときに手に入れた資料の一部がお手元に配付されていると思いますが、一番最後の資料でございます。
 きのうの産経新聞に、北教組日高支部、ことしの卒業式、入学式、小中学校における国旗・国歌の適切な取り扱いをさせないため、「「「日の丸君が代」強制に反対するとりくみについて」と題した“闘争マニュアル”を作成、支部内の学校に配布していたことが三日、分かった。」とありますが、原本はこれでございます。お手元に配付しているのは新聞記事ですが、原本は、これは馳議員が実際に手に入れた、これだけの、十二ページにわたる大変細かな取り組みが書かれております。それを要約、まとめたものとしてきのうのこの新聞記事に同じものが載っておりましたので、新聞記事の方からちょっと指摘をさせていただきたいと思います。
 これは「「日の丸君が代」強制に反対するとりくみについて」というマニュアルですが、「掲揚・斉唱阻止に向けた綿密な指示とともに「学校から完全排除」を掲げている。教師の違法な選挙活動だけでなく、学習指導要領に定められた式典での国旗掲揚や国歌斉唱への妨害も野放しに近い状態になっていることを示す内容になっている。」ということで、このマニュアルについている具体的なポイントがありますが、例えば四番目には、「掲揚や斉唱を通じて改悪学習指導要領の徹底につながる—という観点で共通理解を図るよう求めた。」というポイントがあります。
 「さらに、国旗や国歌は「天皇を中心とした国家主義的な日本人としての自覚をもたらす役割」を持っており「文部科学省が天皇制のもと、侵略戦争・植民地支配の歴史を隠蔽し、国際化の美名の下、ハイテク時代における日本人の海外進出拡大のため「国際競争に勝ち抜く大国日本人の自覚」を求める人づくりを目指すもの」ととらえるよう求めている。そのうえで学校から完全排除する「戦い」を呼びかけている。」ということで、具体的にどう排除するかということが、項目的にこの十二ページ、詳細にわたって書いてあるんですね。
 私は驚きました。いまだにこんなことをマニュアルとしてやっているところがあったんだということがそもそも驚きでございましたけれども、現物がここにありますから、後でよろしかったらお見せいたしますけれども、これは文部科学省も敵になっていますね。こういうことについてはしっかり指導する必要があるかと思いますが、これについていかがお考えか、お聞きしたいと思います。
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川端達夫#12
○川端国務大臣 私もその資料は、全部ではなくて一部提供いただきましたので、読ませていただきました。文部科学省は随分敵になっているなというふうに思いましたけれども、基本的には、これがどういう資料、性格のものか、どういう位置づけのどういうものかというのはよくわからないんですけれども、国旗・国歌は、当然ながら国旗・国歌法に定められていると同時に、学習指導要領を含めて、子供たちにも、自国の国旗を尊重しとうとぶと同時に他国のものにも敬意を払うようにということで、国歌は君が代が歌えるように指導するとか、式典等々においての部分を利用して国旗・国歌を大事にする態度を育てるとかいうことで指導しております。
 そういう意味からいえば、この記述自体は私たちの考えとは全く違うということは間違いがございません。今御指摘の部分は、いろいろ書いてあること自体は、文部科学省が教育現場において行おうとしていることと相入れないものであることは事実だというふうに認識をしております。
 この資料がどういう資料で、どういう立場でやっておるのかは知りませんが、少なくとも、このことが学校現場に実際に持ち込まれることがあってはいけないという立場でしっかりと調査すると同時に、関係教育委員会とも連携しながら指導するようにしてまいりたいと思っております。
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下村博文#13
○下村委員 先ほど御指摘を申し上げたように、この資料は北教組の日高支部がつくった資料ですから、事前にお手元にもあるということですから、十二分に、入学式、卒業式、この対応について、北海道の教育委員会等に働きかけながら、このようなことがなされないように、文部科学省としても十分に指導していただきたいというふうに思います。
 私はフィンランドに視察に行ったことがございまして、ここは世界で一番学力の高い国である、どうして世界で一番の高い学力の国になったのかということで、これは自民党調査団を組んで視察に行きました。そのときに印象に残っていることが幾つもありますが、一つは、フィンランドにおける組合問題はどうなのか。
 フィンランドにおいては、もちろん教職員組合はある。しかし、あくまでもそれは労働者としての条件の中での組合であって、教育においては中立性を保たなければならないし、また、極めて抑止的に対応することが必要だということで、イデオロギーそれから政治思想、こういうものは一切教育現場には持ち込まない、あるいは関与しない、そういうことをフィンランドの教育委員会というのはきちっとしているんですね。
 だからこそ、フィンランドにおいて地方分権や学校現場における教育の移譲がなされても、国民も信頼をしているし、また、この北教組のようなことが起こらないということを組合みずから自制している。それが世界で一番の学力になっている要因の一つにもなっているのではないか、こんなふうに感じました。
 鈴木副大臣は民主党の日本国教育基本法を作成したときにもかなり中心的なことをされたというふうにお聞きしておりますけれども、民主党の日本国教育基本法、これも、地方分権、地方自治体に任せる、あるいは学校現場に移譲する、こういうものがなされております。
 しかし、この組合問題、こういうことがそのまま放置されていて、果たして現場に任せることができるのかということについて私は疑問に思うわけでございますが、いかがでしょうか。これは鈴木副大臣にお聞きします。
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鈴木寛#14
○鈴木副大臣 お答えを申し上げます。
 法令に違反する実態が放置されているということが事実であれば、そのことはやはりきちっとしていかなきゃいけないというふうに思います。ですから、制度論の問題と、その制度あるいはルールをきちっと徹底する、その実行の問題だというふうに思っております。
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下村博文#15
○下村委員 その法令がないんですね。これは、予算委員会で馳委員も、また、参議院で義家議員も取り上げました。教育公務員特例法第十八条第二項、罰則規定がない。教育公務員は国家公務員のような罰則規定を当時設けなかった。それは、教員だから、それだけの識見もあるし、また社会常識、バランスもあるし、自分たちの労働条件等、現場において混乱させる、あるいは子供たちや父母の皆さんに迷惑をかける、こういうことはしないだろう、極めて自重されるだろうということで罰則規定を設けなかった。これは昭和二十九年ですけれども、北海道だけではありません、それが結果的に今のようなこういう日教組の問題に来ているのではないか。ですから、第二項の中で罰則規定をきちっと設けて、そしてそういう心配がないようになさるべきではないか。
 これは鳩山総理も、これを受けて、ぜひ文科大臣に検討を指示する、こういうふうに予算委員会で言明をされておりますが、文科大臣としてどのように対応をこれからお考えか、お聞きしたいと思います。
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川端達夫#16
○川端国務大臣 御指摘のように、教育公務員の政治的行為の制限は教育公務員特例法の第十八条第一項で禁止をされておりますけれども、御指摘のように、第二条で罰則規定を設けないということで、いわゆる公務員法と違う扱いになっております。当然ながら、第一項は当然生きているわけですから、いわゆる俗に言う、この条項に違反をした者は行政処分の対象にはなりますが、刑事罰がかからないという位置づけに今なっております。
 そういう中で、私もこの経過をもう一度おさらいをしてみたんですが、委員御指摘のように、昭和二十九年の教育公務員特例法改正の際に、当初の政府原案では、教育公務員が政治的行為の制限に違反した場合、国家公務員と同様の罰則が適用されるものとされていた、当初の案は。しかしながら、国会審議の過程の中で、参議院において、教育界で起こったことは、できるだけ教育界の内部、教育行政の手によってこれを匡正すべき等の理由から議員修正が行われて、現行の規定になったというふうに承知をしております。
 そして、昭和二十九年ですからもう随分昔の話でございますが、その後、いろいろなタイミングでいろいろとこの条項をどうするかという議論があり、やはり同じようにするべきだ、いや、そうすべきでないという議論があって、現在まで動きはあったときもありましたが、改正が行われていないで現在に至ったというのが現状であるというふうに思います。
 今回、北教組におけるいろいろな逮捕者まで出した事件において、教育現場の中立性が著しく損なわれているではないかという国民的不安と疑念が起こっていることは事実でございます。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、私たちとしては、実際に、いわゆるこの教育公務員特例法第十八条の第一項に違反する事態ではないかという指摘があるのを踏まえて、北海道教育委員会及び札幌市教育委員会において、事実関係としてこの法令違反があるのかどうか徹底的に調べなさいということを今指示をしております。
 そういうことを踏まえて、もしあれば処分をしていくということを北海道教育委員会がやっていくことになろうというふうに思いますけれども、その中で、二度とこれからこういう事態を招かないというためにはどういう施策がとり得るのかの一つとしてこの第十八条の第二項の議論があるんだと認識をしております。
 国会の御議論の中で、総理からも、この教育公務員特例法の第十八条第二項について検討の指示がそれを踏まえてありました。
 つきましては、目的は、教員の政治的中立をいかに確保して、子供たちに安心した教育ができるかということに尽きるわけでありますので、過去の経緯を検証する中で検討を進めてまいりたいと思っております。
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下村博文#17
○下村委員 我が党も、この教育公務員特例法第十八条の第二項、これについては削除する、それから第一項も、「当分の間、」を削除する、改正をするということで議員立法として近々に、さきの国会で廃案になりましたので、改めて今国会で提出をして、そしてぜひ議論をしていただきたいと思いますが、今御答弁されたように、鳩山総理はこのことについて相当踏み込んでお答えになって、そして今大臣からお答えいただいたように、検討していくということでございますから、政府としてもぜひ同時に取り組んでいただきたいと思いますが、いつぐらいまでに検討状況について結論を出す予定か、お聞きしたいと思います。
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川端達夫#18
○川端国務大臣 現在、昭和二十九年の改正の際の状況とそのときの論点を、整理を進めることから着手をいたしました。
 つきましては、いつまでに検討するか、何をするかということを今の段階ではお答えすることはちょっとまだできない状況でございます。
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下村博文#19
○下村委員 川端大臣、最初に御指摘を申し上げましたが、川端大臣も組合活動をされておられたということですが、北教組とは全然違うことだったと思うんです。この北教組の問題等、それは事実関係を確認すると言っても、逮捕者も出ているし、連日の報道もされているし、だれが見ても事実は事実としてもう明らかなんですよ。
 それで、この十八条の問題はそんなに難しいことじゃないんです。政府の方も、責任を持って教育における中立性を保つ、そして子供たちが安心して学校教育が受けられるというために、これはペナルティーを科すということと言っても、別にすぐそれで先生がどうのこうのという問題じゃないわけですから、ルールをつくるということですから、そんなに難しい話じゃないんじゃないですか。やろうと思ったら今国会ですぐできることだというふうに思いますが、いかがですか。
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川端達夫#20
○川端国務大臣 申し上げましたように、二十九年に政府案で当初なかったものが国会の議論で追加をされた、そして、それ以降もいろいろな時期に改正の動きがあり、前回は多分衆議院の解散によって廃案になったのかなというふうに思いますけれども、それまでも、提出に至らなかった、あるいは、至ったけれども廃案になったという経過があります。そういう意味で、いろいろな議論が幅広くあることは事実であります。
 そういう中で、今御指摘にありましたけれども、私の立場でいえば、北海道の教育委員会、札幌の教育委員会に問い合わせをしたというのは、いろいろ報道をされていることを踏まえて、教育現場において教育公務員が法令違反をしている事実が確認できるのかどうかということを調べろということをお願いをしております。
 そういう意味では、今、逮捕者が出たあるいは捜査がされたということは、教育公務員の直接の当事者では今ございませんで、団体でありますので、そういうことも踏まえながら、先生おっしゃるように、教育現場の教育の中立性を確保してさらに向上させるために、現実にどういうことが起こっていて、何をするのが一番効果があるのかというのを検討していくのにスタートをしたということで御理解をいただきたいと思います。
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下村博文#21
○下村委員 文科大臣としての責任を全然感じていない答弁ですね。これは大臣、コメントが北教組と同じですよ。北教組は一日夜、コメントを発表した。「逮捕容疑のような事実は一切なく、不当な組織弾圧と言わざるを得ない」、「このような不当逮捕に対して、嫌疑を晴らすべく組織一丸となってたたかっていくこととする。今後もこれまで同様、不当弾圧にひるむことなく、憲法を守り民主教育を確立する運動を引き続き推進する」、こういうコメントなんですね。
 ところが、日教組はどういうふうにこのことについてコメントしているか。日教組は同日、「捜査段階とはいえ、逮捕されたことにより結果的に子どもや社会に不信感を抱かせることにつながり、深くおわび申し上げます」、こういう談話を日教組でさえ出しているんですよ。日教組の方が、はるかにこれに対して丁寧に国民に対して対応しているじゃないですか。大臣の今の話は日教組以下の話ですよ。
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川端達夫#22
○川端国務大臣 誤解があるようでありますので、申し上げます。
 こういう教育関係団体が逮捕者を出したことは、教育にかかわるという意味で極めて遺憾なことであるとは再三申し上げてまいりました。そして、教育の政治的中立がしっかり守られるようにこれからもやっていかなければならないとも申し上げました。
 そういう中で、別に彼らが不当な弾圧で云々ということに同調していることではさらさらございません。逮捕されたことは極めて遺憾なことであるし、そういうことがあってはならないことであるという認識でございます。これに不当弾圧で闘うということとは全く立場が違うということは御理解をいただきたい。
 それと同時に、この教育公務員特例法というのは、まさに教育公務員の、教員の問題でありますので、この件に関してと、それから、馳委員や先ほどの委員のいろいろな指摘の中で、教育現場において教育公務員特例法に違反している事例があるのであればゆゆしきことである、ただ、まだ事実が確認をできていないから、このことを早急に、こういうことがある、こういうことがあるということをしっかり調べて報告してくださいということをお願いしているのであって、真っ正面から、起こってはいけないことが起こっているのではないか、もし起こっていたらそれは許しがたいことであるということを踏まえて対応していることだけはぜひとも御理解をいただきたいと思います。
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下村博文#23
○下村委員 私が言っているのは、大臣の答弁よりは日教組のコメントの方がはるかに国民に対して誠実である、こういうことを申し上げているわけです。このことは、引き続き同僚委員がこの北教組問題を取り上げますので、時間の関係で、本題の高校無償化法案について入っていきたいというふうに思います。
 この高校無償化法案については、今まで予算委員会でも二度ほど質問させていただきました。私にとっては今回三回目にもなるわけでありますが、その中で、どうしても大臣の答弁の中で理解できない、あるいは納得できないことがございます。それを中心に御質問申し上げたいと思います。
 一つは、この高校無償化法案の目的、成果、効果、何のために高校無償化法案を導入するのか、目的、成果、効果、これについては二回ほど質問したんですが、なかなか私にとっては明確な、私にとってというか、国民にとっても明確な答えになっていないと思うんです。
 それは大臣が二つおっしゃっていましたね。学力を上げるため、それから公共性のため。でも、具体的に、高校無償化法案を導入してどう学力を上げるのか、あるいはどう公共性を高めるのか、具体的なことは何もおっしゃっていないんですね。学力についてはまずどうお考えですか。どう高めるんですか。
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川端達夫#24
○川端国務大臣 この高校無償化法案にも書いてありますけれども、何回も答弁していますが、九八%以上の子供が行っているという部分でその成果は広く社会に還元されているという意味で、子供のその年代の者を社会全体が支えるということを行いたいというのと同時に、その年代における経済的負担を軽減するということを目的として法律を出させていただきました。
 そして、その効果はいかがかと問いがありましたので、一つは、やはり、国費を使って高校時代の学びをみんなで支える。なぜ支えるのかといえば、子供たちに、しっかり勉強をして、そして、その成果を社会に還元するということにおいて社会貢献を果たしていただきたい、それだけ期待をしているということを強いメッセージとして出すことによって、しっかり勉強したいという意欲を向上させたい。そして、社会が我々の世代を支えてくれているということを通じて公共性の概念をしっかり身につけていただきたいということを効果として思っているということを申し上げました。
 その中で、学力に関してというのは、無償化したらすぐにそのことの直接に効果が、学力が上がるということではなくて、今までからいろいろな調査を含めて、例えば、コミュニケーションにおける言語能力が特段弱い、あるいは、理数科系の教育をもっとしっかりしないと国際的に通用しないというふうなこと、あるいは、いろいろな学びの場の機会あるいは学習環境が変化している中で、通信制の問題や単位制の高校の問題、いろいろなことを前政権からも本当にまじめに一生懸命取り組んでいただきました。
 そういうことを踏まえながら、新しい学習指導要領のもとで教育の充実はさらに一層力を入れてまいりたいと思いますが、その根底に、子供たちに幾ら環境を整えて勉強しろ勉強しろと言っても、やはり本人が、ああ、勉強せないかぬなと思わないとなかなか学力というのは上がらないというのは、いろいろな調査でも、やはり学習意欲というのが一番学力につながるものだと私は思います。また抽象的だとおしかりを受けるかもしれませんが、学習意欲というものが日本の高校生は世界に比べても非常に低いという数字も出ております。御案内のとおりでございます。
 そういう意味で、今回、無償化が実施されたときからは、入学時も含めて、生徒あるいは保護者に対してのこういう趣旨でありますからということのパンフレットやホームページだけではなくて、校長の入学式のあいさつや先生の生徒へのお話、それからホームルームや社会、公民における授業など、あるいはディスカッションを通じて、自分たちの学びは税金で支えられている、そして、その税金というのは国民の納税によって当然ながら支払われている、その背景には勤労というものがある、したがって、自分たちも大きくなったら、それで支えられているということは、納税とそれから勤労ということの意識をしっかり教え込むことをさらに強化することによって、自分たちも社会の中でこういう仕事をしたいな、そして、それによって社会の一員として頑張りたいなというふうな意欲、職業意識も含めて強化することをあらゆる機会を通じて展開できるように、私の方から教育現場にはお願いをしていきたいと思っております。
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下村博文#25
○下村委員 今の答弁は、人間個人川端さんとしての御発言であれば、それは私はよしとします。しかし文科大臣として、果たしてそれだけで本当に子供たちの学力が伸びるのか、公共性が高まるのか。全然関係ない話だと思うんですね。
 お手元に資料、下から二番目だと思いますが、「諸外国の後期中等教育修了認定試験」というのを見ていただきたいと思います。文部科学省の方につくっていただいたんですが、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、とりあえず四カ国の資料ですが、ございますか。
 この中、例えばアメリカは、後期中等教育の修了、つまり高校卒業ですね、「ハイスクールにおける取得単位により決定されるが、州によってはこれに加え、主要教科の州共通テストの合格により認められる。」ということなんですね。
 ちなみに大臣、アメリカにおいて高校三年生のとき、留年、まあ落第といいますか、どれぐらいいるか御存じですか。
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川端達夫#26
○川端国務大臣 申しわけございません、承知していません。
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下村博文#27
○下村委員 一人の落ちこぼれを出さない政策が施行される前は七〇%ぐらいが落第していたんですね。七〇%が落第していたんです。それが実施されるようになって、まあ今は五〇%ぐらい。半分ぐらいは落第しちゃっているんですよ。でも逆に言えば、それだけ、高校を卒業するときにはきちっとしたやはり基準に達するようにしていこうというのがあるわけです、基準として。
 それからイギリスは、「後期中等教育の修了という概念はない。」「後期中等教育の終盤で通常受験するGCE・Aレベルは、大学入学資格の基本的要件であるが、後期中等教育の修了を認定するものではない。」云々ということで、要するに、高校生のとき、GCEのAレベル、つまり、大学受験するための資格基準をクリアすることによって、つまり大学入学試験はありませんので、結果的にこれが大学入学のときの条件になる。高校のときの勉強の成果ですね。こういうことで、つまり大学入学試験はしない。このGCE・Aレベルで、そのままその成績によってどこの大学に入るか決まるということが二年間において試されるということです。
 それからフランス、「後期中等教育の修了認定は、一般に国家資格である「バカロレア」の取得により行われる。これは大学入学資格を兼ねる。」ということでちょっと似ていますが、修了試験と大学入学資格が同じである。フランスです。
 それからドイツ、「後期中等教育の修了認定は、州の資格である「アビトゥア」の取得により行われる。これは大学入学資格を兼ねる。」ということです。似たようなものです。
 それで、この高校無償化というのは、後期中等教育、我が国でいえば六・三・三・四制のちょうど真ん中ぐらいのところです。これを無償化するということですから、あわせて、我が国の教育制度そのものをどう制度設計するかということも同時にやはり検討しなければいけないのではないか。今既に、高校生の七割はついていけないというふうに言われておりますし、また、少子化の中、実際は入学試験が易しくなって、大学に入ってもついていけなくなって、大学生の中でも高校生以下の勉強をし直さないと大学の授業についていけない、あるいは、そもそも大学生であっても二次方程式もよくわからない、こういう子供がふえている。しかし、基本的に、では日本の子供たちはばかなのか。そうではなくて、私は教育システムに問題があると思うんですね。
 随分前から七五三教育ということがよく言われました。小学校で三割、中学校で五割、高校で七割の子供たちが落ちこぼれている。これはやはり教育システムに問題がある。わかってもわからなくてもそのままどんどん同じレベルで、そして画一、均一的な教育をすることによって、結果的にそのときにやる気がなくなってドロップアウトしてしまって、もうついていけなくなってしまう。基本的な能力がないわけじゃないのにもかかわらず、今の学校教育システムによって、結果的には高校を卒業するまでまともな学力がつかないという不幸な子供というのがたくさんいるわけです。
 ですから、こういうときに、私が申し上げるのは、例えば高校を卒業するときに検定試験を厳しくしてもっと落とせとかいうことではなくて、そもそも高校を無償化するということは、これは事実上義務教育に近いような形をさらにとっていく、つまり、教育費負担をそれだけ減らしていくということになってくるわけですから、義務教育まで含めて、そもそも我が国における学習のあり方を考える、考え直す。これは、精神論で幾ら大臣が先ほどおっしゃったように、これだけ国が四千億のお金を投資するんだから高校生はもっとしっかり勉強してください、これだけで解決できないですよ。
 ですから、この高校無償化議論と一緒に本質的な教育議論をしながら、具体的に子供たちにどう学力をもっと高めてもらうのかということを議論して、そしてそれを制度設計しなければ何の効果も上がらないんじゃないでしょうか。いかがですか。
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川端達夫#28
○川端国務大臣 大変重要な御指摘をいただいたというふうに思っております。
 今現実に起こっている問題の事実は、私もその現象は承知をしておりますし、深刻な学力低下、いわゆる中学校から高校、高校から大学、いつでもその部分で、大学生なのに中学校、高校のことをまた改めて教えなければついてこられない、一方で、少子化の現象の中でいろいろな経営上でいえば、生徒数は確保したい、どんどん質は落ちてくるというふうなことの中で、教育の状況をどうしたらいいかということが一番根源的な問題であることは私も認識をしております。
 そういう中で、これは無償化ということでの取り組みももちろん大きな背景として乗り越えなければいけないという御指摘は素直に受けとめたいと思いますが、同時に、もっと幅広く、先ほどアメリカ、イギリスの例をとられましたけれども、基本的に全部そうなんですね。日本の大学においても、入ることが何かゴールみたいになったら、あとは何かもうほっとしてしまうのかどうか知りませんが、だから、日本の大学が世界の中で非常に珍しいというか、新卒者、高校を新卒したいわゆる年齢がほとんど一緒の人がいて、アメリカなんかだと、まさに働きながら単位だけまた取りながらスキルアップしていくというふうな機関というのと、長年の日本の社会的な環境を含めての位置づけで機能してきたことは事実ですが、これがそろそろ、そろそろというより、もうもたなくなってきているという認識は私もそのとおりだと思います。
 そういう意味では、直近のいろいろな手当ても苦労しながら積み重ねてきていただき、我々も必要な部分はしっかり継承してまいりたいと思いますが、根源的な課題についてもまた引き続き我々もしっかり議論していくので、ぜひともまた、委員や先生方にも御指導いただきたいというふうに思っております。
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下村博文#29
○下村委員 この間、大学生百人の前で講演したことがございまして、幾つかアンケートをしたんです。自分はだめな人間か、それともすぐれた人間か、どちらかに分けたらどっちに自分は入るかと手を挙げてもらった。大学生百人、自分はだめな人間だと思う、手を挙げた子が九割いるんですよ。これが日本の教育の現状です。別に特定の大学でやったわけじゃなくて、いろいろな大学生が集まった。
 でもこれは、いろいろな調査でも、例えば高校生でも七割ぐらいが、どんな調査でも自分はだめな人間だと。日本においてはですよ。日本においては、ほかの国以上に自分自身に対する誇りとか自信とか持っていないんです。中学生でも五割ぐらいの子が、あるいは六割ぐらいが、自分はだめな人間だ。
 これはいろいろなデータでも同じことが言えます。つまり、上の学年に上がれば上がるほど、ある意味では受験競争という世界の中で、まあ一割ぐらいは自分は優秀だと、比較されますから。そうすると、九割ぐらいはだめな人間だと。結果的に、ある意味では、これは我々の反省を含めてですけれども、日本の教育は不幸にする教育システムになっている。
 これは、やはり戦後教育云々というのはありますけれども、もっと言えば、近代工業化社会の中でいかに優秀な人材を支えるか、そういうある意味では記憶、暗記中心のロボット型といいますか、そういう能力がもう日本では問われないといいますか、それだけの能力では社会の中ですぐれた人間として生きていけない。
 つまり、ポスト近代工業化社会の中で教育も今までのような教育システムをそのまま続けていったら、ますます不幸感を持ってしまうような、社会に結果的に適応できなくなってしまうような、そういう人材をただ育成するだけの話になってくるから、大臣が先ほどおっしゃったように、日本における大学入試そのものを変えていかなければ、高校以下全部変わらない。
 ですから、今回の高校無償化法案というのは、そういう意味で積極的にとらえれば、これは、大学入学試験まで、あるべきこれからの将来における人材像としてどうするかということを、ここまで文部科学省が同時に考えていくことが、ただの無償化ではなくて、必要であると私は思うんです。
 ですから、ぜひこれは、中教審等にも審議してもらったり、文科省としても、大学入学試験のあり方そのものを抜本的に見直すという機会としてとらえて検討されたらどうでしょうか。我々もちろん協力しますけれども。
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