石津政雄の発言 (本会議)
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○石津政雄君(続) 加えて、今後の口蹄疫対策推進に向けた赤松農林水産大臣の決意について、現場の苦悩、御労苦に思いをいたし、関係農家、関係地方公共団体、農業団体等に対する支援の力強いメッセージを明らかにしていただきたいと思います。
では、本題に移ります。
それぞれの時代において、農政に携わった政治家や官僚は、我が国の農林漁業の発展のために頑張ってこられたと思います。しかし、現在の農山漁村は明らかに衰退しております。現在までの理念なき農政は、私の地元の方言で言えば、ごじゃっぺと表現せざるを得ません。これは、でたらめ、いいかげんという意味でございます。
農林漁業は、農畜産物、魚介類などの食料のほか、生糸、麻などの天然繊維や建築資材となる木材を供給するなど、衣食住を賄うだけでなく、その生産活動を通じて、国土の保全、水源の涵養、災害の防止等の多面的機能を発揮し、都市住民も含めた国民全体の生命財産の保全に貢献している、まさに国の根幹を支える産業であります。
また、農山漁村においては、農林漁業の営みの中で、地域の気候、風土を反映した個性ある豊かな文化が形成され、古来より現在まで、連綿とその伝統が受け継がれてまいりました。農山漁村は、まさに我々日本人の心のふるさとであり、後世に伝えるべき国民共有の財産であります。
私は、農は国のもとなりという言葉を子供のころから耳にし、農業とともに育ちました。さらに、私は茨城県旧大洋村の村長を四期十六年務めさせていただきました。その間、農山漁村を取り巻く環境はますます厳しくなっていることをこの肌で感じてまいりました。
GDP全体に占める農林漁業の生産額は、昭和五十五年は三・六%であったのに対し、平成二十年には一・五%と大きく減少しております。加えて、農林漁業者の可処分所得は大幅に減少し、過疎化も急激に進展しています。耕作放棄地の増大、森林の荒廃、水産資源の減少など、深刻な状況に直面し、農山漁村の活力が失われております。
鳩山政権の一丁目一番地の政策である地域主権は、地域社会が持続性を保つことによって成り立つものであります。地方の基幹産業が農林漁業である認識に立てば、その地域社会、コミュニティーを維持するためのツールとして、農林漁業の振興は極めて大切であると考えますが、地域主権を実現するに当たり、赤松農林水産大臣の御決意をお伺いいたします。
また、都心の子供たちが、例えば、一学級、教員も含めて、農山漁村の過疎の学校で一学期間、農山漁村の子供たちと一緒に教育を受け、地域社会に親しむことにより、農山漁村の持つ多面的機能、つまり、自然環境や一次産業などに直接触れ、豊かな感性、生きる力を養うことは、近未来の日本人に求められる環境への配慮、食料を中心とした生産の大切さを体得する上で大変重要であると考えております。
私は、これを教育の参勤交代と呼んでおります。子供たちが空気、水、食料などを通じて農山漁村と都市とが表裏一体の関係にあることを認識し、さらには、生産者と消費者に一体感を求めることこそが、中長期的な農林漁業の振興に資するものと考えます。
また、このような子供たちは、東アジア地域を初め世界を舞台に活躍し、日本を支える人材となるだけでなく、鳩山総理が唱えておられる新しい公共の担い手となっていくものと確信しております。
以上の点につきまして、赤松農林水産大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
農山漁村の危機的な状況を打破し、地域社会の活力を創出するため、我々民主党は、かねてより、農林漁業者と二次産業者、三次産業者との融合、さらに農山漁村と都市との連携による新たな業態の創出などによる農山漁村の六次産業化を提唱してまいりました。
政府においては、三月に閣議決定した新たな食料・農業・農村基本計画において、農業者に対する戸別所得補償制度の導入、食の安全、安心といった消費者ニーズにかなった生産体制への転換、そして六次産業化による活力ある農山漁村の再生の三本柱を基本に、農政の大転換を図りました。
政府は、本法律案の提出を契機として、農山漁村の六次産業化を総合的に推進し、農林漁業者の所得を確保するとともに、農山漁村に新たな雇用を創出することにより、疲弊した農山漁村の活性化を目指しております。
こうした認識に立ったとき、私は、農山漁村の六次産業化を実現するためには、将来的には関係府省の政策体系と組織の再編も視野に入れていく必要があり、今回の法律案はそれに向けたまさに第一歩と考えられますが、赤松農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
六次産業化の概念についてお尋ねいたします。
農山漁村の六次産業化は、私たち民主党が平成二十年十二月に公表した農山漁村六次産業化ビジョンにおいて示したものであります。さきの総選挙におけるマニフェストにおいても、農山漁村の六次産業化を目指す、すなわち、農林漁業者が生産、加工、流通までを一体的に担うことにより、地方を活性化する旨を掲げております。
農林水産省の試算によりますと、平成十七年においては、我が国の消費者向けの国内産農水産物及び輸入農水産物の生産額の合計は十兆六千億円であります。それが、生鮮食品のまま出荷されたり、食品製造業を経て加工食品となったり、外食産業に供されることによって、最終的な国民の消費額は七十三兆六千億円となり、これはGDP比で一四%という大きな数字となります。
私は、新たな需要を喚起することにより、最終消費額七十三兆六千億円をさらにふやすことに加え、農林漁業経営を多角化し、流通や加工の分野に農林漁業者が踏み込むことにより、その最終消費額を可能な限り地方、すなわち生産者側に引き寄せることが六次産業化の理念であると考えております。
そこで、今回の法律案において、六次産業化をどのような概念としてとらえておられるのか、赤松農林水産大臣にお伺いいたします。
次に、六次産業化によるバイオマスの利活用についてお尋ねいたします。
我が国は、四季折々、豊かな自然環境に恵まれており、農山漁村には、太陽光、風力、水力、地熱などの自然エネルギーはもとより、いまだ利用されていない稲わらや間伐材、さらに家畜のふん尿等のバイオマス資源が豊富に存在しております。
農山漁村において、地域で製造されたバイオマス由来のエタノールやディーゼル燃料、またバイオマスプラスチック等を、農林漁業生産現場、さらには地域全体で積極的に利活用することができれば、農山漁村に新たな付加価値を生み出すことができます。
また、農山漁村の資源を活用した電力を売却することができれば、化石燃料への依存度を引き下げ、地球温暖化防止に貢献することができます。さらに、農山漁村に売電収入がもたらされるならば、例えば農業用水路の維持管理の費用の捻出も可能となります。さらに、発電施設等の整備、維持管理に伴い、雇用が創出されることも考えられます。
六次産業化の促進には、これら地域のバイオマス資源を有効に利活用することが重要であると考えておりますが、バイオマス利活用に向けた御決意に加え、本法律案の地球温暖化防止対策への貢献に対する基本的考え方について、赤松農林水産大臣の御所見をお尋ねいたします。
最後に、六次産業化に関する情報提供のあり方についてお尋ねいたします。
本法律案に関連する法律は、農商工等連携促進法など、複数の府省にまたがる法律があり、六次産業化に取り組もうとする場合、その事業主体や取り組み内容などにより、活用できる法律も異なってくることが考えられます。
私の政治信条は、徹底した現場主義です。どのようなすばらしい施策であっても、実際に使わなければ意味がありません。六次産業化を実効あるものとし、農山漁村を活性化させるために、農山漁村の現場に照準を合わせ、農林漁業者が利用しやすい体制を整えることが不可欠であると考えております。
先ほど申し上げましたように、組織再編等も検討していく必要があろうと考えますが、当面の課題としては、農林水産省が主体となって関係府省間の連携を図り、関連する法制度を含めた窓口の一本化、すなわちワンストップサービス化を積極的に整備していくべきだと考えております。
また、六次産業化による事業を推進していくためには、全国の先進事例に関する情報が、こうしたワンストップサービスを通じて、それぞれの地域でアクセスできるようにすることが重要であると考えます。
以上の点につきまして、赤松農林水産大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
口蹄疫感染地域の農家の皆様方に心からお見舞いを改めて申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣赤松広隆君登壇〕