石田祝稔の発言 (本会議)
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○石田祝稔君 公明党の石田祝稔です。
公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました、「宮崎県で発生した口蹄疫」に関する報告に対して、総理ほか関係大臣に質問いたします。(拍手)
初めに、口蹄疫の発生農家並びに関係の方々に心からお見舞いを申し上げます。
今、宮崎県において、農家の方々、地元の皆様、全国から駆けつけてくださった獣医師の方々、自衛隊員の皆様等、昼夜を問わず口蹄疫防疫作業に取り組んでおられる関係者の皆様の御努力に敬意と感謝を表します。
さて、四月二十日に一例目の口蹄疫発生が報告されてから、政府はこの一カ月間何をしていたんでしょうか。
十年前の二〇〇〇年に宮崎県と北海道で発生した際は、牛の処分頭数は七百四十頭でした。今回の殺処分対象頭数は、二十四日現在で、牛、豚合わせて、前回の二百倍近くの十四万五千三百五十八頭であります。国内史上最悪の状況になっております。
政府は、五月十九日、発生地から半径十キロメートル以内のすべての牛、豚を殺処分することを決定しましたが、健康な牛、豚を含めて対象頭数は既に三十万頭に及んでおります。しかも、その政府決定は、宮崎県が前日の十八日に非常事態宣言を出してやっと重い腰を上げた格好であります。
家畜伝染病の中でも口蹄疫は、陽性反応が報告されたら即畜舎内の全頭殺処分を実行しなければならないほど、伝播力が強い疫病であります。目に見えない敵との時間を争う戦いであり、迅速な対応が蔓延防止に不可欠なことは、世界的な常識であります。
それにもかかわらず、所管大臣である赤松農林水産大臣は、四月二十日の報告以来、具体的な指示を出した形跡も見せず、外遊に旅立ち、一例目の発生から二週間以上たった五月八日に帰国、その時点で既に四十九例、六万頭以上の疑似患畜が確認されています。
赤松大臣に質問いたします。
大臣は、なぜ、口蹄疫が発生し、蔓延が心配される状況の中、九日間もの予定で外遊に出発されたのか。なぜ、道中予定を変更し、帰国の途につかなかったのか。なぜ、五月八日に帰国したその足で現地に赴かなかったのか。
報道によると、大臣は、五月八日の夜、栃木県に行き、民主党の衆議院議員の支援者の会合に出ていたというではありませんか。現地の悲痛な声は大臣の心に届かなかったのでしょうか。明確な答弁を求めます。
さて、赤松大臣は、感染が確認されてから二十日たった五月十日にようやく宮崎県入りしましたが、やったことといえば、知事や市町村長、農業者団体と面会しただけであります。この時点で史上最悪の非常事態であるにもかかわらず、五月十一日の記者会見では、「県外に拡がったなんていうことになれば、これは、また新たに、今までの仕方で本当にいいのかどうか、検討しなければいけないけれども、幸いにして、」とこう言ったんですよ、「そういうことなかった、」などと、まるで第三者であるかのような悠長な発言をしています。
また、赤松大臣が外遊中、農水大臣臨時代理を務めていた福島みずほ消費者・少子化担当大臣は、その間何をなさっていたのでしょう。
五月の連休中、閣僚の多くが外遊に出かけたそうでありますが、この間、政府では、だれが指揮をとり、指示を出していたのでしょうか。本当に、万全の対応であったと胸を張って言えるものだったのでしょうか。総理にお伺いいたします。
一万頭の家畜を処分するために必要となる埋却地は、およそ五ヘクタールと言われています。六万頭となると三十ヘクタールの埋却地が必要となります。家畜伝染病予防法では、家畜を所有する農家が埋却地を確保することとなっていますが、これほど広大な土地を農家や自治体が確保することは容易ではありません。とするならば、埋却地の確保から、消毒の徹底、全頭処分範囲の決定など、国土交通省、財務省、防衛省などの各省庁を初め、地方自治体、関係者と連携のもと、すべてを総理の陣頭指揮のもとに迅速に決めるべきではなかったでしょうか。
つまり、今回の口蹄疫被害の拡大は、政府の初動対応のおくれが招いた人災であると断ぜざるを得ないのであります。
農林水産省は、四月二十日の時点で口蹄疫防疫対策本部を設置していますが、さらに、政府は、五月十七日になって鳩山総理を本部長とする政府対策本部を設置しておりますが、完全に機を逸しております。総理、なぜ一カ月後だったのですか。認識が甘かったと言わざるを得ません。現場で対策に当たっている方々は、五月の連休も返上して、既に一カ月以上の間、口蹄疫の鎮圧のために戦い続けているのです。
公明党は、四月二十三日に宮崎県議団から知事に対し要請を行い、四月二十九日には国会議員から成る防疫対策本部を設置し、五月上旬までに二回現地に参りました。地元農家や県会議員との意見交換を重ね、提言を政府に提出いたしました。また、いち早く、農家の方々に少しでも安心感を与え、自治体と連携してあらゆる防疫措置がとれるように、一千億円規模の対策費の準備を政府に訴えてきました。
しかしながら、残念なことに、予算措置について明確なメッセージがないまま今日に至っております。さらに、埋却地の確保についても、国が主導して決めなければならないと訴えてまいりましたが、これについても埋却に要する経費の支援のみで、国有地などの利用を具体的に指示したということも聞いておりません。
赤松大臣の帰国後の対応も、殺処分家畜の補償の評価額や、経営再開経費の支援の中身を見ても、現場感覚に乏しい内容ばかりであります。
政府の初動対応のおくれによる人災であり、これは激甚災害であります。すべて政府の責任で補償することは当たり前ではありませんか。少なくとも、対象区域内の家畜に対するワクチン接種、殺処分を決定したのは政府である以上、その埋却地の確保と、それにかかる費用もすべて国が責任を持つべきと考えますが、総理の見解を伺います。
さらに、農林水産大臣が二十三日に「宮崎県の農家の皆様へ」と題して発表した声明には、今後の経営再開や関連産業の経営支援などについて、何一つ具体的な表明はありませんでした。一刻も早く、絶望感に打ちひしがれている対象地域の畜産農家、そして、牛、豚を取り扱う製造、加工、流通及び地域の飲食店を初めとするすべての営業者に対する経営と生活の安定を支援しなければなりません。宮崎県の主要産業である畜産業が、今、鳩山内閣によって壊滅させられようとしていると言っても過言ではありません。
今後予想される、外食産業や観光業などに及ぼす二次被害、三次被害に対してもどのような支援をなされるのか、あわせて総理にお伺いいたします。
その他、現行の家畜伝染病予防法では、埋却地の確保は家畜所有者が行わなければならないこと、消毒ポイントにおいて一般車両や物品について消毒義務がないことなど、現実には対応できない法制上の課題が浮き彫りになっています。
今回の宮崎県における口蹄疫の爆発的な発生状況は、県内の畜産・酪農関係者にとって極めて深刻な状況であるだけでなく、我が国の畜産の崩壊にもつながりかねない非常事態であると認識すべきであります。
私は、このような事態に迅速かつ的確に対応し、さらなる蔓延を防止するとともに、疲弊した畜産・酪農関係者を初め、地域への支援を強力に行うためにも、今申し上げたような課題に対応し得る立法措置を行う必要があると考えます。
公明党は、口蹄疫対策特別措置法案を本日国会に提出いたしました。当然、政府もお考えになっていると思いますが、立法措置を含めた今後の支援のあり方について総理の見解をお伺いいたします。
最後に、総理並びに赤松大臣にお伺いいたします。
政治は、結果責任であります。事ここに至っては、政治責任を明確にすべきであると思います。政治家としての身の処し方をお聞きし、質問を終わります。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇〕