遠藤乙彦の発言 (本会議)
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○遠藤乙彦君 公明党の遠藤乙彦でございます。
私は、公明党を代表し、ただいま議題になりました菅内閣不信任決議案に賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
まず冒頭申し上げたいのは、六月八日に菅新内閣が発足し、つい先日、十一日に総理の所信表明を伺ったばかりであります。
まさか、本日、菅内閣不信任決議案が提出され、それに賛成せざるを得ないというのは、まことに遺憾と言うほかありません。内閣発足後わずか九日間で内閣不信任案が出されるなど、前代未聞、憲政史上初の珍事であり、言葉をかえれば、菅内閣がいかにまれに見る異常な強権内閣であったかの証左でもあります。
結論から申し上げれば、菅新内閣は、残念ながら、全くその任にたえない内閣であり、即刻退陣を求めるものであります。
以下、その理由を端的に申し上げます。
第一に、菅内閣は、平気で人をだます裏切り内閣であります。
これまで国会では、政権がかわった場合、直ちに予算委員会を開会し、国民の前で新しい総理の政治姿勢について与野党で議論を行うのは当然のことであり、憲政の常道でありました。ところが、菅政権は、あろうことか、衆参で予算委員会を全く開かずに、国会を本日閉じようとしております。
そもそも、野党の強い要求で渋々衆参一日ずつの予算委員会の開催を提案したのは与党の方じゃありませんか。その提案をみずから突如撤回し、会期を本日で閉じてしまう行為は、まさにペテン師そのものであり、言論の府を土足で踏みにじる行動にほかなりません。
さらに、昨日は、参議院において、問責決議案等の上程を避けるため、ひそかに本日の参議院本会議立てを見送り、閉中審査手続を含め、すべての議案の審議を与党みずから放棄しようとたくらんだのであります。野党の強い抗議で断念したものの、もはや正気のさたとは言えないと思います。
一方、菅総理は、郵政改革について、六月四日の国民新党との連立政権合意において、郵政改革法案を速やかに成立を期すとしましたが、それを、舌の根も乾かぬ、わずか数日でほごにしてしまいました。この裏切りによって、国民新党亀井代表を閣僚辞任に追い込んだわけであります。これが政権与党のすることでしょうか。
郵政改革法案そのものには重大な問題がありますが、ここで申し上げたいのは、菅総理は、連立のパートナーでさえもいとも簡単にだますということであります。社民党もまた、同様の憂き目に遭わされたのであります。まさに、約束は破るためにあるというのが菅民主党内閣のモットーのようであります。
このように、平気で相手をだまし、裏切る。そんな人間に一国の総理が務まるわけがない、国政をゆだねるわけにはいかないと断言するものであります。
第二に、菅内閣は、疑惑隠し内閣であります。
そもそも、菅総理、あなたは、鳩山前政権の中で、副総理兼財務大臣として、政権の中枢として大変重要な位置にありました。政治と金の問題や普天間問題など九カ月間にわたる鳩山失政の責めは、鳩山総理のみならず、当然、あなたにもあるわけであります。そのあなたが、総理になられた最初の所信表明の中で、私も前内閣の一員としてこうした状況を防げなかった責任を痛感していますとおっしゃいました。
ところが、実際には、菅新政権は、この言葉を翻し、わずか数日のうちに全く逆のことを行ってきたわけであります。
すなわち、小沢氏の元秘書で逮捕、起訴された石川知裕議員や、北海道教職員組合から違法な企業・団体献金を受け取り、選挙対策の資金管理責任者に有罪判決が下った小林千代美議員に対する辞職勧告決議案についても、幾ら野党が採決を迫っても、今日までたなざらしのままであります。
また、鳩山総理は、実母から提供された資金の使途について、裁判が終われば書類の返還を求めて、そしてそこで皆様方に見ていただきたいと国会で答弁しておりました。しかし、いまだに、その資料の提出に全く応じようとしておりません。
菅総理が本当にクリーンな民主党に変わるというならば、すぐにでも、党代表として、党に、具体的な行動として、疑惑解明を指示すべきではありませんか。ところが、あなたは、役職を退いて責任はとったと言い逃れをするだけで、全く疑惑を解明しようとしておりません。
さらに、菅総理、あなたは、民主党代表選の出馬会見で、小沢氏について、小沢幹事長は、国民のある種の不信を招いたことで、しばらくは静かにしていただいた方が、本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいと発言をいたしました。
あなたは、小沢幹事長が国民の不信を招いたことを認めているならば、静かにしてもらうのではなく、国会や国民の前で小沢氏に堂々と説明してもらうのが筋ではないのか。それでは、ほとぼりが冷めるまで、選挙に勝つまでは隠れていてくださいということではありませんか。それこそまさに小沢隠し・疑惑隠し内閣そのものであると言わざるを得ません。
また、先ほど触れたように、菅代表率いる民主党は、選挙前に国会で追及されたくないばかりに、予算委員会を開会せずに今国会を閉じようとしております。臭い物にはふたとばかりに、あなたは逃げてばかり。三十六計逃げるにしかず、まさに逃げる奇兵隊であります。その姿は選挙至上主義そのもので、すべての疑惑にほおかむりをしたまま選挙に逃げようとしております。
こんなことを国民がわからないと思っているんでしょうか。この民主党の浅ましい対応には、新聞各紙も、到底容認できないなどと、厳しく糾弾いたしております。まさに党利党略の疑惑隠し内閣であると強く指摘するものであります。
第三に、菅内閣は、マニフェスト詐欺内閣であります。
昨年の民主党マニフェストで掲げられた高速道路の無料化についてであります。これは、菅総理が、平成十五年、民主党代表であったときから、あなたが最も強く推進してきたと認識をしております。
ところが、高速道路の無料化をめぐる混乱ぶりは、本当にひどい。本来高速道路料金の割引の原資となる財源の一部が高速道路建設に充てられることになり、無料化どころか、一律二千円という負担増を国民に押しつける案を提示。さすがにこれには民主党内からも異論があり、とうとう、うやむやにしてしまいました。まさに国民を愚弄しております。
マニフェスト違反は、これ以外にも、高校生の所得税特定扶養控除の縮減や、十五歳以下の扶養控除について住民税分の廃止、自動車関係諸税の暫定税率の廃止の撤回など、数え上げれば切りがありません。
長妻厚生労働大臣は、先日、子ども手当二万六千円支給は難しいと発言し、子ども手当の満額支給を事実上撤回いたしました。これこそ、うその典型ではありませんか。この一点だけで、長妻大臣は辞任に値します。
財源の目当てもなく、国民にうその公約で選挙民をだまし、政治不信を招いたその罪は、日本の歴史に残る巨悪と言わざるを得ません。
ところが、所信表明演説で、菅総理は、これらマニフェストが実現できなかったことを何ら総括もしようとしていない。私を信頼していただきたいと述べていますが、そんな総理の言葉にだれが耳を傾けるというんですか。まさに菅内閣は、マニフェスト詐欺内閣、国民だまし内閣と言わざるを得ません。
第四に、菅内閣は、そもそも閣僚の任にたえ得ない、資質なし内閣であります。
まず、昨日まで衆参代表質問でも糾弾され、本日参議院で問責決議案が提出された荒井国家戦略担当大臣であります。荒井大臣は、政治団体の事務所費経費で、事もあろうに、女性の下着や少女漫画を政治資金で購入していたというのだから、ただただあきれるばかりであります。恥を知るべきであろうと思います。
荒井大臣は、菅総理、あなたの側近中の側近であり、北海道選出議員でありながら、その事務所は、あなたの選挙区である東京・府中市にあるというではありませんか。その事務所は、実体のない名ばかりのものであることが明らかになっております。荒井大臣は、合法だからいいとか、領収書を出さなかった自民党よりもましとか、言いわけをしておりますが、そんな言いわけに国民はだれも耳をかしません。
荒井国家戦略担当大臣の身体検査はしたんですか。任命した菅総理は責任を明らかにするべきであると強く申し上げておきたいと思います。
また、蓮舫行政刷新担当大臣についても、男性公設秘書が、深夜、痴漢を働き、警察の事情聴取を受けました。まさに言語道断であります。この秘書を直ちに解雇することなく、記者の追及にも秘書をかばうなど、倫理観欠如も甚だしい。秘書の罪は議員の罪。あなたには行政刷新を語る資格はないと指摘せざるを得ません。
そして、一番資質が問われるのは、菅総理、あなたであります。
総理は、六月四日の代表選前の演説で、私も一〇〇%真っ白というところまで自信はありませんがと発言しました。自分が真っ白でないから、他の疑惑の議員にも厳しく対応できないんですか。そんなあなたを総理としなければならない国民こそが、あなたの言葉をかりて言えば、まさに最大不幸ではありませんか。
政治の要諦を示した中国の古典「貞観政要」に、次のような言葉があります。「君は舟なり、人は水なり。水はよく舟を載せ、またよく舟を覆す」とあります。船出したばかりの菅船の船底には、はや不信という巨大な穴がぽっかりあいており、転覆は時間の問題と自覚すべきであります。
どうか、総理、あなたが本当に国民生活のことを思うのであれば、即刻、辞任をするか、あなたが野党時代に言ってきたように、衆議院を解散して国民に信を問うべきであると強く申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)