前田武志の発言 (財政金融委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○前田武志君 今、古川副大臣から御紹介があったのは、主に民主党のマニフェストに載せてある、野党時代に随分みんなで議論をして練り上げてきた政策の幾つかだろうと、こういうふうに思うんですね。
 そこで、資料を二枚お配りをしておりますが、一枚目の資料ですね、これは野村総研のリチャード・クーさんが勉強会で使われた資料から引っ張ってきたわけなんですが。要するに、日本の住宅というものは五千七百万戸ぐらい、実際に世帯が持っている住宅というのは五千万戸ぐらいあるようであります。この五千万戸の住宅というものは、二十五年ぐらいで無価値になって、三十年たつと平均するとこれ産業廃棄物になるんですね。
 この図はそれを如実に示しているわけでございまして、六九年から統計を取っているんですね、〇七年まで。六九年から例えば二十五年ぐらいたちますと、大体累積価値がもう一定状況になってくる。二十五年以上たつと無価値になってくるわけですからね。右肩で名目GDPで見た累積民間住宅着工額というのは、累積額、ずっと価値を失わずに累積するとこのぐらいのものになるよと、四百五十兆円ぐらい価値を失っていると。
 この上にあるのが、米国と同様に住宅が造られたと、そして米国と同じような町づくりがされたと。要するに、米国等においては、個別の住宅と併せて、その住宅が集合してできる町の価値というものを非常に重きを置いて守っていく。この辺は菅副総理の専門分野だと思うんですけれど、そういうことで価値をずっと上げてきているというところがあります。そういう想定でやると、六百五十兆円ぐらいの損失だということなんですね。
 まず、こんなことを前提にしながら、今、古川副大臣が御指摘になったこの民主党の政策というものがその次のポンチ絵にあります。
 あえてここに持ち出してきておりますのは、住宅政策というのが関連して非常に統合的な政策なものでございますから、これを是非総理大臣そして副総理に御認識を、御認識をというよりも確認をしたいという意味で書いてあるわけです。
 民主党のマニフェストのナンバー四十四が住宅政策、住宅リフォーム大作戦と、こう言っておりますが、ここに二つの車輪があって、この車輪がうまくきっちりと動くとこの左の方の目標に向かって進むよと。これは何かといいますと、左側が年間二百五十万戸の、五千万戸ありますからね、二百五十万戸やっても二十年掛かるんですよね。ワンサイクルそのぐらい掛かる。この省エネ・健康・耐震リフォームをやると。
 なお、二百五十万戸というのはどこから出しているかといいますと、去年の麻生内閣で温暖化対策を練られました。中期目標検討委員会というのをつくって、そこの分析そしてその検討結果というものがレポートになっておりますが、そのレポートによりますと、九〇年比二五%炭酸ガスを削減しようとすると、民生部門における、要するに民生部門が非常に今のところ省エネといいますか、排出量を抑えるについてまだまだ努力の足りない分野と、こういうことになっておりまして、この民生部門で九〇年比二五%削減するには、毎年、既存住宅二百五十万戸、省エネリフォームをしなければならないという検討結果になっているんですよ。だから、それを引っ張ってきているわけですね。
 で、二百五十万戸やったって、これ二十年でやっとでワンサイクルですから、住宅の寿命がそのぐらいで今あるとすれば、リフォームなんというのは二十年ぐらいではやらにゃいけませんから、もうずっと連続して回っていくぐらいのリフォーム需要というのが出てくるはずです。
 しかしこれは、右側の輪っぱの流通市場がそろわなければ全く意味がありません。ということは、マイホームが簡単に安心して貸せると。ライフステージに応じて、わざわざ高いローンで家を買わなくても、子育て世代はこういった子育てをやった環境のいい立派な広い家を借りて、ただし、そこには子育て支援の家賃政策なんというのが自治体でやるということが必要になってくるかと思うんですが、そしてまた、いつでも売れる、買えるというような流通市場、これが実はありません。これがないからリバースモーゲージができないんですよね。
 その前提になる定期借家権というのは、これはもう菅副総理は一番御存じで、菅さんが代表のときに私に座長をやれということで、この定期借家権をまとめて、与野党一緒になって借地借家権を改正した、議員立法でやった記憶があります。民主党は大反対だったんですが、この定期借家権を導入すれば、サラリーマン唯一の資産である家が価値を持つようになって、そして行く行くはリバースモーゲージが可能になるんだよということで説得したんです。十数年たって全然進んでないんですよ。これを是非やっていただきたい。
 ということで、この二つがそろうと、当然、既存の住宅というのは北海道から沖縄まであります。そして、その風土に合った住宅です。材料も地元の木材を使います。職人も地元の職人です。地域で経済がどんどん回ります。そして、資産価値が高まって、ほとんどが既存の住宅は木造ですから、もちろんマンションも含めてなんですけれども、二五%削減に、そして、木の文化の再生に、持続的な地域経済づくりにつながると、こういうシナリオですね。
 下の方に書いてあるのは、実は自然エネルギー、マニフェスト四十三が固定価格買取り制度、そしてマニフェスト四十五が二〇二〇年までに自然エネルギーで一〇%以上ということになっていますが、実は既に日本で七十幾つかの自治体でもう自然エネルギーでその自治体が使うエネルギーを供給しているというか、一次エネルギーでいうと、それをオーバーするぐらい、風力だとか太陽だとかやっているところがあるんですね。少なくとも過疎地域についてのみ直ちにこれをやればどうかと。
 過疎法がこの間通って、過疎法対象事業の中に自然エネルギーというのが入りましたね。これ、固定価格で全面的にやれというと、これは相当の調整も要るし、制度設計も要るし、電力業界だとか大変な迷惑も掛けるわけですが、過疎地域に限れば、過疎法対象地域、面積で五四%、自治体の数で四割、薄く広く自然エネルギーは広がっていますから、せいぜい人口は千数百万人でしょう。そこで、このリフォーム大作戦をやれば、木材工場が動く、どんどん木材の製材が始まる、製材工場の屋根に太陽パネルを張る、目の前の小川でマイクロ水力発電やる、そして、丸太から用材を取れば六割ぐらいは端材ですから、これでバイオマス発電やる。全部固定価格で買い取れば、そこにミニ発電会社がいっぱいできてくるわけですよ。これは直ちにやれば直ちに効果が出てきます。これと住宅リフォームを組み合わせてやっていけば、即効性のある、成長戦略とまで言いませんが、そういうものにつながっていくと思うんですね。
 そういった意味で、本格的な省エネというもの、二五%やろうと思えば避けて通れない住宅政策でございますから、ひとつ是非まずここに踏み込んでいただきたいと思います。
 まずは菅副総理、そして総理に最後にお考えを、御見解をお聞きいたします。

発言情報

speech_id: 117414370X00620100324_011

発言者: 前田武志

speaker_id: 33323

日付: 2010-03-24

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会