財政金融委員会

2010-03-24 参議院 全98発言

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会議録情報#0
平成二十二年三月二十四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     谷岡 郁子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大石 正光君
    理 事
                大久保 勉君
                藤田 幸久君
                円 より子君
                愛知 治郎君
                林  芳正君
    委 員
                風間 直樹君
                川合 孝典君
                川上 義博君
                自見庄三郎君
                田村耕太郎君
                谷岡 郁子君
                富岡由紀夫君
                前田 武志君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                鶴保 庸介君
                中川 雅治君
                牧野たかお君
                若林 正俊君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鳩山由紀夫君
       財務大臣     菅  直人君
   副大臣
       内閣府副大臣   古川 元久君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度における財政運営のための公債
 の発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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大石正光#1
○委員長(大石正光君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日、尾立源幸君が委員を辞任され、その補欠として谷岡郁子君が選任されました。
    ─────────────
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大石正光#2
○委員長(大石正光君) 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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前田武志#3
○前田武志君 今日は総理に来ていただいて、いよいよこの国税関係三法の大詰めの質疑になったかと思います。
 既に当委員会において、税の話あるいは国債の健全なる管理といったような観点あるいは租税特別措置、特に法人税のトリガー税率だとか、いろいろ議論を尽くしてまいったわけでございますが、今日はせっかく総理もおいででございますので、税が機能する経済社会というのはどんどん動いているわけでございますから、その動いている今の経済にとって税の在り方等どうあるべきかといったような観点からざっくりとした議論をさせていただきたいと思います。
 ついては、まず最初に、十八日に地価公示が発表されましたですね。たしか二万七千四百十か所ある公示地点のうち七か所以外が全部下がっていたという結果でありました。特に、三大都市圏の商業用地というのが七・一%下がっていたというようなことが発表されておりますが、これはゆゆしき事態なんだろうと思うんですね。もちろん実体経済には非常に大きな影響を与えますし、とにかく、ここの議論でも出ておりましたが、菅大臣なんかがずっと指摘をしておられた土地本位制といいますかね、そういったことから申しますと、個人の資産も随分毀損するでありましょうし、当然金融機関の担保というようなことでも問題が出てまいります。また、金融機関の運用、預貸率が随分低くなっているという議論もここではありましたが、それを補って多分国債だとかあるいは不動産関連の証券化された商品といいますか、そういったものも随分抱えているわけでございますから、この影響、特に地域の経済等に与える影響は非常に大きいと思うんですね。
 この地価公示の結果から類推してどのような状況になっているかということを含めて、峰崎副大臣から御認識をお聞きしたい。
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峰崎直樹#4
○副大臣(峰崎直樹君) 前田大先輩の御質問に私の方が十分答えられるかどうか分かりませんが、御指摘のあった公示地価というのは、本当に前年比で全国平均マイナス四・六と、これは二年連続で落ちました。それから、議員御指摘のように、三大都市圏の商業地は前年比七・一%の下落ということで、本当に企業収益との関係が非常に強うございまして、これは何よりもやはりデフレ経済、経済の活力が停滞しているなと。
 ちょっと感想めいたお話になりますが、私、一九九四年から五年の税制改正で与党で、当時、自社さ政権でしたが、林芳正委員のお父さんと一緒に議論したとき、今地価税というのが残っております。あのときに地価税を廃止しようという議論があったんですが、いや、地価はまたいつ上がってくるかもしれないから税率として残しておこうと、こういうことを提案をして、今ゼロというところで収まっているんですが、本当にもうそのことを、全くゼロ税率をなくしてもいいぐらいの状況になっているなということをちょっと痛感をしておりまして、これは日本経済に与える影響は相当大きいなと。
 後でまた御質問あるかもしれませんが、本当にこの十数年間を振り返って、昔は地価をいかに抑えるかとか、本当に地価とは何ぞやとか、いろんな議論が展開されたのが夢のような感じがいたしております。取りあえず感じだけ申し上げさせていただきます。
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前田武志#5
○前田武志君 今、前のバブル崩壊のこととの比較もあったわけですが、前回と多少違ってきているのは、あの当時の土地、不動産というのはまだ千三つの世界で、要するに合理的な不動産の中身といいますかね、収益還元というようなことまではなかなか至っていなかった。今はそれがどんどん進んで、REITであるだとか、CMBSというんですか、ああいった不動産そのものを証券化して、そしてそれが金融資産であったり負債であったり、そういったところに随分入ってきていると思うんですね。
 だから、これを今のままで放置しておくと、そういうところから毀損をしてとんでもないことになる。これはちょっと金融庁に対する質疑になるのかも分かりませんが、やはり手を打たないといかぬのじゃないかと、こう思いますが、いかがですか。
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峰崎直樹#6
○副大臣(峰崎直樹君) 全く私も同じように思っておりまして、あの当時、収益還元価格という考え方が、ディスカウント・キャッシュ・フローというシステムですが、それによって地価を逆算していこうということで、そこがうまくいき始めたのかなと思った瞬間に実はこういう下がってくると。今おっしゃられたように、REITだとか、証券化商品もそうですが、私は日本でもっと本当は発展してほしかったなと思っているのがリバースモーゲージなんですが、このリバースモーゲージも実は、価格がこういうふうに下落していくと、どこまで落ちていくか分からないときに、なかなかこのリバースモーゲージが実現しないという問題があるので、やはりいろんな意味で私たちの生活あるいは金融、経済に与えている影響というのが非常に大きいなということを感じておりますし、税を担当していますとやはり税収ということも気になってまいります。
 多分、固定資産税、地方税の基幹税もそうでしょうが、ある程度これは公示地価の場合はいわゆる相続税の問題とかそういったところにも関連してまいりますので、これは本当に我々としては何とかしなきゃいけないなという思いを持っていますが、もう一方で、人口がこれからどういう展開をしていくのか、こういった点も、いろんな要素が加味されてくるんだろうと思いますが、是非注目をしていきたいと思っております。
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前田武志#7
○前田武志君 そこで、ここの委員会におきましても国債についていろんな議論がありました。国債の健全な管理であるといったような観点あるいはプライマリーバランスであったり、いろいろありましたですね。それで、専門家の意見も聴いているわけですね。
 昨日の参考人の意見の中で、非常に私面白かったなと思うのは、日本の国債保有構造ということについての話がありまして、これは、日本の国債保有構造はお父さんとお母さんのやり取りだと、こう言うんですね。それは要するに、政府の赤字を家計の黒字で引き受けているといった構造を言うんでしょう。同じ家の中だからこの構造が成り立つということは、信認と愛がなければならないと、こういうお話のようでございます。
 信認というのはどういうことかというと、やはり成長期待というものがあって、そしてその成長戦略というものの国家の意思というものがあって初めて信認されるといったような説明でございました。愛とは何や。これは、財政規律への配慮とその意思だと、こういうふうに指摘をされておりましたね。友愛精神がここに表れてくるのではないかと、こういうような感じがするわけでございますが。
 そういう中でずっと議論を聞いておりまして、亀井金融大臣とそして菅財務大臣、それぞれお立場が違うものですから、菅大臣も非常に苦しいところ、やっぱり規律の方、その愛の方をしっかりと受け止める立場なんだろうと思うんですね。亀井大臣の方はむしろその信認の方、このままじゃ大変じゃないかと、もっと財政出動しろと、国債じゃぶじゃぶ発行せいというぐらいの、じゃぶじゃぶと言ったような気がするんですよ、そのぐらいの御意見もありました。
 しかし、これはある意味、こういう専門家の意見を聞いておりますと、これは市場のアナリストといいますか、そういった方でございましたが、国民の負担率といいますか税負担というのは確かに先進国の比較では低いと。したがって、私は、菅大臣が税議論、消費税議論というものを解禁してしっかりと議論をし始めたというのはやっぱり責任の表れ、非常に私は重要なことであるし、そこは敬意を表するんですね。これこそ愛の表れかなと、こういうふうに思うんですが。
 ということは、国民負担率というものが将来もう少し上がらざるを得ない、引き受ける潜在能力があるということで、それを現在価値に引き戻してくると、それを担保にして国債を発行する潜在能力というものがあるんではないかというような考え方なんですね。それは多分、市場がそういった判断をするだろうと。要するに、これ以上国債を発行するととんでもない事態になるぞということに対して、市場のメカニズムというのはそういった先のことをちゃんと織り込んで反応するんじゃないかということを示唆しているように思うんですね。
 ということは、信認と愛との統合、これをそこに見出すことができるのではないかと、このように思うものですから、非常に御苦労されている菅大臣、財政の規律とそして現下の状況の中で成長戦略を取り組まなければいけない、統合する一つの方向を示唆しているのではないかと思うがゆえに、ひとつお考えをお聞かせください。
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菅直人#8
○国務大臣(菅直人君) かなり難しい御質問で、私もどのように答えていいのか考えながらお聞きをいたしておりました。
 今の国民負担率が他の先進国に比べてやや低いので、まだ負担の余力があるから、そういう意味で国債発行が今日まで低い金利で可能であったという、そういう認識は私も共通にいたしております。その上で、これからの問題として、まさに成長と財政規律という問題をトレードオフ的にどちらかを取るという考え方で考えると、これはどうしても矛盾の拡大になろうかと思っております。
 私は思い切って、表現はちょっと気を付けなきゃいけませんが、国民負担率、時々峰崎副大臣とも話をしているんですが、負担という言葉をやめてシェアだと、分担だと。つまりは、負担と言うと何かマイナスのイメージが非常に強いんですが、そうではなくて分担なんだと。
 今の時代のデフレ状況というのは、個人がお金を持っていても、お金のままで持っていたいと、物に変えたくないというのが、つまり血流で言えば血液が流れない状況、お金が流れない状況、それがデフレの根底的な言わば原因だと思いますので、それを強制的に血液を流す。ペースメーカーとか、場合によったら人工心臓で血液を流すように、税でいただく、分担していただく代わりに、その分でちゃんと雇用をつくる。その分でちゃんと仕事をつくって、雇用をつくって、そこで新しいサービスであったり物であったりというものを供給して、それが新しい需要につながってくる。特に、そういう需要につながってくる分野に仕事をつくっていく。こうすれば、従来は税を上げるということは景気にマイナスだというのが一般的な常識として語られてきたわけですが、そうではなくて、今のようなデフレ状況では、お金を循環させるためには、税と財政出動がリンクしたときに初めてお金が流れると。
 問題は、その流す中身が時代に合って、特に国民にとって幸せになる、あるいは安心できるものになるかと、こういうふうに考えていいのではないかと。
 そういう意味では、今日予算が成立する見通しに皆さんのおかげでなっておりますが、そういう中で、思い切ってそういう新しい財政出動と税の関係を成長と規律を共に両立させる形でつくり上げていけないかという、まあ難しい課題ではありますが、そんなことを今のお話を聞きながら考えたところであります。
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前田武志#9
○前田武志君 今の菅大臣のお考えにその決意のほどを見るわけでございますが、実態がどうなってきたかということになりますと、こういう結果を受けてそれぞれその地域、ここにおられる同僚議員の皆様方、そして総理を始め政府の大臣、政治家の政務三役の方々もすべて、選挙区で地域、地方で今大変な状況だということはもう本当に肌身にしみて危機感を持って分かっておるわけですね。もう地方に本当に仕事がなくなってきていると言っても過言じゃありません。地域活性化であったり、そういったいろんな施策をいっぱい今まで打ってきているんですが、なかなかうまくいっていない。
 そんな観点から、まず地域から自立できる経済をどういうふうに今直ちに打っていくかという観点から少し議論をしたいわけですが、古川副大臣が来ておられますので、これ新成長戦略の中で、観光、健康、環境ですか、この三つの分野を特に重点を置いておられると思いますが、地域の活性化といいますか、そういう観点からどういうふうに短期的、速効的に効果のあることを考えておられるかお聞かせください。
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古川元久#10
○副大臣(古川元久君) ただいま新しい新成長戦略、菅副総理が取りまとめの責任者として、その下で今六月の最終取りまとめに向けての議論を進めさせていただいているわけでございますが、その中でもやっぱり地域の活性化というものは極めて重要な大きな視点になるというふうに考えております。
 つい先日の週末にも仙谷大臣とともに瀬戸内海の島であります直島という島を訪れまして、非常に活力に満ちている、そういう地域のどこにそういう源泉があるのかというところも視察をしてまいりました。これからの国の在り方を考えるに当たって、やはり地域からこの国を元気にしていくと、そういう視点の、是非これからも様々な示唆をいろいろな地域から学ばせていただきたいというふうに思っております。
 その中で、今、前田委員の方から御指摘がありました地域の活性化という中で、例えば、私ども、今回の新成長戦略の基本方針の中でも、先ほどもちょっと地価のお話もございましたけれども、住宅リフォームを通じた流通市場の活性化や、固定価格買取り制度の導入による過疎地経済の活性化、再生可能エネルギーの導入、推進と、そうしたものはいずれもこの地域経済の活性化に必要な施策であるというふうに認識をして、それを取り入れることといたしております。また同時に、木の文化の再生のために森林・林業の再生にも取り組むこととしておりまして、この点もまさに地域、特に今過疎地などを中心に大きな活性化の原動力になるのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、こうした問題を、地域、今どこも疲弊をしておりますが、そうした地域の活性化の活力を生むために政治のリーダーシップを発揮をして、地域に雇用とそして活力が生まれるように省庁の壁を取り払って努力をしてまいりたいというふうに思っておりますので、また委員からもいろいろのアドバイスをいただければというふうに思っております。
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前田武志#11
○前田武志君 今、古川副大臣から御紹介があったのは、主に民主党のマニフェストに載せてある、野党時代に随分みんなで議論をして練り上げてきた政策の幾つかだろうと、こういうふうに思うんですね。
 そこで、資料を二枚お配りをしておりますが、一枚目の資料ですね、これは野村総研のリチャード・クーさんが勉強会で使われた資料から引っ張ってきたわけなんですが。要するに、日本の住宅というものは五千七百万戸ぐらい、実際に世帯が持っている住宅というのは五千万戸ぐらいあるようであります。この五千万戸の住宅というものは、二十五年ぐらいで無価値になって、三十年たつと平均するとこれ産業廃棄物になるんですね。
 この図はそれを如実に示しているわけでございまして、六九年から統計を取っているんですね、〇七年まで。六九年から例えば二十五年ぐらいたちますと、大体累積価値がもう一定状況になってくる。二十五年以上たつと無価値になってくるわけですからね。右肩で名目GDPで見た累積民間住宅着工額というのは、累積額、ずっと価値を失わずに累積するとこのぐらいのものになるよと、四百五十兆円ぐらい価値を失っていると。
 この上にあるのが、米国と同様に住宅が造られたと、そして米国と同じような町づくりがされたと。要するに、米国等においては、個別の住宅と併せて、その住宅が集合してできる町の価値というものを非常に重きを置いて守っていく。この辺は菅副総理の専門分野だと思うんですけれど、そういうことで価値をずっと上げてきているというところがあります。そういう想定でやると、六百五十兆円ぐらいの損失だということなんですね。
 まず、こんなことを前提にしながら、今、古川副大臣が御指摘になったこの民主党の政策というものがその次のポンチ絵にあります。
 あえてここに持ち出してきておりますのは、住宅政策というのが関連して非常に統合的な政策なものでございますから、これを是非総理大臣そして副総理に御認識を、御認識をというよりも確認をしたいという意味で書いてあるわけです。
 民主党のマニフェストのナンバー四十四が住宅政策、住宅リフォーム大作戦と、こう言っておりますが、ここに二つの車輪があって、この車輪がうまくきっちりと動くとこの左の方の目標に向かって進むよと。これは何かといいますと、左側が年間二百五十万戸の、五千万戸ありますからね、二百五十万戸やっても二十年掛かるんですよね。ワンサイクルそのぐらい掛かる。この省エネ・健康・耐震リフォームをやると。
 なお、二百五十万戸というのはどこから出しているかといいますと、去年の麻生内閣で温暖化対策を練られました。中期目標検討委員会というのをつくって、そこの分析そしてその検討結果というものがレポートになっておりますが、そのレポートによりますと、九〇年比二五%炭酸ガスを削減しようとすると、民生部門における、要するに民生部門が非常に今のところ省エネといいますか、排出量を抑えるについてまだまだ努力の足りない分野と、こういうことになっておりまして、この民生部門で九〇年比二五%削減するには、毎年、既存住宅二百五十万戸、省エネリフォームをしなければならないという検討結果になっているんですよ。だから、それを引っ張ってきているわけですね。
 で、二百五十万戸やったって、これ二十年でやっとでワンサイクルですから、住宅の寿命がそのぐらいで今あるとすれば、リフォームなんというのは二十年ぐらいではやらにゃいけませんから、もうずっと連続して回っていくぐらいのリフォーム需要というのが出てくるはずです。
 しかしこれは、右側の輪っぱの流通市場がそろわなければ全く意味がありません。ということは、マイホームが簡単に安心して貸せると。ライフステージに応じて、わざわざ高いローンで家を買わなくても、子育て世代はこういった子育てをやった環境のいい立派な広い家を借りて、ただし、そこには子育て支援の家賃政策なんというのが自治体でやるということが必要になってくるかと思うんですが、そしてまた、いつでも売れる、買えるというような流通市場、これが実はありません。これがないからリバースモーゲージができないんですよね。
 その前提になる定期借家権というのは、これはもう菅副総理は一番御存じで、菅さんが代表のときに私に座長をやれということで、この定期借家権をまとめて、与野党一緒になって借地借家権を改正した、議員立法でやった記憶があります。民主党は大反対だったんですが、この定期借家権を導入すれば、サラリーマン唯一の資産である家が価値を持つようになって、そして行く行くはリバースモーゲージが可能になるんだよということで説得したんです。十数年たって全然進んでないんですよ。これを是非やっていただきたい。
 ということで、この二つがそろうと、当然、既存の住宅というのは北海道から沖縄まであります。そして、その風土に合った住宅です。材料も地元の木材を使います。職人も地元の職人です。地域で経済がどんどん回ります。そして、資産価値が高まって、ほとんどが既存の住宅は木造ですから、もちろんマンションも含めてなんですけれども、二五%削減に、そして、木の文化の再生に、持続的な地域経済づくりにつながると、こういうシナリオですね。
 下の方に書いてあるのは、実は自然エネルギー、マニフェスト四十三が固定価格買取り制度、そしてマニフェスト四十五が二〇二〇年までに自然エネルギーで一〇%以上ということになっていますが、実は既に日本で七十幾つかの自治体でもう自然エネルギーでその自治体が使うエネルギーを供給しているというか、一次エネルギーでいうと、それをオーバーするぐらい、風力だとか太陽だとかやっているところがあるんですね。少なくとも過疎地域についてのみ直ちにこれをやればどうかと。
 過疎法がこの間通って、過疎法対象事業の中に自然エネルギーというのが入りましたね。これ、固定価格で全面的にやれというと、これは相当の調整も要るし、制度設計も要るし、電力業界だとか大変な迷惑も掛けるわけですが、過疎地域に限れば、過疎法対象地域、面積で五四%、自治体の数で四割、薄く広く自然エネルギーは広がっていますから、せいぜい人口は千数百万人でしょう。そこで、このリフォーム大作戦をやれば、木材工場が動く、どんどん木材の製材が始まる、製材工場の屋根に太陽パネルを張る、目の前の小川でマイクロ水力発電やる、そして、丸太から用材を取れば六割ぐらいは端材ですから、これでバイオマス発電やる。全部固定価格で買い取れば、そこにミニ発電会社がいっぱいできてくるわけですよ。これは直ちにやれば直ちに効果が出てきます。これと住宅リフォームを組み合わせてやっていけば、即効性のある、成長戦略とまで言いませんが、そういうものにつながっていくと思うんですね。
 そういった意味で、本格的な省エネというもの、二五%やろうと思えば避けて通れない住宅政策でございますから、ひとつ是非まずここに踏み込んでいただきたいと思います。
 まずは菅副総理、そして総理に最後にお考えを、御見解をお聞きいたします。
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菅直人#12
○国務大臣(菅直人君) いろんなことを思い出しながら、前田先生とかつて取り組んだ問題が、せっかく定期借家権がいろんな党内の反対を説得してやったのに、生かしてこれてなかったのを本当に残念に思います。
 今のお話を聞きながら、実は三年前にドイツの黒い森に視察に行ったときに、多くのきれいな住宅の屋根にソーラーパネルがありまして、しかもドイツの田舎は人口が減っていないと。地域で取れたパンとかワインとかチーズで、週末に都市から半分観光者の人も来て、付加価値の高い農産物でもてなして、だから余りごみごみした都市に住みたくない人は田舎を選択している。まさに、そこにソーラーパネルがたくさんあって、固定買取り制度だということをまさに思い出しながらお聞きをいたしておりました。
 確かに、いろんなアイデアがありながら、なかなか即効性のある形で、目に見える形でこういうものが実行できていませんので、まさに、これは多分総理からも同じような話があって、余り先に言い過ぎると後で怒られるかもしれませんが、本当にリフォームとかそういうものと今おっしゃったクリーンエネルギーというものが組み合わさったそういうものが過疎地域にこそ最も効果的という提案は大変魅力的でもありますし、是非ともこうした形でこれからも御指導いただいて、具体化していくために頑張りたいと思います。
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鳩山由紀夫#13
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 前田委員の御持論を改めて拝聴させていただきました。
 住宅リフォーム大作戦、私はこれは選挙の前に、大変すばらしいアイデアだと、ですからマニフェストのトップにこれを掲げるべきではないかということも申し上げたときもございましたが、余りにも規模が大き過ぎるということでそのトップにランクされることにはならなかったんでありますが、しかし、今改めて前田委員からそのお話を伺って、政府として、まさに即効性のある地域活性化の戦略、それだけではなくて、今国民の皆さんが一番望んでいる施策ではないか、そのように思って、すぐに取りかかってまいりたいと思っております。
 住宅リフォーム大作戦の真髄は、まさにこのエコのみならず耐震という部分あるいはバリアフリーというものも含めて行うべきだと、そのように私も同様に思っておるものでございまして、そのことによってこれからの日本の社会、少しでも魅力ある家の中で住まわせていただくような環境をつくることが何より大切だと。それに向けての様々な施策が、固定価格買取り制度のようなものも含めて、御主張をされたところでございまして、このワンパッケージとしてしっかりと対応していけるようにすぐに検討いたしたいと思っております。
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前田武志#14
○前田武志君 終わります。
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林芳正#15
○林芳正君 自民党の林芳正でございます。
 今日は締めくくり的に総理も来ていただきましての質疑ということで、今まで予算委員会やりながらやりくりをしていただきまして、何回かこの三法案につきましても質疑をさせていただきました。また、それに先立って菅大臣と亀井大臣の所信に対する質疑ということでもやらせていただきましたので、その中で理解が深まった部分と、私にとっては非常に驚くべき答弁もございましたので、そういうことを、今日はせっかく総理がいらっしゃっておられますので、副総理がおっしゃったということは内閣全体の方針だろうというふうに我々受け止めてやっていたわけですが、そのことを少し、総理の御確認もいただきながら、今日は質疑をいたしたいというふうに思っております。
 前回の委員会でございましたが、この三法案に入る前に若干憲法の議論を実はいたしたわけでございます。菅大臣の御持論ということで、日本は三権分立ではないというような御発言があったものですから、ちょっと私もその真意を御確認したわけでございますが、総理にも御確認をいただきたいと思いますけれども、立法府について、国権の最高機関というふうに書いてございますが、一般の憲法学の理解ではこれは政治的美称説というようなことも言われておりまして、こういうふうに書いてあるからといって、このほかの二権よりもこれが強いとか偉いということではないという理解が我々の理解でございますが、菅大臣はそこについては、芦部憲法学では美称説とかなんとか多分書いてあるでしょう、大間違いですと。国会は国民が直接選んだ国会議員で構成されているから他の二権よりも権力的には上にあるんですと。少し間を飛ばしますが、ですからそういう美称説というのは根本から日本国憲法の理解が間違っているという意味で申し上げましたというふうに答弁をされておられますので、これは、総理共々、鳩山内閣の共通の見解ということでよろしゅうございますでしょうか。
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鳩山由紀夫#16
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 菅副総理のある意味での高邁な理念に基づいた主張であろうかと思っております。どちらが権力が上にあるか下にあるかという議論よりも、やはり憲法、国民主権という原理の下での国権の最高機関であるというのは当然のことだと思っております。
 いわゆる三権分立というのは、基本的な考え方はそのとおりだと私は思っておりますが、しかし、行政権は内閣にあるということでありますし、その内閣のトップはいわゆる国会で選ばれた総理大臣が行うということでありまして、完全な意味での独立ということではないということではないかと、私はそのように理解をいたしたところであります。すなわち、議院内閣制の中ではこのような態様というもの、国の機関の三つの機能というものを規定すればそのようになるのではないかということでございます。
 菅大臣の発言というのは、そういった、以上の規定に基づいた、踏まえたものではないかと理解をしておりまして、私としても、国会は内閣と殊更に対峙をする必要があるものではないと、そのように認識をしております。
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林芳正#17
○林芳正君 総理と菅副総理の見解はかなり食い違っているような気がいたします。
 私が、今総理がおっしゃったように、憲法の条文でそれぞれの立法府、行政府、司法府の機能として抑制、均衡されているというのが私の理解でございますと、こういうふうに申し上げましたら、菅大臣からは、私はその三権の抑制という考え方が理論的には間違っていると思いますと、つまり国民主権なんですよと、こういうふうにおっしゃっておられますので、鳩山総理が今おっしゃったことと菅大臣がお答えになっていることはちょっと違うと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
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鳩山由紀夫#18
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は必ずしも菅副総理のすべての発言を存じ上げているわけではありませんが、ただ、基本的にそれほど離れているのではないと理解をしているところでございます。すなわち、三権の分立という立場というもの、すなわち三つの機関の権能というものは、それぞれしっかりと与えられていく中で、しかし行政権は内閣に属し、その内閣のトップが総理大臣であるということにおける従属性というか、完全な独立ではないと。
 菅副総理が申したかったのは、むしろ、今までは官僚内閣制であったということではないかと理解をしておりまして、いわゆる内閣を支えているのは政治家じゃないんだと、官僚なんだと、そういった官僚内閣制ではなくて、本当の意味での政治主導での国民のつくった議院内閣制なんだということを主張するために用いられた言葉ではないかと、そのように私は理解をいたしております。
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林芳正#19
○林芳正君 総理、菅大臣の発言を一々承知はしないということは、いろいろなところでお話しなさる機会もあると思いますが、今私が申し上げているのはこの委員会での答弁で、議事録に載っておる発言でございますから聞いております。
 そこで、今、三権の分立ということについて、総理の御発言はやっぱり食い違っているような気がするんですが、さらに私は、菅さんの考え方はなるほど、そういうふうにお考えになっているんだなというのは分かったような気がしたのは、あえて言えばと菅大臣がおっしゃっていただいて、国民主権の下での均衡があるとすれば、あえて言えば任期があるということですと、こうおっしゃっておられます。四年間という任期が衆議院にあって、参議院は六年間という任期があるんで、その任期内では多数を得た政党が中心になって行政権を握り、場合によっては立法府も、多数ですから、議院内閣制の場合は、立法権も実質的に握ると、こういうふうにおっしゃっているんです。
 ですから、選挙で選ばれた多数党がその任期の間はもう何でもやるんだと、オールマイティーだと、立法府を握った者が、もう三権の分立の抑制と均衡っていろいろと憲法に書いてあることではなくて、やると。それはなぜそうなのかというと、任期があるから言わば抑制と均衡が働いているんだと、こういうふうに私は理解したんです、菅さんのお説はですね。しかし、その説でよろしいかということを鳩山総理に聞いておるんですが、いかがでございましょうか。
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菅直人#20
○国務大臣(菅直人君) 若干の補足をさせていただくと、権力の分立という考え方と機能の分立という考え方とは若干違うと思っているんです。
 ですから、実はこれ、ある方の、どなたか忘れましたが、質問主意書があったときに、少し法制局とも相談して、この四十一条の国会と六十五条の内閣とそれから司法についてそれぞれ引用しまして、確かに国会というもの、内閣というもの、裁判所というものがあると。それは機能は違い、場合によっては、さっき言われた抑制と均衡というものもある意味で機能としてそういうことがあるかもしれません。しかし、権力という意味では、この憲法はすべての権力の中心は国民主権ですから、そういう意味では、まさに国会が国権の最高機関であるというその意味は、権力としては国民主権がダイレクトにある意味であずかっているのは国会だという意味であって、機能の分立、その機能によるある種の、最高裁には憲法の、何といいましょうか、判断ができるとかそういうものは機能の問題です。それは、税務署が税を取る、警察は泥棒を追っかける、機能としてはそれぞれの権限を持っています。
 ですから、根源的な憲法、この日本国憲法は国民主権というものが大大原則でありますから、その中で考えますと、国会と内閣の関係は、国会がある意味で国民から与えられた権限でもって国民に代わって総理大臣を選ぶ。そうすると、選ぶ側と選ばれる側が同じ権力とは言えませんので、権力という意味では国民主権からきていると。
 明治憲法をひもとくまでもありませんが、明治憲法はその権力を天皇に与えてあったわけです。天皇の下での三権分立はあったかもしれません。天皇を超える三権分立は明治憲法でも必ずしも憲法上はなかったんです。今のイギリスもそうです。イギリスは今度変わりますけれども、たしか最高裁判所の長官も内閣メンバーでいるわけでありますから。
 そういうことを考えますと、あくまで私から申し上げるのは、近代における民主主義の原則は国民主権ですから、その意味で申し上げているので、そんなに違わないとも言えると同時に、根本のところが私はあえて言えば間違っていると思っていましたから、私の持論ではありますけれども、その考え方を申し上げたわけです。
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林芳正#21
○林芳正君 菅さんは余りぶれていないというか、一貫されておられると思うんですね。機能の話と権力の話をどう線を引くかというのはちょっと理解し難いところがありますが。
 ですから、やっぱり国民主権ということは、選挙で多数を握ったところは権力を持つんだと、ですからその権力を三権でチェック・アンド・バランスするということは間違っていると、この間おっしゃったとおりだと思いますが。そのことについて、国民主権で要するに権力を持った者が、機能は三権でチェック・アンド・バランスするけれども、権力は握るんだと、任期の間はという考え方で総理もよろしいということですね。
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鳩山由紀夫#22
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 基本的にそのとおりだと思っております。
 権力的にはそのような形になるわけでありますが、御案内のとおり、今お話がありましたように、選挙において勝利を得た、あるいは連立政権かもしれませんが、その者が国会においても多数を占める、そして国会においても政権あるいは連立政権という形で行政権を握る。しかし、その間には、当然、だから何をやってもよいという話にはならないと思っておりまして、やはり抑制と均衡という言い方がよろしいんでしょうか、抑制的に行動するということは当然求められている話ではないかと思います。
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林芳正#23
○林芳正君 ちょっと私はびっくりしましたけれども、自律的に抑制するということと、仕組みが三権が抑制と均衡すると、それを憲法できちっと定めるということは全く違うというふうに私は思っているということをここで申し上げておきたいと思います。独裁とか、いろんなことが報道等聞いているとあるんですが、そのことの基本的な考え方がこの憲法観から来ているのかなという印象を持たせていただきました。
 それでは次に、マニフェストと中期財政フレーム、また財政健全化責任法案、我々が出させていただいたものですが、について議論をさせていただきたいと思います。
 前回、財政健全化責任法案の御説明をここでさせていただきまして、菅大臣からも、できれば、こういうのは初めて見るけれども、こういう法律があってこのとおり実行できるなら日本にとって大変いいことで、場合によっては党派を超えて是非やってもらいたいなと、そう思って眺めておりましたと、ですから余りいちゃもんを付けないんだということで、大変好意的にコメントをしていただきました。
 その後、同僚の荒木先生の御質疑のときだったと思いますが、今この我々の法案も含めて精査をしておるんだというような御答弁がございましたので、これも含めて、この六月に中期財政フレームを出されるとき、またその後の中で、政府の決定、いわゆる閣議決定のようなものよりもう少し確実なものという意味でこれを法案化するという考え方が示されているような気がいたしますが、総理もそういうお考え方を共通して持っておられるということでよろしゅうございますでしょうか。
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菅直人#24
○国務大臣(菅直人君) 先日の質疑で林議員あるいは荒木議員にいろいろ申し上げました。今、これをどういうふうに中期財政フレームとの関係で考えればいいか、総理にもこの間御相談をしているところで、まだ結論をいただいているわけではありませんが、私は、一つの考え方として、法律という形でそういうものを、中期財政フレームとも整合性の取れたものを出すことで、国会という場でまさに国民的な議論として今の今日の日本の財政をどういう形で健全化するかと、こういう議論をするのも大きな意味があるのではないかということで、今総理には御相談を申し上げている、そういう段階にあります。
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鳩山由紀夫#25
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、菅副総理から話が、財務大臣からあったとおりでございますが、自民党の出された財政健全化責任法案、今ここで拝見させていただいているところでありますが、菅財務大臣、副総理としてもこういったものの必要性を強く感じておられます。すなわち、やはりこの国、経済というものは必ずしも十分立ち直ってはおらないけれども、しかし一方で、財政は健全化をさせるというその道筋を示す責務があると。それは中期財政フレームというもので我々は示していくことになるわけでありますが、それを、何らかの法的手続というものが必要かどうかということをこれから検討しようというところでございまして、まだ結論は出ているわけではありませんが、このような責任法案を野党の自民党さんが出されたということ自体については敬意を表させていただきたいと考えています。
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林芳正#26
○林芳正君 ありがとうございます。
 我々も、法案を提出したという以上はこのとおりにやろうということで、政府、与野党一致できれば我々はこれ当然賛成するという意味で出しているわけでございますので、総理からも今そういうお話がありましたけれども、できるだけ早いうちにこれはやっていただけたらということを私はお願いしておきたいと思います。
 中期財政フレームを六月に出されるときに、これ何度もこの委員会で、また予算委員会でも申し上げていることですが、かなり日本の中もそうですが、外の方の注目もこれは浴びている。そして、きちっとした道筋でもってこのフレームを作る。これは政治意思の発現ということにもなるかもしれませんけれども、そういうことを示すことによって、ひいてはJGB、日本の国債の安定的な消化ということにつながっていくわけでございまして、そういう意味ではなるべくグレードの高いといいますか拘束力の強いものの方が望ましいと、こういうふうに思っておりますので、そのことを改めてお願いをしておきたいと思います。
 その法案にも書かせていただきましたけれども、やはり財政再建の目標というのはストックの、いわゆる債務残高の対GDP比を安定的に低下させるというのがあるんですが、もう一つ、やはりフローで毎年毎年の予算をなるべく均衡に近づけていく、プライマリーバランスをまずその一里塚として達成をするということがあるんでございますが、この間菅大臣とは少しやり取りをさせていただいて、余り厳しい目標を最初から立てるとなかなかできるものもできなくなるというようなやり取りでございましたが、中期財政フレーム、これから、まさに今日予算が成立する運びになりますと本格的に検討を始めていただくということになりますが、総理もやはり最初の目標としてはストックの目標だけでやっていこうと、こういうお考えかどうか、確認したいと思います。
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鳩山由紀夫#27
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) この自民党さんの当面の目標、ストックとフローと両方書かれているわけでありますが、当然まず最初に私どもがなさなければならないのはストック全体を見渡すということだと理解をしております。
 これからの議論、中期財政フレームをどのように作るかということの中にもかかわってくる話でありますが、我々のいわゆる借金体質、これをGDP比でどのように見るかというようなことからスタートして、何らかの目標値というものを設定をするということが求められていく一つではないかと、そのように理解はいたします。
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林芳正#28
○林芳正君 そこは今からお詰めになるということであろうかと思いますが、そのときにやっぱりどうしても、ここでも議論させていただきましたけれども、マニフェストでお約束をされたことをどうするかということが当然出てくると思います。
 今日お配りをさせていただきましたのは、まさに民主党のマニフェスト、工程表、どういうことをやるかということと財源をどうやって持ってくるかという、右左に並べさせていただきましたが、これを全部やめたとして、全く今年度、今年度といいますか二十二年度、この四月からの予算で、今審議しております予算案で多少盛り込んだものがある、これ以外はもう全くやらないという前提で菅大臣のところでお作りになったこの機械的試算、いわゆる機械的試算、平成二十二年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というのがございます。
 菅大臣は余り、自分のところで出されたと思うんですが、お好きではないようでございまして、財務省が出すと言ったので私も止めませんでしたけれどもと、この間本音を語っておられますが、財務大臣であられますので、これは財務省が出されたものということで我々受け止めておりますが、これがまさに全く新しいことを、マニフェストでお約束していることをやらなくてどうなるのかということでございますが、その差額を見ますと、差額、二十五年度には五十五兆円。これは、その他収入というのが税収のところにありますので、税外収入これだけ見込んでも結局この五十五兆が借金になると、こういう試算でございます。
 中期財政フレームというのは三年間というふうにおっしゃっておられますので、ちょうど二十三年度、二十四年度、二十五年度、マニフェストに掲げていることを全く全部やらなくてもこれぐらいになるということでありますから、今年の四十四兆から五十五兆になっていくと。そのときの税収は四十・七兆でございますので、今よりは若干、一兆円ずつ増えていくというような試算になっておりますけれども、楽観的だと思いますが、それでも四十と五十五になってしまうと。大変な財政の状況になるわけでございますので、やはり中期財政フレームをお作りになるときには、マニフェストの工程表でお作りになったこのまず左側をどういうふうに削っていくのかということを考えないと、何もしなくても五十五兆になる。そうしますと、今年マニフェストで掲げたものをおやりになったのは実は三兆でございますから十三・二兆に、この上記以外の施策を入れて本当に十六・八兆やるということは、あと十三兆掛かるということなんだと思うんですね。ですから、五十五兆に十三兆足すと六十八兆円の借金になる。
 ちょっと考えにくいことなんでございますが、しかし総理は常にこのマニフェストはもう絶対に約束どおりやるんだと、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、さすがに六十八兆借金を出してやるということにはならないんではないかと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
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菅直人#29
○国務大臣(菅直人君) 既に総理の下に公約の検討の会議というものが設けられ、さらにその下にマニフェストの検討の、これは政府と民主党、あるいは与党との合同会議というものも設けられ、実質的には予算成立後に議論が始まる、もう既に一部始まっておりますが、始まることになっております。
 そういう中で、私は、やはり今年度の予算を踏まえて、今後のマニフェストについて基本的には実現を目指す努力するという姿勢は変わりませんが、やはり冷静に、予定どおりやったときにどの程度の財源が必要で、またその場合にはどういう仕組みが必要になるか、あるいは場合によっては、そうでない場合にはどういうことになるのか、そういういろんなシミュレーションはやってみる必要がある。
 つまり、総点検をする中で、当初の目標どおり実行することの努力はするという姿勢は現在変わってはおりませんけれども、しかし、やみくもに一切何も考えないでいくということではなくて、総点検をする中から、今後の方向性をそういう中期的な財政フレーム等とも勘案して考えていくことになろうと、このように考えております。
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