駒崎弘樹の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)
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○参考人(駒崎弘樹君) 御質問、誠にありがとうございます。
現金給付と現物給付のバランスというようなお話ですけれども、日本は現金も現物も少ないというようなのが私の考えでございます。
日本の場合、対家族支出と対高齢者支出を比べてみますと、つまり、子供に出されている支出と高齢者に出されている支出、これは二〇〇三年時点において一対十一です。これぐらいの差がありますよということで、決して、子供に割かれている予算が諸外国に比べて多いかというと、実は全く少ないというような現状を御理解いただきたいなというふうに思います。
ですので、両方少ないということを前提に置いた上で、じゃ、いかにしてこれを望むべきレベルぐらいに上げるかという話なんですが、一つは、予算の関係もありますので、そんなに財源が物すごくあるわけではない中でパフォーマンスを高めていく、効率、生産性を高めていく考え方があろうかなというふうに思うんですね。ですので、現物給付というもののやり方というのを変えていきましょうということを御提案したいなと思います。
例えば、子育ての分野でファミリー・サポート・センター事業というものがあります。これは行政がやるベビーシッターみたいなサービスなんですけれども、地域の預かりたい親と預けたい人をマッチングするというような仕組みなんですね。これは元々NPOがやっていたものを国の制度にしてやられて、全国でやられているんですが、これは半分が自治体直営でやっているんですね。そのうちの、残りの半分のうちの更に半分が準行政である社会福祉協議会でやられているんですね。これは何で民間でやらないんですかと、何で地域のNPOにやらせないんですかということなんですよ。
皆さんも御案内のとおり、地域の社会福祉協議会、現場の方は頑張られていますけれども、たくさんの自治体の天下りの方々を受け入れていらっしゃる。そういった関係で随意契約って非常に多いです。現場でも、私はNPOをやっていますけれども、いつの間にか公募がやられていて、結局、社協に決まっていましたみたいなことというのはざらにあるわけですね。
こういったところを開いていって、地域のNPOや、やる気のある住民組織がしっかり福祉を担えるというふうにしていかないといつまでたっても担い手というのは育っていきませんよということで、現物給付の質も上がっていきませんというようなことがあります。
また同時に、補助の在り方、現物給付の在り方の中で、二つやり方があります。事業者補助と利用者補助というやり方があるんですね。
事業者補助というのは、認可保育園みたいに、事業者にぼんと補助金をあげて、やってくださいねというようなやり方です。利用者補助というのは子ども手当のような形で、ある種、利用者に対してお金をあげて、それで、選んでくださいねという形を取ります。事業者補助は安定的にその事業者のためになって広がっていくんですけれども、同時に、成果と関係ないので、ある意味、全然成果出していないところにも補助金が投入され続けるというようなことが起き得ます。
例えば、東京二十三区の某区ではお泊まり保育というものをやっているんですけれども、東京の下町のある区なんですが、そこでお泊まり保育をやっています。だけれども、泊まる場所というのは杉並区なんですね。年間の利用者数、二人です。これに五百万円が投入されているんですね、例えば。
こういったことというのはざらにあるわけですね。事業者補助というのは、こういうことを生み出します。もし、一人当たり、預かり一泊二百五十万円ってすごいあれですけれども、そういう予算があるのであれば、もっとうまく地域福祉に対して使えるはず。こういったことが多々あって、現物給付の質というものを高めていくことによって、より少ない予算でより多くの人を助けられるということも可能ですということを是非言わせていただきたいなというふうに思います。
と同時に、そのプレーヤー、その担い手たちがどんどんどんどん増えていかなくてはいけない。行政だけが地域福祉やっていちゃ駄目なんですね。西郷先生がやられているようなホームスタートのような、そうしたNPOがどんどん出てきて行政ができないところを担っていかなくてはいけません。そのときに、じゃ、補助をそこに全部付けていたらなかなか財政もたないわけですね。
じゃ、どうするかといったときに、寄附控除です。きちんと、ああ、ホームスタート頑張っているな、フローレンス頑張っているなといったときに、民間の方が、じゃ、寄附するよということで、しやすいような制度にしなくてはいけません。
今、日本のNPOは四万ありますが、そのうち寄附控除が受けられる団体は百に満たないんですね。〇・二%程度です。非常に狭められてしまっています。さらに、寄附控除が受けられますけれども、所得控除ということでたかが知れているんですね、メリットはそんなにない。
それを欧米のように税控除、税額控除にするということによって、きちんとメリットがあるという形にすることによってNPOがどんどん活躍できて、そして民間から資金を調達する。決して自治体や行政におねだりするのではなく、きちんといいことをやって、それを民間の人に分かってもらって支持を受けて、共感がきっちりと集まって、それが寄附という形に変わっていって活動ができるというような仕組みにしていかないと、すべて行政が地域福祉あるいは少子高齢化のコミュニティーのお金を出していきましょうなんてことをしていたら、国家財政が幾らあっても成り立たないのではないかなというふうに思います。
ですので、決め手としては、まとめますと、きちんとその公共サービスの市場というものを、ある種、社協というような準行政だけでなく民間に開いていくということ、そして事業者補助から利用者補助へ、そして寄附税制の改革、こうしたことが政治に望まれることではないかなというふうに思います。