赤石千衣子の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)

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○参考人(赤石千衣子君) 御質問ありがとうございます。
 反貧困ネットを運営していく上での苦労ということと、若者の貧困の問題、原因ということでございますよね。
 まず、反貧困ネットワークのどのようなことを申し上げたらいいのかなというふうに思いましたけれども、まず、二〇〇七年に反貧困ネットワークを立ち上げましたときには、いろいろな団体がつながろうと。これだけいろいろな問題が起きているにもかかわらず、日本に貧困問題があるということが全く言われていない、これを可視化させなければいけない、見えるものにしなければいけないのだということがまず一番だったと思います。
 ごめんなさい、今日持ってこなかったんですけれども、お化けのヒンキーがロゴマークなんですね、反貧困ネットワークの。これは、貧困はお化けのようなものであると。見えていない、幽霊だから見えていない。でも、この人たちをちゃんと見えるようにして供養をすればちゃんと成仏してくれると。だから、ちゃんと貧困問題を可視化させましょうということで、そういうヒンキーというお化けのマークを使っているんですけれども、可視化すること、それからつながることというのが最初の目的だったと思います。
 ある程度それが見えるようになってきた。多分、二〇〇七年の某新聞で検索を掛けると、それ以前は貧困というキーワードでは第三世界の貧困の問題しか出てこなかった、日本の貧困ということでは記事はヒットしてこなかったんですが、それ以降はもう御存じのようにたくさんの貧困問題が新聞記事に躍るようになったわけです。
 さらにその次ということになりますと、一つは、貧困問題は自己責任であるという、そういう意識をどういうふうに説得するのかということなんですね。
 貧困というのは、やっぱり自己責任ではないのだ、そもそも同じスタートラインで出発しているのではない、この日本では、もう生まれたときから格差が非常に開いていると。そこから自分で頑張りなさいよと言われても、もう既に教育のレベルから違う、進学希望から違うというところで、もう付けられているその格差をあたかも自己責任であるかのように見させられているというところを、そうではないんですよというふうに分かるように理解していただくというのがもう一つの大きな課題だと思います。半ばやりながら半ばいつもその自己責任論と闘っているということがあると思います。
 もう一つは、ここまでもうやったではないかと、貧困を削減するための政策をいろいろ取っていますよというようなことが言われて、もういいじゃないかというような議論になりがちだと思います。例えば、生活保護でも母子加算は復活したよと、もうこれで母子家庭の問題は終わりでしょうというようなことがあったり、それから、グッドウィルのように日雇派遣の問題は規制しましたというようなことで、もうやりましたというような、もういいよというようなことがあるかと思います。
 それに対しては、やっぱり貧困率というのをきちんと測定していただいて、では、これは改善しているのかということでその政策目標を掲げていただきたいなというふうに思っているんです。
 例えば、子供の貧困率は一四・三%ですかね、全体の貧困率一五・二%で、子供の貧困率一四・三%で、これはOECD各国の中ではかなり深刻な数字です。イギリスのブレア政権は、貧困ゼロを目標にして政策を掲げて、十年間掛かって貧困率を一四から七%に削減したということがあります。ですので、日本もやることはできるはずなので、どう測定するのか、測定値がない限りはその政策を評価することができないので、そこをきっちりやらなければならないんではないかというふうに思っております。
 あとは、私は女性の問題をやっているので、やっぱり女性の貧困を放置してきたからこそ、男性、若年の男性にも貧困が広がったという視点をきちんと認識していきたいなというふうに思っています。
 それから、若者の貧困問題の方なんですが、困窮フリーターあるいはネットカフェの難民の方たちの調査などを読みますと、一人一人のどのような形で育ってきたのかというのを読みますと、かなりもう育ってきた家庭の中に離婚を抱えておられたり別居したりという形で、あるいは養護施設で育っていらっしゃったりとか、そういう生育歴のところからの不利を抱えているということが分かります。ですので、世代間連鎖をしている。ですので、やっぱり子供の育ちは、ある程度その育った家庭によらない、そういう育ちを応援するのだということが必要なのかなというふうに思います。
 もう一つは、全く別の観点なんですが、やっぱり同一価値労働同一賃金あるいは均等待遇というふうに言ってもいいと思うんですけれども、仕事をする、例えば自動車の組立てをするとか機械の組立てをするとか、同じ仕事をしていても、その人が正社員であるか派遣社員であるか非正規であるかによって、江戸時代の士農工商のように賃金が全く違うという身分差別を日本の会社、企業、公務も全部取っています。これを何とかしない限りは貧困問題は解決しません。
 ですので、同じ緊張、同じ大変さ、同じ疲れを呼ぶ仕事であれば、それは身分によって賃金が異なるということはなしにする、あるいは不安定なほど高い賃金にする、派遣の方が不安定だから高い賃金にする。これはヨーロッパの制度です。ですので、その均等待遇あるいは同一価値労働同一賃金原則をきちんと日本が採用しない限り、貧困問題は解決しないのではないかというふうに思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 赤石千衣子

speaker_id: 24509

日付: 2010-04-07

院: 参議院

会議名: 少子高齢化・共生社会に関する調査会