赤石千衣子の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)

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○参考人(赤石千衣子君) 御質問ありがとうございます。
 一つは、母子家庭、シングルマザーの増加の背景、もう一つが、そのシングルマザー対策として求められるものという御質問だったかと思います。
 まず、シングルマザーの増加の背景ですけれども、今、鰐淵委員がおっしゃった統計はちょっと余り使っていないかなと思いまして、普通には、全国母子世帯等調査を五年に一回しておりますので、その統計を使っております。
 それでは二〇〇三年に百二十五万世帯。これはどうして先ほど六十四万とか七十五万というふうな数字とかなり違うのかと申し上げますと、親族との同居の母子世帯を数えているからなんです。やはり、離婚した、あるいは死別になって母子家庭になったときに自分たちだけで暮らしていけない、そういうシングルマザーの人たちは親元に帰るというような選択をしますので、その人たちの状況をカウントするかしないかというのが数が大きく変わる原因だと思います。
 実は、この調査が二〇〇六年にも行われておりますが、そのときに全数を推計するのを厚生労働省はおやめになっていらっしゃいます。ですので、このときから全数の推計値が出ていない。まあ、百二十万世帯ぐらいかなというふうにおっしゃっています。
 それはどうしてかといいますと、サンプル数が少ないので推計を出すのはちょっと危険であるというような判断をなさったんだと思うんです。せっかく五年に一度やっていらっしゃる調査ですので、サンプル数が千八百であっても、もうちょっと増やせば推計値が出ると思いますので、是非出していただきたいなというふうに思っております。
 そうしますと、何を使っているかというと国勢調査なんですが、その国勢調査の数は単独の母子世帯しか浮かび上がってきません。それですと八十万世帯ぐらいということでいっているかと思うんですけれども、ややそれでは同居母子世帯の方の実態が浮かび上がらないということがございますので、是非とも調査をまずきちんとやっていただくということが必要ではないかなというふうに思っております。
 その後で、増加の背景なんですけれども、離婚の件数が一九九二、三年から二〇〇五年ぐらいまでかなり伸びました。右肩上がりに、バブルの崩壊後びいっと、こういうふうに増えていったわけです。実はバブルのときには離婚件数は減りました。ですので、経済との連動あるいは失業率との連動というのを非常に指摘している研究者の方もいらっしゃいます。言うなれば、経済が悪くなれば離婚も増えるというようなことです。二〇〇五、六年をピークに離婚の件数は余り増えていないんですね。そのことが増加の背景、つまり、やっぱり経済が悪くなると家族がもたなくなってくる。
 先ほども一人一人が痛め付けられているというようなことを申し上げましたけど、そういうことが見えるのではないかなと推測しています。原因というのはなかなか分からないことかなというふうに思っているんですけれども、ですので、女性の社会進出あるいは女性の独立の意識が高くなったというようなことを、母子家庭の増の背景として感覚的に思っていらっしゃる方が多いかもしれませんけれども、実際はそういうことではないということを申し上げたいと思います。
 それから、もうちょっと調査のことを申し上げたいんですけれども、また調査の中身についてもなかなかすべて公表されていないとか、いろいろな離婚の、未婚、死別という、母子家庭になった理由別の平均年収が公表されないとか、いろいろちょっとうんと思うような、うんというのは、つまりどうしてだろうというようなものがありますので、そこら辺を改善していただけるともっと母子家庭の実態がはっきり分かるのではないか。あるいは、子供の進学希望、子供の貧困の中で母子家庭、父子家庭の子供が占める割合が大きいので、やっぱり教育の問題に注目した質問項目も必要なのではないかなというふうに思っているところです。
 もう一つ、支援策の方ですが、先ほども申し上げましたとおり、まず経済的な問題が大きいということで、経済的な問題に関しては現金給付、あるいは今何か給付付き税額控除みたいなものも検討されているやに聞いていますけれども、要するに経済的な支援というのはどうしても必要になるというふうに思っています。
 ただ、みんながオーケーと言うなら、私はそこを十分に手厚くするのが良いかと思うのですが、でも当事者団体から言うのも悲しいものではありますが、グループを特化したところに現金給付をすると非常にバッシングが強くなるというのはこの日本社会の悲しいところです。
 ですので、ある程度はユニバーサルな、子供に対して、どんな子供に対しても応援するよというような制度を拡充した方がいい面もあります。それがやっぱり、例えば就学援助金であったり、いろんな現物給付だったりするのではないか。教育費の中で、例えば学校に行くときに、一々制服は買わなくてもいいとか、ピアニカとかも学校に備付けになっているとか、そういうところでかなり助かるところがあるのではないか、あるいは、わざわざこのお店指定の体操服は買わなくてもいいとか、そういうので随分助かるところがあるのではないかというようなことがあります。
 あとは住宅、経済的な困窮者に対して住宅をどのように保障するのかというところで、やっぱり住むところというのがまず非常に大きい。これはもう経済的困窮者すべてにそうなんですけれども、そこをどのように保障していくのかというのは、この日本社会にとって大きな課題である。
 今、本当にゼロゼロ物件であるとか追い出し屋であるとか、いろんな問題が起こっておりますが、住宅を景気浮揚の、何か利用してやっているために、みんなが私費負担しているというシステムがいいのかなというふうに思っているというようなことがあります。そういうことがあります。
 それからもう一つは、別れた父親と良好な関係を持って養育費を送ってもらうというようなことをするにはどのようにしたらいいのかということをもうちょっと研究するということだと思います。
 それで、今、共同親権、共同親責任、共同監護についてのいろいろな議論がされていて、国会でもいろいろな要望が上がっている、国会に届けていらっしゃる方がいらっしゃるかと思うんですけれども、私たちは早急な共同親権制度については慎重派でございます。
 ただ、裁判所あるいはいろいろなところに、安全に、低廉に、ちょっとやっぱりコミュニケーションが難しくなっている元夫、父親と会えたりできる場を確保して交渉できる、そういうところをつくっていくことによって養育費の確保も少しやりやすくなるというようなことがあると思うので、家庭裁判所等あるいはいろいろなNPOがそういった仲介役をする、そういうインフラ整備というのがあってこそ良好な面接交渉と良好な養育費になるのではないかというふうに思います。
 でも、もちろん、DVとかで虐待があったりして会えないという方には、それは除外した方がいいというふうに思っております。
 済みません、何か複雑なことを申し上げましたけれども、以上です。

発言情報

speech_id: 117414533X00420100407_024

発言者: 赤石千衣子

speaker_id: 24509

日付: 2010-04-07

院: 参議院

会議名: 少子高齢化・共生社会に関する調査会