下田敦子の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○下田敦子君 では、高いところから御無礼いたします。
 委員の下田敦子でございます。よろしくお願いいたします。
 それじゃ、掛けさせていただきます。
 昨年の十一月来、少子高齢化・共生社会に関するコミュニティーの再生について多くの参考人の意見陳述を受けました。また、大変貴重な意見を賜ったことに対して改めて感謝を申し上げたいと思います。
 さて、我が国において、今後避けることのできない問題に少子高齢化ということがございます。これについての対応につきまして、国や地方自治体の施策といった政策的対応と住民レベル、草の根レベルでの地道な活動の融合が不可欠であります。その際、施設や拠点の運営という点でも、また人的な資源やサービスの提供という点においても、中心的な担い手になるのが地域のコミュニティーだと思います。
 調査会、本年で三年目において、少子化が経済社会にどのような影響を及ぼすのか、育児や介護に地域社会がどのような関与をしていくべきか、子供や高齢社会が地域で安心、安全で生き生き暮らすためにはコミュニティーはどうあるべきか、今後顕在化が予想されます高齢者、特に高齢女性の貧困と格差にどう対応すべきかなど、少子高齢化とコミュニティの役割について調査を行ってまいりました。
 少子高齢化とコミュニティーの在り方に関しまして、幾つかの論点について意見を述べさせていただきます。
 まず第一でございますが、新たなコミュニティーづくりについて。
 先日、土堤内参考人の陳述にありましたように、我が国において少子高齢化に伴う人口減少、単身世帯比率の上昇、非結婚化によるひとり社会化が進んでいます。これまでは家族が担っていた介護、育児等の機能がひとり社会において果たせなくなることから、これらをバックアップするために、介護、子育ての社会化、これは介護保険制度、既にスタートしております。また、子ども手当等の創設を一層進めることが不可欠であります。コミュニティーの役割がますます重要になってまいります。いわゆるお一人様と呼ばれている現象が社会的孤立に陥らないため、コミュニティーの諸活動への積極的参加、住宅等の共同利用など、新たなコミュニティーづくりの努力が必要とされます。
 高齢者とコミュニティーについて。
 高齢者に対し、清潔な生活環境と適切に栄養管理がされた食事サービスを提供することは最も重要なことでございます。コミュニティーがそのようなサービスの提供主体として機能するとともに、高齢者に対する見守り、ごみ出し、緊急時の対応など介護周辺人材育成、介護施設や高齢者住宅等の位置付け、孤立化した方の一人での死亡、無縁死を防ぐ共同住宅の設置、また保証人、成年後見制度の活用など、高齢者への支援の仕組みが求められてきているものと考えられます。
 また、中村参考人の陳述にありましたように、要介護の高齢者福祉サービスの利用者の元に出向いて相談、話し相手となって不平不満等の解決・改善を図る八王子の介護サービス訪問ふれあい員というような対策、地域住民が互助互恵の精神で行う奉仕活動を促進する方向について前向きに検討すべきではないかと考えます。
 次に、三つ目でございますが、コミュニティーにおける子育て支援について申し上げたいと思います。
 先般、西郷参考人が展開しておられますホームスタート活動は、子育てに関して、従来の待ち受けることではなく届ける支援へと支援形態を変えたボランティアによる家庭訪問型の支援形態です。既存の子育て支援サービスを利用できずに孤立している親や家庭に対する有効な支援策となり得るために、ホームスタートのような支援活動と国、地方公共団体との連携を図るとともに、その普及を促進するため、周知、啓発等の支援措置について検討すべきだと思います。
 安心、安全な子供の居場所について、学童の放課後の居場所を確保する施設として放課後児童クラブなどがございます。閉館後、様々な制約があるために親のニーズに十分こたえたものとはなっておりません。利用者が帰宅した後のデイサービスの施設を放課後児童クラブなどのための施設として活用し、当該施設の送迎車両も子供の送迎のための施設として活用し、働くお母さん方を支援するのに十分な施設で有効利用にもつながると考えられるような施設が更に必要と考えます。中村参考人からの提案もありました。また、両者のということは、放課後児童クラブとデイサービス施設の併用の可否について検討されるべきであると考えます。
 また、今調査会で何回か申し上げておりますが、フランスにおきましては、まず国際的に見ても手厚いと言われているのが家族政策。いわゆる人口減少の下、子供政策というものではなく、家族政策を展開しているということ。また、報酬の五・四%に相当する企業からの拠出金、あとは相当規模の財源が確保されていることから、第二子以降、二番目以降の子供さん、二十歳未満までの児童を対象にした家族手当制度の給付、あるいは集団託児所や認定保育ママ、これは先般お話しになりました、昨今非常にアピールされております認定保育ママの充実した保育サービスなどなどあります。
 女性にとって選択肢が多くあるということを海外から学ばねばならないと思います。例えば、我が国のエンゼルプラン、一・五七ショックを受けたものとは大違いで、大変大きな成果を上げている状況にあると思います。
 次に、非常に重要なのは税制についてであります。日本とは格差があります。相続税など、やはりこれも変えていかなくてはならないと考えます。
 申し上げたいのは、我が国の少子化対策は一貫性がない、若しくは継続性がないということがよく指摘されます。フランスでは人口は力なりということをうたっておりますが、そのための総合的な対策が功を奏しているものと考えられますのは皆様御案内のとおりでございます。
 最後に、この度の主たるテーマであります少子高齢化とコミュニティの役割についてですが、平均寿命が延びリタイア後の時間も長くなることから、子供が昔のように地域で見守られて育てられていることが求められるようになります。この度の主たるテーマ、コミュニティーはそのような人々の活動の場となり、人間関係のきずなを再び結び付ける媒体になり得るのではないでしょうか。
 今後、コミュニティーがそのような与えられた使命を果たせるようになることを祈念いたしまして、私の意見表明とさせていただきます。
 以上でございます。大変ありがとうございました。
    ─────────────

発言情報

speech_id: 117414533X00620100421_003

発言者: 下田敦子

speaker_id: 3048

日付: 2010-04-21

院: 参議院

会議名: 少子高齢化・共生社会に関する調査会