鰐淵洋子の発言 (少子高齢化・共生社会に関する調査会)
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○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
本調査会におきまして、少子高齢化とコミュニティの役割につきまして、様々な分野で御活躍の参考人の皆様から貴重な御意見等を伺い、調査することができました。
この場をお借りいたしまして、田名部会長を始め関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。大変にありがとうございました。
人口減少社会が到来した我が国にとりまして、一人一人の果たす役割が今後ますます大きくなり、個人の能力や意欲を十分に引き出し、それぞれの場で活躍できる社会を目指さなければなりません。そして、一人一人が生活していく上で、人と人とのつながり、人と地域のつながりを大切にする共生社会の実現も求められてきます。また、子供から高齢者まで世代を超えて一人一人の生活の質が維持向上され、だれでも、どこにいても自分らしく安心して暮らせる環境をつくるためには、その基盤となる地域コミュニティーの役割は大きいものがあると思います。
本日は、これまで参考人から多岐にわたる御意見や取組を伺うことができましたが、その中でも、子育て支援と高齢者対策の二つの課題、そして、それに対しまして地域コミュニティーの果たす役割について意見を述べさせていただきます。
まず、子育て支援でございます。
NPO法人ホームスタート・ジャパン代表理事の西郷参考人から、ホームスタートについて伺いました。
これは、子育て経験者が週に一回二時間程度定期的に乳幼児がいる家庭を訪問し、話を聞いたり相談に乗るボランティア活動です。従来の待つ支援ではなく届ける支援という新たな地域における活動を紹介していただきました。訪問者は無償のボランティアで、活動をコーディネートするオーガナイザーは支援の質を担保するために有償で専門家を採用しているとのことでした。
この活動のすばらしい点は、現行制度の手の届かない家庭、すなわち地域子育て支援拠点に来ない、来ることができない親、子育て困難家庭だけでなく、養育支援訪問事業の対象にならないけれども、ストレス等が高く虐待が起こる可能性が高いグレーゾーンの家庭に対する有効な支援策になり得るということでございます。
ここ数年児童虐待が大きな社会問題になっていますが、その背景には、親が悩みや問題を抱えていても、それをどこにも、だれにも相談できず、そのストレスを子供にぶつけてしまうというケースも少なくありません。そういった親や家庭に対して、児童虐待を防ぐということからも地域の子育て経験者が子育てにかかわっていくという、このような地域活動は大変に有効的で重要になってくると思いました。
次に、働きながら子育てしやすい環境を整備するためには保育施設の質、量の確保が急務でございます。あわせて、病児保育も大きな課題となっております。
この点につきましては、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎参考人から御意見をいただきました。
NPO法人フローレンスでは、風邪や発熱などの一時的な病気にかかった乳幼児を預かってケアする病児保育サービスを提供しています。通常の保育園では熱のある子供を預からないため、仕事をしながら子供を育てる親にとって病児保育サービスのニーズは大変高いものがあります。しかし、そのニーズにこたえ切れていないのが現状です。
駒崎さんの御指摘によりますと、その理由として、病児保育施設に対する国の補助金が少額で、他方、補助金交付を受けた場合には利用料金が低額に設定されるなど制約が多く、病児保育は単独の事業としては経済的にほとんど成り立たないということでした。
そこで、フローレンスでは、補助金を受けずに病児保育を行うための仕組みとして、非施設型のこどもレスキューネットモデルを考案されていました。料金は月々掛け捨ての共済型を基本とし、ベビーシッターよりも安くサービスを提供できるそうです。
今国会におきまして、子ども手当の対応をめぐり様々議論がございましたが、私は、子育て支援として経済的支援も大変に重要であると思いますが、西郷参考人、駒崎参考人らが地域で取り組まれているような子育てを支援する環境整備の充実を図らなければならないと思います。経済的支援と、子育てしやすい、子育てが楽しくなる環境整備をバランス良く拡充していく必要があると思います。その点を改めて政府の方にも要望したいと思います。
次に、高齢社会の対策の重要課題として介護の問題などが挙げられます。
本調査会におきましても、介護情報館・有料老人ホーム・シニア住宅情報館館長の中村参考人、NPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長の沖藤参考人から御意見をいただきました。
中村参考人からは、介護への取組という点で、地域コミュニティーが果たし得る役割の好事例として、福祉資金貸付サービスの利用者から市に所有権が移転した住宅を利用したミニデイサービス等を提供する武蔵野市のテンミリオンハウスと、要介護の高齢者福祉サービスの利用者の下に出向いて相談、話し相手となって課題等の解決・改善を図る八王子市の介護サービス訪問ふれあい員の紹介がございました。そのほか、高齢者の介護施設を含めた住宅問題についても現状をお伺いいたしました。
沖藤参考人からは、介護問題からコミュニティーを考えると、清潔な生活環境と適切な栄養を提供する生活支援の充実、コミュニティー資源として見守り、緊急事態発生時の対応など介護周辺人材の育成、都市計画の中核としての介護施設や高齢者住宅等の位置付け、孤独死・無縁死を防ぐ共生型住宅の設置、保証人制度や成人後見人制度の活用などの問題が挙げられました。
高齢社会が進む中でこの介護の問題はますます重要になってまいりますので、我が党といたしましても、昨年末に全国の地方議員の皆さんとともに独自に介護の総点検を実施し、介護を受けていらっしゃる方、介護をしている家族、介護施設で働いている方、地方自治体などから十万件を超える御意見や要望をいただいてまいりました。
その調査結果につきましては政府にもお届けをしておりますが、主に介護施設の不足、在宅支援体制の不足、介護労働者の不足、この三つの不足に対する数多くの不安の声が寄せられました。
これらの課題につきましてはこれまでも取り組んできたことではございますが、まだまだ支援が不足しているとの現状でございますので、政府におかれましても、高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らせる、生活ができる環境整備に引き続き取り組んでいただきたいと要望するものでございます。
また、株式会社ニッセイ基礎研究所主任研究員の土堤内参考人からは、今後あらゆる世代がひとり社会になっていき、その課題として、これまで家族が担ってきた介護や子育てといった機能の消滅と代替する社会制度の構築、職場を含む社会とのつながりの喪失・希薄化による社会的な孤立の拡大・深刻化などが挙げられました。
今後ますます単身世帯が増えることが予想される中で、子育てや介護の家族機能を代替する制度や施設の整備が必要であり、さらに、こういった課題を地域の課題として自ら取り組んでいく、解決していくという地域力も求められてくると思います。
今後の高齢者対策として、ひとり社会が増加することを前提に、介護問題を始め、そのほか、高齢者の雇用、住宅の問題、低所得者対策、子育てや見守りなど、地域活動へのかかわりなど、こういった課題に国、地方自治体そして地域で力を合わせて取り組んでいく重要性を改めて実感をいたしました。
いずれにいたしましても、少子高齢化において地域コミュニティーの果たす役割はますます大きくなることは間違いありません。本日申し上げましたほかにも数多くの重要な課題、論点がございますので、コミュニティーの再生、活性化へ我が党としましても引き続き調査を続け、取り組んでまいりたいと思います。
本日は大変にありがとうございました。