大竹通夫の発言 (文教科学委員会)

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○参考人(大竹通夫君) 私、全国の高等専修学校各種学校総連合会の常務理事で、その下部組織となります全国高等専修学校協会の会長を務めさせていただいております大竹と申します。八王子で大竹高等専修学校という服飾系と調理系の高等専修学校の校長、理事長をしております。
 参議院の先生方には、日ごろより職業教育、専修学校教育の振興について御理解、御指導賜りますことを厚く御礼を申し上げます。特に、この度は、高等学校等就学支援金の法案に当初から高等専修学校を議論の対象としていただきましたことに本当に感謝を申し上げる次第でございます。
 本日は、高等専修学校、専修学校の高等課程の立場から高等学校等就学支援金の制度に対する意見を述べさせていただきます。何分にも不慣れでございますので、御迷惑掛けること多々あろうかと存じますが、お許しを賜りますようお願いを申し上げます。
 それでは、せっかくの機会でございますので、まずは高等専修学校の制度と現状、課題について少しお話をさせていただきます。
 専修学校制度は、昭和五十一年に、各種学校のうち一定要件を満たすものを振興する目的で創設されました。専修学校には、入学資格により三つの課程がございます。そのうち、中学校卒業程度を入学資格とする課程が高等課程、いわゆる高等専修学校と称します。高等学校卒業程度を入学資格とする専門課程、いわゆる専門学校、そして入学資格が限定されていない一般課程と三つの課程に分かれております。恐らく、ほとんどの先生方は専門学校のことは御存じかと思いますが、高等学校と同じ後期中等教育である高等専修学校については余り御存じいただけないのではないかと思っております。少しその制度についてお話をさせていただきます。
 専修学校の制度は、修業年限が一年以上と定められているため、高等専修学校の中にはほぼ高等学校と同等の三年制の学科があるほか、医療系の准看護師の養成施設でありますとか、二年制でございます。また、衛生系の調理師養成のコースは一年制でございます。いろいろな学科がございます。
 昭和六十年に、一定の要件、高校同等の教育時間数、高校と同様の一定科目の履修等を満たす三年制の学校に、今まで袋小路でございまして、進学等ができなかった学校が大学入学資格付与がされる制度が創設され、十五歳人口の急増期には、十五の春を泣かすなの合い言葉に、高等専修学校は多くの生徒を受け入れてまいりました。ピーク時には十一万七千人の高等専修学校の生徒が学んでまいりました。
 しかし、平成二十一年度の学校基本調査によれば、専修学校全体の学校数は三千三百四十八校、そのうち高等課程を設置する学校は四百九十四校でございます。生徒数は高等課程全体で三万八千人、四分の一程度に減ってまいりました。この度の高等学校等就学支援金の対象としていただいている生徒の基礎数がこの数字に当たります。このうち、大学入学付与指定校は百九十五校、三年制の学校でございますね、学科数は二百七十学科、生徒数は約二万一千人。一年制、二年制の残りの一万七千人がいると御理解をいただきますようお願いを申し上げます。
 高等専修学校は、中卒者を対象に、高校とは異なる柔軟な制度的特徴を生かして職業や実際生活に役立つ教育を行っております。中学校卒業時点で自らの職業的方向性を見出し、積極的に職業教育を受けようとする生徒が多数を占めておりますが、また不登校経験者や、高校生活になじめず中退し、新たに学び直しを求めてくる生徒も積極的に受け入れております。職業を通じて社会的自立を支援する教育を行っておるところでございます。さらに、一年制、二年制の学科には、高校卒業者や社会人も職業資格を得る目的に多数、多く学び直しをしておるのが現状でございます。
 特に、三年制の高等専修学校に関する制度面でいえば、先ほど申しましたとおり、昭和六十年、修業年限三年以上で文部大臣の指定する高等専修学校卒業者に大学入学資格を付与されました。これによって、法律の文言は違いますが、高校卒業と同等という扱いを受けるようになりました。さらに六十二年には、人事院規則改正に伴い、国家公務員採用試験受験資格が認められました。これによって、国家公務員に受験する資格も高卒と同じ扱いを受けてまいりました。平成五年には、学校教育法施行規則の改正により、高等専修学校による学習等を高等学校が単位の一部として認定する制度が創設をされました。さらに、今まで認められていませんでした平成五年に高体連主催の大会にも参加を認められるようになりました。今まで念願でございましたJRの割引定期、平成六年にようやく高等学校と同じになりました。公共職業所の職業紹介の取扱いも、平成十六年、ようやく高等学校と同じようにされてまいりました。などの制度改定が、度々、一つのこと起こるたびに、我々は個別にお願いをしてきて、やはり変えていただくというところでございました。
 しかしながら、これまでの我々の実績は、高等学校と並ぶ後期中等教育でありながら学校教育法第一条に記載されていないその他の教育機関であるというところで、すべての施策に置いてきぼりを食ったことが現状でございます。特に、校舎の耐震化対策、アスベスト対策、AEDの設置など、生徒の命にかかわる重要なことまでも置き去りにされてまいりました。それらの問題も個別に都道府県にお願いをいたしまして、東京都を始め多くの自治体で対応していただきましたが、まだすべての自治体では対応されておりません。
 このように、様々な後期中等教育に関する施策から高等専修学校が抜け落ち、その都度お願いをして高等学校と同様の扱いをしていただいてきたのが現状でございます。このことは、専修学校制度が学校教育体系の中で位置付けが明確でないことが原因であろうかと思われます。
 現在、文科省の中教審のキャリア教育・職業教育特別部会、また専修学校教育の振興方策等に関する調査研究協力者会議において職業教育に特化した高等専修学校の在り方についても御審議をいただいているところでございます。
 今回の就学支援金に対する意見でございますが、そういう中で、高等専修学校が高等学校と同じように当初から支援金の対象にしていただきましたことを重ねて感謝を申し上げる次第でございます。高等学校における公私間格差の助長との声があるようでございますが、高等専修学校は直接的に国から何の助成的支援も受けておりません。私立学校と同様の設置をしていただいたことは大変うれしく思っております。
 本制度の趣旨は、中学卒業後の生徒に対してひとしく教育を受ける権利を保障するものと理解しております。さきの衆議院の文部科学委員会で川端文部科学大臣が、高等学校の課程に類するものとして専修学校の高等課程は対象としたいとはっきり明言をされて答弁をなされております。是非とも、修業年限にかかわらず、すべての高等専修学校生を対象としていただくことを改めてお願いを申し上げます。
 また、全国専修学校各種学校総連合会の立場で申せば、各種学校の中にも外国人学校以外で高等専修学校同様に高等学校に類する教育を行っておる学校もございます。それらにつきまして、個別審査の上、同様の措置をとっていただきたくお願いを申し上げます。
 問題といたしましては、中高協会の事務局長も申しましたが、学校における事務の繁雑さが挙げられます。家庭の収入を把握することや、それに基づいて手続など、できるだけ簡素化することも御配慮いただきますようお願いを申し上げます。
 以上、高等専修学校からの意見表明とさせていただきました。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 大竹通夫

speaker_id: 21839

日付: 2010-03-26

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会