文教科学委員会
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会
会議録情報#0
平成二十二年三月二十六日(金曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
加藤 敏幸君 轟木 利治君
横峯 良郎君 平山 誠君
北川イッセイ君 牧野たかお君
三月二十六日
辞任 補欠選任
大久保潔重君 藤谷 光信君
山本 順三君 礒崎 陽輔君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 水落 敏栄君
理 事
水岡 俊一君
蓮 舫君
橋本 聖子君
義家 弘介君
委 員
大島九州男君
神本美恵子君
亀井 郁夫君
鈴木 寛君
谷岡 郁子君
轟木 利治君
平山 誠君
藤谷 光信君
礒崎 陽輔君
牧野たかお君
山下 栄一君
事務局側
常任委員会専門
員 渡井 敏雄君
参考人
大阪府教育委員
会教育長 中西 正人君
日本私立中学高
等学校連合会常
任理事・事務局
長 福島 康志君
全国高等専修学
校協会会長 大竹 通夫君
慶應義塾大学経
済学部教授 赤林 英夫君
─────────────
本日の会議に付した案件
○公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学
校等就学支援金の支給に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
加藤 敏幸君 轟木 利治君
横峯 良郎君 平山 誠君
北川イッセイ君 牧野たかお君
三月二十六日
辞任 補欠選任
大久保潔重君 藤谷 光信君
山本 順三君 礒崎 陽輔君
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出席者は左のとおり。
委員長 水落 敏栄君
理 事
水岡 俊一君
蓮 舫君
橋本 聖子君
義家 弘介君
委 員
大島九州男君
神本美恵子君
亀井 郁夫君
鈴木 寛君
谷岡 郁子君
轟木 利治君
平山 誠君
藤谷 光信君
礒崎 陽輔君
牧野たかお君
山下 栄一君
事務局側
常任委員会専門
員 渡井 敏雄君
参考人
大阪府教育委員
会教育長 中西 正人君
日本私立中学高
等学校連合会常
任理事・事務局
長 福島 康志君
全国高等専修学
校協会会長 大竹 通夫君
慶應義塾大学経
済学部教授 赤林 英夫君
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本日の会議に付した案件
○公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学
校等就学支援金の支給に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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水
水落敏栄#1
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、北川イッセイ君、横峯良郎君及び加藤敏幸君が委員を辞任され、その補欠として牧野たかお君、平山誠君及び轟木利治君が選任されました。
また、本日、大久保潔重君及び山本順三君が委員を辞任され、その補欠として藤谷光信君及び礒崎陽輔君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日、北川イッセイ君、横峯良郎君及び加藤敏幸君が委員を辞任され、その補欠として牧野たかお君、平山誠君及び轟木利治君が選任されました。
また、本日、大久保潔重君及び山本順三君が委員を辞任され、その補欠として藤谷光信君及び礒崎陽輔君が選任されました。
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水
水落敏栄#2
○委員長(水落敏栄君) 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、参考人として大阪府教育委員会教育長中西正人君、日本私立中学高等学校連合会常任理事・事務局長福島康志君、全国高等専修学校協会会長大竹通夫君及び慶應義塾大学経済学部教授赤林英夫君の四名の方に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙のところ、本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございました。
参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議の進め方でございますが、まず中西参考人、福島参考人、大竹参考人、赤林参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、御発言は、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。
それでは、まず中西参考人から御意見をお述べいただきます。中西参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、参考人として大阪府教育委員会教育長中西正人君、日本私立中学高等学校連合会常任理事・事務局長福島康志君、全国高等専修学校協会会長大竹通夫君及び慶應義塾大学経済学部教授赤林英夫君の四名の方に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙のところ、本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございました。
参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議の進め方でございますが、まず中西参考人、福島参考人、大竹参考人、赤林参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、御発言は、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。
それでは、まず中西参考人から御意見をお述べいただきます。中西参考人。
中
中西正人#3
○参考人(中西正人君) 大阪府教育長の中西でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
公立高校授業料の無償化につきまして意見を述べる機会をちょうだいをいたしまして、心から感謝を申し上げます。
今日の深刻な経済状況の下におきまして、授業料の減免や滞納が増加をいたしますなど、高校生の就学をめぐる状況は大変厳しくなっております。こうした中で、家庭の状況にかかわらず、すべての意志のある高校生が教育を受けられるように社会全体で負担をしていくというこの公立高校の授業料無償化の意義は非常に大きなものがあると考えておりまして、大阪府といたしましてもその実現を是非お願いを申し上げる次第です。
本日、私の方からは、大阪府における授業料のこれまでの経緯、それから今回のこの法案についての大阪府における検討状況、大阪府における公立高校、私立高校の状況と今後の方向、この三点につきまして説明をさせていただきたいと思っておりますが、今回の授業料無償化への対応につきまして、恐らく全国の都道府県の中で一番悩みましたのが私ども大阪府ではないかというように思っております。
と申しますのは、現在、全国の都道府県の中で国の標準授業料を上回る授業料を徴収しておりますのは大阪府と東京都、和歌山県の三都府県でございますが、東京都と和歌山県は空調使用料部分を上乗せをいたしておりまして、授業料本体を上乗せをしておるのは私ども大阪府だけでございます。
これは平成十二年でございましたが、国の標準授業料額が十万八千円でございましたときに、三万六千円、月額にいたしまして三千円を上乗せをいたしまして十四万四千円に改定をいたしたんですが、当時大阪府は財政再建団体転落寸前という非常に厳しい財政状況にございまして、高校教育を充実をするためには生徒、保護者に応分の負担をお願いをせざるを得ないと、そういう状況の下で実施をいたしたものです。
以来、国の標準授業料の改定が三回行われました結果、平成二十一年度現在で、標準授業料と府の授業料の差額は二万五千二百円に縮小をいたしております。これに伴います増収分が平成二十一年度で約二十三億五千万円ございまして、これを高校の特色づくり、教育環境の整備、具体に申しますと、ICT教育でありましたり、英語教育、あるいは障害のある生徒へのきめ細かな支援、そういった高校教育の充実の財源として活用をしているところでございます。
それから、大阪府では、平成十六年度に府立高校のすべての普通教室に空調を設置をいたしましたが、これにつきまして、生徒から授業料とは別に年五千四百円の空調使用料を徴収をいたしております。
このような大阪府におきますこれまでの授業料をめぐる経緯を踏まえまして、昨年十月の国の概算要求以降、文部科学省から情報をいただきながら、大阪府としてこの授業料無償化にいかに対応するか検討を進めてまいりました。国から交付をされます額が標準授業料額が上限というふうに言われておりましたので、ただいま申しました府の上乗せ額と空調使用料部分をどうするべきか、これは教育委員会としても非常に悩みましたし、知事とも何度も議論を重ねてまいりました。知事の方も、全国的に無償化が実施をされる中で大阪府だけが授業料を徴収するという、そういう選択はし難いという思いは強く持っておられました。
しかし、この標準授業料を超える部分を徴収をしないということになりますと、平成二十一年度当初予算ベースで、ただいま申しましたこの二十三億五千万、これ授業料減免との相殺ですとか地方交付税で補てんされる分を考慮に入れましても約十四億円の減収ということになりますし、これに空調使用料の六億円を合わせますと約二十億円の財政負担が生じるということでございまして、現在の非常に厳しい大阪府の財政状況の下で大変苦慮をいたしたところでございます。
そうした中で、文部科学省に対しましてこれまで授業料として徴収をしてまいりました額を国から交付をしていただくように要望をしてまいりました。その結果、四年間の激変緩和措置を講じていただく方向で検討いただいたということで、大変有り難く思っております。
こうした状況も踏まえまして、最終的には、標準授業料を超えて徴収をしておりました上乗せ部分、それから空調使用料、さらには留年生や既卒者を含めましてすべて徴収をしない、完全な無償化を図るということで知事に決断をしていただきました。
そして、この二月府議会に高等学校条例の改正案を提出をいたしまして、一昨日、議会の御承認をいただきました。生徒、保護者にとりましても、学校にとりましても、望ましい形の、すっきりした形の選択ができたんではないかなというように思っております。
なお、この留年生等の扱いにつきまして少し補足をさせていただきますと、文部科学省のお考えは、標準修業年限を超過した者については、休学、海外留学、病気療養等のやむを得ない事情がある者を除いて交付金算定の対象としない、すなわち、この無償化制度の対象外ということでございますけれども、大阪府といたしましては、中退防止という教育的な観点や、対象外とされる生徒が非常に限定的、レアなケースになりますこと、また、やむを得ない事情があるかどうかを客観的、公平に判断をすることの難しさと事務の繁雑さ、加えまして、それに要するマンパワー等のコストを考えた場合の費用対効果、そういった点を総合的に判断をいたしまして、大変これ思い悩み、苦慮をいたしましたが、一律不徴収にするという結論に至ったところでございます。
ただ、この無償化に伴いまして、学籍だけを置いて形式的に在籍をすると、そういう生徒が生じないように、学校現場における教育的な指導を徹底することが必要であろうと考えております。
国におかれましても、すべての意志ある高校生等が安心して教育を受けるという、そういう趣旨を踏まえた上で、留年生等を含むすべての高校生をこの無償化制度の対象にしていただくようにお願いを申し上げたいと考えております。
次に、大阪府における公立高校と私立高校の状況でございますが、大阪では、昭和四十年代には、大阪都市圏への人口流入に伴い増加する生徒の教育需要に対応いたしまして、公立高校の新設で対応してまいりました。ただ、昭和五十年代の半ば以降、第二次ベビーブーム世代の生徒急増期には、公私立高等学校連絡協議会の合意に基づきまして、公立と私立が相協力した就学対策で対応をしてまいりました。
そして、この急増ピーク時の昭和六十二年の私学のシェア三〇%を生徒減少期においても維持をするということで、昭和六十三年以降、公私七対三の比率で生徒を受け入れ、今日に至っておりますが、公私間の切磋琢磨による教育の質の向上の観点から、新しい公立、私立の在り方について現在検討をいたしておるところでございます。
こうした中、今回、この授業料の無償化に対応いたしまして、大阪府では、私立学校につきましても、平成二十二年度は、世帯収入三百五十万円未満につきましては、国の支援金と大阪府独自の授業料軽減助成を組み合わせまして無償化を図るということにいたしました。また、知事からは、平成二十三年度以降、その対象を更に拡充をしていきたいという、そういう方向性が示されているところでございます。
今回のこの授業料の無償化を契機といたしまして、公立と私立ができるだけ同じ競争条件で教育の質を競い合い、公立、私立併せた大阪の高校教育の発展につなげていきたいというように考えております。
最後になりますが、今日の厳しい状況にあります高校生が安心して勉学に打ち込める環境づくりのためにも、この無償化の実現に向けた御審議をよろしくお願いを申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →公立高校授業料の無償化につきまして意見を述べる機会をちょうだいをいたしまして、心から感謝を申し上げます。
今日の深刻な経済状況の下におきまして、授業料の減免や滞納が増加をいたしますなど、高校生の就学をめぐる状況は大変厳しくなっております。こうした中で、家庭の状況にかかわらず、すべての意志のある高校生が教育を受けられるように社会全体で負担をしていくというこの公立高校の授業料無償化の意義は非常に大きなものがあると考えておりまして、大阪府といたしましてもその実現を是非お願いを申し上げる次第です。
本日、私の方からは、大阪府における授業料のこれまでの経緯、それから今回のこの法案についての大阪府における検討状況、大阪府における公立高校、私立高校の状況と今後の方向、この三点につきまして説明をさせていただきたいと思っておりますが、今回の授業料無償化への対応につきまして、恐らく全国の都道府県の中で一番悩みましたのが私ども大阪府ではないかというように思っております。
と申しますのは、現在、全国の都道府県の中で国の標準授業料を上回る授業料を徴収しておりますのは大阪府と東京都、和歌山県の三都府県でございますが、東京都と和歌山県は空調使用料部分を上乗せをいたしておりまして、授業料本体を上乗せをしておるのは私ども大阪府だけでございます。
これは平成十二年でございましたが、国の標準授業料額が十万八千円でございましたときに、三万六千円、月額にいたしまして三千円を上乗せをいたしまして十四万四千円に改定をいたしたんですが、当時大阪府は財政再建団体転落寸前という非常に厳しい財政状況にございまして、高校教育を充実をするためには生徒、保護者に応分の負担をお願いをせざるを得ないと、そういう状況の下で実施をいたしたものです。
以来、国の標準授業料の改定が三回行われました結果、平成二十一年度現在で、標準授業料と府の授業料の差額は二万五千二百円に縮小をいたしております。これに伴います増収分が平成二十一年度で約二十三億五千万円ございまして、これを高校の特色づくり、教育環境の整備、具体に申しますと、ICT教育でありましたり、英語教育、あるいは障害のある生徒へのきめ細かな支援、そういった高校教育の充実の財源として活用をしているところでございます。
それから、大阪府では、平成十六年度に府立高校のすべての普通教室に空調を設置をいたしましたが、これにつきまして、生徒から授業料とは別に年五千四百円の空調使用料を徴収をいたしております。
このような大阪府におきますこれまでの授業料をめぐる経緯を踏まえまして、昨年十月の国の概算要求以降、文部科学省から情報をいただきながら、大阪府としてこの授業料無償化にいかに対応するか検討を進めてまいりました。国から交付をされます額が標準授業料額が上限というふうに言われておりましたので、ただいま申しました府の上乗せ額と空調使用料部分をどうするべきか、これは教育委員会としても非常に悩みましたし、知事とも何度も議論を重ねてまいりました。知事の方も、全国的に無償化が実施をされる中で大阪府だけが授業料を徴収するという、そういう選択はし難いという思いは強く持っておられました。
しかし、この標準授業料を超える部分を徴収をしないということになりますと、平成二十一年度当初予算ベースで、ただいま申しましたこの二十三億五千万、これ授業料減免との相殺ですとか地方交付税で補てんされる分を考慮に入れましても約十四億円の減収ということになりますし、これに空調使用料の六億円を合わせますと約二十億円の財政負担が生じるということでございまして、現在の非常に厳しい大阪府の財政状況の下で大変苦慮をいたしたところでございます。
そうした中で、文部科学省に対しましてこれまで授業料として徴収をしてまいりました額を国から交付をしていただくように要望をしてまいりました。その結果、四年間の激変緩和措置を講じていただく方向で検討いただいたということで、大変有り難く思っております。
こうした状況も踏まえまして、最終的には、標準授業料を超えて徴収をしておりました上乗せ部分、それから空調使用料、さらには留年生や既卒者を含めましてすべて徴収をしない、完全な無償化を図るということで知事に決断をしていただきました。
そして、この二月府議会に高等学校条例の改正案を提出をいたしまして、一昨日、議会の御承認をいただきました。生徒、保護者にとりましても、学校にとりましても、望ましい形の、すっきりした形の選択ができたんではないかなというように思っております。
なお、この留年生等の扱いにつきまして少し補足をさせていただきますと、文部科学省のお考えは、標準修業年限を超過した者については、休学、海外留学、病気療養等のやむを得ない事情がある者を除いて交付金算定の対象としない、すなわち、この無償化制度の対象外ということでございますけれども、大阪府といたしましては、中退防止という教育的な観点や、対象外とされる生徒が非常に限定的、レアなケースになりますこと、また、やむを得ない事情があるかどうかを客観的、公平に判断をすることの難しさと事務の繁雑さ、加えまして、それに要するマンパワー等のコストを考えた場合の費用対効果、そういった点を総合的に判断をいたしまして、大変これ思い悩み、苦慮をいたしましたが、一律不徴収にするという結論に至ったところでございます。
ただ、この無償化に伴いまして、学籍だけを置いて形式的に在籍をすると、そういう生徒が生じないように、学校現場における教育的な指導を徹底することが必要であろうと考えております。
国におかれましても、すべての意志ある高校生等が安心して教育を受けるという、そういう趣旨を踏まえた上で、留年生等を含むすべての高校生をこの無償化制度の対象にしていただくようにお願いを申し上げたいと考えております。
次に、大阪府における公立高校と私立高校の状況でございますが、大阪では、昭和四十年代には、大阪都市圏への人口流入に伴い増加する生徒の教育需要に対応いたしまして、公立高校の新設で対応してまいりました。ただ、昭和五十年代の半ば以降、第二次ベビーブーム世代の生徒急増期には、公私立高等学校連絡協議会の合意に基づきまして、公立と私立が相協力した就学対策で対応をしてまいりました。
そして、この急増ピーク時の昭和六十二年の私学のシェア三〇%を生徒減少期においても維持をするということで、昭和六十三年以降、公私七対三の比率で生徒を受け入れ、今日に至っておりますが、公私間の切磋琢磨による教育の質の向上の観点から、新しい公立、私立の在り方について現在検討をいたしておるところでございます。
こうした中、今回、この授業料の無償化に対応いたしまして、大阪府では、私立学校につきましても、平成二十二年度は、世帯収入三百五十万円未満につきましては、国の支援金と大阪府独自の授業料軽減助成を組み合わせまして無償化を図るということにいたしました。また、知事からは、平成二十三年度以降、その対象を更に拡充をしていきたいという、そういう方向性が示されているところでございます。
今回のこの授業料の無償化を契機といたしまして、公立と私立ができるだけ同じ競争条件で教育の質を競い合い、公立、私立併せた大阪の高校教育の発展につなげていきたいというように考えております。
最後になりますが、今日の厳しい状況にあります高校生が安心して勉学に打ち込める環境づくりのためにも、この無償化の実現に向けた御審議をよろしくお願いを申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
水
福
福島康志#5
○参考人(福島康志君) ただいま御紹介いただきました日本私立中学高等学校連合会、福島でございます。本日、このような機会をちょうだいいたしましたことを改めて感謝申し上げます。
私は、主として私立高校の立場から幾つかのお話を申し上げたいと存じます。
まず初めに、私立高校の全国的な現状について簡単に御紹介を申し上げたいと思います。
二十一年度の全国の私立高校の生徒数でございますけれども、中等教育学校の後期課程を含めて約百万人、これは全日制、定時制でございますけれども、約百万人でございます。このほかに通信制高校が約九万人の生徒がおります。高校生全体の中で占める私立高校の割合でございますが、これは約三〇%、全国でも三〇%という割合でございます。
それでは、今回の法案、政策についての考え方の一端を述べさせていただきます。
この政策、法案の意義でございますけれども、これにつきましては、現在のような少子化あるいは長期にわたる経済不況の中で、子供の教育に係る費用を社会全体で応分の負担をしていこうとする考え方、これは誠に当を得たものであるというふうに考えております。
子供を育てる責任というのはまずは家庭にあると思っておりますけれども、子供たちが学校教育という社会的な仕組みの中にどう参加し、そこでどう学び、さらにはどう成長するかについては、現実問題として考えますと、学校が子供たちにとって社会人として巣立つために必要なプロセスとなっている以上、家庭とともに社会全体が可能な限りバックアップするのはむしろ当然だというふうに思います。その意味で、今回ようやく政治の場で子供たちが学ぶことへの積極的な支援策がこのように審議をされているということは大きな前進であり、これは、いわゆるプレストン効果というのがございますけれども、これを回避するための第一歩となることを私どもとしては期待しているところでございます。
ということではございますけれども、一方、私ども私立高校の立場から意見を申し上げますが、私立高校の立場から申し上げれば、今回の法案、政策の中で私立高校の取扱いについては、必ずしも十分なものとは言えないというふうに考えております。政策の基本的なフレームは、我が国の高校課程の教育を受けるすべての者に対して年額一律十一万八千八百円を支援するということで、平等な取扱いというふうになっておりますけれども、現実問題として考えれば、私立高校生についてはなお有償な部分が残るということもまた事実でございます。
今や準義務教育化したという状況にあります高等学校教育を受けるについて、同じ国民である子供たちが公立に通おうと私立に通おうと、同水準の自己負担で済む形が理想的だと思いますけれども、一方で、現実の財政事情などを踏まえれば、これを一挙に進めることは難しいものと十分に理解をできるところでございます。私たち私立高校の立場からは、やはり今回の公立高校無償化、私立高校就学支援金という形はあくまでも第一ステップと理解しておりますし、私立高校の今後の取扱いについて工程表のようなものをお示しいただきたいというふうに考えております。
さらに、次のことでございますけれども、今回の政策の実施によって学校現場にどのような影響が出るのかということにつきましては各方面からお尋ねをいただいておりますけれども、この点について二つの問題点があることを御披露申し上げたいと思います。
まずその一つ目は、今回の法案、政策によって、特に私立高校の生徒の学費負担感や入学状況にどのような変化があるのかということでございますけれども、これにつきましては、現在私立高校に通っている生徒や家庭にとっては、入学時には予期していなかった負担軽減が実現するということになりますので、軽減の実感が大きいのは確かだろうと思います。
一方で、今春、この春、高校に入学しようとする子供たちや家庭にとりましては、学校選びを始めたころ、昨年の秋ごろからこの政策は大きく報道されておりますし、その動向を認識しつつ学校選択を行ったということも、現実問題としてはこれもまた事実だろうと思います。ましてや、現在のような経済不況の下にありましては、学校の学費負担の多寡、多い少ないが学校選択の重要な要素になっていることも確かでしょうし、公私間での学校選択という場面では、この負担格差感は残念ながらぬぐい切れなかったのではないかというふうに考えております。
現在、各学校では四月からの新学年の学校運営や学校組織をまとめつつありますけれども、特に私立高校にとりましては定員を確保することが学校運営の大前提というふうになります。各学校ごとに、今春の入試の志願者が増えたとかあるいはある学校では減ったとかいう話も様々ありますけれども、これらはすべて途中経過の話でございまして、学校にとりましては、四月時点での生徒数が例年に比べてどのように変化したかということを見なければ、影響の度合いは本当のところは分からないということでございます。
ただし、一つのメルクマールというものを御紹介申し上げますと、この春、高校に入学する子供たちは今春の中卒者が大部分でございますので、この中卒者の動向を見ればどうかということが一つ分かると思います。この今年の春の中卒者でございますけれども、昨年に比べまして四万人近く、三万九千人ぐらい増えていると、こういう統計がございますので、この増加した約四万人近い中卒者が、この増加分が公立へより多く行くのか、あるいは私立が一定割合を確保できるのかということを見れば、今回の影響の一端はかいま見ることができるのではないかというふうに考えております。
さらに、もう一つの問題点を御披露申し上げますと、私立高校などが対象となっております就学支援金の事務手続が果たしてスムーズに進められるかという問題でございます。
確かに、今現在このように法案が審議中ということで、より具体的な対策あるいは方法につきましてはこれからということになると思いますけれども、既にプラン、試案として示されているものを拝見しますと、制度上の今回の責任の主体は各都道府県にあるというふうにされておりますけれども、実際上の事務処理の大半は学校現場が担わなくてはならないというふうに思われます。一定の期間にこの事務処理を求められるとすれば、より簡素化された方法と学校現場にある程度の事務処理の裁量権を認める形としていただきたいということをあえて申し上げる次第でございます。
これに関連する事項として更に付け加えさせていただくならば、就学支援金を受領する高校生、私立高校、公立高校以外の高校生ということになりますが、就学支援金を受領する高校生は全員自ら署名した申請書を提出することになっております。現在示されております様式の案でございますけれども、この案によりますと、その別紙には今回の政策の趣旨が記載されておりまして、御披露を若干しますと、本制度が国の費用で行われ、社会全体の負担により生徒の学びを支えることを通じて、将来、我が国社会の担い手として活躍されることが期待されていますと書かれております。
これを一人一人の私立高校生には文書をもって徹底をされるのだとすれば、より数の多い公立高校の生徒一人一人に対してもこの政策の趣旨の徹底を図る手だてを考えていただければというふうに思うわけでございます。
さらに、もう一つ申し上げれば、この政策をきっかけにして、比較的理解の深い県、あるいは財政的に余裕のある県と言ってもいいかもしれませんが、都道府県では、県単の上乗せ支援策を実施すると聞いております。これはこれとして誠に結構なことではございますけれども、その結果として、各都道府県間で私立高校生が受ける就学支援の内容に大きな格差が生ずるということも恐れるところでございます。これを是正して我が国の国内で学ぶ高校生がどの地域でも同水準の就学支援が受けられるように対策を講ずるのは、やはりこの政策を主導する国の責任であるというふうに考えております。
最後に、この政策に関連する重要な問題としてもう一つ指摘をさせていただくならば、この政策によって高校生が学校で学ぶ際の経済的負担は確かに軽減されると思います。だからといって、必ずしもより良い教育が受けられるようになるとは限らないということでございます。
高校の立場で申し上げれば、より良い教育あるいは新しい教育を提供し教育環境を整備するためには、これまで以上の費用を要するのでありまして、そのために特に私立高校では学費値上げ圧力が高まるということも考えられますけれども、現実を踏まえれば、この政策によって軽減された授業料を直ちに値上げするということは政策の趣旨を生かすことにもなりませんし、対公立高校との関係で更なる負担格差を生ずるということになりますので、甚だ難しいということのように、私立高校にとっては大きなジレンマに陥るということも予想されるところでございます。
このような事態を打開して、私立高校がより良い教育を提供することによって我が国の公教育全体の健全性と多様性を確保するためにも、やはり私どもの立場で申し上げれば、私学助成の充実がこれまで以上に重要となるということを申し上げたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、主として私立高校の立場から幾つかのお話を申し上げたいと存じます。
まず初めに、私立高校の全国的な現状について簡単に御紹介を申し上げたいと思います。
二十一年度の全国の私立高校の生徒数でございますけれども、中等教育学校の後期課程を含めて約百万人、これは全日制、定時制でございますけれども、約百万人でございます。このほかに通信制高校が約九万人の生徒がおります。高校生全体の中で占める私立高校の割合でございますが、これは約三〇%、全国でも三〇%という割合でございます。
それでは、今回の法案、政策についての考え方の一端を述べさせていただきます。
この政策、法案の意義でございますけれども、これにつきましては、現在のような少子化あるいは長期にわたる経済不況の中で、子供の教育に係る費用を社会全体で応分の負担をしていこうとする考え方、これは誠に当を得たものであるというふうに考えております。
子供を育てる責任というのはまずは家庭にあると思っておりますけれども、子供たちが学校教育という社会的な仕組みの中にどう参加し、そこでどう学び、さらにはどう成長するかについては、現実問題として考えますと、学校が子供たちにとって社会人として巣立つために必要なプロセスとなっている以上、家庭とともに社会全体が可能な限りバックアップするのはむしろ当然だというふうに思います。その意味で、今回ようやく政治の場で子供たちが学ぶことへの積極的な支援策がこのように審議をされているということは大きな前進であり、これは、いわゆるプレストン効果というのがございますけれども、これを回避するための第一歩となることを私どもとしては期待しているところでございます。
ということではございますけれども、一方、私ども私立高校の立場から意見を申し上げますが、私立高校の立場から申し上げれば、今回の法案、政策の中で私立高校の取扱いについては、必ずしも十分なものとは言えないというふうに考えております。政策の基本的なフレームは、我が国の高校課程の教育を受けるすべての者に対して年額一律十一万八千八百円を支援するということで、平等な取扱いというふうになっておりますけれども、現実問題として考えれば、私立高校生についてはなお有償な部分が残るということもまた事実でございます。
今や準義務教育化したという状況にあります高等学校教育を受けるについて、同じ国民である子供たちが公立に通おうと私立に通おうと、同水準の自己負担で済む形が理想的だと思いますけれども、一方で、現実の財政事情などを踏まえれば、これを一挙に進めることは難しいものと十分に理解をできるところでございます。私たち私立高校の立場からは、やはり今回の公立高校無償化、私立高校就学支援金という形はあくまでも第一ステップと理解しておりますし、私立高校の今後の取扱いについて工程表のようなものをお示しいただきたいというふうに考えております。
さらに、次のことでございますけれども、今回の政策の実施によって学校現場にどのような影響が出るのかということにつきましては各方面からお尋ねをいただいておりますけれども、この点について二つの問題点があることを御披露申し上げたいと思います。
まずその一つ目は、今回の法案、政策によって、特に私立高校の生徒の学費負担感や入学状況にどのような変化があるのかということでございますけれども、これにつきましては、現在私立高校に通っている生徒や家庭にとっては、入学時には予期していなかった負担軽減が実現するということになりますので、軽減の実感が大きいのは確かだろうと思います。
一方で、今春、この春、高校に入学しようとする子供たちや家庭にとりましては、学校選びを始めたころ、昨年の秋ごろからこの政策は大きく報道されておりますし、その動向を認識しつつ学校選択を行ったということも、現実問題としてはこれもまた事実だろうと思います。ましてや、現在のような経済不況の下にありましては、学校の学費負担の多寡、多い少ないが学校選択の重要な要素になっていることも確かでしょうし、公私間での学校選択という場面では、この負担格差感は残念ながらぬぐい切れなかったのではないかというふうに考えております。
現在、各学校では四月からの新学年の学校運営や学校組織をまとめつつありますけれども、特に私立高校にとりましては定員を確保することが学校運営の大前提というふうになります。各学校ごとに、今春の入試の志願者が増えたとかあるいはある学校では減ったとかいう話も様々ありますけれども、これらはすべて途中経過の話でございまして、学校にとりましては、四月時点での生徒数が例年に比べてどのように変化したかということを見なければ、影響の度合いは本当のところは分からないということでございます。
ただし、一つのメルクマールというものを御紹介申し上げますと、この春、高校に入学する子供たちは今春の中卒者が大部分でございますので、この中卒者の動向を見ればどうかということが一つ分かると思います。この今年の春の中卒者でございますけれども、昨年に比べまして四万人近く、三万九千人ぐらい増えていると、こういう統計がございますので、この増加した約四万人近い中卒者が、この増加分が公立へより多く行くのか、あるいは私立が一定割合を確保できるのかということを見れば、今回の影響の一端はかいま見ることができるのではないかというふうに考えております。
さらに、もう一つの問題点を御披露申し上げますと、私立高校などが対象となっております就学支援金の事務手続が果たしてスムーズに進められるかという問題でございます。
確かに、今現在このように法案が審議中ということで、より具体的な対策あるいは方法につきましてはこれからということになると思いますけれども、既にプラン、試案として示されているものを拝見しますと、制度上の今回の責任の主体は各都道府県にあるというふうにされておりますけれども、実際上の事務処理の大半は学校現場が担わなくてはならないというふうに思われます。一定の期間にこの事務処理を求められるとすれば、より簡素化された方法と学校現場にある程度の事務処理の裁量権を認める形としていただきたいということをあえて申し上げる次第でございます。
これに関連する事項として更に付け加えさせていただくならば、就学支援金を受領する高校生、私立高校、公立高校以外の高校生ということになりますが、就学支援金を受領する高校生は全員自ら署名した申請書を提出することになっております。現在示されております様式の案でございますけれども、この案によりますと、その別紙には今回の政策の趣旨が記載されておりまして、御披露を若干しますと、本制度が国の費用で行われ、社会全体の負担により生徒の学びを支えることを通じて、将来、我が国社会の担い手として活躍されることが期待されていますと書かれております。
これを一人一人の私立高校生には文書をもって徹底をされるのだとすれば、より数の多い公立高校の生徒一人一人に対してもこの政策の趣旨の徹底を図る手だてを考えていただければというふうに思うわけでございます。
さらに、もう一つ申し上げれば、この政策をきっかけにして、比較的理解の深い県、あるいは財政的に余裕のある県と言ってもいいかもしれませんが、都道府県では、県単の上乗せ支援策を実施すると聞いております。これはこれとして誠に結構なことではございますけれども、その結果として、各都道府県間で私立高校生が受ける就学支援の内容に大きな格差が生ずるということも恐れるところでございます。これを是正して我が国の国内で学ぶ高校生がどの地域でも同水準の就学支援が受けられるように対策を講ずるのは、やはりこの政策を主導する国の責任であるというふうに考えております。
最後に、この政策に関連する重要な問題としてもう一つ指摘をさせていただくならば、この政策によって高校生が学校で学ぶ際の経済的負担は確かに軽減されると思います。だからといって、必ずしもより良い教育が受けられるようになるとは限らないということでございます。
高校の立場で申し上げれば、より良い教育あるいは新しい教育を提供し教育環境を整備するためには、これまで以上の費用を要するのでありまして、そのために特に私立高校では学費値上げ圧力が高まるということも考えられますけれども、現実を踏まえれば、この政策によって軽減された授業料を直ちに値上げするということは政策の趣旨を生かすことにもなりませんし、対公立高校との関係で更なる負担格差を生ずるということになりますので、甚だ難しいということのように、私立高校にとっては大きなジレンマに陥るということも予想されるところでございます。
このような事態を打開して、私立高校がより良い教育を提供することによって我が国の公教育全体の健全性と多様性を確保するためにも、やはり私どもの立場で申し上げれば、私学助成の充実がこれまで以上に重要となるということを申し上げたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
水
大
大竹通夫#7
○参考人(大竹通夫君) 私、全国の高等専修学校各種学校総連合会の常務理事で、その下部組織となります全国高等専修学校協会の会長を務めさせていただいております大竹と申します。八王子で大竹高等専修学校という服飾系と調理系の高等専修学校の校長、理事長をしております。
参議院の先生方には、日ごろより職業教育、専修学校教育の振興について御理解、御指導賜りますことを厚く御礼を申し上げます。特に、この度は、高等学校等就学支援金の法案に当初から高等専修学校を議論の対象としていただきましたことに本当に感謝を申し上げる次第でございます。
本日は、高等専修学校、専修学校の高等課程の立場から高等学校等就学支援金の制度に対する意見を述べさせていただきます。何分にも不慣れでございますので、御迷惑掛けること多々あろうかと存じますが、お許しを賜りますようお願いを申し上げます。
それでは、せっかくの機会でございますので、まずは高等専修学校の制度と現状、課題について少しお話をさせていただきます。
専修学校制度は、昭和五十一年に、各種学校のうち一定要件を満たすものを振興する目的で創設されました。専修学校には、入学資格により三つの課程がございます。そのうち、中学校卒業程度を入学資格とする課程が高等課程、いわゆる高等専修学校と称します。高等学校卒業程度を入学資格とする専門課程、いわゆる専門学校、そして入学資格が限定されていない一般課程と三つの課程に分かれております。恐らく、ほとんどの先生方は専門学校のことは御存じかと思いますが、高等学校と同じ後期中等教育である高等専修学校については余り御存じいただけないのではないかと思っております。少しその制度についてお話をさせていただきます。
専修学校の制度は、修業年限が一年以上と定められているため、高等専修学校の中にはほぼ高等学校と同等の三年制の学科があるほか、医療系の准看護師の養成施設でありますとか、二年制でございます。また、衛生系の調理師養成のコースは一年制でございます。いろいろな学科がございます。
昭和六十年に、一定の要件、高校同等の教育時間数、高校と同様の一定科目の履修等を満たす三年制の学校に、今まで袋小路でございまして、進学等ができなかった学校が大学入学資格付与がされる制度が創設され、十五歳人口の急増期には、十五の春を泣かすなの合い言葉に、高等専修学校は多くの生徒を受け入れてまいりました。ピーク時には十一万七千人の高等専修学校の生徒が学んでまいりました。
しかし、平成二十一年度の学校基本調査によれば、専修学校全体の学校数は三千三百四十八校、そのうち高等課程を設置する学校は四百九十四校でございます。生徒数は高等課程全体で三万八千人、四分の一程度に減ってまいりました。この度の高等学校等就学支援金の対象としていただいている生徒の基礎数がこの数字に当たります。このうち、大学入学付与指定校は百九十五校、三年制の学校でございますね、学科数は二百七十学科、生徒数は約二万一千人。一年制、二年制の残りの一万七千人がいると御理解をいただきますようお願いを申し上げます。
高等専修学校は、中卒者を対象に、高校とは異なる柔軟な制度的特徴を生かして職業や実際生活に役立つ教育を行っております。中学校卒業時点で自らの職業的方向性を見出し、積極的に職業教育を受けようとする生徒が多数を占めておりますが、また不登校経験者や、高校生活になじめず中退し、新たに学び直しを求めてくる生徒も積極的に受け入れております。職業を通じて社会的自立を支援する教育を行っておるところでございます。さらに、一年制、二年制の学科には、高校卒業者や社会人も職業資格を得る目的に多数、多く学び直しをしておるのが現状でございます。
特に、三年制の高等専修学校に関する制度面でいえば、先ほど申しましたとおり、昭和六十年、修業年限三年以上で文部大臣の指定する高等専修学校卒業者に大学入学資格を付与されました。これによって、法律の文言は違いますが、高校卒業と同等という扱いを受けるようになりました。さらに六十二年には、人事院規則改正に伴い、国家公務員採用試験受験資格が認められました。これによって、国家公務員に受験する資格も高卒と同じ扱いを受けてまいりました。平成五年には、学校教育法施行規則の改正により、高等専修学校による学習等を高等学校が単位の一部として認定する制度が創設をされました。さらに、今まで認められていませんでした平成五年に高体連主催の大会にも参加を認められるようになりました。今まで念願でございましたJRの割引定期、平成六年にようやく高等学校と同じになりました。公共職業所の職業紹介の取扱いも、平成十六年、ようやく高等学校と同じようにされてまいりました。などの制度改定が、度々、一つのこと起こるたびに、我々は個別にお願いをしてきて、やはり変えていただくというところでございました。
しかしながら、これまでの我々の実績は、高等学校と並ぶ後期中等教育でありながら学校教育法第一条に記載されていないその他の教育機関であるというところで、すべての施策に置いてきぼりを食ったことが現状でございます。特に、校舎の耐震化対策、アスベスト対策、AEDの設置など、生徒の命にかかわる重要なことまでも置き去りにされてまいりました。それらの問題も個別に都道府県にお願いをいたしまして、東京都を始め多くの自治体で対応していただきましたが、まだすべての自治体では対応されておりません。
このように、様々な後期中等教育に関する施策から高等専修学校が抜け落ち、その都度お願いをして高等学校と同様の扱いをしていただいてきたのが現状でございます。このことは、専修学校制度が学校教育体系の中で位置付けが明確でないことが原因であろうかと思われます。
現在、文科省の中教審のキャリア教育・職業教育特別部会、また専修学校教育の振興方策等に関する調査研究協力者会議において職業教育に特化した高等専修学校の在り方についても御審議をいただいているところでございます。
今回の就学支援金に対する意見でございますが、そういう中で、高等専修学校が高等学校と同じように当初から支援金の対象にしていただきましたことを重ねて感謝を申し上げる次第でございます。高等学校における公私間格差の助長との声があるようでございますが、高等専修学校は直接的に国から何の助成的支援も受けておりません。私立学校と同様の設置をしていただいたことは大変うれしく思っております。
本制度の趣旨は、中学卒業後の生徒に対してひとしく教育を受ける権利を保障するものと理解しております。さきの衆議院の文部科学委員会で川端文部科学大臣が、高等学校の課程に類するものとして専修学校の高等課程は対象としたいとはっきり明言をされて答弁をなされております。是非とも、修業年限にかかわらず、すべての高等専修学校生を対象としていただくことを改めてお願いを申し上げます。
また、全国専修学校各種学校総連合会の立場で申せば、各種学校の中にも外国人学校以外で高等専修学校同様に高等学校に類する教育を行っておる学校もございます。それらにつきまして、個別審査の上、同様の措置をとっていただきたくお願いを申し上げます。
問題といたしましては、中高協会の事務局長も申しましたが、学校における事務の繁雑さが挙げられます。家庭の収入を把握することや、それに基づいて手続など、できるだけ簡素化することも御配慮いただきますようお願いを申し上げます。
以上、高等専修学校からの意見表明とさせていただきました。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →参議院の先生方には、日ごろより職業教育、専修学校教育の振興について御理解、御指導賜りますことを厚く御礼を申し上げます。特に、この度は、高等学校等就学支援金の法案に当初から高等専修学校を議論の対象としていただきましたことに本当に感謝を申し上げる次第でございます。
本日は、高等専修学校、専修学校の高等課程の立場から高等学校等就学支援金の制度に対する意見を述べさせていただきます。何分にも不慣れでございますので、御迷惑掛けること多々あろうかと存じますが、お許しを賜りますようお願いを申し上げます。
それでは、せっかくの機会でございますので、まずは高等専修学校の制度と現状、課題について少しお話をさせていただきます。
専修学校制度は、昭和五十一年に、各種学校のうち一定要件を満たすものを振興する目的で創設されました。専修学校には、入学資格により三つの課程がございます。そのうち、中学校卒業程度を入学資格とする課程が高等課程、いわゆる高等専修学校と称します。高等学校卒業程度を入学資格とする専門課程、いわゆる専門学校、そして入学資格が限定されていない一般課程と三つの課程に分かれております。恐らく、ほとんどの先生方は専門学校のことは御存じかと思いますが、高等学校と同じ後期中等教育である高等専修学校については余り御存じいただけないのではないかと思っております。少しその制度についてお話をさせていただきます。
専修学校の制度は、修業年限が一年以上と定められているため、高等専修学校の中にはほぼ高等学校と同等の三年制の学科があるほか、医療系の准看護師の養成施設でありますとか、二年制でございます。また、衛生系の調理師養成のコースは一年制でございます。いろいろな学科がございます。
昭和六十年に、一定の要件、高校同等の教育時間数、高校と同様の一定科目の履修等を満たす三年制の学校に、今まで袋小路でございまして、進学等ができなかった学校が大学入学資格付与がされる制度が創設され、十五歳人口の急増期には、十五の春を泣かすなの合い言葉に、高等専修学校は多くの生徒を受け入れてまいりました。ピーク時には十一万七千人の高等専修学校の生徒が学んでまいりました。
しかし、平成二十一年度の学校基本調査によれば、専修学校全体の学校数は三千三百四十八校、そのうち高等課程を設置する学校は四百九十四校でございます。生徒数は高等課程全体で三万八千人、四分の一程度に減ってまいりました。この度の高等学校等就学支援金の対象としていただいている生徒の基礎数がこの数字に当たります。このうち、大学入学付与指定校は百九十五校、三年制の学校でございますね、学科数は二百七十学科、生徒数は約二万一千人。一年制、二年制の残りの一万七千人がいると御理解をいただきますようお願いを申し上げます。
高等専修学校は、中卒者を対象に、高校とは異なる柔軟な制度的特徴を生かして職業や実際生活に役立つ教育を行っております。中学校卒業時点で自らの職業的方向性を見出し、積極的に職業教育を受けようとする生徒が多数を占めておりますが、また不登校経験者や、高校生活になじめず中退し、新たに学び直しを求めてくる生徒も積極的に受け入れております。職業を通じて社会的自立を支援する教育を行っておるところでございます。さらに、一年制、二年制の学科には、高校卒業者や社会人も職業資格を得る目的に多数、多く学び直しをしておるのが現状でございます。
特に、三年制の高等専修学校に関する制度面でいえば、先ほど申しましたとおり、昭和六十年、修業年限三年以上で文部大臣の指定する高等専修学校卒業者に大学入学資格を付与されました。これによって、法律の文言は違いますが、高校卒業と同等という扱いを受けるようになりました。さらに六十二年には、人事院規則改正に伴い、国家公務員採用試験受験資格が認められました。これによって、国家公務員に受験する資格も高卒と同じ扱いを受けてまいりました。平成五年には、学校教育法施行規則の改正により、高等専修学校による学習等を高等学校が単位の一部として認定する制度が創設をされました。さらに、今まで認められていませんでした平成五年に高体連主催の大会にも参加を認められるようになりました。今まで念願でございましたJRの割引定期、平成六年にようやく高等学校と同じになりました。公共職業所の職業紹介の取扱いも、平成十六年、ようやく高等学校と同じようにされてまいりました。などの制度改定が、度々、一つのこと起こるたびに、我々は個別にお願いをしてきて、やはり変えていただくというところでございました。
しかしながら、これまでの我々の実績は、高等学校と並ぶ後期中等教育でありながら学校教育法第一条に記載されていないその他の教育機関であるというところで、すべての施策に置いてきぼりを食ったことが現状でございます。特に、校舎の耐震化対策、アスベスト対策、AEDの設置など、生徒の命にかかわる重要なことまでも置き去りにされてまいりました。それらの問題も個別に都道府県にお願いをいたしまして、東京都を始め多くの自治体で対応していただきましたが、まだすべての自治体では対応されておりません。
このように、様々な後期中等教育に関する施策から高等専修学校が抜け落ち、その都度お願いをして高等学校と同様の扱いをしていただいてきたのが現状でございます。このことは、専修学校制度が学校教育体系の中で位置付けが明確でないことが原因であろうかと思われます。
現在、文科省の中教審のキャリア教育・職業教育特別部会、また専修学校教育の振興方策等に関する調査研究協力者会議において職業教育に特化した高等専修学校の在り方についても御審議をいただいているところでございます。
今回の就学支援金に対する意見でございますが、そういう中で、高等専修学校が高等学校と同じように当初から支援金の対象にしていただきましたことを重ねて感謝を申し上げる次第でございます。高等学校における公私間格差の助長との声があるようでございますが、高等専修学校は直接的に国から何の助成的支援も受けておりません。私立学校と同様の設置をしていただいたことは大変うれしく思っております。
本制度の趣旨は、中学卒業後の生徒に対してひとしく教育を受ける権利を保障するものと理解しております。さきの衆議院の文部科学委員会で川端文部科学大臣が、高等学校の課程に類するものとして専修学校の高等課程は対象としたいとはっきり明言をされて答弁をなされております。是非とも、修業年限にかかわらず、すべての高等専修学校生を対象としていただくことを改めてお願いを申し上げます。
また、全国専修学校各種学校総連合会の立場で申せば、各種学校の中にも外国人学校以外で高等専修学校同様に高等学校に類する教育を行っておる学校もございます。それらにつきまして、個別審査の上、同様の措置をとっていただきたくお願いを申し上げます。
問題といたしましては、中高協会の事務局長も申しましたが、学校における事務の繁雑さが挙げられます。家庭の収入を把握することや、それに基づいて手続など、できるだけ簡素化することも御配慮いただきますようお願いを申し上げます。
以上、高等専修学校からの意見表明とさせていただきました。
ありがとうございました。
水
赤
赤林英夫#9
○参考人(赤林英夫君) 慶應義塾大学経済学部の赤林英夫でございます。本日はよろしくお願いいたします。
私は、経済学を研究している立場で、日ごろから教育と教育政策の効果について研究をしております。本日は、その立場から、お手元に配りました資料に従いまして、高校無償化政策の意義と予想される副次効果について私の私見を述べさせていただきます。
ページ番号を振っていなくて大変申し訳ございませんでした。一ページ目には、目的の確認、次に現状の確認、政策の意義と予想される副次効果、そして私の意見と今後の課題というふうに進ませていただきたいと思います。
次をめくっていただきまして、まず目的の確認です。これはもう皆さんよく御承知のとおりのことでございますけれども、私なりに法案の概要と法案の第一条から持ってきた資料でございます。下線部だけを読ませていただきますと、家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、この政策があるというわけです。法案の方にも、「教育の機会均等に寄与することを目的とする。」と書いてございます。
それでは、現状はどうなっているのかということを私なりに整理させていただきたく思います。
まず、現在、経済的困難により高校入学や継続を断念する子供は一体どれだけいるのかと。私もふだんから、仕事柄教育統計を扱うことが多いんですけれども、入学者の中でどれぐらい経済的困難で断念しているのかということに関する統計というのはなかなか見当たりません。もちろん、新聞等でいろいろなケースが報道されているのは承知しているんですが、この機会に何人かの身近な研究者に聞いても、なかなか統計不足で実態はよく分からないというふうに理解しております。ただし、高等学校中退についてはある程度のデータがあります。それでまず確認させていただきます。
次に、現在ある私立学校及び公立学校の学費減免制度は一体どの程度高校生の就学を支援する、若しくは、別の言い方をしますと、中退を阻止する効果があるのかという点でございます。実は、この点について余り研究がなされていなかったということを私は三年ほど前に気付きまして、三年ほど前から研究を続けておりました。たまたま今年に入ってからその研究成果を発表する機会がございましたので、その研究結果も含めて簡単に御説明させていただきたいと思います。
次をめくっていただきまして、高校中退者の事由別比率という資料がございます。これは、平成二十年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査という文部科学省の調査の結果でございます。事由別に、公立、私立でどれだけの比率の子供が中退しているかということを書いてございます。
これを見ますと、ちょうど真ん中辺りに経済的理由という欄がございまして、経済的理由で中退している子供は、公立の中退者の中でおよそ二・四%程度を占めております。私立ですと五・五%ということになります。それ以外に、場合により、家庭の事情というふうに答えていても、その中には経済的理由が当然入っている可能性はございます。それで見ますと、公立が四・四%、私立が四・六%ということになっております。さらに、進路変更の中に就職というのもあります。これももちろん、就職という選択肢が、一部が経済的理由であるという可能性もございます。これがそれぞれ、公立が一六・七、私立が六・九ということになっております。
ただ、全体を見ましても、経済的理由とはっきり答えた人は非常に少ないですし、むしろそれ以上に中退の理由として大きなシェアを占めているのは、むしろ学校生活・学業不適応であるというふうに理解することができると思います。
次の資料をめくっていただきまして、従来の私立学校授業料減免制度というのがどれぐらいの中退抑制効果があったのかと。これは、私が大学院生の荒木と一緒に研究した論文の結果をまとめたものでございます。ちょうど三年前は教育バウチャーの議論がなされた時期でございまして、私の立場から見ますと、私立学校の授業料助成というのは、いわゆる私立教育バウチャーにほぼ近いものであるというふうに考えておりました。当時、バウチャーの議論が盛んだった割には、現在ある制度がちゃんと検証されていないということが研究のきっかけでございました。ただ、なかなかその中退に関するデータが得られませんので、たまたまデータの得られました東北と北陸の八県のデータとその県における政策変更を利用しまして、その効果を推計したものでございます。
その結果、我々がその限られたデータの中で確認できた範囲でございますけれども、授業料減免制度を拡充すると中退を抑止する効果が普通科ではなかなか確認できませんでした。ところが、専門学科の生徒には十分確認できました。もちろんこれは統計的な確認ですので、もしかしたら全国のデータを利用すれば普通科にも確認できるかもしれませんが、これが研究の現状ということでございます。
以上をまとめさせていただきますと、次の資料に行きますと、現状のまとめということで三点書いてございます。
まず、経済的理由による高校中退というのは必ずしも多くないということです。必ずしもという言い方はどういうことかというと、恐らくそれ以上に深刻なのは学校不適応であろうということとまとめることができると思います。
さらに、現在の私立高校の授業料減免制度は普通科の生徒よりも専門学科の生徒の中退抑止効果の方が恐らく大きいであろうというふうに考えております。これはもちろん私立の、しかもデータの得られた八県の生徒に対する研究ですので、これが公立の高等学校の生徒全体にどうかとか、あるいは全国どうかということは必ずしも言えませんが、恐らく可能性としては普通科よりも専門学科の生徒の方が効果が大きいのではないかというふうに想像しております。
それでは、次のページに行っていただきまして、では、高等学校無償化の意義を私なりにまとめてみます。
たった今御説明しました現状分析を踏まえますと、まず、この無償化は生徒の高校中退を抑止し、高校進学を促進する効果が恐らく特に今専門学科に通う生徒にはあるのではないかというふうに想像しております。繰り返しになりますが、普通科の生徒にないと言っているわけではありません。データ不足で検証できなかったというだけでございます。
さらに、当然のことでございますけれども、単に中退さえしなければいいということではありません。高校に通いながら十分に勉強に打ち込めるという環境を支えるために利用されるという意義もございます。すなわち、一般的な生活支援、学業支援という意味も当然ございます。
そして、三番目にあえて挙げさせていただきましたけれども、この無償化はある種の学校という産業における競争政策であるということを是非御認識いただきたいということでございます。これを少し詳しく説明させていただくのが次の紙でございます。
なぜ高校無償化は競争政策なのかということなんですが、この現在の案を実施しますと、当然ながらどこの学校でも通うための費用が安くなります。生徒にとっては選択肢の拡大が起きます。これはむしろ前向きなことだと思いますが、ただ、今のように高等学校、特に高等学校についてお話しさせていただきますが、定員が設定されている現状では、定員という供給サイドの制約の割には需要が拡大するのではないか、パイとしての需要が増えるだけではなくて、特定の学校に対する競争の激化が起きるのではないかというふうに想像しております。
これを踏まえますと、次のスライドに行っていただきますと、無償化によって予想される副次効果を、これは予想でございますのでその程度は分かりませんけれども、次の三点でまとめることができると思います。
今回の無償化によって公的な教育予算が実質的に増えるわけではありません。次のスライドに簡単に模式化してございますけれども、既に御承知のとおり、この無償化政策というのは従来家計が支払っていた授業料を国が肩代わりするというものですから、学校の中に入ってくるお金が変わるわけではございません。その結果、この政策だけで教育の質が向上するわけでも、かつ定員の余裕を増やせるわけでもございません。
資料百十三ページと書いてありますけれども、これは私が今回の会に出席の数日前にいただきました本法案にかかわる参考資料の冊子を引用したものでございます。もし皆様のお手元になければ特段参照していただく必要はございませんが、例えばその百十三ページには、京都府の校長先生が学校には本当にお金はないんだということを言っておられます。
次の点ですけれども、高校入学需要が増えるとどうなるかというと、可能性としましては、勉強したくても希望する高校に入れない子供が増えるのではないかということでございます。これも現場の一部の懸念と一致しておりまして、例えば資料の百十四ページのところで、東京都の教育長の御発言で、公立への希望者が急増した場合の受入れ体制の整備というものが費用面でも時間的にも大きな問題となる点に留意していただきたいと思いますというふうに御発言されています。
三点目ですが、高校入学のための競争が先ほどの理由により激しくなり、そのため余裕のできた家計は恐らく塾などへの支出を増やすということが想像されます。
その点をもう少し詳しく述べたいと思いますが、次のスライドはもう既に御説明したので飛ばしてください。その次のスライドに、定時制人気の上昇で定員不足が発生しているという新聞記事をまず参照していただきたいと思います。
この記事から私が述べたいことは、現時点でもたとえ授業料を払ってでも高校に通いたいと、公立高校に通いたいという子供が公立学校に入れないという状況が生まれているという現状を確認したいということでございます。右の記事によりますと、定時制に入れない子供というのは、これは昨年の記事ですので昨年度のことだと思います。今年度のことについては実はたまたま日本経済新聞に昨日記事が出まして、神奈川県の状況や、たしか東京都の状況などが書かれていました。昨年度の状況でいいますと、定時制に入れない子供は約千二百人。
やはりいただいた資料に基づいて、中卒後、高校に行かない子供は大体何人かということを確認しますと、二万五千人程度であると。すなわち、高校に行かない子供のざっくり言って約五%は、公立の高校に行きたくても入れないという子供ではないかというふうに想像をしております。これらの子供たちというのは言ってみれば学びたい学校で学べないという子供たちでございますので、ここで、授業料とは別の部分で教育の機会不均等が起きているというふうに私は理解しております。
そして、更に重要なことですが、ここの部分については高校無償化法案では救えないと。先ほど申しましたように、もし高校に入りたい子供が無償化によって増えれば更にこのような子供は増える可能性もございます。もちろん高等学校は既にもう義務教育化していますから増えるという余地もそれほどないかのように見えるかもしれませんが、既に卒業している子供がやはり高校に入り直したいというふうに戻ってくる可能性もございますので、その辺はなかなか予想が難しいところだと思います。
次の紙に行っていただきまして、じゃ改めて、無償化はなぜ学びたくても学べない子供を増やすのかと。ちょっと繰り返しになりますけれども、これは先ほどから繰り返していますように、無償化になれば、これは学校に通うための費用が下がりますので、非常に基本的な経済原理をここで繰り返すのも釈迦に説法かもしれませんが、やはり需要が増えるということになります。
次の図を見ていただきたいんですが、これはごく単純に高校に入学する希望者の変化と学費の関係を示したものです。学費が約十二万からゼロに下がれば入学したいという子供は増えるでしょう。その一方で、定員が増えなければ定員をオーバーしてしまう子供の数は当然増えるということになると思います。
その前の紙に戻っていただきまして、繰り返しになりますけれども、定員管理の下では現在も入りたくても入れない子供がいるということになります。
もちろん、民主党のマニフェストを改めて読み直してみますと、高校の全入ということと高校の無償化ということがワンセットで唱えられていたと思います。今回は、無償化が先行して法案として上がってきたというふうに理解しておりますけれども、その際の説明としまして、これも資料を参照させていただきますと、多くのOECD諸国では高等学校まで無料であると、だから日本も無料にすべきだというようなことが一つの根拠になっていたと思います。
ところが、私も諸外国の事情に必ずしも精通しているわけではございませんが、高校無料化を実現している国の多くでは、もちろん義務教育であるとは限りませんが、義務教育であるなしにかかわらず公立高校のどこかに入れるという、いわゆるオープンアクセスという原理がほとんど実現しているように思います。ですから、ほとんどの国では、オープンアクセスということと無料化というのはワンセットになっていると、だから入りたくても、高校で学びたい子供がすべて学べるという状況が生まれているんだと理解しています。
そう考えますと、じゃ、ほかの国では私立は成立しているのかというようなことを考える方もいらっしゃるかと思いますけれども、多くの国では私立の役割というのが日本とは少し違います。もちろん私立というものは事実上存在していないような国もあるわけですけれども、私立が共存している国では、公立と私立がほぼ一体的に運用されているような国、ヨーロッパの国の一部ですが、か、あるいはもうほぼ完全に政府からの規制を受けていないような米国ですね、のような国が多いと思います。日本はどちらでもないというふうに理解しております。
二枚めくっていただきまして、じゃ、高校無償化はなぜ高校入学競争を激化させるのかということでございます。
ちょっと時間もないようですので簡単にまとめますと、ここに書いてあるとおりでございますけれども、塾にお金を出せなかった家計も出せるようになり、それにより塾を通じた高校入学競争が激化する可能性があります。
最後、次のページに行っていただきまして、私の意見というところですけれども、高校無償化が生徒の就学継続を支援する可能性というのは、確かに専門学校の生徒には十分予想されますので、全体を見ますと趣旨として当然悪いことではございません。もちろん、私の研究結果というのは、限られたデータと視野の中で行った研究でございますので、もう少し詳しいことは更に研究を進めなきゃ分かりません。
ところが、この点というのは我が国の高校全体が抱える問題の一部にすぎないのではないかと。ですから、高校無償化というものが生徒の就学継続あるいは学業支援というものを助ける費用対効果には若干の疑問が残ります。さらに、むしろほかの部分での問題を拡大する可能性さえあるということ、すなわち学びたいのに学べない子供というのが増える可能性さえあります。
ですから、次の、最後の政策課題のところに行っていただきたいんですが、今回、無償化ということを先行して政策として実現したのであれば、今後は、急いでそれによる副次的な影響というものを回避するような手だてを取った方がいいと思います。まずは、公立高校の質を上げながら、この質というのは、いわゆる教育の質だけではなくてサービスとしての質、例えば入りたい子供をできるだけ受け入れるとか、そのために十分な資金を用意するとか、そういう部分でございます。
それと、二番目が、私立学校の在り方というものを考えた方がいいと思います。今回は、私立と公立の間の競争関係のバランスを取りながら、どちらにとっても恩恵があるような政策となったと思いますけれども、これも実際にふたを開けてみればどういう状況になるか分かりません。諸外国のようにより私立学校の自由度を上げるのか、あるいはより公立に近い形にするのか、是非議論する場を設けた方がいいと思います。
最後でございますが、高校無償化がどういう波及効果をもたらすのか、きちんと検証すべきだと思います。検証というのは、これは三年間の検証期間がたしか法案に補足されたと思いますけれども、三年後では遅過ぎます。既に、政策が始まる以前からいろんなことが起きておりますので、是非早めにその検証のための機関若しくはその機会を設けた方がいいと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、経済学を研究している立場で、日ごろから教育と教育政策の効果について研究をしております。本日は、その立場から、お手元に配りました資料に従いまして、高校無償化政策の意義と予想される副次効果について私の私見を述べさせていただきます。
ページ番号を振っていなくて大変申し訳ございませんでした。一ページ目には、目的の確認、次に現状の確認、政策の意義と予想される副次効果、そして私の意見と今後の課題というふうに進ませていただきたいと思います。
次をめくっていただきまして、まず目的の確認です。これはもう皆さんよく御承知のとおりのことでございますけれども、私なりに法案の概要と法案の第一条から持ってきた資料でございます。下線部だけを読ませていただきますと、家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、この政策があるというわけです。法案の方にも、「教育の機会均等に寄与することを目的とする。」と書いてございます。
それでは、現状はどうなっているのかということを私なりに整理させていただきたく思います。
まず、現在、経済的困難により高校入学や継続を断念する子供は一体どれだけいるのかと。私もふだんから、仕事柄教育統計を扱うことが多いんですけれども、入学者の中でどれぐらい経済的困難で断念しているのかということに関する統計というのはなかなか見当たりません。もちろん、新聞等でいろいろなケースが報道されているのは承知しているんですが、この機会に何人かの身近な研究者に聞いても、なかなか統計不足で実態はよく分からないというふうに理解しております。ただし、高等学校中退についてはある程度のデータがあります。それでまず確認させていただきます。
次に、現在ある私立学校及び公立学校の学費減免制度は一体どの程度高校生の就学を支援する、若しくは、別の言い方をしますと、中退を阻止する効果があるのかという点でございます。実は、この点について余り研究がなされていなかったということを私は三年ほど前に気付きまして、三年ほど前から研究を続けておりました。たまたま今年に入ってからその研究成果を発表する機会がございましたので、その研究結果も含めて簡単に御説明させていただきたいと思います。
次をめくっていただきまして、高校中退者の事由別比率という資料がございます。これは、平成二十年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査という文部科学省の調査の結果でございます。事由別に、公立、私立でどれだけの比率の子供が中退しているかということを書いてございます。
これを見ますと、ちょうど真ん中辺りに経済的理由という欄がございまして、経済的理由で中退している子供は、公立の中退者の中でおよそ二・四%程度を占めております。私立ですと五・五%ということになります。それ以外に、場合により、家庭の事情というふうに答えていても、その中には経済的理由が当然入っている可能性はございます。それで見ますと、公立が四・四%、私立が四・六%ということになっております。さらに、進路変更の中に就職というのもあります。これももちろん、就職という選択肢が、一部が経済的理由であるという可能性もございます。これがそれぞれ、公立が一六・七、私立が六・九ということになっております。
ただ、全体を見ましても、経済的理由とはっきり答えた人は非常に少ないですし、むしろそれ以上に中退の理由として大きなシェアを占めているのは、むしろ学校生活・学業不適応であるというふうに理解することができると思います。
次の資料をめくっていただきまして、従来の私立学校授業料減免制度というのがどれぐらいの中退抑制効果があったのかと。これは、私が大学院生の荒木と一緒に研究した論文の結果をまとめたものでございます。ちょうど三年前は教育バウチャーの議論がなされた時期でございまして、私の立場から見ますと、私立学校の授業料助成というのは、いわゆる私立教育バウチャーにほぼ近いものであるというふうに考えておりました。当時、バウチャーの議論が盛んだった割には、現在ある制度がちゃんと検証されていないということが研究のきっかけでございました。ただ、なかなかその中退に関するデータが得られませんので、たまたまデータの得られました東北と北陸の八県のデータとその県における政策変更を利用しまして、その効果を推計したものでございます。
その結果、我々がその限られたデータの中で確認できた範囲でございますけれども、授業料減免制度を拡充すると中退を抑止する効果が普通科ではなかなか確認できませんでした。ところが、専門学科の生徒には十分確認できました。もちろんこれは統計的な確認ですので、もしかしたら全国のデータを利用すれば普通科にも確認できるかもしれませんが、これが研究の現状ということでございます。
以上をまとめさせていただきますと、次の資料に行きますと、現状のまとめということで三点書いてございます。
まず、経済的理由による高校中退というのは必ずしも多くないということです。必ずしもという言い方はどういうことかというと、恐らくそれ以上に深刻なのは学校不適応であろうということとまとめることができると思います。
さらに、現在の私立高校の授業料減免制度は普通科の生徒よりも専門学科の生徒の中退抑止効果の方が恐らく大きいであろうというふうに考えております。これはもちろん私立の、しかもデータの得られた八県の生徒に対する研究ですので、これが公立の高等学校の生徒全体にどうかとか、あるいは全国どうかということは必ずしも言えませんが、恐らく可能性としては普通科よりも専門学科の生徒の方が効果が大きいのではないかというふうに想像しております。
それでは、次のページに行っていただきまして、では、高等学校無償化の意義を私なりにまとめてみます。
たった今御説明しました現状分析を踏まえますと、まず、この無償化は生徒の高校中退を抑止し、高校進学を促進する効果が恐らく特に今専門学科に通う生徒にはあるのではないかというふうに想像しております。繰り返しになりますが、普通科の生徒にないと言っているわけではありません。データ不足で検証できなかったというだけでございます。
さらに、当然のことでございますけれども、単に中退さえしなければいいということではありません。高校に通いながら十分に勉強に打ち込めるという環境を支えるために利用されるという意義もございます。すなわち、一般的な生活支援、学業支援という意味も当然ございます。
そして、三番目にあえて挙げさせていただきましたけれども、この無償化はある種の学校という産業における競争政策であるということを是非御認識いただきたいということでございます。これを少し詳しく説明させていただくのが次の紙でございます。
なぜ高校無償化は競争政策なのかということなんですが、この現在の案を実施しますと、当然ながらどこの学校でも通うための費用が安くなります。生徒にとっては選択肢の拡大が起きます。これはむしろ前向きなことだと思いますが、ただ、今のように高等学校、特に高等学校についてお話しさせていただきますが、定員が設定されている現状では、定員という供給サイドの制約の割には需要が拡大するのではないか、パイとしての需要が増えるだけではなくて、特定の学校に対する競争の激化が起きるのではないかというふうに想像しております。
これを踏まえますと、次のスライドに行っていただきますと、無償化によって予想される副次効果を、これは予想でございますのでその程度は分かりませんけれども、次の三点でまとめることができると思います。
今回の無償化によって公的な教育予算が実質的に増えるわけではありません。次のスライドに簡単に模式化してございますけれども、既に御承知のとおり、この無償化政策というのは従来家計が支払っていた授業料を国が肩代わりするというものですから、学校の中に入ってくるお金が変わるわけではございません。その結果、この政策だけで教育の質が向上するわけでも、かつ定員の余裕を増やせるわけでもございません。
資料百十三ページと書いてありますけれども、これは私が今回の会に出席の数日前にいただきました本法案にかかわる参考資料の冊子を引用したものでございます。もし皆様のお手元になければ特段参照していただく必要はございませんが、例えばその百十三ページには、京都府の校長先生が学校には本当にお金はないんだということを言っておられます。
次の点ですけれども、高校入学需要が増えるとどうなるかというと、可能性としましては、勉強したくても希望する高校に入れない子供が増えるのではないかということでございます。これも現場の一部の懸念と一致しておりまして、例えば資料の百十四ページのところで、東京都の教育長の御発言で、公立への希望者が急増した場合の受入れ体制の整備というものが費用面でも時間的にも大きな問題となる点に留意していただきたいと思いますというふうに御発言されています。
三点目ですが、高校入学のための競争が先ほどの理由により激しくなり、そのため余裕のできた家計は恐らく塾などへの支出を増やすということが想像されます。
その点をもう少し詳しく述べたいと思いますが、次のスライドはもう既に御説明したので飛ばしてください。その次のスライドに、定時制人気の上昇で定員不足が発生しているという新聞記事をまず参照していただきたいと思います。
この記事から私が述べたいことは、現時点でもたとえ授業料を払ってでも高校に通いたいと、公立高校に通いたいという子供が公立学校に入れないという状況が生まれているという現状を確認したいということでございます。右の記事によりますと、定時制に入れない子供というのは、これは昨年の記事ですので昨年度のことだと思います。今年度のことについては実はたまたま日本経済新聞に昨日記事が出まして、神奈川県の状況や、たしか東京都の状況などが書かれていました。昨年度の状況でいいますと、定時制に入れない子供は約千二百人。
やはりいただいた資料に基づいて、中卒後、高校に行かない子供は大体何人かということを確認しますと、二万五千人程度であると。すなわち、高校に行かない子供のざっくり言って約五%は、公立の高校に行きたくても入れないという子供ではないかというふうに想像をしております。これらの子供たちというのは言ってみれば学びたい学校で学べないという子供たちでございますので、ここで、授業料とは別の部分で教育の機会不均等が起きているというふうに私は理解しております。
そして、更に重要なことですが、ここの部分については高校無償化法案では救えないと。先ほど申しましたように、もし高校に入りたい子供が無償化によって増えれば更にこのような子供は増える可能性もございます。もちろん高等学校は既にもう義務教育化していますから増えるという余地もそれほどないかのように見えるかもしれませんが、既に卒業している子供がやはり高校に入り直したいというふうに戻ってくる可能性もございますので、その辺はなかなか予想が難しいところだと思います。
次の紙に行っていただきまして、じゃ改めて、無償化はなぜ学びたくても学べない子供を増やすのかと。ちょっと繰り返しになりますけれども、これは先ほどから繰り返していますように、無償化になれば、これは学校に通うための費用が下がりますので、非常に基本的な経済原理をここで繰り返すのも釈迦に説法かもしれませんが、やはり需要が増えるということになります。
次の図を見ていただきたいんですが、これはごく単純に高校に入学する希望者の変化と学費の関係を示したものです。学費が約十二万からゼロに下がれば入学したいという子供は増えるでしょう。その一方で、定員が増えなければ定員をオーバーしてしまう子供の数は当然増えるということになると思います。
その前の紙に戻っていただきまして、繰り返しになりますけれども、定員管理の下では現在も入りたくても入れない子供がいるということになります。
もちろん、民主党のマニフェストを改めて読み直してみますと、高校の全入ということと高校の無償化ということがワンセットで唱えられていたと思います。今回は、無償化が先行して法案として上がってきたというふうに理解しておりますけれども、その際の説明としまして、これも資料を参照させていただきますと、多くのOECD諸国では高等学校まで無料であると、だから日本も無料にすべきだというようなことが一つの根拠になっていたと思います。
ところが、私も諸外国の事情に必ずしも精通しているわけではございませんが、高校無料化を実現している国の多くでは、もちろん義務教育であるとは限りませんが、義務教育であるなしにかかわらず公立高校のどこかに入れるという、いわゆるオープンアクセスという原理がほとんど実現しているように思います。ですから、ほとんどの国では、オープンアクセスということと無料化というのはワンセットになっていると、だから入りたくても、高校で学びたい子供がすべて学べるという状況が生まれているんだと理解しています。
そう考えますと、じゃ、ほかの国では私立は成立しているのかというようなことを考える方もいらっしゃるかと思いますけれども、多くの国では私立の役割というのが日本とは少し違います。もちろん私立というものは事実上存在していないような国もあるわけですけれども、私立が共存している国では、公立と私立がほぼ一体的に運用されているような国、ヨーロッパの国の一部ですが、か、あるいはもうほぼ完全に政府からの規制を受けていないような米国ですね、のような国が多いと思います。日本はどちらでもないというふうに理解しております。
二枚めくっていただきまして、じゃ、高校無償化はなぜ高校入学競争を激化させるのかということでございます。
ちょっと時間もないようですので簡単にまとめますと、ここに書いてあるとおりでございますけれども、塾にお金を出せなかった家計も出せるようになり、それにより塾を通じた高校入学競争が激化する可能性があります。
最後、次のページに行っていただきまして、私の意見というところですけれども、高校無償化が生徒の就学継続を支援する可能性というのは、確かに専門学校の生徒には十分予想されますので、全体を見ますと趣旨として当然悪いことではございません。もちろん、私の研究結果というのは、限られたデータと視野の中で行った研究でございますので、もう少し詳しいことは更に研究を進めなきゃ分かりません。
ところが、この点というのは我が国の高校全体が抱える問題の一部にすぎないのではないかと。ですから、高校無償化というものが生徒の就学継続あるいは学業支援というものを助ける費用対効果には若干の疑問が残ります。さらに、むしろほかの部分での問題を拡大する可能性さえあるということ、すなわち学びたいのに学べない子供というのが増える可能性さえあります。
ですから、次の、最後の政策課題のところに行っていただきたいんですが、今回、無償化ということを先行して政策として実現したのであれば、今後は、急いでそれによる副次的な影響というものを回避するような手だてを取った方がいいと思います。まずは、公立高校の質を上げながら、この質というのは、いわゆる教育の質だけではなくてサービスとしての質、例えば入りたい子供をできるだけ受け入れるとか、そのために十分な資金を用意するとか、そういう部分でございます。
それと、二番目が、私立学校の在り方というものを考えた方がいいと思います。今回は、私立と公立の間の競争関係のバランスを取りながら、どちらにとっても恩恵があるような政策となったと思いますけれども、これも実際にふたを開けてみればどういう状況になるか分かりません。諸外国のようにより私立学校の自由度を上げるのか、あるいはより公立に近い形にするのか、是非議論する場を設けた方がいいと思います。
最後でございますが、高校無償化がどういう波及効果をもたらすのか、きちんと検証すべきだと思います。検証というのは、これは三年間の検証期間がたしか法案に補足されたと思いますけれども、三年後では遅過ぎます。既に、政策が始まる以前からいろんなことが起きておりますので、是非早めにその検証のための機関若しくはその機会を設けた方がいいと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
水
水落敏栄#10
○委員長(水落敏栄君) ありがとうございました。
以上で参考人の皆様からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑に入ります。
各参考人にお願いを申し上げます。
御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただきますようお願いいたします。また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔な御答弁をお願い申し上げます。
それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
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これより参考人に対する質疑に入ります。
各参考人にお願いを申し上げます。
御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただきますようお願いいたします。また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔な御答弁をお願い申し上げます。
それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
蓮
蓮舫#11
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。
今日は、四人の参考人の皆様方は、大変貴重な時間を賜りましてわざわざ国会、この委員会に御足労いただき、皆様方それぞれのお立場から非常に参考になる、学ばせていただける御意見を賜ったことにまずは心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
赤林参考人にまずお伺いしたいんですが、非常に興味深いデータをお示しをいただきました。私の聞き落としであったら大変申し訳ございませんが、この高校中退者の事由別比率、非常に目新しい、私どもも今後こういうデータは是非取らせていただきたいということを改めて学ばせていただいておるんですが、この調査はお子様に対して行われたものなのか、あるいは保護者に対して行われたものなのか、母数等はどういったものなのかを少し教えていただけますでしょうか。
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赤林参考人にまずお伺いしたいんですが、非常に興味深いデータをお示しをいただきました。私の聞き落としであったら大変申し訳ございませんが、この高校中退者の事由別比率、非常に目新しい、私どもも今後こういうデータは是非取らせていただきたいということを改めて学ばせていただいておるんですが、この調査はお子様に対して行われたものなのか、あるいは保護者に対して行われたものなのか、母数等はどういったものなのかを少し教えていただけますでしょうか。
赤
赤林英夫#12
○参考人(赤林英夫君) お答え申し上げます。
この資料は文部科学省の調査でございまして、ちょっと詳細、記憶違いがあるといけませんが、中退者の原則全員に取っているアンケートだと思います。これは学校を通じた集計でございますので、恐らく生徒に直接聞いた結果ではないかと思っております。
この発言だけを見る →この資料は文部科学省の調査でございまして、ちょっと詳細、記憶違いがあるといけませんが、中退者の原則全員に取っているアンケートだと思います。これは学校を通じた集計でございますので、恐らく生徒に直接聞いた結果ではないかと思っております。
蓮
蓮舫#13
○蓮舫君 ありがとうございます。
もう少し私たちも後を追って調査しなければいけないと思うんですけど、恐らくお子様に調査をするときに、なかなか家庭の事由であるとかあるいは自分のことについて、先生方にここまで知ってもらうことが本当にいいのか、なかなか本音の部分というのがどこまで反映されるかというのは、これはもう非常にそれは学者としてのお立場でも難しいということはお分かりだと思います。
先ほど赤林さんもおっしゃっていましたけれども、進路変更のうちで半数近く、公立においては、がやはり就職に変更する、学業を断念して中退をされる。ここには経済的事由というのが、私はやはり一部ではなく相当多く含まれているのかな、あるいは家庭の事情、あるいは御両親の離婚、様々なことおありかもしれませんけれども、そこにも経済的事由というのが実は含まれているのかな、遠因において経済的理由というのが、やはりこの表の数字だけを見ることによって経済的理由で中退をされた方が少ないとはなかなか断言できるものではないと思いますけど、そこは同じ考え方でよろしいでしょうか。
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先ほど赤林さんもおっしゃっていましたけれども、進路変更のうちで半数近く、公立においては、がやはり就職に変更する、学業を断念して中退をされる。ここには経済的事由というのが、私はやはり一部ではなく相当多く含まれているのかな、あるいは家庭の事情、あるいは御両親の離婚、様々なことおありかもしれませんけれども、そこにも経済的事由というのが実は含まれているのかな、遠因において経済的理由というのが、やはりこの表の数字だけを見ることによって経済的理由で中退をされた方が少ないとはなかなか断言できるものではないと思いますけど、そこは同じ考え方でよろしいでしょうか。
赤
赤林英夫#14
○参考人(赤林英夫君) おっしゃるとおりだと思います。私も、最初の意見表明の中で注意してそこの部分はお話ししたつもりでございます。やはり子供には分からないところがございますので、経済的理由が背後に隠れているというのは恐らくどの場合でも含まれていると思います。
ただ、私が申し上げたかったのは、統計というのはもちろん常に限界があるものでございますけれども、比べてみるとより重要な問題は学校生活・学業不適応なのかなと。その背後にあるのは、やはり学びたいことが学べない、行きたい学校に行けないというところももしかしたらあるかもしれないということでございます。
この発言だけを見る →ただ、私が申し上げたかったのは、統計というのはもちろん常に限界があるものでございますけれども、比べてみるとより重要な問題は学校生活・学業不適応なのかなと。その背後にあるのは、やはり学びたいことが学べない、行きたい学校に行けないというところももしかしたらあるかもしれないということでございます。
蓮
蓮舫#15
○蓮舫君 まさにその御指摘はこの委員会でも常々議論になっておりまして、自民党の義家先生ですとか我が方の委員の方からも、学校に入ったんだけれども合わない、なかなか続けていけないというのは、これは当事者の生徒にとっては非常に痛い思いであるということは我々も問題意識を持っております。
その部分で、ここの問題を解決するのは学費というものももちろんあるかもしれませんけど、それ以前にもう少し戻って、中学のときの進路指導であるとかあるいは進学指導というものに対してもう少し丁寧な、私たち文科省も政府も、与野党も政党を超えて対応していくべきだと考えておりますが、そこはいかがでしょうか。
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赤
蓮
蓮舫#17
○蓮舫君 ありがとうございました。
続いて、恐らく現場で進路指導、進学指導も大変御苦労されていると思いますが、中西参考人にお伺いをいたしますが、今大阪において経済が悪かったり、親御さんの就職あるいはリストラ等、失業率の問題等も様々おありだと思いますけれども、そのしわ寄せがお子様には行ってはなかなか私はいけないんだと。その思いで私たちは、学びたい子供たちに対しては学業、学費の心配なくして学ぶ機会を保障して差し上げたいという思いが今回の高校教育無償化法案に表れている。もちろん、これだけですべての問題を解決できるとは当然考えておりませんで、複合的な政策を打っていかなければ根本的な解決にはならないと思っているんですね。
そこの部分で教えていただきたいんですが、現下の経済状況の中で、大阪府で学ばれているお子さんたちの、高校生の授業料の負担感というのはどれぐらいなんでしょうか。実感で結構でございますが。
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そこの部分で教えていただきたいんですが、現下の経済状況の中で、大阪府で学ばれているお子さんたちの、高校生の授業料の負担感というのはどれぐらいなんでしょうか。実感で結構でございますが。
中
中西正人#18
○参考人(中西正人君) 先ほど冒頭にも少し申したんですが、やはり授業料の減免なり滞納、払えない子たち、それがかなり出てきておりまして、特に大阪でもやっぱり経済状況、家庭状況によって子供たちの状況がすごく多様でございます。特に学校によっては授業料の減免を申請をする生徒が半数近いような学校も出てきておりますので、今おっしゃるように、どの程度かということはかなりやっぱり学校によっても違いがございますが、全体的に見れば生徒をめぐる状況というのは非常に厳しくなっているというように認識しています。
この発言だけを見る →蓮
蓮舫#19
○蓮舫君 他方で、今回の高校教育無償化においては、児童手当、子ども手当とも同じように語られるんですが、やはりどこかで所得制限を入れることの方が逆にお子さんの学びを公平にお支えするんではないですかという御意見も私たちはいただいているんですが、その点については率直なところ、どのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →中
中西正人#20
○参考人(中西正人君) その点も非常に我々自身迷うところなんですが、私も私見で申しますと、今回のこういう案が示されるまでは、むしろ所得制限があるべきだというふうに私自身は考えておりました。やっぱり今、さっき申したように生徒の状況が多様でございますから、所得のある子たちにまでなぜするのかというやっぱりその疑問というのは常にございます。
ただ、こういう制度設計になりまして、今はこういう段階に入っていますので、私は、もうこういう制度でいった以上、やっぱりこれのメリットを最大限に生かすという努力をしていきたいなというふうには思っています。
この発言だけを見る →ただ、こういう制度設計になりまして、今はこういう段階に入っていますので、私は、もうこういう制度でいった以上、やっぱりこれのメリットを最大限に生かすという努力をしていきたいなというふうには思っています。
蓮
蓮舫#21
○蓮舫君 それと、先ほど、ああ確かに私どもも気を付けなければいけないなと思ったのは、中西参考人からの御意見で、学籍だけを置く生徒が出ないように現場でも細かく指導をしていかなければいけない。そういうような気を付けなければいけない点というのは、幾つかほかにもおありでしょうか。
この発言だけを見る →中
中西正人#22
○参考人(中西正人君) 留年ということでは、先ほどの点はやっぱり気になりまして、ただ、大学と違いまして、高等学校でそういう状況が広がってくるとは必ずしも思っておりません。
ただ、そういう生徒たちの状況をしっかり見ながら、私個人の考え方でいいますと、留年についてやむを得ない事由があるかどうかでもって授業料を取るかどうかの判断をするんではなくて、むしろやっぱりそこはすっきり無償化をした上で、教育上の指導でもってそういう状況が起こらないようにする、私はそういう努力の方が必要ではないかなというように思っています。
この発言だけを見る →ただ、そういう生徒たちの状況をしっかり見ながら、私個人の考え方でいいますと、留年についてやむを得ない事由があるかどうかでもって授業料を取るかどうかの判断をするんではなくて、むしろやっぱりそこはすっきり無償化をした上で、教育上の指導でもってそういう状況が起こらないようにする、私はそういう努力の方が必要ではないかなというように思っています。
蓮
蓮舫#23
○蓮舫君 もう一つ中西参考人にお伺いをしたいのは、今回のこの法案が可決、成立した場合、施行をされますけれども、現場で最も懸念しているといいますか、この部分は国でやはり相当ケアをしていただきたいと思える部分がございましたら、最後に教えていただけますか。
この発言だけを見る →中
蓮
蓮舫#25
○蓮舫君 ありがとうございます。
次に、福島参考人にお伺いをしたいと思います。
私自身もずっと私立で育っているものですから、先ほど来おっしゃっている問題意識というのは、今度、私は生徒ではなくて逆にその親として今度子供を私立で育てるようなことになった場合に、恐らく学校関係者とともに共有する問題意識は同じだなというふうに思っております。
その部分でまずお伺いしたいのは、定員の確保の難しさ、これは私立の学校を営んでおられる方たちにとっては、当然公立と併存しているわけですから常に持ち続けている問題意識であり、悩まれている点でもあるとは思うんですけれども、特に経済的に今こういう日本が状況に置かれた中で、この難しさは一段と深まっていると思うんですね。その定員確保の難しさが最も顕著になってきているというのはこの何年ぐらいの話なんでしょうか。
この発言だけを見る →次に、福島参考人にお伺いをしたいと思います。
私自身もずっと私立で育っているものですから、先ほど来おっしゃっている問題意識というのは、今度、私は生徒ではなくて逆にその親として今度子供を私立で育てるようなことになった場合に、恐らく学校関係者とともに共有する問題意識は同じだなというふうに思っております。
その部分でまずお伺いしたいのは、定員の確保の難しさ、これは私立の学校を営んでおられる方たちにとっては、当然公立と併存しているわけですから常に持ち続けている問題意識であり、悩まれている点でもあるとは思うんですけれども、特に経済的に今こういう日本が状況に置かれた中で、この難しさは一段と深まっていると思うんですね。その定員確保の難しさが最も顕著になってきているというのはこの何年ぐらいの話なんでしょうか。
福
福島康志#26
○参考人(福島康志君) これ、なかなか証明するのは難しいんですけど、一つの数値的な事例を申し上げますと、私立高校の入学いわゆる募集人員に対してどれだけ入学したかと、充足率と言っておりますけど、この充足率はこの十年間ずうっと下がり続けております。ちなみに、二十一年度でおよそ八六%、一〇〇%を目標にしながら八六%という現状で、ここ十年間の集計でもずうっと下がり続けていると、こういう現状でございます。
この発言だけを見る →蓮
蓮舫#27
○蓮舫君 その上で、今回、福島参考人がお越しになられるということで資料等も見さしていただいて、「私立高生に不況の余波」という記事を、これは朝日新聞、平成二十一年二月十五日のものなんですが、そこの中を見ますと、学費滞納、九か月前の三倍になっているという調査が明らかになっているんですが、ここにおいては実際どうなんでしょうか。
この発言だけを見る →福
福島康志#28
○参考人(福島康志君) 学費の滞納問題、高等学校の学費滞納問題でございますけど、これは一昨年の十二月三十一日現在で私どもの連合会で調べました。これは、その年の九月にいわゆるリーマン・ショックというのがございまして急激に経済状況が悪くなったと、この三か月後に調べたわけですが、御存じだと思うんですけど、学校はやはり年度で動いているわけですね。十二月三十一日は暦年の最後でございますけど、年度の途中でございますので、たまたま緊急に調べたら、その前の年の年度末よりも三倍になったんですね。今ちょっと資料持っていませんけど、二・七%ぐらいのいわゆる滞納率というような集計だったと思いますが。
というのは、これ年度途中になると、私立高校のよくあるケースとして、毎月授業料を納付しなければいけないという学校が半分以上なんですね。そうすると、毎月毎月納めていく中で家計が急変したりすればなかなか納めづらい状況がありますので、十二月段階では納められなかったけれども、年度が終わる三月には納め切ったと。
それはちなみに、その翌年の年度が終わった三月段階では、文科省がその種の調査をして、その前の年の年度末と比べると〇・一%の増加にすぎなかったと、こういう集計でございますので、年度の途中の集計は確かにセンセーショナルに報道された部分もございますけれども、最終的には年度末には、卒業とか進級にもかかわってくる部分もございますので、親御さんが大変努力していただいたと、こういうふうに私どもは理解しております。
この発言だけを見る →というのは、これ年度途中になると、私立高校のよくあるケースとして、毎月授業料を納付しなければいけないという学校が半分以上なんですね。そうすると、毎月毎月納めていく中で家計が急変したりすればなかなか納めづらい状況がありますので、十二月段階では納められなかったけれども、年度が終わる三月には納め切ったと。
それはちなみに、その翌年の年度が終わった三月段階では、文科省がその種の調査をして、その前の年の年度末と比べると〇・一%の増加にすぎなかったと、こういう集計でございますので、年度の途中の集計は確かにセンセーショナルに報道された部分もございますけれども、最終的には年度末には、卒業とか進級にもかかわってくる部分もございますので、親御さんが大変努力していただいたと、こういうふうに私どもは理解しております。
蓮
蓮舫#29
○蓮舫君 そうした上で、今回の私どもの私学への就学支援金、決してその滞納をしている方たちにとってということではなくて、学んでいる児童に着眼をした場合に、私たちはやはり学びたいという意欲を後支えするものだと認識をしているんですけれども、そこについて今回の就学支援金が果たすであろう役割についてどうお考えか、聞かせていただけますか。
この発言だけを見る →