山下栄一の発言 (文教科学委員会)

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○山下栄一君 私は、公明党を代表して、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案について、賛成の立場から討論を行います。
 本法律案は、高等学校等において学ぶ生徒の授業料負担の軽減を図ろうとするものであり、その基本的な考え方に異論はありません。
 しかし、高等学校においては、現行の教育行政の仕組みでは、学習指導要領など国が大枠を定め、管理運営については地方公共団体が責任を持つという役割分担がなされております。本法律案の提出に当たって、高等学校に係る教育行政の在り方に与える影響をどこまで検証したのか、つまびらかではありません。
 公立高校の授業料が不徴収とされることにより、将来について深く考えることなく何となく進学する者が増えるとともに、高校以外の進路を模索している生徒にとっても、生徒本人の意志にかかわらず、周囲が取りあえずの高校進学を勧める向きが強まるおそれもあります。その結果、学習意欲が伴わないまま進学する者や、公立校の入試の激化による不本意入学が増加することも危惧されます。
 また、公立高校と私立高校との間で支援の仕組みが異なることに多くの関係者が疑問を抱き、地域間においても公平性の確保の観点から少なからぬ課題が生じることが、制度開始を目前にして改めて認識されるようになってまいりました。
 こうした疑念や課題について真摯に検証作業を行うとともに、顕在化してきた課題については速やかに具体策を講じることこそ、本制度をより良いものへと変えていくただ一つの道であると私は考えております。
 そこで、私どもといたしましては、この制度の欠陥を放置せず、法律上の義務として、本法施行後に見直しを行い必要な措置を講じられるよう本法律案を修正し、このことが制度上担保されることをもって本法律案に賛成することといたしました。
 今後見直しを行うべき多くの課題がこれまでの国会論議において指摘されてまいりました。その一つが、授業料以外の経済的負担をどのように軽減していくかという問題です。入学金等の学校納付金についても支援すること、給付型奨学金を創設することなど、異口同音に各党各会派が提案してきた施策の実現に向けて、政府において建設的な議論がなされ、今後の見通しが速やかに示されることを強く希望する次第であります。
 また、本制度導入と引き換えに実施される特定扶養控除の見直しに伴い、特別支援学校高等部に通う生徒など結果的に現状よりも負担増となる場合への対応も、その具体策が示されておりません。教育費の負担軽減をうたうのであれば、制度の利点のみを強調するのではなく、今回の特定扶養控除の見直しと併せた全体像を示すとともに、教育費負担の在り方をどのように変えるのか明らかにすべきであります。来年度に向けて速やかに検討が開始され、中学校を卒業する生徒と保護者が安心して進路を選べるよう、迅速な対応を望むものであります。
 義務教育終了後の若者の学びに対する支援の在り方も、この見直しの際に真剣に議論すべき課題であります。高等学校での学びを充実させることはもとより、高校にこだわらない多様な学びを支援していくことは、多様な価値観を認めていくこれからの社会にとって極めて重要な視点であり、若者の真の自立支援に資するよう、本制度にもこうした考え方を踏まえた運用が期待されるところであります。
 本法律案の定める支援措置の不備を改善するためには、本制度が単なる教育条件の整備にとどまらず、高等学校を始めとした義務教育終了後の学びの在り方に大きな影響を及ぼすものであるという認識を常に持ち、教育的見地からの再検討が不可欠であることを改めて注意喚起したいと思います。
 最後に、この四月以降、順次本制度の影響が明らかになってくることから、この問題を中央教育審議会に諮問し、教育的見地からの幅広い視点と知見を取り入れ、制度の改善を図ることも極めて重要です。
 我が党の強い主張により、政権政党の御賛同も得て法案を修正し、附則に規定の見直し条項を入れることで立法府の見識を示せたことを高く評価し、賛成討論といたします。

発言情報

speech_id: 117415104X00720100330_203

発言者: 山下栄一

speaker_id: 16465

日付: 2010-03-30

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会