菅直人の発言 (予算委員会)

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○内閣総理大臣(菅直人君) 私の従来から申し上げている最小不幸社会ということについてお触れをいただきました。
 いろいろな機会に申し上げているので、すべて同じ表現にはなっていないかもしれませんけれども、実は私がそのことを考えたのは、学生時代にいろいろ将来の理想を議論する、あるいはイデオロギーを議論するような場面がありました。そのときに、これこそが正しいんだと、こういう社会こそが人間の幸せなんだと、そういうことを強く主張される方もありましたけれども、往々にしてそのことが、後の歴史で見てみると決してそうではないこともあるわけであります。
 そういった意味で、私は、政治というのは、個人個人の幸福についてはそれぞれのある意味での価値観、例えば音楽を聴いているのが一番大好きだとか、山登りが一番大好きだとかいろいろな価値観がある中で、これがあなたの幸せですということを強制的に押し付けるのは本来の政治のあるべき姿ではないだろうと。逆に言えば、幸福実現のためにいろんなことを個人個人が努力をすることにその妨げになること、あるいはその本人の責任では越えられない問題、そういった問題、つまりは不幸になる要素を最小化することが私は政治の責任、政治の役割ではないか、そういう意味で申し上げたところであります。
 やや消極的に聞こえるかもしれませんが、私はそうではない。例えば、戦争という問題は多くの人を個人個人の立場を超えて不幸にする最大の出来事というか事柄でありますが、これも政治の力で止めていくことももちろんあるわけでありまして、そういった意味で私が考える一つの考え方であります。
 加えて申し上げますと、近年そういった中で個人個人が非常に孤立化している、家庭から地域から。場合によっては、かつては職場でも仲間意識が非常に強かったわけですが、孤立化していて、非常に痛ましい事件、いろんなことが起きております。そういう意味では、この孤立化というのもなかなか一人ではそれを解決することはできないわけでありまして、そうした意味で、鳩山前総理も重要視されておりましたけれども、だれもが居場所や出番がある、そういう社会を目指していきたい、このことも併せて申し上げておきたいと思います。

発言情報

speech_id: 117515261X00220100805_011

発言者: 菅直人

speaker_id: 33543

日付: 2010-08-05

院: 参議院

会議名: 予算委員会