松本龍の発言 (環境委員会)

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○松本国務大臣 十月十八日から二十九日まで愛知県名古屋市において、生物の多様性に関する条約第十回締約国会議、COP10が、百七十九の締約国と国際機関やNGO等のオブザーバーも含めて、およそ一万三千人が参加して開催され、私が議長を務めました。この会議の結果について御報告いたします。
 会議の大きな成果として、生物多様性に関する新たな世界目標であるいわゆるポスト二〇一〇年目標、愛知目標と、遺伝資源へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正で衡平な配分、いわゆるABSの名古屋議定書の合意が挙げられます。特に名古屋議定書に関しては、条約制定以来議論が続けられてきた条約の三番目の目的を達成するための法的拘束力のある国際的枠組みが採択されたものであり、生物多様性条約にとって新たな時代の幕あけとなったと言えます。また、これら以外にも、保護地域や持続可能な利用など、今後の地球規模での生物多様性の保全と持続可能な利用を進める上で重要な合計四十七の決定が採択されました。
 二〇一〇年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるとしたこれまでの目標が達成されず、生物多様性の損失がこれまでにない速度で続いている危機的な状況の中で、ポスト二〇一〇年目標について、日本から提案した自然との共生という考え方を長期目標に反映させ、また意欲的かつ現実的な短期目標や具体的な数値が一部盛り込まれた個別目標が空白期間を設けることなく採択できたことは、今後の生物多様性の保全と持続可能な利用の推進にとり大きな意味があると考えます。
 ABSについては、各国閣僚等から合意に向け強い期待が示される一方、事務レベルでの交渉が進展しなかったことから、閣僚級の協議を開催し、事務レベルでの議論に政治的なガイダンスを与えることとしました。しかし、政治的ガイダンスが出されても、事務レベルでは合意を見出すことができませんでした。このため、名古屋で何としても議定書に合意すべき、あるいは合意してほしいという各国閣僚等の思いを酌み上げ、私から議定書の議長案を各地域代表の閣僚等に対して提示しました。そして、この議長案をもとにこれらの閣僚等と議論すること等により、ようやく合意に達し、全体会合で採択することができました。
 名古屋議定書の採択は、今後の遺伝資源へのアクセスと利用の改善の基礎をつくり、生物多様性の保全と人類の福利の向上という、遺伝資源の提供国と利用国の両者にメリットを与える制度になるものと期待されます。
 今後重要なことは、新たな目標に基づき、各国が国家戦略をつくり、具体的な施策を実現することであり、また、名古屋議定書についても各国が早期に批准し、議定書を発効させ、適切に運営していくことです。我が国は、今後二年間、議長国として、今回決定された事項の円滑かつ着実な執行に取り組んでいく考えです。また、国内の生物多様性に係る施策についても、会議の決定を踏まえ、充実させていく必要があると考えています。
 私は、今回のCOP10の成果は、世界の人々の自然や生き物に対する思いが結集した結果ではないかと思います。そして、世界じゅうの人々のこうした気持ちに感謝するとともに、その思いを大切に、国内外の生物多様性の保全と持続可能な利用の進展に向け、全力で取り組みたいと考えております。引き続き御支援をお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

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発言者: 松本龍

speaker_id: 7314

日付: 2010-11-05

院: 衆議院

会議名: 環境委員会