小川敏夫の発言 (法務委員会)
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○小川副大臣 なかなか本質的なところでありますので、十分にお答えし尽くせるかどうかわかりませんが、起訴便宜主義を採用しましたのは、犯罪に該当すればすべて起訴しなければならないというふうにしますと、余りに過酷な例が出るのではないかと。
一つの例でいいますと、例えば万引き。出来心で万引きしたというような事件があったとしまして、また最近は罰金刑ができましたけれども、その前は刑が懲役刑しかないというようなときに、本当に出来心で、軽微な万引き事件でも、窃盗は窃盗で起訴しなければならない、そうすると懲役刑の前科がつくのかというような例もございました。
犯罪に該当した場合にすべて起訴しなければならないというのは、やはり妥当性を欠く、あるいは国民に対して余りに過酷な結果をもたらすのではないか、そうした観点から、検察官は、そうした犯行の状況や被告人の状況、その他さまざまな状況を踏まえて、起訴を猶予するという処分をできるということにしたのが起訴便宜主義だというふうに思います。
しかし一方で、検察官がその裁量で起訴、不起訴を決めることができるという場合に、今度は、その権限を濫用して、本来起訴すべき者を起訴しないというような弊害が生じてしまったりしないかと。
例えば、検察官が、判断を誤るということもあるでしょうけれども、例えば警察や検察といった、いわば身内の犯罪について、殊さら甘い処分で起訴しなかったりとかいうようなことで、まさに検察官が裁量の範囲をいわば逸脱した形によって不起訴ということを行った場合に、先ほど申しましたように、起訴であれば、それが不当かどうか、不当であれば裁判所が判断するわけでございますが、不起訴という場合には、これを判断する場がないのは余りにも不適切ということで、いわば国民が判断する検察審査会という制度が設けられたわけでございます。
ですから、起訴便宜主義を認めた、しかし一方で、不起訴という検察官の処分の濫用、これをしっかり監視するために検察審査会制度があるというふうに思われますので、その両者は決して矛盾する位置づけのものではない、このように考えております。