武部勤の発言 (本会議)

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○武部勤君 私は、自由民主党・無所属の会を代表いたしまして、平成二十二年度補正予算案については反対、自由民主党・無所属の会提出の編成替えを求める動議には賛成する立場で討論いたします。(拍手)
 ただいま、中川民主党予算委員会筆頭理事から過分なエールを賜りました。このことについては、敬意を表し、感謝したいと思います。
 しかし、率直に申し上げて、政権交代してから一年余り、この一年は一体何だったのか。一つに、総理を初めだれもが決して責任をとろうとしないこと、二つに、マニフェスト、特に財源論が大うそであったこと、三つには、民主党には全く政権担当能力がないこと、まさにこれらを証明する一年であったとしか言いようがありません。
 総理の無責任さが招いた我が国の混乱ぶりは、目を覆うばかりであります。
 政治と金の問題では、野党が一致して小沢一郎元幹事長の国会招致を求めたにもかかわらず、岡田幹事長に任せていると、全く指導力を発揮しようとしないではありませんか。このたびの尖閣諸島をめぐる問題でも、責任転嫁に躍起となるばかりで、必然的に国会運営は強引となり、補正予算を審議すべき国会は混乱をきわめているのが実態であります。
 経済への無策ぶりも驚きであります。
 夏ごろからじわじわと世界経済に及んできた景気回復の息切れ、株価の下落、急激な円高への対応のまずさが、今日の深まる不況の一因となっていることは明らかであります。参議院選挙後も、代表選挙等党内の権力争いに明け暮れ、国民の生活が第一と言いつつ国民生活を全く顧みない、この大罪を我々は到底看過することはできません。
 さらには、普天間基地移設問題から始まった外交における迷走、たび重なる不手際も許されるものではありません。
 尖閣諸島での中国漁船衝突事件をめぐる問題では、政府の危機管理能力の欠如を露呈してしまったではありませんか。今なお混乱をきわめ、迷走を繰り返しているのであります。
 このように、政府の稚拙な外交は、日米同盟を脆弱化し、日中、日ロ関係の悪化を招き、外交力は劣化し、日々、国益が損なわれ続けているのであります。
 さて、本論に入ります。
 まず第一点目、民主党政権が推進する温室効果ガス二五%削減や製造業への派遣禁止、最低賃金法改正など、雇用空洞化を進める政策がいまだ撤回されていないことであります。企業マインドを冷やすこんな政策を掲げて、どうやって国内で事業を継続し、雇用を維持しろというのでありましょうか。
 菅総理、雇用は一体だれがつくるんですか。総理、あなたですか、政府ですか。いいえ、雇用は、企業が、産業がつくるのであります。企業が国内で事業を行い、収益を得ることで国内の雇用を生み、賃金を生み出すのであります。
 予算委員会の答弁で、野田財務大臣は、基本理念で雇用空洞化の危機、これは我々も共通の認識ですと述べております。ならば、直ちにこうした政策を撤回されるのが筋ではありませんか。こんなブレーキをかけるような政策を掲げたまま景気回復へのアクセルである経済対策を実施してみても、効果が期待できるはずもないじゃないですか。
 第二点目、経済対策の規模であります。
 政府案では総額四兆八千億円規模としていますが、その中身を見ると、地方交付税の増額約一兆三千億円が含まれており、本来であれば、政府の経済対策としての補正予算規模は三兆五千億円程度にすぎません。この地方交付税の増額分は、経済対策の実施の有無にかかわらず計上されるものであり、規模の水増しそのものであります。とても賛成できるものではありません。
 第三点目、補正予算の財源の問題であります。
 政府案では、我が党が一貫して主張している、政策効果のない子ども手当、高速無料化、農家への戸別所得補償、高校無償化などばらまき四K政策の続行を前提としています。政府は直ちにこれらを撤回し、補正予算の財源に充てるべきであります。
 さらに指摘すれば、我が党の昨年来の経済対策の効果等によって税収が見込みより増額した分の約二兆円と、国債費償還の利率が下がったことによってできた返済差額の約一兆円という予想外の歳入を財源としていることの問題であります。本当に二兆円を超える税収増があるのか、慎重な財政運営が強く求められるこのときに、見込み増収を財源として計上することは甚だ疑問であります。
 四点目、地方への配慮が全く足りないということであります。
 真の景気回復には地方経済の活性化が不可欠であります。政府案では、地域が自由に使える地域活性化交付金の規模は三千五百億円としています。しかし、緊急性及び即効性にかんがみ、さらに厳しさを増す地域の現状に対応するには全く不十分であります。
 地域経済・雇用対策として、地方が自由に活用できる交付金を一兆五千億円規模に上積みすべきであります。
 五点目、下落が激しい米価への対策が見られないことであります。
 米価の下落は、ばらまき政策の一つである戸別所得補償制度が足かせとなっているからではありませんか。我々は、早期の米価下落対策として五百億円、さらに、中長期的に足腰の強い農業をつくる観点から、農業基盤整備事業費三千億円の復活を提案いたしております。(発言する者あり)やじるなら、もう少し勉強してからしっかりやじりなさい。
 六点目、家計を支えている人に対する配慮が不足している点であります。
 家計を支えている女性、高齢者に対する就業機会、社会参画は、家計全体の収入を上げる手段として極めて有効であります。さらに、失業者のいる世帯に対する児童、学生への就学支援を、貧困の連鎖を断ち切る意味からも、今こそ実行すべきであります。
 七点目、そもそも、経済対策の名称を、円高、デフレ対策と標榜するには、余りにも対応が遅過ぎる点であります。
 自由民主党は、一昨年から昨年七月までの間、四度にわたり緊急経済対策を矢継ぎ早に実行し、効果を上げてまいりました。一方、民主党政府は、我が党の補正予算を執行停止した事業、例えば、地域医療再生基金や緊急人材育成支援事業等を、今回の補正予算において、憶面もなく復活させています。ミッシングリンクの解消など、公共事業も堂々と計上されています。
 あのコンクリートから人への大合唱はどこへ行ったんですか。一度執行停止したものを説明が全くないままに再び入れ込んだり、政策的に矛盾する事業の予算を計上したりするような厚顔無恥な予算には、到底賛成することはできません。
 最後に批判すべきは、政府には財政規律の強い意思が見受けられないことであります。
 我々は、確かな社会保障制度と財政規模の裏づけがあってこそ、経済対策がその効果を遺憾なく発揮することができるとの考えのもと、財政健全化責任法案を提出いたしております。一刻も早く、信頼できる持続可能な財政構造を確立することが急務であり、今国会での成立を強く求めるものであります。
 今のためだけではなく将来のために、日本のためではなく世界のために、次代を見据え、真摯に議論しようではありませんか。各党会派の皆様に改めてお願いする次第であります。
 自由民主党・無所属の会は、政策不況から国民生活を守るために……(発言する者あり)

発言情報

speech_id: 117605254X00920101116_011

発言者: 武部勤

speaker_id: 7886

日付: 2010-11-16

院: 衆議院

会議名: 本会議