笠井亮の発言 (本会議)

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○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、菅内閣提出の二〇一〇年度補正予算三案に反対の討論を行います。(拍手)
 第一は、円高、デフレなど、今日の景気悪化に苦しむ国民の要求にこたえていないことです。
 この一年間で見ても、労働者の雇用情勢は一向によくなっておりません。離職した労働者は七百二十四万人と、新たに採用された人を四十万人も上回っているのです。民間賃金の減少は平均二十三万七千円と、過去最大の下落となっています。円高による生産の減少と生産拠点の海外移転が影響した円高関連倒産が、前年より一五%も増加しています。まさに国民生活は悪化の一途をたどっているのであります。
 今とるべき対策は、家計を直接支援し、内需を拡大する抜本的な対策です。
 具体的には、大企業の内部留保を国民に還流させ、労働法制の抜本的な改正による雇用の安定と賃金の底上げを図ること、後期高齢者医療制度はすぐに廃止し、高過ぎる国保料を軽減するなど社会保障を充実させることです。雇用の七割を担い、地域経済を支える中小企業には、官公需活用による積極的な仕事起こし、販路の拡大、物づくり技術を担う町工場への固定費補助、既往債務の負担軽減などが必要です。農家に対しては、過剰米の緊急買い上げや鳥獣被害対策などを直ちにとることです。こうした国民生活を最優先する政策への根本的な転換こそ、今必要なのであります。
 今回の補正予算案を見ると、国民生活に関する対策では、子宮頸がん等のワクチン接種への財政支援や、中小企業への資金繰り支援における借りかえ保証の追加など、国民の要求を一定反映したものはありますが、失業者への就職支援策や、安心こども基金の積み増し、高齢者医療制度の負担軽減策など、ほとんどが自公政権時代からとられてきた政策の延長にすぎません。中小企業の資金繰りの命綱である景気対応緊急保証や政策金融機関の金利引き下げ措置は、今年度末で打ち切るのではなく、継続すべきであります。
 第二は、このように国民生活に対しては極めて不十分な一方で、新成長戦略の推進・加速として、新たな大企業支援策が盛り込まれていることであります。
 政府の新成長戦略は、法人税減税と大企業の国際競争力強化による経済成長、規制緩和と民営化による雇用創出、日本農業と地域経済を破壊するアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPの推進など、徹底して供給サイドに立った大企業応援策を中心としたものです。その上、米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定、TPPを推進しようとしているのであります。
 本補正予算案には、政府の新成長戦略を前倒しして実施する施策が並んでおります。
 イノベーション拠点立地支援は、試作品づくりや実証研究のための大規模設備投資に補助金を拠出するものです。戦略的MアンドAの推進は、国際競争力強化と称して、産業革新機構の出資機能を活用し、大企業の海外大型買収を支援するものです。インフラ・システム輸出の促進は、原発や水事業、鉄道等の輸出、海外展開への支援策で、新成長戦略の目玉と位置づけられているものであります。いずれも、大企業の要求にこたえたものにほかなりません。
 公共事業関係は、国土ミッシングリンクの解消、すなわち、高速道路の建設や戦略港湾、首都圏空港の整備など、事業規模約九千六百億円もの予算が組まれております。コンクリートから人へと言いながら、大型開発事業に依存したものになっているのであります。
 大企業を応援すれば経済がよくなり、いずれ暮らしもよくなるという政策は、既に破綻しております。大企業が上げた空前の利益は、内部留保や配当、役員報酬などに回るだけで、労働者や中小企業に流れることはなかったのです。それが、今日の景気低迷、貧困と格差を広げる要因となっているのです。こうした大企業優先の路線は根本的に改めるべきであります。
 最後に、情報収集衛星の体制整備として、いわゆるスパイ衛星の新たな予備機の研究開発費が計上されています。これは、宇宙を軍事に利用するもので、認めるわけにはいきません。
 また、NATO・アフガニスタン国軍信託基金への拠出金が計上されています。医療分野を名目に、同基金への拠出を通じてアフガニスタン国軍を支援するとしていますが、外国軍への財政支援は、憲法九条を持つ日本として、断じて許されません。
 なお、自由民主党提出の編成替え動議については、教育、福祉を削ってほかに回すやり方は問題であり、賛成できません。
 以上、反対討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 117605254X00920101116_021

発言者: 笠井亮

speaker_id: 27017

日付: 2010-11-16

院: 衆議院

会議名: 本会議