中西健治の発言 (本会議)
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○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
私は、みんなの党を代表して、平成二十二年度補正予算三案に対し、反対の討論を行います。
まず、冒頭に申し上げます。
私は、民間の金融機関で日々スピード感のある市場を相手に二十一年間仕事をしてまいりました。そうした経験からすると、本補正予算が当初提出予定としていた時期よりも大幅に遅れた十月末になってようやく提出されたという、そのスピード感の欠如、また、そこに象徴される現下の経済状況に対する危機感の欠落に大きな違和感を覚えたことをまず指摘しておきたいと思います。
菅内閣は、残念ながらもはや政権の体を成していません。尖閣漁船問題、その後のビデオ流出、ロシアとの北方領土事案、TPP交渉への対応、国際テロ情報の流出、相次ぐ閣僚の失言、どれを取っても何の定見も戦略もなく、その場しのぎの対応、答弁をしては大失態を犯すことの繰り返しです。
数々の弱腰外交で国益を損ね、また、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏の釈放を世界が声を上げているにもかかわらず、釈放することが望ましいなどと、まるで人ごとのように、そのような態度に終始し、政府自身の見解を一切示していません。みんなの党では劉暁波氏の釈放を求める決議案を提出しておりますが、菅総理はこれについてもイニシアティブを一切発揮することなく、各党の議論に任せるとの態度に固執しています。
現在の経済状況を考えたとき、世の中にお金をいかに回すかということが求められています。政府が主導して貴重な予算を配分するという従来型の発想を大きく転換しなければ、長らく続くデフレを脱却することはできません。民間の活力をいかに引き出すかが問われているにもかかわらず、菅内閣はむしろ国家主導の、政府主導の経済政策ばかり考えています。財源が厳しいにもかかわらず、国民の多くが反対している子ども手当、高校無償化、高速道路無料化といった社会主義政策を推し進め、費用のばらまきを国家主導で行い続ける結果、補正予算規模は地方交付税増額分を含めても四兆八千億円にとどまってしまっております。
総理は、TPP参加への意思を表明しながらも、関係国との協議を開始する、その程度の結論しか出せなかった。そんな菅総理にリーダーシップは不在です。来年六月までに基本方針を策定するなどという悠長なことで、本当に平成の農地改革を推し進めていくつもりはあるのでしょうか。一方では農家への戸別所得補償制度をそのままにしておく現政権に平成の開国の覚悟があるとは到底思えません。
国会議員歳費削減、国会議員定数削減、公務員制度改革にしても掛け声ばかりです。代表選で菅総理が国家公務員人件費は人事院勧告以上の深掘りを目指すと公約したのにもかかわらず、舌の根も乾かないうちに撤回し、来年の通常国会でなどと言い出す始末です。国会議員定数削減も、年内に案を取りまとめると言っていたのが先送りとなっています。国家財政が厳しいのであれば、それをつかさどる政治家自らが身を切るという当たり前のことすらできていない現政権に国家財政を論ずる資格はありません。
みんなの党は、国会議員の歳費を三割カット、期末手当を五割カット、日割計算への変更、今期末手当の自主返納が公選法で定める寄附には当たらないと、そういうことの内容の歳費削減・日割り法案を提出しておりますが、現政権の動きは大変鈍いものになっています。
天下りの根絶に関しても、現役出向という従来以上に官の影響力を増してしまう、そのような制度に変更し、また、無駄遣いの典型とも言える雇用・能力開発機構も、形を変えて温存させる看板の掛け直しのみを行おうとしています。法律に定められている再就職等監視委員会の委員についての選定も、再三の指摘にもかかわらず行わないなど、行政改革についての進展も全くありません。
政府は、前国会で廃案となった郵政改革法案をまたしても今国会に提出しています。ユニバーサルサービスを実施する上でも、将来的なリスクを有するゆうちょ銀行、かんぽ生命をグループ会社として存続させる必要はありません。みんなの党は、郵政民営化推進法案を対案として提出しました。民間にできることは民間で、これが我が国を活力ある日本に再生させ、経済成長戦略を実現していくための必要最低条件です。
民間の活力を引き出すこと、そのために整備基盤づくりとして規制緩和を進めることも大変重要です。政府は日本を元気にする規制改革一〇〇を策定しておりますが、中身を見てみると、既に決定している規制緩和を周知徹底するといったものが含まれており、各省庁が数合わせで出したものを列挙したとしか思えず、真剣に改革を行おうという気概が全く感じられません。
今回の政府提出の補正予算も、定見と戦略なき政権運営の一端を示しています。菅総理はこれまで、増税で景気回復、雇用を起点に景気回復といったキャッチフレーズを唱えました。最近まで民間で仕事をしてきた私から見れば、増税で景気が良くなるとか景気回復の前にまず雇用が増えるとか、こういったことはおよそあり得ない荒唐無稽な話だとしか思えません。案の定、補正予算の内容を見てみますと、そんなプランは消し飛んでしまったようです。その代わり、一度は自らが凍結をしたかつての麻生政権での補正予算の内容を復活し、旧来型の団体を介した助成に重きを置くなど、自公政権の延長上の施策ばかりが並んでいます。
菅総理は有言実行内閣と口にされましたが、もはや国民はだれも菅総理の言葉など信用していません。自らの信念で国を良くしていこうという気概、そのための具体的な戦略、それをやり抜く覚悟、こうしたものが今の菅総理からは全く感じられません。もしないならば、即刻、政権の座を明け渡していただきたい。それが国家と国民のためだと考えます。
みんなの党は、有効なデフレ対策、経済活性化策を大至急講ずべきだと考えます。そのため、まず財政措置と併せて本格的な金融措置を講ずる必要があります。みんなの党は、今臨時国会に日銀法改正案を提出しましたが、政府はまるで聞く耳を持ちません。また、日銀の創設した基金についても、現下の経済状況を見れば更なる規模の拡大が必要であり、財政政策の色彩の強い本施策の実施に当たっては、国による保証を制度として行っていくことが必要であるにもかかわらず、政府は受け身の態度に終始し、積極的に行動しようとはしません。
経済活動の主役は民間です。どのような分野に投資をすればより多くの富が得られるのか、政府の官僚が知っているわけではありません。投資先の選定は民間にゆだね、新たなチャレンジを後押しすることこそ政府は注力すべきです。
このため、みんなの党は、政府案の緊急経済対策に代えて、民間投資を促進するための減税措置、具体的には自由償却制度を盛り込むべきだと考えています。この措置を講ずれば、約四兆円の減税措置に対して、少なくとも十三兆円程度の設備投資増加が見込まれ、さらに波及効果により現在のGDPギャップのかなりの部分を埋めることが可能であります。
地方経済の活性化のためにも、財源を地方に抜本的に移譲する道筋も示さずに地方交付税をわずかながら増額し、地域活性化交付金を創設する一時しのぎのやり方では地方は将来に不安を感じるだけです。