小宮山宏の発言 (科学技術・イノベーション推進特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○小宮山参考人 それはまた、私の人生をかけて考えていることです。
私の先生の一人の吉川弘之前々々々東京大学総長なんかは、まさに今先生のおっしゃったワンボイス、ワンボイス主義なんですね。要するに、学術会議を通じて学者のユニークボイスをつくれということだけれども、私は懐疑的です。
一番が温暖化のIPCCですね。あれは、国際的に本当に大変な学者が集まってワンボイスに近いものをつくって、なおかつ懐疑論が消えないという状況です。IPCCの結論というのは相当ユニークボイスに近いものですよ。ところが、あれをやるためにどれだけのエネルギーを使ったかということと、温暖化というのはたかが物理的現象なんですよ。CO2の濃度がふえたときに何が起こるかというだけの話ですから、自然現象に対する評価ですよ。それですらあれぐらい大変で、なおかつ、九五%ぐらいしかワンボイスでないわけです、五%反対する人たちがいるというような話ですから。
ましてや、エネルギーとか原子力だとかそういう社会との関係の非常に強いイシューになってくると、学者のコンセンサスというのは僕は無理だと思っているんです。それではやれないじゃないかというと、僕は、専門家というのが非常に狭い、今、原子力の専門家というのはいないんですよ、ここを覚悟しなくちゃいけないと思っております。
というのは、テレビで解説をされた方が原子力の専門家と言われる方々ですね。だけれども、最初は原子炉の専門家が出てきたけれども、今はもう土木工事の専門家か何かが出てきた方がいいぐらいですね。あるいは、アレバの装置だの東芝のサリーだの、あれはどうなんだというような話だったらば私にやらせた方がいいぐらいだし、今度は、体に対するもの、最後にみんな一番心配しているのはそこですよね。体に対する影響なんといったら、最先端の人だって、児玉さんと中川教授では、あの人たちは両方とも立派なトップクラスの、しかも善意の人たちですよ。あれでもあれだけ違うわけですよ。
だから、ワンボイスというのが難しい。それはなぜかというと、非常に領域が細分化して、その一つ一つの中での知識がふえてきているから難しいんですよ。だけれども、それでもつくらなくちゃいけないんだから、学界全体のワンボイスなんて言わないで、やはり信頼できるグループにやらせる。そして、それを判断する、私は素人だからとみんなすぐ言うんだけれども、言わない、専門家だって、どうせこの部分だけの専門家で、放射性物質全般の体に対する影響を判断できる専門家なんというのはいないんだから。それは、この人はここの専門家だけれども、原子力影響の専門家ではない。
そういう意味で、我々素人もそういうところに口を出すというか、やる。そういうグループというのができるように、そして、今だと何か自分を売り込む人たちばかり出てきちゃっていて、レベルの高い人が入ってこないんですよ。そこをどうやってみんなで育てていくかというあたりが一番重要なところであるというふうに考えます。
ちょっとまどろっこしいお答えですが、現状がまどろっこしいんだから仕方ないとお考えいただきたいというふうに思います。