小宮山宏の発言 (科学技術・イノベーション推進特別委員会)
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○小宮山参考人 リサイクルはキーワードだと思います。そのときに、リサイクルの中身というのを三つぐらいに分けて考えた方がいいと思います。
まず、エネルギー資源というのはリサイクルできない。これは皆さんよく御案内と思いますが、エネルギー資源というのは永久に必要なもので、化石に頼っていたのを今後どう行くかということで、これが太陽というのは最終的な形で、僕はそれが正しいと思っています。
それから、その次が有機物資源ですね。木材とプラスチックですね。これのリサイクルをどうするかという問題。ここはかなり微妙な問題がございます。
それで、何年前ですか、もう十数年前になるかもしれないんですが、循環社会調査委員会でしたか、国の割合レベルの高い調査委員会がございまして、そこで結論を一応出してございます。
それは、リユース、リデュース、リサイクルなんですが、そのリサイクルの中に、マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルとを等価に置いたということで、ここに当時の環境省が大変抵抗しまして、一応説得したんです。それで、マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルは同じにしました。
これは、こういうふうに考えてみるとわかりやすいんですよ。
プラスチックは必要です。今原油のうちの五%ぐらいがプラスチックにかわって、九五%ぐらいは燃料です。主として燃料なんです。そうすると、五%のプラスチックを必要なんですね。だけれども、プラスチックをリサイクルすると、こっちの九五%の五%が要らなくなるわけです。だけれども、これをリサイクルするというのも結構大変なんですよ。それで、こっちの五%からプラスチックを新しくつくって、この五%のプラスチックは燃やすという解があるわけですよ。これは等価ですよ。ですから、サーマルリサイクルとマテリアルリサイクルというのは等価なんです。
等価じゃないのはどういうものかというと、PETぐらいですよ。プラスチックのボトルのあれですね。あれは、実はPETをつくるというのは非常にエネルギーがかかるわけです。ですから、PETぐらいはリサイクルして使うというのは、市民の協力さえ得られて、PETがかなり純粋な形で得られれば成り立つ話。
紙なんかは、もともとあれはバイオマスですから、最後は燃焼するというのが一番効率いい。ただし、ごみ燃焼焼却場で無駄に燃やすのはたき火をしているのと同じですからよくない。だけれども、火力発電所の、例えば石炭火力に混焼するとかという形できちんとやれば、化石エネルギーというのはどうせ燃やしているんですから、これと等価ですから、正しい使い方。ここが少し難しいところであります、紙とプラスチックというもののリサイクルが。
残りが、メタルであり、先生最後におっしゃったコンクリートということになりますが、メタルが一番重要なポイントだと私は思っております。
これが鉄から金からレアアースからということになって、これはもう無条件にリサイクル社会をつくる。幸いにして、鉄とかアルミニウムとか大きなものは回っています。なぜかというと、鉄鉱石にしろアルミニウムの原料であるボーキサイトにしろ、環境にあるものは酸化されているからですよ。酸化物なんですよ。鉄鉱石というのは酸化鉄だし、ボーキサイトというのは酸化アルミニウムですよ。ここから酸素を外すのに製錬で物すごいエネルギーを使っているわけです。
ところが、リサイクルされてきたアルミニウムとか鉄というのはもう金属ですから、溶かせばいいんですよ。溶かすエネルギーというのは、鉄の場合には二十七分の一、アルミニウムの場合には八十三分の一、圧倒的に酸素を外すエネルギーよりも小さいんですよ。だから、アルミニウムをリサイクルする、鉄をリサイクルする、今でしたら電炉ですね、その産業というのが成り立っているわけです。こういう背景があります。
レアアースだって、最初からリサイクルするという形をとるに決まっていますよ。企業はかなりそういう方向に行っております。これを徹底させることですよ。そうすれば、十年か二十年たったら、もう日本に、自動車だの家電は全部いい電池を載っけている、磁石を載っけているという時代が来ますよね。ネオジムとかジスプロシウムというのは磁石に使うんですから。
そうすると、自動車も戻ってきますし、家電リサイクル法で家電も戻ってくるんですから、磁石を外すのは簡単ですよ。これをもう一回ジスプロシウム、ネオジムに、まあ、部材のまま使うものもあるだろうし、そういうリサイクルをすれば要らなくなる。あとは、金みたいなものですね、本当に希少なもの。
私、これもちゃんとしたデータがないので大体の勘で話すんですが、本当はもう金なんて日本は輸入する必要がないと思いますよ。金は、佐渡の金山だの鹿児島の金山も非常に品位がいいんですが、一トンの鉱石をやると、金が出てくるわけですね、これが二十グラムぐらい入っているんじゃないですか。非常にいい品位の鉱山ですよ。だけれども、南アフリカなんかの標準というのは、大体一トンで五グラムしか金が入っていない。だから、あれは金を掘っているんじゃなくて岩を掘っているんですよ。その中に五グラムの金が入っている。
携帯電話がありますね。携帯電話を一トン集めると、その中に二百五十グラムの金が入っているんですよ。集めればいいんですよ。要するに、都市鉱山は金に関しては五十倍品位の高い鉱山なんですよ。
問題は、携帯の中にいろいろ人に見られたくない情報とか入っているから、そいつを抜いてやって、例えばUSBか何かで戻してあげて集まるというインセンティブをつけたシステムをつくればいいわけでしょう。これが、ある意味でいうと、社会のイノベーションですよ。リサイクル社会というイノベーション。
それは回収技術というか、昔、写ルンですというレンズつきカメラというのがございましたね。あれは、印刷するためにカメラを持ってくるんですよ。持ってきてさえくれれば、リサイクルというのはエネルギーゼロなんですよ。だから、リサイクルは収集するのにエネルギーがかかっているというのは、頭の悪い人の言うことなんですよ。今のシステムが悪いというだけですよ、場合によっては、分析してみると。頭のいいシステムをつくればいいんですよ。
例えば、バイオマスとしての麦わらなんというのは、米が一千万トンとれていて、麦わらだって一千万トン出てきますから、相当な量があるわけですよ。これだって、お米を農協に持ってくるときに一緒に持ってきてもらえばいいじゃないですか、麦わらも。かさばっちゃうからだめだ。それこそブリケットにするためにぐしゅっと圧縮して運べるような形にする機械を開発して、どこに置くかわかりません、それさえできれば、運ぶのなんて石炭を運ぶのと同じですから、あとは何の問題もないわけです。
要するに、頭のいい、エネルギーコストのかからない回収システムさえつくれば、リサイクルというのが非常に効率よく、コスト効率もエネルギー効率もよく動くので、これこそ日本がつくる次世代社会ですから、大きく言うと、リサイクル社会に向かうべきだと思います。
そのときに、結論を申しますと、エネルギーに関する誤解をしない、先生は違うと思いますけれども、いつまでたってもエネルギーリサイクルという話が出てくるから。
それから、紙とプラスチック、この議論をメタルと分けないといけない。なぜならば、ここが今非常によくないと言って、リサイクルしてはいけないというような本が七十万部売れるんですね。けれども、私のいい本は一万部なんですよ。というのは、リサイクルなんかしたくない、二十世紀の延長戦型の産業で食べている人たちの方が圧倒的に多いわけですから、リサイクルしてはいけないと言ってくれる方がありがたいわけですよ。そういう形で二十一世紀の戦いに負けているのが今の日本ですから、私の本を読まないといけないというのがあります。