小宮山宏の発言 (科学技術・イノベーション推進特別委員会)
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○小宮山参考人 これも本当に重い課題であることは間違いないと思います。
それで、二つの方法があって、一つは、理念的に議論を重ねて、立派な基本法みたいなものをつくっていこうというやり方で、これは必要だと思います。
一方で、理念に基づいて社会実験をしようとしていくとおくれます。これが日本の問題です。
例えば、この間韓国に行ったときに、私は基本的に電力料金を累進にすべきだと思っています。エネルギーを家庭で、要するに、私の家のようにエネルギーを使わないところの電気代はキロワットアワーで単価を安くする、たくさん使うお宅は単価も高くするという累進にしてインセンティブをつけるべきだと思います。
ところが、今、日本でこれをやろうとすると大変難しい、お金の収集の仕方が。韓国が実はやっているのに驚きました。韓国は累進の価格をやっているんですよ。これはなぜできるかというと、ITが進んでいるからです。だから、計算式一つ入れればいいわけです。計算式は幾ら複雑でも構いません。要するにお金をもらっちゃえばいいんですから。それをITに載っけるだけでお金の徴収ができちゃうわけですよ。
そういうふうな形と、そのときに幾ら払ったかが漏れる心配があるんじゃないかというこの議論ですよね。私は、日本で圧倒的に欠けているのは、やってみて、そこの中から問題点を探して、それを法律の方に反映していくというこのサイクルがないこと。だから、いつまでたっても、人間ドックを受けた人が病院に行ったときに、人間ドックのデータというのがクリックしたって出てこないんですよ。介護をしようとするときにレセプトのデータが見えないんですよ、個人がつながっていないんだもの。
今、恐る恐る福井県で、A、B、Cと個人をアノニマスにして、健康診断のデータとレセプトデータと介護のデータとをつなげる実験をしております。僕は、この実験をやっちゃえば、それでもって一体どういうことが起きるのか、もちろん、あらかじめできるだけ暗号化するんですよ、そのとき一体どういうことが起こるのかというようなことを実験しないと、これが新しい医療システムになるんですよ。それが売れるんですよ。
今、原子力のパッケージ輸出というのを言っていて、この問題も小さい問題ではないけれども、はるかに大きな問題が新しい医療のシステムというのを売っていくという商売になるに決まっているんですよ。ベトナムで新しい医療システムが欲しいというときに、MRIが欲しいなんて言わないですよ。重粒子線のあれが欲しいんだ、そんなことを言うわけがないですよ。何が欲しいのか。お医者さんが足りないんですよ。看護師さんも足りないんです。そういうときに、この地域の医療をどうするのかというのが欲しいものですよ、向こうは。
そこに対して、こういうシステムを遠野市でやっています。遠野市は今結構いいことをやっているんですよ。栗原市なんかも結構いいことをやっていますよ。そういういいところが本当にいいものになって、それの情報基盤が設計技術として企業に蓄積されて、そういうものを全体として売っていく。その中に重粒子線も入るしMRIも入ってくるという形でなければ、医療機器なんて幾ら開発していたって大したものにはなりませんよ。それが答え。
要するに、医療システム全体として、町のお医者さんが最先端の医療技術についていけない。これは当たり前ですよ。これだけ細分化したところで、中川先生と児玉先生だってあれだけ言うことが違うときに、お医者さんに聞いたらわかるだろうという時代はもう百年ぐらい前に終わったんですよ。お医者さんに聞いても医療の最先端はわからないんです。
このお医者さんにこのことを聞くとわかるんですよ。そういうものをどうやってITで連携して、ここの町のお医者さんに行ったときに、お医者さんもコンピューターのシステムの支援を受けて、東北大学のこの先生のところに行きなさいということが言えるというシステムがこれからの医療システムで、背後にゲノムの情報がくっつくわけですよ。そして、この人にはこういう医療がいいというのができてくるというのもわかっているわけですよ。その情報はもうクラウドにためられるんですよ。そこまで見えているんですよ。
そこをやるのが、日本は入り口で情報の暗号化が完全でない。それは完全じゃないですよ。それをやっていく技術、これは社会実験の一つで、十分注意した上で小さいシステムからやっていくというのが私の申し上げたい答えです。