辻惠の発言 (法務委員会)

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○辻委員 民主党の辻惠でございます。
 きょうは、三人の参考人の皆さんに、検察のあり方を中心に御意見を伺いたいというふうに思います。
 ただ、冒頭、昨年の九月十日の村木無罪判決以降の経過を見て、国民世論が大きく、検察はおかしいんじゃないか、公平公正さを本当に保持していなかったというような声が沸き上がって、当初は、検察の機構改革を含めて、国民的な世論の盛り上がりの中で、この問題を解決していかなければいけないという機運が大きく盛り上がっていたわけでありますけれども、結局、現状を見れば、昨年の末に最高検の検証チームの結果が出、それを踏まえるという形で三月三十一日に検察の在り方検討会議の提言が出、そして、それを受けるということで法制審に諮問があり、そこで議論がされる。結局、法制審の議論にすべてが還元されるみたいな、もとのもくあみになるんじゃないかというような危惧感を抱かざるを得ないような状況にあります。
 何が問われたのか。今申し上げましたように、前田検事のフロッピーディスクの日付の改ざんによって、あろうことか検察が、これは、証拠としてこのフロッピーは提出していなかったわけですから、証拠の偽造と言えるかどうかわかりませんけれども、少なくとも証拠の改ざんをしたということ。そして、この証拠をなぜ改ざんしたのかというと、検察庁のストーリーに基づいて、村木さんを初め、関係証人から、ほとんどの証人から村木さんの有罪を基礎づけるような供述調書をとることができていた、だから、これは間違いなく無罪ではないんだ、有罪なんだというような形がとられていたわけですね。
 これは氷山の一角であって、たまたま大阪地検特捜部がこの村木裁判だけでそういう結果を生じさせたというわけではないわけです。ですから、そういう密室での取り調べで、ほとんどの人が考えてもいなかった、思いつきもしないうその自白を強要されるというような結果、ここを何とか変えなければいけない、こういう大きな世論の指摘があったというふうに思います。
 問われたのは、検察は公平公正な組織なのかどうなのか、冤罪を捏造するような、そんな権力機関に陥ってはいないのか。それを変えるためには、根本的な組織、システムを変えていかなければならない。そして、まず第一に、密室の自白強要の取り調べをやはり可視化する、全過程の可視化というのがこれの第一歩なのではないかということが私は直接問われた問題だと思います。
 しかし、その後の経緯、先ほど申し上げましたように、最高検の検証チームをつくったということに対して、民主党の中で、私は、有志の議員と一緒に、これは第三者委員も入れないとチェックできないんじゃないか、みずから犯罪を犯したかもしれない組織がその犯罪行為を検証するなんということは、みずからの手でみずからを裁くことはできないはずだというようなことを申し入れたのに、全くそれは聞き入れられない。結果、最高検の検証結果というのはやはり、いろいろなことを指摘しているけれども、結局はお手盛りにすぎないというふうに言わざるを得ない。
 では、検察の在り方検討会議、きょう、三人の参考人の皆さん、御苦労をいただいたわけでありますけれども、この検察の在り方検討会議は、当時の柳田法務大臣の諮問によって設立された機関でありますけれども、そういう国民的な課題として要請された事項に対応する、そういう形で本当に機能したんだろうかということが、私はやはり疑問に思わざるを得ないわけであります。
 「検察の再生に向けて」という三月三十一日付の提言があります。これは一ページ目に「はじめに」ということで、検察の捜査、公判活動全体への不信を招いた、この極めて深刻な事態を受け、失われた検察の信頼の回復を図らなきゃいけないんだと正しいことを言っている。しかし、では、具体的にどうなのか。最高検が検証作業に着手しているんだということを指摘した上で、本検討会議はこの検証作業の結果を踏まえつつ作業を進めてきたと。何のことはない、最高検のお手盛りの検証結果を一つのたたき台、もちろんいろいろな方面からヒアリングもされただろうということはありますが、しかし、それに対する、本当に根底からの批判的な検証作業が果たして含まれていたのかということについて、私は疑問に思います。
 これは皆さんの責任でも何でもないんですけれども、なぜかというと、結局、この検察の在り方検討会議の提言を見ますと、第一章から第四章までありますけれども、「検察の使命・役割と検察官の倫理」「検察官の人事・教育」「検察の組織とチェック体制」「検察における捜査・公判の在り方」。そもそも、在り方検討会議を設置して、検察のあり方を見直さなければいけなかった直接の原因が何だったのか、それの分析と、それに対する直接の回答がこの章立ての中には入っていない。結局は、これは法務省関係の官僚の作文だというふうに言われても仕方がない内容になっているのではないかというふうに私は思わざるを得ないわけであります。
 しかも、これは、最終のところで、三十四ページでありますけれども、捜査、公判構造のあり方を含む刑事手続その他刑事司法制度全体に関する問題について直ちに検討の場を設けよと。つまり、法制審の場を土俵にしながら、特別部会かしかるべき部会で議論されるということになっております。確かに、刑事司法のあり方そのものを考えなきゃいけないということは正しいと思いますが、二つあって、まずは何でこんな事件が生じたのか、それの原因は何なのか解明をしていかなければいけないというふうに私は思います。
 本当に検察庁が解明するという観点で出発しているのかということを私は考えたときに、この提言の中で、引き戻す勇気を持てるような措置が必要なんだというふうに書いてありますが、大阪地検特捜部の村木裁判の件で見れば、引き戻す勇気を持てたはずの人が少なくとも六人以上いるということが明らかになっているんですね。つまり、証拠の改ざんがあったということは、前田検事が知っていただけではなくて、当時の大阪地検特捜部、高検の方々、少なくとも六人以上は知っていた、引き戻す勇気を持てることができたはずなんですね。ところが、できなかった。
 この点についてはどのような議論がなされたのか、これは但木参考人にお伺いできますでしょうか。

発言情報

speech_id: 117705206X01220110518_009

発言者: 辻惠

speaker_id: 30633

日付: 2011-05-18

院: 衆議院

会議名: 法務委員会