辻惠の発言 (法務委員会)

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○辻委員 不遡及というのは原則であって、遡及というのは例外的であるということでありますけれども、憲法二十九条で財産権の保障がうたわれていて、その観点で問題点があるのではないかという御指摘だと思いますが、財産権の保障も絶対的なものではなくて、合理的な範囲内で制約されるというふうに考えられると思います。
 ですから、この問題については、遡及を認める必要性と、それによって奪われる憲法二十九条の保障の、一方の必要性がどの程度であったのかということの比較考量で判断をすべき問題だろうというふうに思うわけであります。
 熟慮期間の徒過によって被相続人の債務を相続するということは、いわば予期せぬ不利益をこうむる事態が多数想定されるということでありますけれども、債権者はもともと、貸借関係に入った場合に、被相続人の財産を念頭に置いて取引関係に入ったものでありますから、相続といういわば予期せぬ偶然の事情によって新たな弁済が余分に期待できるということになったとしても、その期待権というのはさほど高いものとは評価できないと言っていいのではないかと思います。
 一方で、相続人の財産による弁済。当初の債権者の期待は、それはそれで確保されているわけでありますから、それの比較考量。特に、今回のような未曾有の大震災という事態の中で、熟慮期間を十分に保障されないということ、そこを何とか救済しなければいけないという必要性が大きく上回るものであろうというふうに考えるものであります。そういう意味で、受忍範囲の問題であろうというふうに思います。
 しかし、相続人が本法施行前に相続財産の処分をしており、遡及適用されると原状回復が必要となるケースや、本法施行前に単純承認をするなど債権者の期待がそれなりに特に高まっている場合は不利益遡及の対象外ということでありますから、その点はしっかり調整をした上で立法しているというふうに考えております。

発言情報

speech_id: 117705206X01620110615_020

発言者: 辻惠

speaker_id: 30633

日付: 2011-06-15

院: 衆議院

会議名: 法務委員会