小池百合子の発言 (本会議)

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○小池百合子君 自由民主党の小池百合子でございます。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となりました政府提出の東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案並びに自由民主党提出の東日本大震災復興再生基本法案について質問をいたします。(拍手)
 初めに、被災地の皆様方には、改めて心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたく存じます。
 三月十一日の発災後既に二カ月以上が経過したにもかかわらず、いまだ全体の被害規模の把握すら不十分なまま、対応は後手後手に回っていると言わざるを得ません。今なお、避難所での息の詰まる生活を余儀なくされている被災者の数は十一万人を超えたまま。
 加えて、福島第一原子力発電所事故も一向に収束する気配が見えません。計画的避難区域の設定で新たな避難住民を生み出すなど、国民が塗炭の苦しみに悩んでいるその原因は、ひとえに行政の無策にあります。いわば行政災害の様相を呈してきていると断ぜざるを得ません。
 私自身が経験をいたしました阪神大震災の場合と比較をいたしましても、すべてがツーリトル、ツーレート、そしてツーメニーであります。
 ツーリトルといえば、第一次補正予算の額は、わずか四兆百五十三億円。予算成立後は、当然、シームレスに第二次補正予算が続くものと思い、自民党は予算成立に協力をしたわけでありますが、被災地から第二次補正予算の策定を強く求められているにもかかわらず、秋まで持ち越しでしょうか。これぞツーレートそのものであります。
 被災地で一体総理は何を視察されてきたのでしょうか。信じられない対応の遅さではありませんか。総理、ここで二次補正のスケジュールを明確にお示しいただきたい。
 ツーメニーは、言うまでもなく、復興構想会議を初め、震災直後から乱立する対策本部やさまざまな会議であります。おまけに、権限が不明確で、統制がとれているとは言えません。本部数だけでも六つ。五月九日付で三つにまとめたとはいえ、いまだに明確に機能している様子はございません。対策本部のもとに、単純に、これまでつくった対策室や対応チームをぶら下げただけではありませんか。
 総理、自民党が提唱する復興再生院にすっきりまとめられたらいかがでしょうか。御答弁を願います。
 ツーメニーの例は、内閣参与の数であります。今、一体何人おられるのでしょうか。セカンドオピニオンを聞くためとのことでありますが、そもそもファーストオピニオンは聞いておられるのでしょうか。それはだれから聞いておられるのか、お答えをいただきたい。
 ちなみに、あなたが任命した内閣参与の辞任や放言が続いております。それは、すなわち、任命した総理のリーダーシップの欠如にほかなりません。
 例えば、四月二十九日付で、原子力専門家の小佐古東大大学院教授は、政府の対策は法にのっとっておらず場当たり的だと抗議し、辞任。
 内閣参与で劇作家の平田オリザ氏は、ソウルでの講演会で、東京電力が福島第一原発から放射性物質を含む汚染水を放出した件はアメリカ政府からの強い要請によるものと発言したとの報道がございます。
 官房長官、実際にアメリカ政府からそのような要請があったのでしょうか。明らかにしていただきたい。さらに、内閣参与のこのような対外的発言は守秘義務に抵触しないのでしょうか。お尋ねをいたします。
 まだあります。篠原孝農林水産副大臣は、内閣参与の五十嵐法政大学教授に、政権から去られた方がよいのではないかと迫ったと伝えられております。その際、篠原副大臣は、仲間ばかりで政策をつくっていては政権は瓦解する、政権内の風通しをよくするために、菅首相は参与を乱発すべきではないと、的確な指摘をされておられます。
 さらに加えまして、福島第一原発の避難区域に関して、十年、二十年は住めないとの菅総理発言を伝えた松本健一参与の話もございます。
 総理、船頭多くして船山に登るということわざがあります。あれこれ指示する人が多いため、かえって物事の進行が妨げられる例えでありますが、今まさに、このような状況を迎えているのではありませんか。内閣参与のあり方を含め、整理するお考えはあるのかどうか、お聞かせをいただきたい。
 政府・与党の国会対応にも強く抗議をいたします。
 五月十三日に、与党は、自民、公明、共産、みんなの各党が欠席する中、まだ委員も出そろっていない郵政改革に関する特別委員会を強行に開会し、一方的に委員長、理事を互選するという暴挙に出ました。この強引な郵政特別委員会の開会は、これまでの信頼関係を根本から崩し、我々の誠意を踏みにじるものであります。
 そもそも、現在の菅政権には、国家の緊急時に対応しているという自覚が余りにもなさ過ぎます。震災の傷がいえない時期に与野党合意なき特別委員会を開会することの正当性はどこにもなく、国民の理解は得られません。政府・与党の頭にあったのは、ひたすら菅政権の延命を図る、党利党略のみであります。我々自民党としては、このような国民不在の手法に一切手をかすつもりはない、このように明言をいたしておきます。
 我が党は、被災地の皆さんとのきずなをもとに、震災復興に全力を尽くしてまいります。日本復興に全力を尽くしてまいります。その思いを胸に、法案について質問をさせていただきます。
 まず、政府提出の復興基本法案について伺います。
 復興対策本部については、そもそも震災後七十日たってからやっと設置すること自体、余りにツーレートであります。この復興対策本部は、総理を本部長とするほか、副本部長及び本部員には閣僚全員が入っております。これは、緊急災害対策本部、原子力災害対策本部とほぼ同じ陣容でありますが、これらが内閣府に設置されるものであるのに対しまして、復興対策本部は内閣に置かれる点が異なっている点であります。
 屋上屋を重ねる懸念もありますが、総理、この違いはどのような意味があるのか、これについて説明を求めます。
 特に、内閣官房の所掌事務とされています内閣の重要政策に関する基本的な方針等に関する企画立案、総合調整事務、さらには、内閣官房を助ける形で行われる内閣府の企画立案、総合調整事務と、復興対策本部の所掌事務であります被災地域の復興のための施策に関する基本的な方針に関する企画立案、総合調整事務との関係は、一体、法的にどのようにされているのでしょうか。総理から明確な答弁を求めます。
 次に、復興庁について伺います。
 政府案の附則第二条には、復興庁なる組織を設置すること等について総合的に検討する旨の規定が設けられておりますが、復興対策本部とこの復興庁との関係については何ら述べられておりません。復興対策本部を組織がえして復興庁にするのか、それとも、復興対策本部と復興庁は両立することも可能なのかを含めまして、この復興庁という組織としてどのようなものを想定されているのか、総理の明確な答弁を求めます。
 そもそも、復興庁を必要とするのであれば、初めからそのような法案を提出すればよいのであります。野党の意見に配慮するのであれば、もっと事前に十分な協議を行い、与野党歩み寄った上で法案を出すべきであり、極めて中途半端な扱いでは、単なるガス抜きとしか言えないのであります。附則を規定した趣旨を、総理、明確にお答えいただきます。
 次に、自民党案の提出者にお尋ねをいたします。
 政府案の復興対策本部に対して、自民党案では、復興再生院という組織を設置し、その組織編成の基本的方針に関する規定が設けられております。まず、この復興再生院と、政府案の復興対策本部、あるいは附則の復興庁との相違点について、わかりやすく説明を願います。
 次に、国の責務及び地方の関与について、自民党案では、第五条において、「国は、二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を示すとともに、前三条に定める基本理念にのっとり、東日本大震災からの復興再生に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と明記されております。その志の高さが浮かび上がってまいります。国の責務について、政府案との相違点をわかりやすく御説明願います。
 加えて、地方、特に被災地域との関係は極めて重要な点であります。復興再生に当たっての国と地方公共団体の役割について説明を願います。
 さらに、自民党案では、国の復興再生基本計画と、被災した県または市町村の復興再生計画に関する規定を設けた上で、これに基づく施策の迅速な実施、円滑かつ弾力的な執行が定められております。また、これに要する資金の確保のための措置等に関する規定、復興以外の予算の徹底的な見直しと削減、財政投融資資金及び民間資金の積極的な活用、さらには復興再生債の発行の根拠規定を整備することを盛り込んでおります。
 政府案には、このような規定は一切ありません。題名に「基本方針」とうたっているにもかかわらず、「基本理念にのっとり、」「別に法律で定める措置その他の措置を講ずるものとする。」とする規定があるだけであります。
 基本法案の中にこのような具体的な規定を設けた趣旨は何でしょうか。提案者の基本的な考えについて御説明を願います。
 政府案と自民党案を比較いたしましての私の感想を申し上げるならば、政府案が阪神・淡路大震災時の復興基本法をなぞっただけのものであるのに対しまして、自民党案は、今回の大震災を国難ととらえた上で、復興再生に対する国の主体的関与を前面に出しております。官僚的発想にとらわれない大胆な復興組織を創設するということでこの国難を乗り越えようという、国会議員としての責任のあらわれであるとの感を強く持ったところであります。総理、そもそもあなたは国民の生命財産を守る気概が本当にあるのか、疑いたくなるところであります。
 最後に、私の座右の書であります「失敗の本質」は、太平洋戦争で日本軍が行いましたさまざまな作戦を冷静に分析したことで定評のある書であります。戦力の逐次投入、補給を軽視した人海作戦、指揮官のスタンドプレー、縦割り組織の弊害と情報の軽視、精神論だけでは続かない劣悪な環境、そして国民には大本営発表であります。どれをとっても、余りにも現在の菅政権による現状と重なるではありませんか。総理、ぜひとも歴史からも学んでいただきたいと思います。
 与党の皆様方にも、虚心坦懐に両案を読み比べて、いずれが我が国、被災者そして国民のための法律になるか、このことを冷静に御判断いただくことを切にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

発言情報

speech_id: 117705254X02120110519_019

発言者: 小池百合子

speaker_id: 10899

日付: 2011-05-19

院: 衆議院

会議名: 本会議