遠山清彦の発言 (本会議)
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○遠山清彦君 公明党の遠山清彦です。
私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案並びに内閣法及び内閣府設置法の一部を改正する法律案の両案に関し、質問をさせていただきます。(拍手)
本年三月十一日に発災した未曾有の大災害である東日本大震災は、多くのとうとい人命を奪い、また、今日でも、何十万という被災された方々が非常に厳しい環境の中で生活再建の歩みを進められております。
ここに、改めて、亡くなられた皆様の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、公明党を代表し、被災地域の復興再生と被災された皆様の生活再建のため、全力で御支援申し上げることを誓う次第でございます。
国難ともいうべき東日本大震災からの復興に対する公明党の基本理念は、人間の復興であります。つまり、都市の再生、産業の再建、各種インフラの復旧等、物理的、物質的な復旧復興は当然として、一人一人の人間に焦点を当てた、人間の復興というものを中心に据えなければ画竜点睛を欠くという考え方であります。
また、同時に、東日本社会の復興に当たっては、被災地域の住民の皆様の意向を最大限尊重し、地元の文化と伝統も尊重しながら、支え合う社会、共生社会としての二十一世紀の地域社会の模範となるべき先駆的取り組みを集積することが肝要であり、そのために、政府も国会も総力を挙げて復興支援に迅速かつ創造的に取り組む必要があります。
以上のことを念頭に、まず、菅総理に伺います。
公明党各議員の現地視察において最も強く受ける被災地域の地元住民の方々の要望は、第一次補正予算の後、切れ目なく復興支援を推進するために、早急に第二次補正予算案を成立させてもらいたい。もっと正確に申し上げれば、今国会の会期中に必ず第二次補正予算を成立させてもらいたい。このことでございます。
しかるに、菅総理大臣も予算編成の責任者である野田財務大臣も、予算委員会における答弁等において、今国会会期内での第二次補正予算案提出に関しては、極めて消極的な発言に終始しております。全く被災地の住民の置かれた状況も心情もわかっていないと言わざるを得ないわけでございます。
総理、あなたは、五月十六日の予算委員会での答弁において、地元の意見を踏まえながら第二次補正予算案を考えたいという趣旨の発言をされておりますが、まさに、その地元の意見の最優先事項が、第二次補正予算案の速やかな成立なのです。なぜ、それがわからないのですか。なぜ、そこまで鈍感なのですか。
総理も財務大臣も、答弁で、拙速に至らないようになどと言いわけしておりますが、平時ならいざ知らず、今は未曾有の非常事態ではないですか。大震災によって数万人の犠牲を強いられた被災地の皆様の要望であれば、何でも迅速にこたえるというのが、今の政府の最大の責務ではないのですか。
総理、先ほどの御答弁に私は納得いたしておりません。改めて御答弁を求めます。今国会の会期中に第二次補正予算案を国会に提出するつもりはありませんか。
また、あわせて伺います。東日本大震災からの復興のために必要な施策を実施するためには、第二次補正予算のみならず、第三次、第四次の補正予算を必要に応じて編成し、切れ目のない復興支援を実施するための予算を今年度中に手当てをする意向はないのでしょうか。
長い言いわけは、もう要りません。イエスかノーか、国民に対し、はっきりと方針を示していただきたい。
次に、東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案について、総理に質問いたします。
まず伺いたいことは、そもそも、この復興支援に関する国の基本理念と組織体制を規定する基本法ともいうべき法律案の国会提出が、なぜこのようにおくれたのでしょうか。
平成七年一月十七日に発災した阪神・淡路大震災の際には、その五週間後の二月二十四日には、復興支援の理念と組織に関する法律案は成立し、即日施行されておりました。
今回の法律案は、仮に順調に委員会、本会議採決されたとしても、衆参両院を経て成立するころには、発災後、優に十週間を超えてしまうのではないですか。全くスピード感のかけらもない。今の政権の姿をこれほど象徴していることは、ほかにありません。
しかも、菅総理が、今や雲散霧消した復興実施本部と呼ばれる、権限のよくわからない、思いつきで出てきたような組織の実現にうつつを抜かしている間に、被災現場では省庁縦割りの復旧作業だけが進行し、今さら復興支援の新組織など立ち上げたところで、単なる現状の追認にしかならないというていたらくではないですか。この致命的なおくれのツケはすべて被災者に回ってしまう事実を総理は考えたことがあるのでしょうか。
加えて、今ごろ出してくる法律案としては、中身が薄いと指摘せざるを得ません。
公明党は、大震災直後から、復興にかかわる施策を一元的に実施する権限を持つ行政組織としての復興庁の設置を一貫して求めてまいりました。この点につきましては、自民党提出の東日本大震災復興再生基本法案にも同様の実施権限を持つ復興再生院の設置が盛り込まれており、問題意識を共有していると考えております。
また、公明党は、迅速かつ創造的な被災地域の復興を実現するため、規制や税制、金融制度の特例措置の整備を認める復興特区制度の創設も求めてまいりました。
ところが、政府提出の法律案には、復興庁の設置も、附則において、検討する旨の規定があるだけであり、復興特区制度の創設については何の規定も盛り込まれておりません。このような単なる現状追認型の中身の薄い法律案を今成立させることに、一体何の意味があるのでしょうか。
改めて、公明党は、実施官庁としての権限を持つ復興庁の早期設置と、先駆的な復興への取り組みを後押しする復興特区制度の創設を求めますが、この点についての総理の明快な御答弁を求めます。
次に、法律案に規定されている、復興支援の組織体制について伺います。
法案の第五条で東日本大震災復興対策本部の設置が規定されておりますが、既に政府内には多数の本部と呼ばれる組織が乱立してきており、指揮系統の混乱を招いてまいりました。一時二十八に及んだこれらの組織も、世論の批判を浴びて、五月九日付で、緊急災害対策本部、原子力災害対策本部、復興対策本部と、三本部体制に再編されましたが、この三本部と本法案で設置される対策本部の関係は全く明らかではありません。まず、この点についての明快な御説明を総理に求めます。
また、第十一条は、この本部の行う事務の一部を分掌させる目的で設置される現地対策本部に関する規定となっておりますが、この現地対策本部の権限はどこまで認められるのでしょうか。
被災地域の地方公共団体から見れば、仮にこの現地対策本部に具体的な復興に関する施策の要望をしても、結局、霞が関の中央省庁の縦割り行政の壁に阻まれ、調整ばかりに時間をとられるなら、その存在意義はほとんどないと言っても過言ではありません。現地対策本部の中央省庁に対する権限についても、総理の明快な御答弁を求めます。
本法案で初めて法的根拠を持つ、東日本大震災復興構想会議について伺います。
この会議は、既に五百旗頭議長のもとに発足し、総理の諮問に応ずる形で、復興支援に関するビジョン提示に必要な調査審議並びに検討を行っているわけですが、この会議の提言の扱いについて、政府はどのような方針を持っているのでしょうか。六月にも提示されるとされる復興構想会議の第一次提言は、そのまま政府の復興計画になると理解しても間違いはないのでしょうか。それとも、その提言は、各省庁との調整にかけられ、いたずらに時間を浪費した後、修正された上での政府の復興計画となるのでしょうか。この点についての総理の見解を求めます。
また、法案第十三条においては、政令により、原子力発電施設の事故による災害を受けた地域の復興に関する合議制の機関を設置することが規定されておりますが、この機関による調査審議は、復興構想会議による調査審議の結果を踏まえなければならないとされています。
原発事故の影響を受ける地域の復興に関して調査審議する別の組織を設置しながら、なぜ復興構想会議の調査審議の結果を踏まえる義務を課すのか、全く理解ができません。別組織をわざわざ設置するならば、原発事故の影響を勘案した上で、自律的に適切な提言を随時出せる権限を与えてこそ、意味があるのではないでしょうか。この点についても、総理の見解をお示しいただきたいと思います。
次に、復興に必要な財源確保の問題について伺います。
公明党は、復興にかかわる歳出の財源確保のため、まず、復興関連施策以外の施策にかかわる歳出について徹底した見直しと削減を図るべきと考えます。加えて、財政法第四条一項の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内で復興債を発行し、その財源に充てることを提案いたします。その際、国債や一般会計と区分して経理を行い、その償還についての道筋を明らかにすべきという立場であります。
しかしながら、政府提出の法案には、復興の財源に関する規定が全くありません。その一方で、その財源確保のための増税論などが一部与党議員から主張され、深い疑念を国民の間に生じさせております。
政府として、東日本大震災からの復興に必要な財源の規模は一体どれぐらいの規模になると認識しておられるのか、また、必要な財源確保の手段として、本当に増税という手段を検討されているのか、総理の明快な答弁を求めます。
最後に、同時に提出された内閣法及び内閣府設置法の一部を改正する法律案について伺います。
民主党政権の目玉政策であった政治主導確立法案は、五月十二日の本会議において撤回の議決が行われました。このことにより、国家戦略室の局への格上げがなくなり、政務参事や政務調査官から成る不透明な組織体の根拠法はなくなりました。同時に、国家戦略担当大臣を置く意義は低下したと私も認識をしております。また、行政刷新会議の法律による明確な位置づけがなくなったことにより、行政刷新担当大臣の存在意義も薄れたことになります。
この結果、もはや菅内閣においては、国家戦略担当大臣並びに行政刷新担当大臣は必要ないポストであると考えます。このポストを割り当てれば、三人も閣僚を増員する必要はないのではないですか。
そもそも、閣僚の増員は、野党幹部の入閣を想定して、総理、あなたが考えたものではありませんか。それが実現できず、今度は、党内の菅おろしの動きを封じ込めるために利用するのでしょうか。あなたの場当たり的、また稚拙な対応に、国民は不安と怒りを覚えております。
震災から十週間も経過した今、なぜ三人もの閣僚をふやさなければならないのか、その理由を明確に、そして具体的に示していただきたい。
東日本大震災の発災から二カ月を超えました。今政治に最も求められることは、被災者一人一人の立場に立ち、すべきことはすべてやる、それも、非常事態にふさわしい迅速さを持って行うことでございます。それが今の政権で全くできていないことは、内閣支持率が大震災後も危険水域の三割を切っていることからも明らかであります。
スピード感もない、危機感もない、現場感覚もない。福島第一原発のメルトダウンを二カ月以上たってから公表し、世界のひんしゅくを買う。そういう政権のもとで一番救済されなければならない被災地域の国民が苦しむ姿を、私たちは、もはや看過することはできません。
菅総理、国民は、もはやあなたに本格的な復興支援の陣頭指揮をとることを望んでおりません。私たちが今どこまでも優先すべきは、被災者の生活再建の支援と被災地域の誇りある復興再生であります。虚心坦懐、みずからの胸に手を当てて、総理、潔く身を処すべきであると最後に御進言申し上げ、私の代表質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕