近藤三津枝の発言 (本会議)

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○近藤三津枝君 自由民主党の近藤三津枝です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となりました政府提出の再生可能エネルギー電気調達特措法並びに電気事業法及びガス事業法について質問いたします。(拍手)
 初めに、東日本大震災によりお亡くなりになりました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 三月十一日の発災から四カ月以上が経過しましたが、避難所などで不自由な避難生活を余儀なくされている被災者の方々は、今なお十万人に上っています。暑い夏の季節、被災者のお気持ちを思いますと、胸が痛みます。
 そのような中、昨日、菅総理は、またしても唐突に脱原発を表明されました。戦後エネルギー政策の大転換と銘打っていますが、余りに内容がありません。エネルギーは、国民生活そして日本の産業を支える基礎です。その基礎を、かけ声だけで、どのように脱原発にするのか、そのための具体的な政策、ロードマップを明らかにすることなく宣言をするだけでは、国民、産業界は不安に陥るばかりです。
 今は、まず、メルトダウンしようとしている中で菅総理が視察した福島第一原子力発電所を、低温停止という安定な状態にすることが第一です。やめる総理の政治信条などを聞いている暇は今の国難の日本にはないことを申し上げ、質問に入らせていただきます。
 さて、再生可能エネルギー電気調達特措法に関しては、このような厳しい被災地の状況をよそに、菅総理は、私の顔を見たくないなら法案通せ、その作戦でいく、このように発言されました。本法案は、我が国のエネルギー構造を中長期的にどのように転換していくかという重要課題にかかわる法案であり、こうした課題を総理の進退問題とてんびんにかける菅総理の振る舞いは前代未聞です。国会に真摯な法案の審議を求めるべき行政府の長が、総理の責任を逃れ、無責任な発言をするようでは、国民の政治不信を招くだけではなく、世界からも日本の国の品格が問われます。
 私は、五月二十五日に経済産業委員会で質問に立ち、海江田経済産業大臣に、日本に蔓延する負の連鎖を断ち切るためには、即刻、菅総理は辞任するべきと考えるがどうかとただしました。この質問に対し、海江田大臣は、菅内閣に対する批判は私に対する批判だと深刻に受けとめているとお答えになりました。
 ならば、経済産業大臣にお聞きします。
 この菅総理の発言に対する批判を深刻に受けとめ、どう釈明するおつもりなのか。また、経済産業大臣は、いずれ私も責任をとると発言されていますが、その時期はいつなのか、お聞かせください。
 それでは、本法案の内容について質問します。
 自然エネルギーを生活や産業に利用できるエネルギーに変えていくには、多額の投資とたゆまぬ技術開発が必要であり、一朝一夕でかなうものではありません。本法案が成立したからといって、今の不安定な電力供給問題を一気に解決できる特効薬でないことを、まずもって私たちは認識すべきです。
 一方、東日本大震災後、我が国の五十四基の原子力発電所のうち、現在三十五基が停止し、仮にこのままの状態が続けば、来年の四月には我が国のすべての原子力発電所が停止する事態も想定されます。
 さらに、菅総理の、余りに唐突な、場当たり的なストレステストの指示により、停止中の原子力発電所の再稼働へのハードルがさらに高くなりました。菅総理の場当たり的な指示によって、我が国の経済、市民生活、さらには地球温暖化問題にまで深刻な悪影響を及ぼす事態となっています。
 今、早急にやらなければならないことは、日本にある既存の電力施設を、安全に、そして効率的に活用できる状態にすることです。そして、政府は、国民、産業界が実行可能な、現実的な省エネルギー政策を立案し、国民、産業界の協力のもと、果敢に実行していくべきです。
 再生可能エネルギーの普及は一日にして成るものではありませんから、本法案は目の前のエネルギー危機に対する即効性のある政策とはならないと考えますが、経済産業大臣の見解をお示しください。
 さて、再生可能エネルギーの先鞭は、自民党政権のとき、二〇〇三年に導入されたRPS制度にさかのぼります。そして、太陽光発電の余剰電力買い取り制度についても、これは二〇〇九年十一月に開始されていますが、自民党政権下の二〇〇九年七月一日に成立したエネルギー供給構造高度化法によってこの余剰電力買い取り制度がスタートしたのです。
 今回の法案が実施されたとしましても、個々の住宅の太陽光発電については全量を買い取るものではないと経済産業省は言っています。つまり、自民党政権下に決まった現在の余剰電力買い取り制度をそのまま継承する方針なのです。
 このような事実を踏まえ、これまでの自民党が実行してきた再生可能エネルギーの推進政策について、経済産業大臣はどのように評価しているのか、見解をお示しください。
 本法案は、三月十一日、まさに東日本大震災の直前の閣議で決定された法案です。そして、この法案に盛り込まれている全量買い取り制度は、民主党政権が平成二十二年六月に閣議決定したエネルギー基本計画を実現するための手段であるはずです。この基本計画は、十四基の原子力発電所の新設が前提となっていました。
 ところが、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を受けて、三月三十一日に、菅総理は、このエネルギー基本計画を抜本的に見直すことを明らかにしました。このエネルギー基本計画の見直しについては、四月十三日、経済産業委員会で、私の質問に対して海江田大臣も、抜本的な見直しをすると答弁をしています。
 このようにエネルギー政策の目標が不明確になった以上、まずなすべきことは、福島原子力発電事故を早期に収束させることに集中し、今回の原発事故の検証の上に立ってエネルギー基本計画を見直すことが筋というものです。このような根幹を決めてから、目標達成の手段として再生可能エネルギーの買い取り制度を提案し直すべきと考えています。このように順序が逆である政府の対応について、経済産業大臣の見解をお伺いします。
 次に、太陽光発電について経済産業大臣に質問します。
 住宅からの太陽光発電の買い取りは、日照条件のよい西日本、とりわけ九州に有利で、一方で、日照時間の短い被災地の東北、北海道には不利な政策と言われています。このことは、現在の電気利用者への付加金、太陽光サーチャージからも明らかです。
 サーチャージは、余剰電力買い取り制度の電力事業者ごとに定められています。それによりますと、平成二十三年度では、太陽光発電が普及している九州電力の地域では、電気料金に一キロワットアワー当たり〇・〇七円が上乗せされています。一方、東北電力の地域では、日照時間が短く、太陽光発電に条件の不利な地域が多いため、太陽光発電の買い取り量は少なく、上乗せ金額は〇・〇三円と小さくなっています。すなわち、九州電力の〇・〇七円に対し、東北電力はその半分以下の〇・〇三円となっているわけです。
 しかし、本法案が成立しますと、全国一律の買い取り価格となり、電気利用者への負担も全国一律となります。本法案による制度の変更により、被災地の東北などから、太陽光発電が普及しやすい西日本へ、電気料金を介した北から南への所得移転が発生するのではないでしょうか。これと同様に、太陽光発電の条件が不利な内陸部から、条件のよい沿岸部への所得移転も生じるのではないでしょうか。この点について、経済産業大臣の見解をお伺いします。
 さらに経済産業大臣に質問します。
 住宅用の太陽光発電の耐用年数は二十年程度と言われていますが、今回の法案は、本当に十年程度の買い取り制度で投資に見合った資金の回収ができるのでしょうか。お伺いします。
 菅総理は、さきのサミットで、これも唐突に、太陽光パネルを住宅一千万戸に設置すると表明しました。すかさず海江田経済産業大臣は、そんなことは聞いていないと表明されました。
 全国の戸建て住宅、およそ二千六百万戸です。しかも、日本では太陽光発電に適した地域と不適格な地域がある中で、日本全国の三分の一以上に当たる一千万戸もの住宅で太陽光発電を本当に行うことができるのでしょうか。住宅政策を担う国土交通大臣にお伺いします。
 農林水産省は、我が国の耕作放棄地三十九・六万ヘクタールのうち、およそ十七万ヘクタールが再生可能エネルギーのために利用可能で、このうち十一万ヘクタールに太陽光発電を設置した場合、五百八十億キロワットアワーの発電が可能である、このような試算を発表しています。この場合、太陽光パネルの寿命から、一度パネルを設置しますと、少なくとも二十年間は耕作できなくなると考えます。
 農水省として、食料自給率の向上という最重要政策課題をわきに置いて、本当に再生可能エネルギーの拡大策を推し進める政策に方向転換するつもりなのか、農林水産大臣にお伺いします。
 ドイツでは太陽光発電などの再生可能エネルギーが増加していますが、その大きな要因は固定価格買い取り制度にあると言われています。
 ドイツでは、再生可能エネルギー法に基づく買い取り費用を家庭や企業への電気料金の上乗せによって実現しています。我が国の法案と同じです。ドイツでは、その負担の上限値が設定されていないので、国民の負担は年々増加し、電力中央研究所の調査によりますと、二〇一一年には年間およそ一万三千五百円の水準になるとのことです。日本の一世帯当たりの電気料金に当てはめれば、一〇%から一五%の上乗せになります。
 今回の法案は、電力料金という公共料金にはね返る問題があるにもかかわらず、全量買い取り制度の固定価格、この制度の継続される期間などが、法律ではなく政令以下にゆだねられ、電気料金上乗せの上限設定も規定されていません。すなわち、法案が成立してしまえば、国会の関与なしに、役所が電気料金の上乗せ額などを決めるということです。
 この制度が導入されるとなれば、国会で、毎年、どのように運用されているか監視できるようにするため、国会報告などの国会の関与の規定を設けるべきと考えますが、経済産業大臣の見解をお聞かせください。
 本法案については、経済団体からも、負担が国民生活や企業の産業競争力に悪影響を与える、このような反対の意見が数多く寄せられています。
 電力料金の値上げは、我が国の産業の海外移転にもつながります。産業政策をつかさどる経済産業大臣として、電力を使用することで成り立っている産業に配慮のない本法案を本当に意義のある政策と考えているのか、大臣の見解を求めます。
 最後に、今回の再生可能エネルギーの買い取り制度では、水力発電については、ダム発電は対象外で、中小水力発電しか対象にならないとの見解を経済産業省から得ています。
 水力は、我が国最大の自然エネルギーです。ことしの夏場のピークカットでは、夜間電力を使って下流のダムの水を上流のダムに上げ、昼間に発電をする揚水式発電が威力を発揮しています。再生可能エネルギーを考えるとき、水資源の有効利用、ダムの再開発など、土砂循環など環境にも配慮したダム政策の再構築が極めて有効です。
 民主党政権は、これまでの八ツ場ダム建設中止に見るようなダム政策をこの際抜本的に見直すべきだと考えますが、国土交通大臣の見解をお聞かせください。
 以上、本法案の問題点、課題について質問をさせていただきました。本法案にはまだまだ課題が山積し、かつ、電気料金によって新たな国民負担を求める法案でもあります。立法府にふさわしい、質、量ともに十分な審議を行うことを最後に強く求め、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣海江田万里君登壇〕

発言情報

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発言者: 近藤三津枝

speaker_id: 12123

日付: 2011-07-14

院: 衆議院

会議名: 本会議