吉野正芳の発言 (本会議)

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○吉野正芳君 自由民主党の吉野正芳です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、原子力損害賠償支援機構法案及び平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案の両案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 このたびの大震災及び東電原発事故に際しまして、全国から、全世界から、温かい、真心のこもった御支援をいただいております。この場をおかりして、感謝と御礼を申し上げます。
 しかしながら、私たちの福島は、原発事故がまだ収束しておりません。災害は継続中であります。
 東日本大震災復興構想会議の復興への提言の中に、福島の大地がよみがえるときまで大震災の復興は終わらないと書かれております。
 議場の皆さん、福島の大地をよみがえらせるのは、私たち政治家です。政治家に課せられた重大な使命であると私は考えます。心から、さらなる御支援を福島に対していただきますよう、お願い申し上げます。
 自由民主党は、七〇年代の石油ショック以来、国内に有力な天然資源を持たず、そのほとんどを海外からの輸入に依存するとともに、島国で他国から電力の供給を受けることができない我が国が国民生活の向上と安定的な経済成長を維持していくために必要な手段として、原子力発電を基盤エネルギーの一つとして推進してまいりました。
 しかしながら、このたびの原発事故は、安全を大前提として推進してきた原子力政策が安全を確保できない結果を招いてしまいました。このことに対し、我が党は、真摯に反省し、国民の皆様、とりわけ避難を余儀なくされている福島の方々に、心からおわびを申し上げます。
 その上に立って、我が党は、政府に先駆けて、これまでのエネルギー政策について、安全性、リスク分散、コスト面、環境面など多面的にゼロベースで見直しを行い、エネルギー政策を再構築することに着手をしており、その結果を早急にお示ししたいと考えております。
 こうした中で、東電原発事故の被害者の方々に対して、一刻も早い救済措置の実施が強く求められているところであります。このため、我々自由民主党は、原子力損害に関しましては、被害者への迅速かつ確実な賠償、電力の安定供給、日本経済の安定、この三つを最大の命題と位置づけております。
 その中で、特に被害者への賠償について、原子力損害賠償支援機構法案が本院に提出されましたが、その内容は、残念なことに、迅速な賠償という点でまことに不十分であり、今般の原発事故被害者の一刻も早い救済のために、国による仮払金の支払いに向けた対応が不可欠であるとの観点から、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、いわゆる仮払い法案を、自民党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革と共同で参議院に提出し、去る七月十五日に参議院で可決された後、本院において審議が進められてきたところであります。
 その結果、我が党といたしましては、何よりもまず、現在大変な苦境に見舞われている原子力被害者への賠償を確実に進めることが最優先であるとの観点から、東京電力の賠償の支援等を行うため、新たに原子力損害賠償支援機構を設立することや、将来の原子力事故に対する備えとしての保険機構的な機能を設ける必要性そのものにつきましては、賛同すべきものと認識をいたしました。
 しかしながら、その他の内容に関しましては、国の責任の明確化、東京電力の責任と再生のあり方、今回の原子力事故処理と今後の事故に対する備えとの区分といった点で問題があると判断いたし、政府に対して修正等を求めてまいったところであります。
 与野党間で真摯な修正協議を重ねた結果、原子力損害賠償支援機構のスキーム等の修正に合意いたしました。委員会の附帯決議でも、これまでの我々の主張が反映され、被害者への迅速かつ確実な賠償、電力の安定供給、日本経済の安定という我が党の原子力損害賠償に関する基本方針にある程度沿った内容となったものと認められたことから、自由民主党は、原子力損害賠償支援機構法案に賛成することといたしました。
 さて、私ども自由民主党は、千年に一度の大災害に際しまして、当初より、与野党の対立を回避し、国家国民、被災地、被災者のためにお互いに手をとってやっていこうと誓い合って、しっかりとした提言を行い、ただいま議題となっております平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、いわゆる仮払い法案を初めさまざまな議員立法を行い、国会の場で議論をしようとしてまいりました。
 原発被害者の方々に対しては、東京電力株式会社より仮払い補償金の支払いが進められているところでありますが、補償対象や補償金額が限定されており、残念ながら、被害者の方々が置かれた苦しい立場を思慮したものとはなっておりません。現在ある原子力損害賠償スキームは、歴史的な大規模原子力災害について、一民間企業に対策を押しつけ、国が責任逃れをする構造になっております。これまで東京電力に任せ切りだった仮払い補償金の支払いは、原発被害者の方々の迅速かつ適正な救済になっていません。
 だからこそ、我々は、原発被害者の方々の立場に立った救済を第一に考え、迅速かつ十分な支払いのために国が賠償の前面に立つ必要があると考え、いわゆる仮払い法案を提出したのであります。もちろん、国が仮払いを行った部分については東京電力に求償権を有し、東電が責任を免れるものではございません。
 また、紛争審査会の指針で賠償の対象外となった事柄について対応することも必要と考えました。
 つまり、居住者等の被曝放射線量の測定、放射性物質による汚染の除去等の応急対策など、東京電力による仮払いだけに任せておいたのでは原発被害に対して十分な対策をなし得ないのではないかという懸念があるため、仮払い法案には、これをカバーするために、原子力被害応急対策基金を設けることにしております。
 この仮払い法案は、参議院において真摯な修正協議が続けられましたが、残念ながら合意に至らず、本院に送付されたものであります。委員会審議の過程において、参議院での修正協議を参考に、各会派でさらに熱心な協議を重ねた結果、修正案を得ることができました。原発被害者の方々へ、一刻も早い、かつ手厚い支援体制を構築することができたものと確信をしております。
 与党の皆様方も国会の場で我々の提言をおくればせながらも受け入れ、本法律案においても、それが結実いたしました。
 現在、我々自由民主党は野党の立場にあります。しっかりと、この未曾有の大震災の被災の現状に向き合い、国の総力を挙げて被災者の救済を行うとともに、強固で希望にあふれた新生日本を築き上げるべく、全力を尽くして頑張りたいと決意をいたしております。
 与党民主党の皆様方も、内向きの主導権争いに明け暮れてきた現状を反省し、どうか、良識を取り戻して、議会人としての責任をともに果たしていただくことを心からお願いして、私の討論を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)

発言情報

speech_id: 117705254X03520110728_007

発言者: 吉野正芳

speaker_id: 661

日付: 2011-07-28

院: 衆議院

会議名: 本会議