三木由希子の発言 (行政監視委員会)

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○参考人(三木由希子君) 御質問にお答えいたします。十分にお答えできるかどうか分からないんですが。
 一点目の文書の廃棄それから隠蔽に対してどのような処置、対応が考えられるかという点ですが、廃棄については、二〇〇九年に国会で全会一致で公文書管理法というものが成立しておりまして、この四月に施行されております。それによって、それまでは行政機関の長、大臣の判断で行政文書の廃棄ができたものが、内閣総理大臣の同意を得なければ廃棄ができないというふうに法律上手当てをしていただけたということがございまして、従前に比べれば、廃棄についてはある程度、行政機関の長の判断だけではなくもう一段階のチェックを経るという手当てがされたので、改善がされるのではないかという期待をしております。また、公文書管理委員会という第三者機関も設置されておりまして、そこも一定の監視をするという仕組みになっておりますので、以前より改善はされるのではないか。
 ただ、問題は行政文書や公文書に何が当たるのかというところでございまして、先ほど宇都委員も御指摘でありましたが、今般のあの事故、それから大震災の中で記録が十分に作られていない、それから、どんな情報が持っているかすらよく分からないので何が出ているか出ていないかが分からずに結果的な隠蔽が起こっていると、あるいは、知るべきときに知らないで後から情報が出てくるというような事態が発生しているということについては、何を公文書とするのかというところが実は大きな足かせになっている部分があると思っております。
 というのは、メモは作成されているけれども、公文書として要件を満たすためには、組織的に用いられていること、行政機関が組織として保有をしていることという二点の要件を満たさないと公の文書というふうにならないということになります。職員が一生懸命ノートにメモを取っていても、それは個人メモとして組織の記録に残らないという状況があるということでございます。これは、情報公開法も公文書管理法も全くその問題については手付かずで来ております。その結果、本来公文書としてあるべきものが作成されないという事態はこれからも起こり得るし、今の状況ですと、現在の大震災への対応それから原発の事故の対応においては、結果的な隠蔽というか公の記録が残らないという事態は起こるというふうに考えています。
 それ以外にも、適切に必要な人に情報が届かないという場面はたくさんあります。原因として一番大きいのは、まず、その情報を出すことによって追及をされるというところで、必要以上にガードが固くなるということがあります。なので、問題は問題として受け止めて、それに対して責任をどう取って、それを再発防止なり未来にどうつなげていくのかという道筋を、それが評価や監視の中でちゃんと付けて、問題が公に出されるという構造をつくらない限りは、隠蔽という問題は保身の問題と裏表の関係で続いてしまうのではないかと。そういう意味では、行政評価や監視の仕組みというのは非常に重要なのではないかというふうに考えています。
 二点目の国益と市民の権利のバランスをどう考えるのかという点でございますが、確かに外交防衛やそれから犯罪捜査や公共の安全といったものに関しては一定の機密性があったりとか、それからある程度専門的な判断の下に情報を出す出さないというその裁量は必要だというふうに思っていますし、それそのものを否定するつもりはございません。
 ところが、問題は、そういう機密性とかそれから専門性という陰に隠れて、その陰に隠れて市民に対する説明責任や国会に対する説明責任を十分に果たさないという構造が残っていることだというふうに思っています。その結果、情報公開という観点から考えますと、本当に非公開にするような情報なのかということも含めて、各行政機関の判断が信頼できないという事態が起こっているというふうに考えております。
 そういうことを考えますと、例えば外交情報なんかも、各国の例を見ておりますと、作成、取得から三十年を超えると自動的に公開をする仕組みがあるというふうなところがございます。リアルタイムで、現時点では公開できないとしても、三十年後には必ず公開をされるということをもって今の仕事の適正性をちゃんと担保させるということをはっきり仕組みとして保障し、そういうものだということを行政組織の中に根付かせるということが、実はこの分野は非常に重要なのではないかというふうに考えております。
 それから、三点目のウィキリークスの件ですが、非常に難しい質問でございます。
 その存在そのものは非常に物議を醸しておりますけれども、私なりの理解をしますと、私はこういう存在は否定しても必ず存在するものだというふうに考えていますし、それから結果的には、この間ウィキリークスで出てきている情報を全て見ているわけではありませんけれども、触れている範囲を見ますと、今原子力村という言い方をされていますけれども、例えば外交だったら外交村のようなもの、貿易だったら貿易村のようなもの、そういうようなある意味そこの独特のコミュニティーや村みたいなところのルールだけで動いていて市民から遠い部分については、やはり情報をちゃんと公開をしろという要求や圧力はそれは必然的に高まってくるものだというふうに思っています。
 なので、こういうような存在というのは、そういうある意味、村社会化しやすい、一定のコミュニティーの下に閉じこもりやすい部分についてどういうふうに信頼性を確保していくのかということをきちっと向き合っていかない限りは、恐らくこういう存在は必要とされると思いますし、なくならないというふうに考えております。
 以上です。

発言情報

speech_id: 117714281X00520110530_028

発言者: 三木由希子

speaker_id: 33784

日付: 2011-05-30

院: 参議院

会議名: 行政監視委員会