岩城光英の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○岩城光英君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました東日本大震災復興基本法案について、賛成の立場から討論を行います。
 東日本大震災が発生してから今日で百二日となります。被災された各地では合同葬が執り行われるようになりました。改めて、お亡くなりになられた方々と御遺族に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、被災を受けながらこの苦難を乗り越えるべく取り組んでいらっしゃる方々、さらに支援に当たられている皆様に、そして、義援金、物資など、国内外を問わず大きな御支援を賜りました全ての皆様に敬意を表し、感謝を申し上げます。
 我が党は、震災発生直後より、これまで数々の災害に対応してきた経験と党内外の英知を結集し、総力を挙げて緊急対策に取り組んでまいりました。
 三月三十日の復旧に対する第一次緊急提言、四月十五日の第二次緊急提言、先月二十七日の第三次緊急提言など、全てを積み上げますと五百七十七項目に及ぶ提言を事態の進展及び施策のフォローアップを踏まえつつ政府に申し入れてまいりました。また、先月三十一日には、被災地の本格的復旧及び被災者の生活再建、そして、全国レベルの緊急経済対策と日本経済の再生を基本方針とし、今年度の第二次補正予算のベースともなり得る「震災後の経済戦略「緊急提言」」を公表いたしました。加えて、これらの緊急対策と並行して、いち早く東日本大震災からの復興再生について全党的議論を開始し、四月十二日には復興再生に関する考え方を公表しております。
 我が党がこれだけ矢継ぎ早に対策を提言したのは、震災・復旧対策には何よりもスピード感が必要だと考えたからであります。しかし、今日までの菅政権の震災対応は、周知のとおり、ツーリトル・ツーレートであります。私たちは一貫し、何よりも緊急対策として、被災者が安心し、自治体が迅速に事業を実施できるよう、予算措置を始め国が最後まで責任を持つべきだと申し上げてまいりました。本来ならば、総理御自身が責任も費用も国が持つと発災直後に明確にされるべきだったと考えます。
 十二万人を超える避難者、入居率四割と伝えられる仮設住宅の問題、瓦れき・ヘドロ処理、放射性物質の除去等々は百日を過ぎても遅々として進んでおりません。
 菅政権が震災後直ちになすべきは、緊急事態法を取りまとめ、国が責任を持って大震災からの復旧も原発事故の収束にも立ち向かう態勢を整えることであったはずです。それにもかかわらず、震災翌日には総理自らが官邸を離れ、東京電力福島第一原子力発電所を視察し、そのためにベントが遅れました。視察がなければ水素爆発は防げたかもしれません。SPEEDIの情報隠し、海水注入における官邸の混乱など、菅総理の対応の誤りは明らかであり、初動対応の大失敗と断言せざるを得ません。菅総理の周囲を信用しない独り相撲は、組織を乱立させ、参与の数を増やし、命令系統を混乱させただけであります。
 本法案は、自らも被災され、御家族とスタッフを失うという大変つらい経験をされた黄川田委員長の下、与野党で協議し、我が党の提案も骨格として大きく取り入れられました。震災からの復旧・復興を目指した与野党協力の成果であったと考えます。菅総理がいらっしゃらなくても、これだけの合意ができるのです。総理がこの法案の成立後直ちに御退陣いただけると確信しながら、以下、賛成の理由を申し上げます。
 第一に、復興に関する基本法ができることで、今後、長期にわたる復旧・復興に関する基本理念が明確になり、各省庁の施策を集中できます。
 本法案では、東日本大震災の被害が甚大かつ広範囲であるとともに、地震、津波、原子力発電施設の事故による複合的なものであるという点において未曽有の国難であると認識し、復旧・復興が単なる原形復旧にとどまらず、新たな地域社会の構築がなされるとともに、二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべきであると規定されております。
 今後、被災地からも様々な復興プランが提案されると思いますが、これまでの総理の単なる思い付きでばらばらになされていた施策が、本法案の成立により統一性を持って国及び地方公共団体で行われると考えております。
 第二に、復興庁の設置であります。
 菅内閣では多くの組織が乱立したため、指揮系統が混乱し、復興・復旧の障害となっておりました。復興庁が設立されれば、復興に関する施策の企画立案及び総合調整とその政策の実施を一元化して行うことになり、復興に取り組む体制が明確化されます。
 具体的には、衆議院に我が党が提出した議員立法に盛り込んでいた復興再生院を踏まえ、復興施策に関する各省庁の縦割りの弊害を打破し、被災者の方々や地方公共団体のニーズを一元的に引き受け、迅速に対応する官庁として創設されます。政府は、早期設置を図るべく、法案の準備をお願いいたします。
 第三に、復興のための資金確保について、徹底的な歳出削減、財政投融資に係る資金や民間資金を活用するとともに、復興債を発行することを定めております。
 今後、復興債発行のための法案、復興債の償還の道筋などについて詳細を詰めていかなければなりませんが、財源を早期に示すことは政府の重要な責務であります。財政規律を維持しつつ、一刻も早く道筋を明確にされることを希望いたします。
 菅総理は歴史に名を残したいと花道を探しているようでありますが、花道はありません。もし総理の座にしがみつくなら、それは誰からも支持されないイバラの道です。総理は、俺は犬死にはしないとおっしゃったとも伝えられておりますが、既に総理としての命は終わっています。被災者を顧みず、権力の座にしがみついた史上最低の総理として後世の歴史に刻まれるのみであります。
 本法案成立により東日本大震災復興構想会議は法律に基づく組織になりますが、震災発生後三か月もたってやっと発表された第一次提言骨子は、余りにも遅く、既に沿岸自治体が検討している市街地の高台移転や二重ローン対策についても具体策がなく、被災者の要望にこたえるものではありません。既に退陣間近である菅総理の下では、そもそも復興のビジョンを描くこと自体が無理なのであります。
 原子力発電所事故の賠償と二重ローン対策のほか、瓦れき・ヘドロ処理、漁港・港湾整備とまだまだ足りない対策を補う第二次補正予算案は、死に体政権ではなく、新しいリーダーの下で編成すべきではないでしょうか。
 本法案の成立が、これまでの震災対応の混乱に歯止めを掛け、被災者の方々の生活を一刻も早く再建するための新たなスタートとなることを希望し、我々も引き続き努力をしてまいります。
 以上で私の賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 117715254X02420110620_006

発言者: 岩城光英

speaker_id: 133

日付: 2011-06-20

院: 参議院

会議名: 本会議