松あきらの発言 (本会議)
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○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度第二次補正予算案について質問をいたします。
私は今、じくじたる思いでこの場に立っております。なぜならば、本来、第二次補正予算は、本格的な復興のために与野党が協力をして、十兆円を超える大胆な復旧・復興のための予算を編成するのではなかったのですか。
それを総理、ひとえにあなたの延命のために、こんなに少額な中途半端な予算案を審議する。これで政治が責任を果たしていると言えるのでしょうか。第一次補正予算の執行状況は予算額の四割です。このまま行けば本格的な三次補正の成立は秋となり、その執行は早くて年末、雪の降るころになるのは間違いありません。
被災地の苦しみ、被災者の悲しみを踏みにじる菅総理のやり方です。あなたは人間としてやってはいけないことをやってしまった。あなたの退陣なくして日本の復旧・復興はあり得ない。
さて、民主党政権は、政治主導による官僚主義の打破を強調してまいりました。しかし、問題は、その中身なのです。
官僚主義の弊害は、省益を優先し、不透明な形で政策を決定、実行する裁量行政であります。もし総理が、政治主導で全て自分が決めるとおっしゃるのであれば、それは大きな間違いです。日本は民主国家、法治国家です。したがって、国会で議論を行い、法律を制定する。官僚は、そうした法律に従って政策を実行する。これが正しい政治主導なのであります。
しかし、あなた方のやり方は全く正反対でありました、総理。まずは、震災後、法律に基づかない対策本部を多数乱立させ、震災への対応を迷走させた。中部電力に対しては、法律に基づくことなく、何ら議論せずに、突然浜岡原発の停止を要請した。金融機関に対しても、何ら法律に基づかずに、東京電力への債権放棄を要求した。さらに、東京電力の賠償問題では、十分な議論を行わずに、国の責任を明確にしないまま、一方的に原賠法の免責規定の不適用を宣言した。さらには、法律に規定がない特定避難勧奨地点なるものを一方的に指定し、被災地の皆様にいたずらに不安と混乱に陥れた。
総理、こうした一連の対応に確固たる法的根拠があるのなら、是非お示しをいただきたい。
さて、公明党は先月、政府に対して二十一項目にわたる第二次補正予算案に関する提言を行いました。その中で、例えば、校庭の除染対策や校舎の防暑対策、フィルムバッジの配布による子供の線量検査と健康調査、福島県外での林間学校など、子供の健康を守る対策が我が党の提案どおりに第二次補正予算に盛り込まれたことは率直に評価をいたします。
是非、夏休み中の実施と完了を強く求めます。加えて、公園や通学路、ホットスポットなどの除染作業も急いでいただきたい。
また、福島市内の子供の尿検査を行ったフランスの研究機関が、検査した全ての子供の尿から放射性セシウムが検出されたと発表しました。私どもはこれまで、希望する県民や子供などに対して内部被曝調査を実施すべきであると訴えてまいりましたが、図らずも海外の研究機関による検査結果に、政府に対する不信感は増すばかりであります。
総理、内部被曝医療対策の強化に速やかに取り組むべきではありませんか。御見解をお伺いいたします。
ところで、総理、特定避難勧奨地点とは一体何ですか。何度説明を聞いてもよく分からない。結局、安全だけれど念のためというただし書が付き、すなわち、避難地点は指定した、しかし責任はありませんという総理の無責任な政治姿勢の象徴のような取組ではないですか。避難指示をするならば、同時に国の支援策を示すのが筋でしょう。
このような無責任な指定を受けた地域では、不安と不満が噴出している。関係自治体は、独自に市内全域にわたり学校、道路、山林、住宅地などの除染作業の実施を決めております。こうした取組に対し、国が全額負担をして責任も取ることは当然だと思いますが、いかがでしょうか。
避難所での熱中症対策はどうなっているのか。いまだに二万人の方が生活をしております。少なくとも梅雨明け前までには万全を期すべきでしょう。
仮設住宅もひどい。雨漏りはする、虫は湧く、立て付けは悪い、挙げ句の果てに床と壁の間に大きなすき間まである。単に建てればいいわけじゃない。欠陥住宅などもってのほかです。
総理、この状況をどうお考えか、お聞かせください。
大震災によるいわゆる二重ローン問題に対し、政府案では、事業者向け債権については、中小企業基盤整備機構などの出資による機構を設立し、債権買取り等を行うようですが、その規模は千五百から二千億程度と聞いております。まず、この程度の金額で対策として十分であるとお考えになった具体的根拠をデータを示してお聞かせください。
また、被災された個人の住宅ローンの支援については、個人向けの私的整理ガイドラインの策定の推進等を考えているようです。ガイドラインの策定の推進自体に異論はありませんが、対応策としてそれだけで十分ということなのか、ほかにどのような対応を取るおつもりか、総理、具体的に示していただきたい。
電力不足に備えるため、政府は、東京電力、東北電力管内の大口需要家に対し、三十七年ぶりとなる電力使用制限令を発動いたしました。
このような中、先日、塩竈でかまぼこ製造の組合から節電に対する切実な訴えをお聞きしました。地震や津波の影響で、ただでさえ困難な状況の中で、何とか踏ん張っているにもかかわらず、今度は節電にまで努めなければならない。このままでは事業の継続そのものができなくなる。こうした状況が、かまぼこ製造に限らず各地で発生しているのです。
被災地は、日本のサプライチェーンに係る主要企業の工場が多数立地をしている地域でもあります。こうした企業や地域に対しては、電力削減の緩和や何らかの支援を講ずるべきではないでしょうか。海江田大臣、心のある政治主導の答弁を求めます。
私たち公明党は、再生可能エネルギーの推進には大賛成です。しかし総理、あなたは、三か月以上もたなざらしにしておきながら、辞任要求の声が強くなった途端、固定価格買取り制度に意欲を示した。どうしても政治的意図を感じてしまう。まさか、まさか延命のためではないですよね。
その上、一昨日発表した脱原発。閣内や党内からは、首相の遠い将来の希望、党に全く相談がなかった、実現する手段がないのに願望を語っては駄目だなど、批判が相次いでおります。
エネルギー政策は国の根幹であります。それが、閣内すらまとまらないで、どうやって国民の納得を得ながら制度を運用するというのですか。パフォーマンスと言われてもこれは仕方がない。総理、どのようにお考えなのでしょうか。
電力の買取り価格や期間など、言わば制度の根幹ともいうべき重要事項を経済産業大臣が全て決定できることになっている、これこそ裁量行政ではないですか。
その買取り費用は、電気料金による国民負担であり、太陽光パネルを設置できない家庭にしわ寄せが行くおそれがある。その上、原発事故の賠償や火力発電の増加により、電気料金上乗せも想像できます。震災により疲弊した経済界への影響も考えなければならない。総理は、被災者を始め全国民に対し、三重の、二重、三重の三重です、三重の電気料金値上げを受け入れろと言うのですか。
こうした多くの課題を克服し、国民に納得していただけるよう、修正も含めて徹底的に議論すべきであります。
総理の真摯な答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕