友近聡朗の発言 (本会議)

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○友近聡朗君 民主党の友近聡朗です。
 ただいま議題となりました電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案及び電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案に関して、民主党・新緑風会を代表して質問いたします。
 東日本大震災の発災から五か月以上が経過しました。改めまして、震災によりお亡くなりになられた方々への御冥福をお祈りしますとともに、今なお避難所などで不自由な生活を余儀なくされている被災者の方々、被災地域に御縁のある皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
 さて、本法案は、総理が退陣の条件とされていた三つの条件のうちの最後の条件になります。
 本法案の具体的な内容についての質問に入る前に、まず、我が国のエネルギー政策全般について海江田経済産業大臣の考えを伺います。
 菅総理は、東京電力福島第一原子力発電所の事故発生以来、エネルギー政策の白紙からの見直しを表明し、脱原発依存の方針を明らかにしました。世論調査などでは、多くの国民がこうした考えに共感しているようであります。
 しかし、その一方で、現在稼働中の原発は次々と停止しており、このままでいくと来年春までにはほぼ全ての原発が止まり、国民生活や産業活動に大きな影響が出るのではないかとの不安が高まっています。
 今後、どのように日本社会を成り立たせ、国民生活を守っていくのか、我が国のエネルギー政策の在り方について、脱原発と原発再稼働の観点も含めて、経済産業大臣にお伺いいたします。
 次に、エネルギー基本計画についてお伺いします。
 そもそも固定価格買取り制度は、温暖化ガス削減を主眼として導入の検討が始まりました。本法案の前提であるエネルギー基本計画は、発電コストが安いとされていた原発の発電依存度を中長期で高める方針でありました。大震災によりエネルギー基本計画が白紙見直しとなった今、この法案の有効性や枠組みをもう一度見直すべきだという声もあります。
 政府は、再生可能エネルギーの普及促進を柱とする新たなエネルギー基本計画を二〇一二年半ばまでに策定する方針を固めているとお聞きしておりますが、遅過ぎるのではないでしょうか。まず、速やかに根幹となる基本計画を決めるのが筋であり、目標達成の手段として再生可能エネルギーの買取り制度を提案すべきと考えます。加えて、エネルギー戦略を決める上で不可欠な電源別発電コストですら納得できるデータが公表されていないと感じています。経済産業大臣の御見解をお伺いいたします。
 菅総理は、本年五月にフランスで開催された主要国首脳会議において、発電電力量に占める自然エネルギーの割合を二〇二〇年代のできるだけ早い時期に少なくとも二〇%を超える水準にするとの目標を掲げました。この目標は、昨年六月に改定したエネルギー基本計画において、二〇三〇年に達成するとされていた目標を大幅に前倒しするものであります。
 この新たな目標と法案の関係について伺います。
 固定価格買取り制度を導入することにより、現在は大規模水力を除けば総発電電力量の一%にとどまっている再生可能エネルギーによる発電がどの程度まで増加すると見込んでおられるのか。法案により導入される固定価格買取り制度は、二〇%目標の達成のためどの程度寄与するものなのでしょうか。
 周知のとおり、再生可能エネルギーの費用を負担するのは国民であります。また、固定価格買取り制度だけで再生可能エネルギーの導入目標を達成するとなれば、国民の負担が大きくなり過ぎることが想定されます。ほかにどのような手段により達成していく考えなのか、今後の再生可能エネルギーの普及戦略について経済産業大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、本制度の根幹である買取り価格及び買取り期間の設定の方法について伺います。
 これらの設定については経済産業大臣が定めることとされており、その際の手続の方法などについて、衆議院において決定過程の透明性を確保するための修正が行われたところであります。また、買取り価格等については、これまで住宅太陽光、事業用太陽光、太陽光以外の三つの区分により決めることが想定されてきましたが、衆議院における修正で、よりきめ細かく設定することとされました。
 一方で、太陽光や風力といった自然エネルギーの種別ごとにそのコストに基づいて買取りの価格を決めてしまうと、異なる自然エネルギー間での競争原理が働かなくなり、社会全体の効率性の観点から、いびつな形で自然エネルギーが導入されかねないとの声もあります。
 自然エネルギーを導入するためのコストが将来どこまで低減するのかを科学的知見に基づいて精査しつつ、経済効率の観点からも、自然エネルギーの最適な構成、ベストミックスを達成できるように買取り価格を設定すべきと考えます。
 経済産業大臣は現時点で買取り価格及び買取り期間の設定についてどのような考えをお持ちなのか、御見解を伺います。
 次に、国民負担の上限についてお伺いいたします。
 固定価格買取り制度では、高値で長期間買い取れば企業や家庭の負担が増大し、逆に、買取り価格が低いと導入促進が進まないとの問題が指摘されています。
 政府としては、本制度により、国民負担が過重になることは望ましいことではないとの認識から、負担総額を軽減、限定するような工夫を講じるとお聞きしております。具体的には、賦課金がキロワットアワー当たり〇・五円、家庭の月額料金で平均百五十円を超えないよう制度を運用される方向と伺っております。
 一方で、既に電気料金は、電源開発促進税が標準世帯で月平均百十二円、原発関係の再処理から廃炉、解体に至るまでの負担金が標準世帯で百七円掛かっているという試算もあります。電気料金の中に原発関係の言わば賦課金が入っているというふうに見ることもできるのだと思います。これらを合わせますと二百十九円になります。つまり、原発のためには、固定価格買取り制度で政府の考える負担軽減額の約一・五倍の額が既に課されています。
 加えて、電気代は今年に入って上昇しています。石油、液化天然ガスなどの化石燃料の値上がりによって東京電力管内の標準家庭では、九月の電気代が二月に比べて月額五百円以上高くなるとも言われています。原発の停止によって化石燃料の輸入が増えることも容易に想定されます。化石燃料の輸入や原発にかかわる負担増には歯止めがなく、自然エネルギーの上乗せだけには先に上限を付けることになりますが、国民の理解を得られるでしょうか。固定価格買取りのコストは燃料の高騰よりも安いとの声もありますが、経済産業大臣の御見解をお伺いいたします。
 結びになります。
 先日、なでしこジャパンへ団体としての初めての国民栄誉賞が授与されました。世界一に輝いたワールドカップの戦いの中で、キャプテンとしてチームを引っ張った澤穂希選手はチームメートにこのような声を掛けていたそうです。苦しいときには私の背中を見なさい。若い選手たちは、この言葉を思い出し、試合終了まで澤選手の背中を見て走り切ったのだと思います。
 政治家のリーダーシップというものを考えるとき、我々がなでしこから学ぶべきは、最後まで諦めない気持ちもさることながら、なでしこジャパン澤穂希キャプテンのような、リーダーが背中で示す統率力だったのだと感じます。
 エネルギーは国民生活そして日本産業を支える基盤です。本法案は、我が国のエネルギー構造を中長期的にどのように転換していくかという重要課題にかかわる法案であります。なでしこジャパンの快挙は私たちに大きなエネルギーを与えてくれました。本法案の成立が日本の復旧・復興、そして更なる成長へ向けての大きなエネルギーとなることへの期待を込め、私の質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣海江田万里君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 117715254X03520110824_005

発言者: 友近聡朗

speaker_id: 28377

日付: 2011-08-24

院: 参議院

会議名: 本会議