関口昌一の発言 (本会議)
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○関口昌一君 自民党の関口昌一です。
私は、自民党を代表して、再生可能エネルギー買取り法案について、関係大臣に質問いたします。
まず、この法案について、菅総理が一方的に自身の退陣条件であるとして政局にしてしまったことは大変遺憾だということを申し上げます。菅総理はここにはおりませんが、このことをどう考えているのでしょうか。本来冷静に政策論として議論すべき法案を政争の具にしたことについて猛省を促したいと思います。
では、この法案の内容についての質問に移ります。以下の質問は、特に断りのない限り、全て海江田経済産業大臣に伺います。
最初に取り上げたいのは、電気料金への影響であります。
この法案の成否にかかわらず、福島原発事故の賠償、原発停止に伴う化石燃料比率の上昇、燃料価格の上昇、CO2の排出増による排出枠の購入といった要因で電気料金は大幅な値上がりが予想されます。この法案が成立すれば、更に再生可能エネルギーの買取りコストが電気料金に転嫁されるのでありますから、我が国経済や国民生活にとっての影響は非常に大きくなります。
特に、鉄鋼や化学工業などの電力多消費産業にとっては存亡の危機につながりかねません。そのため、与野党の修正協議の結果、電力多消費産業に対し、使用量に応じて八割以上の負担軽減措置を導入することになりました。
そこで、伺いますが、軽減措置の対象となる事業所数をどの程度と見込んでいるのか、また、総額でどの程度の負担軽減となる見込みか、明確にお答えください。
この電気料金の値上げ以外にも、我が国の産業界は六重苦にあえいでいると言います。すなわち、激しい円高、高い法人税、厳し過ぎる労働規制、貿易自由化の遅れ、CO2の二五%削減目標、電力不足の六つであります。このままでは、企業の海外流出が加速し、我が国の国際競争力が損なわれ、そして多くの雇用も失われてしまいます。
この産業空洞化の危機に対し、民主党政権は全くの無策だという批判もありますが、もしそうでないなら、どのような対策を講じているのか、また、今後講じることにしているのか、伺います。
次に、家庭への影響について伺います。
電気料金の値上げは、特に低所得者にとっての負担が大きくなります。それに加えて、再生エネルギーの買取りを行うことにより、太陽光パネルを設置できる家庭とそうでない家庭の間で売電収入が得られるか否かの格差が生じてまいります。
そこで、以下四点について伺います。
まず、様々な要因を合わせると、一般家庭ではどの程度の電気料金値上がりが予想されるのでしょうか。
また、低所得者への配慮については、与野党協議を受けて衆議院の附帯決議に盛り込まれたわけでありますが、具体的に対象となる低所得者の範囲や講ずる措置の内容をどのようにお考えでしょうか。
次に、集合住宅については、法案や附帯決議に明示されておりませんが、どのような措置を講ずるおつもりでしょうか。例えば、一定規模以上であれば事業所とみなして全量買取りとすることも一案だと思いますが、いかがでしょうか。
さらに、そもそもこの法案では、住宅用は余剰分のみの買取り、その他は全量買取りとしているのはどのような理念に基づくのでありましょうか。住宅用を全量買取りにした場合にどのような不都合が生じるのかという点と併せて御説明をいただきたいと思います。
次に、太陽光パネルの普及促進について伺います。
菅総理は、五月に突然太陽光パネルを一千万戸に設置すると言い出しました。これは、担当である海江田大臣も寝耳に水だったと思います。この目標自体は、時期も示されておらず、検討に値しない、海江田大臣の言葉を借りれば、まさに鴻毛よりも軽いものだと思います。しかし、太陽光発電の普及を促進するという方向性自体には我々も異論はありませんし、海江田大臣も同様であるかと思います。
そこで、伺います。
太陽光発電の普及を促進するためには、買取り制度のみならず、太陽光パネルの設置補助といった支援措置も有効だと考えます。しかしながら、補助金制度は、過去に民主党による事業仕分で廃止されてしまいました。その判断は正しかったとお考えでしょうか。また、今後の具体的な支援策についてどのようにお考えでしょうか。
太陽光パネルの普及促進に当たっては、先行事例であるドイツやスペインの例を見ると、国内市場が安い海外製品に席巻されてしまうという状況が生じております。
我が国においても、今後、国内の太陽光パネル市場から日本企業が駆逐されてしまうことのないよう対策を講ずるべきと考えますが、政府の具体策をお教えください。
太陽光パネルの普及が進むにつれて、いずれ廃棄する際の問題も生じてまいります。製品によっては有害物質が含まれているものもあり、リサイクルシステムの確立が課題となります。これは附帯決議にも明記されておりますが、政府の確実な対応を求めたいと思います。
なお、これは設備の耐用年数が終わる十年、二十年先に対応すればよいという問題ではなく、それまでの間も、地震や火災など様々な原因で廃棄を余儀なくされる場合が出てくることを考えれば、速やかな対応が必要であると思います。
そこで、海江田大臣に伺います。
太陽光パネル等の再生可能エネルギー発電設備のリサイクルシステムの構築はいつごろまでを目途に行うつもりか、お考えをお聞かせください。
続いて、発電事業への参入の問題について伺います。
再生可能エネルギーによる発電への参入に当たっては、土地利用などの規制や漁業権などの権利調整が問題となります。これを克服するためには規制緩和や権利調整の仕組みが必要であり、附帯決議にも盛り込まれたところでありますが、今後、具体的にどのような措置を講じるおつもりか、伺います。
続きまして、政府のエネルギー政策全般について伺います。
本法案を審議するに当たっての我々の率直な思いは、エネルギー政策の根本を決めずして再生可能エネルギーの買取りのみを論じることはできないというものでありました。しかしながら、与野党での協議を経てある程度我々としても納得のいく形が見えてきたため、本法案の審議を先行させることといたしました。
菅総理は、現在のエネルギー基本計画を白紙に戻して検討するとおっしゃっております。これは我が国の国民生活、産業政策、安全保障にもかかわる重要事項でありますので、我が党も山本一太参議院議員を委員長とする総合エネルギー政策特命委員会を組織し、これまで計十九回にわたり重点的に議論を行ってまいりました。当然、政権与党である民主党におかれても更に活発な議論が行われてきたと信じますし、また、政府内でも鋭意検討が進められていることと思います。
そこで、基本計画見直しの方向性について伺います。
原子力発電を減らし再生可能エネルギーを増やす、この大まかな方向性には与野党も世論もそれほど異論はないはずですが、問題はその程度とスピードであります。将来的に原子力発電をゼロにするのか否か、また、再生可能エネルギーはいつまでにどの程度の割合を目指すのか、菅総理の個人的な考えは無視して、海江田大臣から政府として責任を持って方向性をお答えください。もし結論が出ていないようであれば、いつまでに結論を出すのか、伺います。
また、再生可能エネルギーの比率を抜本的に向上させるためには、スマートグリッド、蓄電池などの技術開発が欠かせないと考えますが、政府として再生可能エネルギーの技術開発をどのように促進していくのか、具体策を伺います。
次に、原発の再稼働と安全規制について伺います。
再稼働は、幾ら政府がやりたくても、そしてストレステストが合格であっても、地元が同意しなければできません。
そこで、今後、仮に再稼働が一切できず全ての原発が停止した場合には、我が国の経済や国民生活にどのような影響が出ると考えられるのか、御説明をいただきたいと思います。加えて、全ての原発が停止した状態で、原発以外の発電能力を増強し現在のような電力不足を解消するためにはどのぐらいの時間とコストが掛かるのか、お見通しをお聞かせいただきたいと思います。
続いて、原子力の安全規制体制について伺います。
政府は、原子力安全庁を環境省に置くことを閣議決定しましたが、なぜ環境省なのでしょうか、理由をお聞かせください。また、環境省に置くことは危機管理面などでの不安の声もありますが、それにはどのようにこたえるのでしょうか。さらに、文部科学大臣など統合に抵抗する勢力もあるやに報道されておりますが、権限の完全な一元化を行うことを確約いただきたい。以上、三点については江田環境大臣から御答弁をお願いいたします。
次に、CO2の削減目標について伺います。
京都議定書では、来年までに一九九〇年度比で六%のCO2削減が義務付けられており、達成できなかった場合には更なる排出削減や排出量取引の禁止といった罰則もあります。さらに、鳩山総理は二〇二〇年にCO2を二五%削減するという目標を掲げました。しかし、原発がこのような状況になった今、現実的に考えて、これらの目標達成は不可能ではないでしょうか。
そこで、江田環境大臣に伺います。
京都議定書の削減目標は達成できる見込みでしょうか。もし達成できない場合には、罰則はどうするのでしょうか。まさか議長国として罰則を率先して受け入れるなどということはないと思いますが、いかがでしょうか。
また、海江田大臣に伺います。
政府の試算では、二〇二〇年にCO2の二五%削減を達成するためには電力部門は何%のCO2削減が必要になるのでしょうか。また、その目標達成のために二〇二〇年度時点の電源構成をどのようにする計画なのか、伺います。
最後に、エネルギー政策をめぐる中長期的な課題について伺います。
我が国には、発送配電の分離や東西の周波数統一など、長きにわたり議論がなされているにもかかわらず、いまだに解決を見ていない問題があります。これらについて附帯決議に盛り込まれたことは大いに評価すべきと考えますが、今後、政府としてどのように取り組んでいくおつもりか、海江田大臣の見解をお聞かせください。
ここまで多くの事項について質問してまいりましたが、エネルギー政策は我が国の将来をも左右する大変重要な国家戦略であります。原子力発電の比率を大幅に上げるというこれまでの戦略が崩れた今、再生可能エネルギーの重要性はこれまで以上に大きくなっております。
本法案も、本来、もっと時間を掛けて議論すべきものであります。しかしながら、冒頭も申し上げましたとおり、菅総理が政局にしてしまったために、この会期末の時間のない中で審議を行うことになってしまいました。このことに強く私は抗議を申し上げたいと思います。
なお、この法案に対しては、与野党で修正協議を行った結果、ようやく常識的な法案になってきたということを申し上げ、私の質問に代えさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣海江田万里君登壇、拍手〕