猪口邦子の発言 (予算委員会)
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○猪口邦子君 自由民主党の猪口邦子でございます。
私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度予算三案について、反対の立場から討論をいたします。
まず、今回の東北地方太平洋沖地震によってお亡くなりになった方々、そして被災された皆様に対して心から御冥福をお祈りし、お見舞い申し上げます。また、被災地にて救助、救援等に献身的な努力を続ける自衛隊、警察、消防を始めとする全ての関係者の御尽力に心から敬意を表し、さらに、世界各国から迅速な支援いただき、感謝申し上げるのであります。
今回の大震災による犠牲や被害は甚大です。犠牲となった方、行方不明の方、合わせると二万八千人を超えるという規模です。地震、津波、原発事故、風評被害など、巨大で複合的な被害が発生したのです。
こうした事態を受け、我々自民党は、当初国会法上の休会を求めましたが、その後与党の意向を受け止め、いわゆる自然休会に応じるなど、政府の震災対応に全面的に協力してまいりました。被災者の支援と原発事故への危機管理を徹底してもらいたいとの思いからです。にもかかわらず、その後の政府の対応を見ると、司令塔の不明確さ、情報開示の不徹底、指揮命令系統の混乱、原発事故への初動の遅れとミス、危機管理意識の甘さ、さらにパフォーマンス優先とも見える場面など、愕然とすることが続いているのであります。
振り返れば、我々自民党が震災対応で与党に一生懸命協力したこととは実に対照的に、与党・政府は野党の主張に歩み寄る柔軟性を示そうともせず、実現可能でバランスの取れた政策予算を編み出そうともせず、いわゆるねじれ国会に即した政権の運営責任を全く果たそうとしませんでした。加えて、本予算は、歳入の四割を基礎付ける公債特例法を始め、予算関連法案と切り離して参議院へ送付されました。我々は、歳入の裏付けのない予算案を審議することを余儀なくされたのであります。このような不規則性は、許されざる根本問題として指摘しておかなければなりません。
以下、反対の主な理由を申し述べます。
反対の第一の理由は、未曽有の大震災の中、多額の復興財源が必要になっているにもかかわらず、所得制限のない子ども手当など、ばらまき型の政策を続行する予算となっている点であります。
そもそも民主党政権は、税収を上回る国債発行による国家予算を二年連続編成し続け、日本の国際的な信用を傷つけてきました。多額の赤字国債に頼りながらも、しかも政策目的や政策効果が不明瞭な予算で、結局デフレ経済脱却の効果も得られません。子ども手当のほか、農業の戸別所得補償、高校無償化、高速道路無料化のいわゆるばらまき四Kをそのまま計上している予算案には到底賛成できず、その財源を被災者支援と復興、防災の財源に用いるべきと考えます。
そもそもマニフェストとは、選挙の前に作成するもので、選挙で負けたら潔く民意を受け止め歩み寄って修正すべきものです。自民党は予算組替え動議をあらかじめ衆議院に出したのですから、昨年の参議院選挙の結果を踏まえ、潔く大幅修正を決心すべきであったのです。その機会を民主党は放棄した、そのことはとても残念であり、先見性の欠如を思わせます。
反対の第二の理由は、経済成長に対する決意を欠いた成長軽視の予算となっている点であります。
本予算の編成過程では、元気な日本復活特別枠が設けられ、政治主導で成長に資する事業等に予算配分の重点化が図られるはずでした。ところが、各省から寄せられた特別枠への要望には、例えば在日米軍駐留経費負担など、目的の異なるものが便宜的に含まれており、特別枠、有名無実であることが明らかになってきたのです。
反対の第三の理由は、地方軽視の予算となっている点であります。
二十二年度に二割近く削減された公共事業関係費は本予算でも更に一四%削減され、地域自主戦略交付金を含めてもピーク時に比べて半減しております。コンクリートから人へと言いますけれども、人の命を守るコンクリートもあります。
言うまでもなく、今回の震災被害からの復興には本予算に含まれた公共事業の規模では全く力不足であり、今後補正予算の編成などで公共事業は拡充されるのではないかと思っておりますけれども、この予算は全く現在の日本の優先順位を反映していません。地域自主戦略交付金も、実態は約九割が継続事業に配分され、今回地方の裁量が発揮されるのは僅か一割にすぎません。
以上、平成二十三年度予算に反対する主な理由を述べました。
今後の日本の復興のため、我々自民党は政府に協力していく所存であり、これからの補正予算の編成などを含め協力していくつもりではありますけれども、まずは、本予算に計上されたばらまき四Kなどマニフェスト関連予算、これを即時凍結することにより、一刻も早く震災対策に万全を期すよう強く求め、私の反対討論を終わります。(拍手)