2011-12-08
両院
小平忠正
東京電力福島原子力発電所事故に係る両議院の議院運営委員会の合同協議会
小平忠正の発言 (東京電力福島原子力発電所事故に係る両議院の議院運営委員会の合同協議会)
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○会長(小平忠正君) これより会議を開きます。
本日は、先ほど両院議長より正式に任命されました東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員長及び同委員の方々に御出席をいただいております。
私は、本両院議運合同協議会の会長を務めております小平忠正でございます。
この際、一言ごあいさつを申し上げます。
このたび、大変御多忙な皆様方に東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員長及び委員の要職をお引き受けいただきましたことに、本協議会を代表して厚く御礼申し上げます。
御承知のとおり、福島原子力発電所事故は、我が国のみならず、世界にとって未曾有の原子力災害であり、今もなお多くの方々が避難を余儀なくされております。早急な事故の収束とともに、事故原因を究明し、原発事故防止、被害軽減のための対策を樹立することは、我が国が取り組むべき喫緊の課題であり、それは、被災した方々を初めとした国民に対する、そして国際社会に対する我が国の責任でもあります。
そのために、国会におきましても、憲政史上初めて、国会議員以外の有識者から成る第三者機関として、事故調査委員会を設けることを全会一致で決定した次第であります。
両院合同協議会におきましては、専門分野のバランスを考慮しつつ、各分野において最も適任の皆様方を委員長及び委員に推薦させていただきました。
皆様方に、これから半年を目途に調査に取り組んでいただくに当たり、私から、協議会を代表して、事故調査委員会に対する各党共通の思いを述べさせていただきます。
まず初めに、事故調査委員会法等成立時に、両院それぞれの議院運営委員会におきまして三項目の申し合わせをいたしました。
その内容は、国会が国権の最高機関として、超党派的な見地から原発事故の原因究明等を行うことを目的とするものであることにかんがみ、第一に、両院の所属議員においては、党派的な立場から、事故調査委員会を政治的に利用し、またはこれに政治的な影響を与えてはならないこと、第二に、事故調査委員会におかれましても、与えられた使命の重大さにかんがみ、客観的な原因等の究明に努めるとともに、その調査活動の遂行に当たっては、いささかも政治的中立性に欠けるとの疑念を持たれることのないよう留意していただくこと、第三に、事故調査委員会が参考人その他の調査対象者から意見を聴取するに際しては、参考人等の置かれている立場、職務等に十分に配慮し、調査の態様及び頻度等に留意していただくこと、以上の三点であります。
次に、両院議運合同協議会幹事会において、事故調査委員会設置に当たっての基本的考え方について合意をいたしました。
その内容は六項目にわたりますが、第一に、専門家による冷静、客観的かつ科学的な、独立した徹底検証をお願いしたいということであります。
脱原発か原発推進かという結論ありきではなく、政府、関連業界、政治から独立した事故原因の客観的、科学的徹底糾明を通じ、事故に至る経緯及び原発のリスクとコスト、すなわち安全性と経済性の厳正な検証を行い、今後の我が国並びに世界の原子力政策のあり方に関する真剣な論議に資する報告を期待いたします。
第二に、目的に沿った委員会の公開をお願いいたします。
今回の目的の一つは、これまでとかく秘密主義、隠ぺい体質が指摘されてきた原子力の分野について、国民の代表たる立法府が国民の知る権利にこたえることであります。したがって、徹底的な情報公開を原則としていただきたいと存じます。ただし、究極の目的は、事故原因の究明と真相究明ですので、かかる目的を害することのないよう、公開方法、公開の是非について、本調査の目的に沿った判断を行っていただきたいと存じます。
第三に、世界的視野に立つことを重視していただきたいと存じます。
原発事故の問題は一国に限られるものではなく、世界全体の課題であり、スリーマイルやチェルノブイリ事故等の教訓を十分に参考にする必要があります。また、世界には四百四十基以上の原発があり、福島事故の真相解明は我が国の世界への責任であります。片や老朽化した原発が多数存在するとともに、新興国を中心に多くの原発の建設が予定されており、一たび原発事故があればその影響は一国にとどまるものではありません。世界全体として原発事故の再発防止のため、人類益の視点から調査に取り組むことが必要であります。
第四に、人間の安全保障を重視した調査をお願いいたします。
従来、原子力安全というと、原子炉の構造上の安全性に重点が置かれておりましたが、守るべきは人間の健康、安全と環境であります。とりわけ、チェルノブイリや福島の事故を通じて、低線量の放射線被曝が中長期的に人間の生命、健康に及ぼす影響が極めて重要であり、医学、生理学の最新の知見を踏まえつつ、人間の生命と健康を守る視点からの調査に注力することが肝要であります。
第五に、地震大国、津波大国における原発という視点からの調査をお願いします。
我が国は世界でも有数の地震大国、津波大国であることが、今回の事故でも改めて再確認されました。この点についても、地震学、津波学の最新の知見を踏まえた上での原発のあり方についての調査が必要であります。
第六に、提言に富んだ未来志向の調査をお願いいたします。
今回の、民間による委員会が国会のもとに設置をされ、独立した調査を行うという史上初の試みが、我が国の国会による行政の監視機能の充実強化に資するのみならず、日本の三権分立における国会の役割を再認識する契機ともなることにかんがみ、提言型かつ未来志向の調査を行うことを期待いたします。
以上、本協議会を代表して、各党合意による共通の思いを述べさせていただきました。
本日は、この後、皆様方から就任のごあいさつをちょうだいした後、各党の代表議員から発言を行いますが、各党が事故調査委員会に対して抱いている期待や要望、思いなどをお伝えさせていただく最初で最後の貴重な機会となろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上であります。ありがとうございました。(拍手)
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