原優の発言 (憲法審査会)

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○原(優)政府当局者 法務省民事局の原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 法務省における民法の成年年齢の引き下げに関する検討状況につきまして御報告いたします。
 日本国憲法の改正手続に関する法律の附則第三条の規定及び平成十九年十一月に開催されました政府の年齢条項の見直しに関する検討委員会における決定を踏まえまして、平成二十年二月、法務大臣から法制審議会に対し、民法の成年年齢の引き下げの当否等について諮問がされました。その諮問について検討するために、専門の部会として民法成年年齢部会が設置され、調査審議が行われたところでございます。
 民法成年年齢部会においては、各種専門家、有識者からの意見聴取や、高校生、大学生等との意見交換を実施したほか、平成二十年十二月に取りまとめました、成年年齢の引下げについての中間報告書をパブリックコメントの手続に付すなどして、国民の幅広い意見を聴取しながら検討が行われました。
 そして、合計十五回の調査審議の結果、平成二十一年七月、民法成年年齢部会において、民法の成年年齢の引下げについての最終報告書が取りまとめられました。
 法制審議会の総会におきまして、民法成年年齢部会の調査審議の結果を踏まえて二回の審議が行われまして、平成二十一年十月、法務大臣に対して答申が行われたところでございます。
 法制審議会総会の答申の概要を申し上げますと、答申は、民法の定める成年年齢については、これを十八歳に引き下げるのが適当であるが、現時点で成年年齢の引き下げを行うと、消費者被害の拡大などさまざまな問題が生ずるおそれがあるため、引き下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれなどの問題点の解決に資する施策が実現されることが必要であるとした上で、民法の定める成年年齢を十八歳に引き下げる法整備を行う具体的時期については、関係施策の効果等の若年者を中心とする国民への浸透の程度や、それについての国民の意識を踏まえて判断するのが相当であるとしております。
 ちなみに、世論調査によりますと、成年年齢を十八歳に引き下げることに約八割の国民が反対している一方で、一定の環境整備が進めば成年年齢の引き下げに賛成という者が六割を超えるという結果が出ております。
 民法の成年年齢の引き下げを行う場合の問題点を解決するための施策としては、消費者被害の拡大のおそれ等の問題点を解決する観点からは、消費者庁による消費者行政の一元化及び充実、改訂がされました学習指導要領に基づく消費者教育、法教育、金融経済教育等の充実に向けた取り組みが行われているところでございます。
 また、若年者の自立を援助する観点からは、新しい青少年育成施策大綱や、子ども・若者育成支援推進法の内容を踏まえた、若年者の総合的な支援に向けた取り組み等がされているところでございますが、これらの関係施策の効果が実際にあらわれ、国民の間に浸透するのには、ある程度の期間を要するものと考えられます。
 法務省といたしましては、法制審議会の答申をも踏まえて、法教育の充実などに努めてきたところですが、引き続き、関係省庁とも連携を図りつつ、民法の成年年齢の引き下げに必要な環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
 なお、公職選挙法の選挙年齢を引き下げるためには、民法の成年年齢も引き下げねばならないという議論がございます。
 しかし、公職選挙法の選挙年齢と民法の成年年齢は、それぞれ立法趣旨が異なり、理論的に見ても、また諸外国の立法例を見ても、必ずしも一致する必要がないものと承知しております。
 したがって、民法の成年年齢を引き下げずに公職選挙法の選挙年齢を引き下げることは可能であると考えており、むしろ、公職選挙法の選挙年齢の引き下げを先行させることによって、民法の成年年齢の引き下げに向けた国民の意識を醸成した上で、国民の理解が得られた後に民法の成年年齢を引き下げるということが、一つの有力な選択肢であると考えております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 原優

speaker_id: 12768

日付: 2012-02-23

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会